Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic Server Application Adapter for J.D. Edwards OneWorldユーザーズ・ガイド 11g リリース1(11.1.1.3.0) B61419-01 |
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Oracle WebLogic Serverは、Oracle Application Adapter for J.D. Edwards OneWorldを使用してJ.D. Edwards OneWorldシステムに接続します。Oracle Application Adapter for J.D. Edwards OneWorldを使用すると、J.D. Edwards OneWorldとの接続が可能になり、J.D. Edwards OneWorldシステム上で相互作用を実行できます。この章では、次のトピックについて説明します。
この章の内容は以下のとおりです。
Oracle Application Adapter for J.D. Edwards OneWorldは、J.D. Edwardsシステムと他のアプリケーション、データベースまたは外部ビジネス・パートナ・システムとの間でリアルタイムのビジネス・データを交換する手段を提供します。このアダプタにより、J.D. Edwardsとのインバウンド処理およびアウトバウンド処理が可能になります。
Oracle Application Adapter for J.D. Edwards OneWorldは、J2EE Connector Architecture(J2CA)1.0リソース・アダプタとしてデプロイできます。このデプロイをOracle Adapter J2CAと呼びます。また、Oracle Adapter Business Services Engine(BSE)と呼ばれるように、Webサービス・サーブレットとしてもデプロイできます。
Oracle Application Adapter for J.D. Edwards OneWorldは、XMLメッセージを使用することにより、非J.D. Edwards OneWorldアプリケーションがサービスおよびイベントを使用してJ.D. Edwards OneWorldと通信およびトランザクション交換ができるようにします。サービスおよびイベントは、次のように説明されます。
サービス: この機能を使用して、アプリケーションはJ.D. Edwards OneWorldビジネス・イベントを開始します。
イベント: この機能を使用して、アプリケーションはJ.D. Edwards OneWorldビジネス・イベントの発生時にのみJ.D. Edwards OneWorldデータにアクセスします。
イベント機能をサポートするため、チャネルがサポートされます。チャネルとは、バックエンドまたは他のタイプのシステムの特定インスタンスへの構成済の接続のことです。
チャネルは、エンタープライズ情報システム(EIS)アプリケーションからリアルタイムでイベントを受信するアダプタ・コンポーネントです。チャネル・コンポーネントは、ファイル・リーダー、HTTPリスナー、TCP/IPリスナー、またはFTPリスナーのいずれかになります。チャネルは、常にEISに固有です。アダプタでは、特定のEISに対して複数のチャネルがサポートされるため、ユーザーは、デプロイメント要件に基づいて最適なチャネル・コンポーネントを選択できます。
Oracle Application Adapter for J.D. Edwards OneWorldは、次のものを提供します。
J2CA 1.0および1.5リソース・アダプタ用のXMLスキーマおよびWSDL
BSE用Webサービス
関連項目: Oracle Application Server Adapterコンセプト・ガイド |
次の表に、サポートされているアダプタ・プラットフォームとJ.D. Edwards OneWorldプラットフォームの組合せと、組合せごとにサポートされているJ.D. Edwards OneWorld製品およびリリースを示します。
アダプタ・プラットフォーム | J.D. Edwards OneWorldプラットフォーム | J.D. Edwards OneWorld製品およびリリース |
---|---|---|
Windows、AS400、HP 9000/B、SunまたはIBM RS/6000 | Windows、AS400、HP 9000/B、SunまたはIBM RS/6000 |
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UNIXプラットフォーム上では、J.D. Edwards OneWorld用のインバウンドWSDLドキュメントを手動で生成できます。
次の項では、J.D. Edwards OneWorldの作業ユニット(UOW)について説明します。
iWayは、J.D. Edwards OneWorldのビジネス関数を個別に生成してからグループ化することをお薦めします。
ビジネス関数を個別に生成してからグループ化する操作は、J.D. Edwards OneWorldのビジネス関数に関連する経験と知識に完全に基づきます。UOWの生成に関するドキュメントはありません。
UOWに使用可能なXMLスキーマ・ドキュメント(XSD)ファイルを作成するには、次のステップを実行します。
J.D. Edwards OneWorld GUIから適切なイベントをトリガーし、イベントに基づくXML出力ファイルを生成します。
XMLファイルを使用して、XMLSPYなどのXMLエディタを使用してXSDファイルを作成します。
XSDの作成時に、XSDがSOA 11gのネームスペース要件を満たしていることを確認します。必須のネームスペース、ターゲット・ネームスペースおよびその他の項目を手動で追加します。
生成後に、UOW用のXSDファイルをリポジトリ・フォルダにコピーします。このリポジトリ・フォルダは、アプリケーション・エクスプローラを使用してJ.D. Edwards OneWorldターゲットを作成すると、ファイル・システム上で自動的に構成されます。
次の表に、Oracle Application Adapter for J.D. Edwards OneWorldに必須のライブラリ・ファイルをバージョン別に示します。
J.D. Edwards OneWorldのバージョン | 必須ライブラリ・ファイル |
---|---|
XE(B7333) | Connector.jarおよびKernel.jar |
ERP 8.0(B7334) | Connector.jarおよびKernel.jar |
EnterpriseOne 8.9(B9) | Connector.jar、Kernel.jar、jdeutil.jarおよびlog4j.jar |
EnterpriseOne 8.10 | Connector.jar、Kernel.jar、jdeutil.jarおよびlog4j.jar |
EnterpriseOne 8.11(SP1およびToolsリリース8.95) | Base_JAR.jar、Connector.jar、JdeNet_JAR.jar、log4j.jarおよびSystem_JAR.jar |
EnterpriseOne 8.12(Toolsリリース8.96 2.0) | Connector.jar、log4j.jar、Base_JAR.jar、EventProcesser_EJB.jar、EventProcesser_JAR.jar、JdeNet_JAR.jarおよびSystem_JAR.jar |
EnterpriseOne 8.12(Toolsリリース8.97 1.2以前) | Connector.jar、log4j.jar、Base_JAR.jar、EventProcesser_EJB.jar、EventProcesser_JAR.jar、JdeNet_JAR.jar、System_JAR.jar、jmxremote_optional.jar、jmxri.jar、ManagementAgent_JAR.jarおよびcommons-httpclient-3.0.jar |
EnterpriseOne 9.0(Toolsリリース8.98) | Connector.jar、log4j.jar、Base_JAR.jar、EventProcesser_EJB.jar、EventProcesser_JAR.jar、JdeNet_JAR.jar、System_JAR.jar、jmxremote_optional.jar、jmxri.jar、ManagementAgent_JAR.jarおよびcommons-httpclient-3.0.jar |
J.D. Edwards OneWorldシステムでは、これらのライブラリ・ファイルは次のフォルダにあります。
\\system\classes
Oracle Application Adapter for J.D. Edwards OneWorldを使用して、住所録や購買オーダー、受注オーダーなどのJ.D. Edwards OneWorld マスター・ビジネス関数をコールできます。また、J.D. Edwards OneWorldをJ.D. Edwards OneWorld以外のシステムと接続するための統一作業の一部として、このアダプタを使用できます。Oracle Application Adapter for J.D. Edwards OneWorldは、XMLドキュメントを受信したり、J.D. Edwards OneWorld ThinNet APIを介してXMLドキュメントをJ.D. Edwards OneWorldに渡すことで1つ以上のJ.D. Edwards OneWorldマスター・ビジネス関数(MBF)を実行することができます。
J.D. Edwards OneWorldでは、相互運用性を提供するために複数のメソッドと技術をサポートしています。次の3つのエントリ・ポイントがサポートされています。
フラット・ファイル
データベース表
マスター・ビジネス関数(MBF)対話型コール
リクエストをJ.D. Edwards OneWorldに送信できるようにOracle ASアダプタを構成します。アダプタでは、XMLドキュメントに埋め込まれているJ.D. Edwards OneWorldマスター・ビジネス関数(MBF)のリクエストを処理し、バックエンドJ.D. Edwards OneWorldシステムに転送します。結果レスポンス情報が返され、その後のルーティング用に処理されます。Oracle Application Adapter for J.D. Edwards OneWorldでは、クライアントからXMLリクエスト・ドキュメントを受信し、ターゲット企業情報システム(EIS)で特定の機能をコールできます。Oracle Application Adapter for J.D. Edwards OneWorldはリクエスト・メッセージのコンシューマとして動作し、レスポンスを返します。アダプタにより、次の機能が実行されます。
旧システム、他のEISまたはEIS以外のクライアントからのリクエストの受信
XMLリクエスト・ドキュメントをEIS固有の書式に変換
EISの基礎となる機能のコールおよびそのレスポンスの待機
EIS固有のデータ形式からXMLドキュメントへのレスポンスの変換
アダプタがJ.D. Edwards OneWorldからメッセージを受信できるように、チャネルを構成できます。チャネルが受信する情報はXMLレコードのビルドに使用され、さらなる処理のために指定した配置に転送されます。チャネルはEIS固有のメッセージのコンシューマで、レスポンスを返す場合と返さない場合があります。チャネルにより、次の機能が実行されます。
EISクライアントからのメッセージの受信
EIS固有のメッセージ書式のXMLフォーマットへの変換
J.D. Edwards OneWorldからの内部リスナーの伝播
J.D. Edwards OneWorldリスナーと外部システムの統合は、リバースの場合を除き、アウトバウンド処理と同様です。データ・エクスポート制御表では、トランザクションを外部システムと統合させる必要があるかどうかの決定が保持されます。トランザクションを統合させる必要がある場合、MBFにより、未編集のトランザクション表に対するすべての追加、変更および削除についてログ処理が行われます。トランザクション情報が表に書き込まれると、レコードのキーがMBFからサブシステム・データ・キューに送信されます。サブシステム・データ・キューでは、汎用アウトバウンド・サブシステム・バッチ処理を起動して新規レコードの処理をトリガーし、すべてのインバウンド・トランザクションを処理します。J. D. Edwardsアウトバウンド・サブシステムがデータ・エクスポート制御表にアクセスし、構成済の外部サブスクライバの実行を決定します。
J.D. Edwards OneWorldの相互運用性のフレームワーク
J.D. Edwards OneWorldを使用すると、相互運用性フレームワークを利用したシステム統合が可能です。アダプタでは、フレームワークを使用し、様々な統合アクセス・メソッドを利用して最大限の柔軟性と機能を提供します。Oracle Application Adapter for J.D. Edwards OneWorldでは、次の統合アクセス・メソッドがサポートされています。
図1-1に、アウトバウンド処理フレームワークを示します。
アダプタではJ.D. Edwards OneWorld ThinNet APIを使用して、J.D. Edwards OneWorldアプリケーションと通信します。ThinNet APIを使用すると、アダプタで、1つ以上のMBFを単一の作業単位(UOW)で実行できます。いずれかのMBFが失敗した場合、部分的な更新を避けるためにUOW全体が失敗します。アダプタによりMBFが実行されるため、データ検証、ビジネス・ルールおよび基礎となるデータベースとの通信はJ.D. Edwards OneWorldアプリケーションにより処理されます。
図1-2に、インバウンド処理フレームワークを示します。
アウトバウンド処理では、指定のMBFがJ.D. Edwards OneWorld環境で実行されるとイベントを開始します。MBFにより、イベントの必須情報が適切なインタフェース表へ書き込まれ、イベントの発生がサブシステムBatch Function(BF)に通知されます。サブシステムBFにより、サブシステム・データ・キューにイベントに関するエントリが配置されます。J.D. Edwards OneWorldアウトバウンド・サブシステムはデータ・キュー・エントリを受信すると、通知のために外部処理用のデータ・エクスポート制御表を検索します。J.D. Edwards OneWorldアウトバウンド・サブシステムにより、通知付きでOracle Application Adapter for J.D. Edwards OneWorldリスナーがコールされます。リスナーにより通知がジェネレータに渡されます。ジェネレータは、J.D. Edwards OneWorld ThinNet APIを使用し、インタフェース表から適切な情報を取得します。
Oracle Application Adapter for J.D. Edwards OneWorldは、次のいずれかのコンポーネントとともにアプリケーション・エクスプローラを使用します。
Oracle Adapterアプリケーション・エクスプローラ(アプリケーション・エクスプローラ)
アプリケーション・エクスプローラは、データベース接続の構成やWebサービスおよびイベントの作成に使用します。それを、BSEまたはEnterprise Connector for J2EE Connector Architecture(J2CA)とともにWebサービス環境で動作するように構成できます。J2CA環境で動作する場合、コネクタではWebサービスのかわりにアダプタを使用して迅速な統合サービスを行うため、Common Client Interface(CCI)を使用します。BSEおよびJ2CA用コネクタは、アプリケーション・エクスプローラおよびアダプタ付属のアプリケーション・サーバーにデプロイされます。
アプリケーション・エクスプローラでは、ビジネス関数をJ.D. Edwardsシステムで参照するためにエクスプローラ・メタファを使用します。アプリケーション・エクスプローラを使用すると、関連付けられたビジネス関数用のXMLスキーマおよびWebサービスを作成できます。
リソース・アダプタ
Oracle Application Adapter for J.D. Edwards OneWorldは、リソース・アダプタとも呼ばれるJ2CAベースのコンポーネントです。リソース・アダプタを使用すると、本来相互通信できるように設計されていなかったアプリケーションに接続できます。アダプタは双方向であるため、企業情報システム(EIS)にリクエストを送信でき、EISで発生したイベントについても通知を受信できます。
Oracle WebLogic Server Adapter Business Services Engine(BSE)アーキテクチャ
図1-3に、パッケージされているアプリケーションのOracle Webサービス・アダプタ用の汎用アーキテクチャを示します。このアダプタは、J2EEアプリケーション・サーバーでWebコンテナにデプロイすることにより、BSEと連携します。
図1-3 Oracle Adapter Business Services Engine(BSE)アーキテクチャ
注意: BSE用のファイル・リポジトリは本番環境では使用しないでください。 |
BSEとともにデプロイされるデザインタイム・ツールのアプリケーション・エクスプローラを使用して、アダプタ接続の構成、EISオブジェクトの参照、サービスの構成およびEISイベントをリスニングするリスナーの構成ができます。これらの操作の実行中に作成されるメタデータは、BSEによりリポジトリ内に格納されます。
BSEは、クライアントからリクエストの受信、EISとの対話、EISからのレスポンスのクライアントへの返信にSOAPをプロトコルとして使用します。
Oracle WebLogic Server Adapter汎用J2CAアーキテクチャ
図1-4に、パッケージされているアプリケーションのOracle J2CAアダプタ用の汎用アーキテクチャを示します。J2CAコネクタは標準のJ2CAコンテナにデプロイされ、アダプタへのホスト・コンテナとして機能します。コネクタは、リポジトリで構成されます。
アプリケーション・エクスプローラは、コネクタとともに動作する設計ツールで、これを使用して、アダプタ接続の構成、EISオブジェクトの参照、サービスの構成、およびEISイベントをリスニングするリスナーの構成を行います。これらの操作中に作成されるメタデータは、コネクタによりリポジトリに格納されます。リポジトリにはファイル・システムまたはOracleデータベースを使用できます。それはRARファイルとしてデプロイされ、ra.xml
と呼ばれる関連デプロイメント・ディスクリプタを持っています。Oracle WebLogic Serverデプロイメント・ディスクリプタのra.xml
を編集することにより、複数のコネクタ・ファクトリを作成できます。詳細は、第3章「Oracle WebLogic Serverのデプロイメントおよび統合」を参照してください。
ビジネス関数の処理
Oracle Application Adapter for J.D. Edwards OneWorldでは、J.D. Edwards ThinNet APIを介して、J.D. Edwards OneWorldビジネス関数を処理できます。APIを使用すると、複雑で非実用的なバッチ処理を作成する必要がありません。さらに、リスナーがTCP接続を介して定義されているため、IBM MQSeries、FileまたはHTTPなどのトランスポート層は必要ありません。Oracle Application Adapter for J.D. Edwards OneWorldを介してJ.D. Edwards OneWorldにアクセスする外部アプリケーションは、XMLスキーマまたはWebサービスを使用して、外部アプリケーションとアダプタとの間でデータを渡します。第2章「Oracle Application Adapter for J.D. Edwards OneWorldの構成」では、アプリケーション・エクスプローラを使用して、アダプタを使用したJ.D. Edwardsマスター・ビジネス関数(MBF)用XMLスキーマとWebサービスを作成する方法について説明します。
Oracle Application Adapter for J.D. Edwards OneWorldをOracle SOA Suiteコンポーネント(たとえば、BPEL、メディエータ、BPMまたはOSB)とともに使用する場合、次の点に注意してください。
Oracle Adapter J2CAデプロイメントのみ、Oracle SOA Suiteコンポーネントとのインバウンド統合(イベント通知)がサポートされます。
Oracle Adapter J2CA and BSEデプロイメントでは、Oracle SOA Suiteとのアウトバウンド統合(リクエスト/レスポンス型サービス)がサポートされます。
BSEとOracle Adapter J2CAのデプロイメント間の差異には、次の2つの要素があります。これらの要素を理解することは、デプロイメント・オプションの選択に役立ちます。
BSEには次の利点があります。
Oracle WebLogic Serverの個別のインスタンスでデプロイできます。
優れた負荷分散を提供します。
アプリケーションの構築について、Service Oriented Architecture(SOA)モデルにより厳密に準拠します。
Oracle Adapter J2CAの方がBSEよりもわずかに高いパフォーマンスが得られます。