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Oracle® Fusion Middleware Oracle Service Bus管理者ガイド
11g リリース1(11.1.1.3)
B61436-01
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E SNMPコンポーネント

簡易ネットワーク管理プロトコル(SNMP)は、リソースの管理に関する情報をネットワーク上で交換できるようにするアプリケーション層プロトコルです。SNMPにより、リソースをモニターし、必要に応じて、リソースから取得したデータに基づいて処理を行うことができます。Oracle Service Busでは、SNMP version 1とSNMP version 2の両方がサポートされています。SNMPは、以下のコンポーネントで構成されます。

SNMPの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server SNMP管理ガイド』を参照してください。

E.1 管理対象リソース

このリソースは、モニター対象のリソースです。リソースとその属性が管理情報ベース(MIB)に追加されます。

E.2 管理情報ベース

MIBは、モニター対象のすべてのリソースを階層的に格納するデータ構造です。それはリソースの属性も格納します。各リソースには、オブジェクト識別子(OID)と呼ばれる一意の識別子が割り当てられます。SNMPコマンドを使用してリソースの管理に関する情報を取得できます。次の項では、Oracle WebLogic Server MIBについて説明します。

Oracle Weblogic Serverインストーラは、次の場所にMIBのコピーを作成します。

MW_HOME/WL_ORACLE_HOME/server/lib/BEA-WEBLOGIC-MIB.asn1

Oracle WebLogic Serverは、その管理システムに非常に多くのデータ・ポイントを公開します。それは、このデータを整理するために、階層データ・モデルを使用して、ドメイン内で使用できるサービスとリソースの集合を表します。図E-1は、MIB内のオブジェクトの階層を示しています。

図E-1 MIB内のオブジェクトの階層

図E-1の説明が続きます
「図E-1 MIB内のオブジェクトの階層」の説明

たとえば、ドメイン内にMS1およびMS2という2つの管理対象サーバーを作成した場合、MIBには、1つのserverTableオブジェクトが含まれ、このオブジェクトに1つのserverNameオブジェクトが含まれます。さらに、serverNameオブジェクトには、値MS1とMS2をそれぞれ格納する2つのインスタンスが含まれます。MIBは、各管理対象オブジェクトにオブジェクト識別子(OID)と呼ばれるユニークな番号を割り当てます。

OIDは一度割り当てられると変更できません。各OIDは一連の整数から構成されています。この整数の配列は、MIBツリー内でのオブジェクトの場所を定義しています。パスの各ノードは、番号とそれに関連付けられた名前を持っています。

Oracle WebLogic Server MIBの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server SNMP管理ガイド』を参照してください。

E.2.1 SNMPエージェント

各管理対象リソースは、SNMPエージェントを使用してMIB内の関連情報を更新します。これを行うには、管理対象リソース内で特定の条件を検出し、SNMPマネージャにトラップ通知(レポート)を送信するようにSNMPエージェントを構成する必要があります。以下のいずれかの方法でトラップを生成するように、SNMPエージェントを構成できます。

  • 自動:サーバーの起動またはサーバーのシャット・ダウンなどのイベントのトラップを生成するようにSNMPエージェントを構成します。

  • ログ・メッセージの使用:フィルタを使用して、特定のログ・メッセージを検出し、トラップを生成するようにSNMPエージェントを構成します。

  • トラップのモニター: JMX APIクライアントを作成し、属性の変更をモニターして、トラップを生成するようにSNMPエージェントに通知します。属性の変更をモニターするようにSNMPエージェントを構成することもできます。JMX APIクライアントの詳細は、付録D「JMXモニタリングAPI」を参照してください。

E.2.2 SNMPマネージャ

SNMPマネージャはSNMPエージェントを制御します。また、SNMPマネージャは、ネットワーク管理システムへのプライマリ・インタフェースでもあります。

E.2.3 ネットワーク管理システム(NMS)

ネットワーク管理システムはユーザーとのインタフェースを形成します。SNMPマネージャを使用してデータを収集し、ユーザーに示します。

E.3 SNMPトラップ宛先の作成および使用

この項では、既存のOracle WebLogicドメイン内にSNMPトラップ宛先を作成および使用して、Oracle Service Busが生成したSNMPトラップを取得する方法を説明します。

  1. Oracle WebLogic Serverコンソールで、構成をロックおよび編集します。

  2. 「診断」「SNMP」を選択します。

  3. 「ドメイン・スコープ指定のSNMPエージェント」テーブルで、ドメイン名をクリックします。

  4. 「ドメインSNMPエージェント」ページで、「有効」を選択します。

  5. 「SNMP UDPポート」が161に設定されていることを確認します(161がそのマシンの他のサービスによって使用されている場合、別の適切な番号を設定します)。

    Solarisの場合、この手順の最後にある注意を参照してください。

  6. 「保存」をクリックします。

  7. 「トラップ宛先」タブを選択し、「新規」をクリックします。

  8. 次の設定を入力します。

    • 名前: alsbDestination-0

    • コミュニティ: weblogic

    • ホストとポート: localhostと163など、SNMPマネージャがアラートをリスニングしているホストとポートを指す値を設定します。

  9. 「OK」をクリックします。

    手順を繰り返して、必要な数のトラップ宛先を作成します。

  10. Oracle WebLogic Server Consoleで、変更のアクティブ化を行います。

  11. コマンド・ウィンドウで、ディレクトリをWL_ORACLE_HOME/server/binに移動し、次のコマンドを実行します。

    setWLSEnv.cmd(.sh)
    
  12. 次のJavaコマンドを実行し、トラップをリスニングしてコンソールに出力する(トラップのリスニング・ポートに163を使用)、Oracle WebLogic Server SNMPコマンド・ライン・ユーティリティを起動します。

    java weblogic.diagnostics.snmp.cmdline.Manager SnmpTrapMonitor -p 163
    

    それ以降、Oracle Service Bus内で生成されたトラップは、トラップをリスニングしている実行中のコマンド・ライン・ユーティリティにアクセスする必要があります。


    注意:

    Solarisの場合、ポート番号0から1023は、ルート・ログイン用に予約されています。この手順で使用したようにポート161および163を使用すると、ルート・ログインを使用して、サーバーおよびコマンド・ライン・ユーティリティを起動する必要があります。この問題を回避し、ルート・ログインを使用しないようにするには、SNMPエージェントとSNMPマネージャのコマンドの両方に、1023より大きいポート番号を指定します。