この節では、Oracle Smart Updateに関する制限事項について示します。可能な場合は、回避策を示します。
注意: Oracle Fusion Middleware 11gR1リリースから、BEA_HOMEにかわってMW_HOMEが新たに使用されています。 |
この項では、Oracle Smart Updateに関する次のような一般的問題と回避策について説明します。
Smart Updateでサポートされていない製品のバージョン文字列がレジストリに存在すると、Smart Update 3.1の終了時にエラーが発生する
WebLogic Server 10.3.2にアップグレードした後、ダウングレード・オプションがSmart Updateに表示されない
WebLogic Serverの初期インストール時にOracle Configuration Manager (OCM)を構成しなかった場合、Smart Updateの実行中にWebLogic Serverインストールのホームを選択すると、OCMを構成するかどうかを選択できる画面が表示されます。「セキュリティ更新のための登録」画面で「セキュリティ更新をMy Oracle Supportから受けとります」オプションの選択を解除して、OCMを構成しないことを選んでも、このオプションの状態はアクティブのまま変わりません。そのため、「確認」ダイアログ・ボックスと「セキュリティ更新のための登録」画面が交互に表示され続けます。
回避策
この問題には、いくつかの回避策があります。
プロキシを使用していない通常の環境では、オプションが選択された状態のまま、電子メール・アドレスを指定せずに、「続行」をクリックします。「電子メール・アドレスが提供されていません。構成内のクリティカルなセキュリティ問題を非通知のままにしますか。」というメッセージが表示されます。「はい」をクリックして、OCMを構成せずに続行します。
プロキシを使用している環境では、「続行」をクリックすると、プロキシの詳細を入力するよう求められます。プロキシ・サーバーとポートの情報を入力し、「続行」をクリックして、「確認」ダイアログ・ボックスで「はい」をクリックします。
Windowsの閉じるボタン(X)を使用して「セキュリティ更新のための登録」画面を閉じ、続行します。
Smart Updateでサポートされていない製品(Oracle Tuxedoなど)のバージョン文字列がレジストリに存在し、サポートされていない製品とWebLogic Serverが同じミドルウェア・ホームに位置している場合は、Smart Update 3.1の終了時にエラーが発生します。
このエラーが発生するのは、たとえば、Oracle Tuxedoに依存するPeopleSoftがインストールされたマシンで、Smart Updateを実行する場合です(Smart UpdateはOracle Tuxedoをサポートしていません)。
この問題を回避するには、Smart Update 3.2.1にアップグレードします。Smart Update 3.2.1では、サポートされていない製品のバージョン文字列が無視されます。
Smart Update 3.2.1にアップグレードするには、次の手順を実行します。
beahomelist
ファイルの名前をbeahomelist_
に変更します。
Windowsの場合、beahomelist
ファイルは${SystemDrive}\bea
フォルダにあります。LinuxとUNIXの場合、beahomelist
ファイルは${HOME}\bea
フォルダにあります。
Smart Updateを起動します。
新しいバージョンのツールがダウンロードされ、Smart Updateのアップグレードが自動的に行われます。
Smart Updateを終了します。
beahomelist_
ファイルの名前をbeahomelist
に戻します。
Macintoshマシンでは、十分なヒープ・メモリーがデフォルトで割り当てられないため、Smart Updateを実行できません。
この問題を回避するには、MW_HOME
/utils/bsu
フォルダにあるbsu.shスクリプトを変更して、Javaヒープ・メモリーを増やします。
次のコードは、ヒープ・メモリーを増やすために編集する必要があるスクリプト行を示しています。編集後の値は太字で表されています。
"$JAVA_HOME/bin/java" -Xms64m -Xmx256m -jar patch-client.jar $*
この問題は、MS Windowsプラットフォームのみに該当します。
ノード・マネージャの実行中に、Smart Updateを使用したパッチの適用または削除、あるいはミドルウェア・ホームへの増分インストールを行うと、例外com.bea.plateng.patch.PatchInstallationException
がスローされます。
ノード・マネージャの実行中、プロセスはファイルweblogic_patch.jar
をロックします。その結果、weblogic_patch.jar
の更新に失敗するため、パッチのインストールや削除が正常に行えません。
この問題を回避するには、同じミドルウェア・ホームから増分インストールまたはSmart Updateの起動を行う際に、ノード・マネージャを停止します。
WebLogic Integrationをコマンド・ライン・モードでインストールし、インストールの正常な完了後にパッチを自動的に適用するよう選択(オプション1を選択)した場合、インストーラはWebLogic Server、Workshop for WebLogicおよびWebLogic Portalにパッチを自動的に適用します。WebLogic Portalがインストールされているかどうかはチェックしないため、WebLogic Portalがインストールされていない場合でもWebLogic Portalのパッチが適用されます。
後でWebLogic Portalをインストールすると、インストーラによってパッチが上書きされてしまいますが、Smart Updateにはパッチが適用されていると表示されます。
この問題を回避するには、パッチをアンインストールしてからWebLogic Portalをインストールし、その後で、Smart Updateを使用してWebLogic Portalパッチを適用します。
無効なパッチの詳細を表示すると、代替パッチのIDが示されていることがあります。しかし、後でその代替パッチがMy Oracle Supportによって無効に指定されても、このIDは更新されず、無効なパッチを示したままになります。
この問題の回避策は、My Oracle Supportにお問合せください。
Smart Updateで生成されるパッチ・プロファイル・メンテナンス・スナップショット・ファイルは、メモ帳などの一般的なテキスト・エディタで表示すると読みにくくなります。スナップショット・ファイルには通常の改行文字が含まれていないため、列の表示が崩れ、容易に解読できません。
この問題を回避するには、ワードパッド、TextPadなどのテキスト・エディタを使用してファイルを表示します。このファイルをMy Oracle Supportに送付する場合、書式を整える必要はありません。
Smart Updateグラフィカル・インタフェースの使用中、まれに次の例外が表示されることがあります。
java.util.ConcurrentModificationException at java.util.TreeMap$PrivateEntryIterator.nextEntry(TreeMap.java:1031) at java.util.TreeMap$KeyIterator.next(TreeMap.java:1058) at com.bea.plateng.patch.gui.PatchStoreTableModel.getRowCount(PatchStoreTableModel.java:199)
この例外は無視してもかまいません。
コンポーネントをアンインストールした場合に、そのコンポーネントに関連付けられたパッチが自動的に削除されません。パッチのアーティファクトはアンインストール中に削除されますが、パッチ自体は適用されたままとなります。
この問題を回避するには、アンインストールの前に、Smart Updateを使用してコンポーネントに関連付けられているパッチを削除します。
Smart Updateのグラフィカル・インタフェースとコマンド・ライン・インタフェースの両方を同時に使用している場合、コマンド・ライン・インタフェースから適用したパッチは、GUIの表示をリフレッシュしてもGUIには反映されません。
この問題を回避するには、Smart UpdateのGUIを終了して再起動し、新しいパッチを表示します。
アップグレード・インストーラまたはSmart Updateを使用してWebLogic Server 10.3.1からWebLogic Server 10.3.2へのアップグレードを実行した後、(WebLogic Serverアンインストーラのロールバック・オプションまたはSmart Updateを使用して)10.3.1リリースにロールバックすると、次の問題が発生します。
WebLogic Serverは起動しますが、検証エラーが発生
管理コンソールへのアクセス不可(ブラウザに500エラーが表示される)
10.3.0から10.3.2にアップグレードし、10.3.0にロールバックした場合、これらの問題は発生しません。
回避策
現在判明している唯一の回避策は、元のWebLogic Server 10.3.1インストールを復元することです(バックアップが取ってある場合に限ります)。
WebLogic Server 10.3.0または10.3.1がWorkShop for WebLogicコンポーネントとともにインストールされている場合に、Smart Updateを使用してWebLogic Server 10.3.2にアップグレードすると、10.3.2から旧リリースにロールバックするためのダウングレード・オプションがSmart Updateに表示されなくなります。
注意: この問題は、WebLogic ServerインストールにWorkshop for WebLogicコンポーネントが含まれていない場合には発生しません。 |
回避策
WebLogic Serverアンインストーラを実行し、ロールバック・オプションを選択して、元のWebLogic Server 10.3.0または10.3.1のインストールにロールバックします。WebLogic Serverアンインストーラの実行方法の詳細は、Oracle WebLogic Serverインストレーション・ガイドを参照してください。