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Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managementインストレーション・ガイド
11gリリース1(11.1.1)
B55911-02
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4.1 OID、OVD、ODSM、ODIPおよびOIF

この項の内容は次のとおりです。

4.1.1 インストールの開始

このトピックでは、大部分のOracle Identity Managementのインストールと構成を開始するための共通手順を説明します。手順の最初はインストーラの起動で、最後は前提条件チェック画面での手順です。


注意:

rootユーザーとしてのインストーラの起動は、サポートされていません。

Oracle Identity Managementのインストールを開始するには、次の手順を実行します。

  1. 次のいずれかのコマンドを実行して、インストーラを起動します。

    UNIX: ./runInstaller

    Windows: DRIVE:\setup.exe

    インストーラが起動すると、「ようこそ」画面が表示されます。

  2. 「ようこそ」画面で「次へ」をクリックします。「インストール・タイプの選択」画面が表示されます。

  3. インストール - 構成なしを選択し、「次へ」をクリックします。前提条件チェック画面が表示されます。

  4. 前提条件チェックを監視します。

    • 問題がある場合、エラー・メッセージまたは警告メッセージが表示されます。問題を調査して、解決します。問題を解決したら、「再試行」をクリックして前提条件チェックを再開します。


      注意:

      「続行」をクリックすることで、問題を解決せずにインストールを続行することもできます。ただし、前提条件チェックで問題を解決できないことにより、インストールの後半で追加の問題が発生する可能性があります。

    • すべての前提条件チェックに合格したら、「次へ」をクリックします。

    ソフトウェアのインストール後、Oracle Identity Management構成ウィザードを実行してOracle Identity Managementコンポーネントを構成できます。構成ウィザードを開始するには、次のコマンドを実行します。

    • UNIXの場合: <Oracle_Home>/bin/config.sh

    • Windowsの場合: <Oracle_Home>\bin\config.bat

    ドメインの選択画面が表示されます。このドキュメントで、実行するインストールに対応する手順を参照して作業を続行します。

4.1.2 インベントリ・ディレクトリの作成(UNIXのみ)

UNIXシステムへのインストールの場合、これがOracle Universal Installerを使用して初めてOracle製品をインストールするのであれば、インベントリ・ディレクトリの場所を指定するように求められます。このディレクトリに、インストーラによってサブディレクトリが設定され、このシステムにインストールされる各Oracle製品のインベントリ・データが維持されます。

表4-1の手順に従い、インベントリ・ディレクトリ情報を構成します。

表4-1 インベントリ・ディレクトリおよびグループ画面

画面 説明

インベントリ・ディレクトリの指定

Oracleインベントリ・ディレクトリと、そのディレクトリのグループ権限を指定します。グループは、Oracleインベントリ・ディレクトリへの書込み許可をもっている必要があります。

「OK」をクリックして続行します。

インベントリの場所の確認

createCentralInventory.shスクリプトをrootで実行します。

「OK」をクリックして続行します。



注意:

中央インベントリを使用しない場合、oraInst.locファイルを作成し、インベントリのカスタムの場所を追加し、次のコマンドを使用してrunInstallerを実行します。

runInstaller -invPtrLoc <full location to oraInst.loc>


4.1.3 インストール先ディレクトリの識別

このトピックでは、Oracle Identity Managementの大部分のインストールと構成で識別する必要があるディレクトリについて説明します。特定のインストーラ画面の説明ではありません。インストール時には、このトピックで説明しない他のコンポーネント固有のディレクトリも識別する必要があります。

この項で説明される共通のディレクトリは、次のとおりです。

4.1.3.1 Oracleミドルウェア・ホームの場所

Oracleミドルウェア・ホーム・ディレクトリの場所を識別します。インストーラは、このフィールドで識別したOracleミドルウェア・ホームの下位に、インストールするコンポーネントのOracleホーム・ディレクトリを作成します。また、インストーラにより、Oracleミドルウェア・ホームの下に共通のOracleホーム・ディレクトリが作成されます。共通のOracleホームには、Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware ControlおよびJava Required Files(JRF)に必要なバイナリおよびライブラリ・ファイルが含まれています。各Oracleミドルウェア・ホームの下には、共通のOracleホーム・ディレクトリは1つしか作成できません。

Oracleミドルウェア・ホーム・ディレクトリは、一般にMW_HOMEと呼ばれます。


注意:

Oracle Identity Managementコンポーネントを既存のOracle WebLogic Server管理ドメインにインストールする場合、ドメイン内の各Oracleミドルウェア・ホーム・ディレクトリはディレクトリ・パスおよび名前が同一である必要があります。

4.1.3.2 Oracleホーム・ディレクトリ

コンポーネントのOracleホーム・ディレクトリの名前を入力します。インストーラは、このフィールドで入力した場所を使用して、「Oracle Middlewareホームの場所」フィールドに入力した場所の下位にOracleホーム・ディレクトリを作成します。インストーラは、コンポーネントをホストするために必要なファイル(バイナリ、ライブラリなど)を、Oracleホーム・ディレクトリにインストールします。

Oracleホーム・ディレクトリは、一般にORACLE_HOMEと呼ばれます。


注意:

Oracle Identity Managementコンポーネントを既存のOracle WebLogic Server管理ドメインにインストールする場合、ドメイン内の各Oracleホーム・ディレクトリはディレクトリ・パスおよび名前が同一である必要があります。

4.1.3.3 WebLogic Serverディレクトリ

Oracle WebLogic Serverホーム・ディレクトリのパスを入力します。このディレクトリには、Oracle WebLogic Serverをホストするために必要なファイルが含まれます。それは、一般にWL_HOMEと呼ばれます。


注意:

Oracle Identity Managementコンポーネントを既存のOracle WebLogic Server管理ドメインにインストールする場合、ドメイン内の各Oracle WebLogic Serverホーム・ディレクトリはディレクトリ・パスおよび名前が同一である必要があります。

4.1.3.4 Oracleインスタンスの場所

Oracleインスタンスのディレクトリを作成する場所のパスを入力します。インストーラは、このフィールドに入力した場所と、「Oracleインスタンス名」フィールドに入力した名前を使用して、Oracleインスタンスのディレクトリを作成します。ファイルが含まれている既存のディレクトリのパスを入力しないでください。既存のディレクトリへのパスを入力する場合、そのディレクトリは空である必要があります。

インストーラは、Oracleインスタンスのディレクトリに、コンポーネントの構成ファイルと実行時プロセスをインストールします。実行時コンポーネントは、このディレクトリのみに書き込まれます。Oracleインスタンスのディレクトリには、システム上の任意の場所を特定することができます。Oracleミドルウェア・ホーム・ディレクトリになくてもかまいません。

4.1.3.5 Oracleインスタンス名

Oracleインスタンスのディレクトリ名を入力します。インストーラは、このフィールドに入力した名前を使用して、「Oracleインスタンスの場所」フィールドで指定した場所に、Oracleインスタンスのディレクトリを作成します。このディレクトリは、一般にORACLE_INSTANCEと呼ばれます。

インスタンス名が重要なのは、Oracle Fusion Middlewareでインスタンスを一意に識別するのに使用されるためです。複数のOracle Fusion Middlewareインスタンス(たとえば、Oracle Identity ManagementインスタンスとOracle WebLogic Serverインスタンス)を同一のコンピュータにインストールする場合、異なる名前を付ける必要があります。

Oracleインスタンスのディレクトリとして入力する名前は、次の条件を満たす必要があります。

  • 英数字とアンダースコア(_)文字のみを含みます。

  • 先頭は英字です(a-zまたはA-Z)。

  • 4〜30字です。

  • コンピュータのホスト名またはIPアドレスを含みません。


注意:

インストール後に、Oracleインスタンス名を変更することはできません。

4.1.4 ポート番号の決定

既存のOracle Identity Management 11gリリース1(11.1.1)コンポーネントに対してOracle Identity Management 11gリリース1(11.1.1)コンポーネントをインストールする場合、既存のコンポーネントのポートを識別する必要があることがあります。たとえば、既存のOracle Internet Directory 11gリリース1(11.1.1)コンポーネントに対してOracle Directory Integration Platform 11gリリース1(11.1.1)をインストールする場合、Oracle Directory Integration Platformをインストールするときに、Oracle Internet Directoryのポートを識別する必要があります。

使用ポートに関する情報を取得するには、次のものを使用します。

  • WebLogic Server管理コンソール。

    管理コンソールにログインします。「環境」の下の「サーバー」をクリックすると、管理サーバーおよび管理対象サーバーが使用しているポートが表示されます。

  • $ORACLE_INSTANCE/config/OPMN/opmn/ports.prop


    注意:

    インストール後にコンポーネントのポート番号を変更しても、ports.propファイルは更新されません。

  • OPMNが管理するコンポーネントのポート番号を参照する場合は、$ORACLE_INSTANCE/bin/opmnctl status -lコマンド

4.1.5 インストールの完了

このトピックでは、大部分のOracle Identity Managementのインストールと構成を完了するための共通手順を説明します。最初は「インストール・サマリー」画面の手順で、最後は「インストール 完了」画面です。

「インストール・サマリー」画面が表示されたら、次の手順を実行してインストールを完了します。

  1. 「インストール・サマリー」画面でインストールと構成に関する情報を確認します。

    • 「保存」をクリックしてインストール用のレスポンス・ファイルを臍成します。このファイルには、インストーラの入力要求やフィールドへのレスポンスが含まれます。このレスポンス・ファイルは、サイレント・インストールを実行するために使用できます。詳細は、付録B「サイレント・インストールの実行」を参照してください。


      注意:

      インストール用のレスポンス・ファイルはデフォルトでは保存されません。保持するには「保存」をクリックする必要があります。

    • 「インストール」をクリックします。「インストールの進行状況」画面が表示されます。

  2. インストールの進行状況を監視します。インストール・ログ・ファイルの場所が、参照のためにリストアップされます。インストールの進行状況が100%に到達すると、構成の進行状況画面が表示されます。


    注意:

    UNIXシステムでは、インストール後、進行状況が100%に到達すると、確認のダイアログ・ボックスに、oracleRoot.shスクリプトに関する情報が表示されます。「UNIXプラットフォームでのoracleRoot.shスクリプトの実行」で説明したとおり、異なるターミナルでスクリプトを実行して、構成の進行状況画面の作業を続行します。

  3. 構成の進行状況を監視します。構成ログ・ファイルの場所が、参照のためにリストアップされます。構成の進行状況が100%に到達すると、「インストール 完了」画面が表示されます。

  4. デフォルトで、インストールのサマリー・ファイルは、OUI_INVENTORY/logs/ディレクトリに保存されます。このファイルは管理を開始する際に役立ちます。ファイル名の形式は、installSummaryDATE.txtです。このファイルには、管理コンポーネントのインストール・ディレクトリの場所やURLなど、構成に関する情報が含まれます。

    必要に応じて、「インストール完了」画面の「保存」ボタンをクリックして、ファイルの名前および場所を変更できます。

    「終了」をクリックして、インストーラを終了します。

4.1.6 オプション: Oracle WebLogic Serverの最大ヒープ・サイズの最小値の構成

Oracle Identity Management 11gリリース1(11.1.1)のインストール後、Oracle WebLogic ServerがOracle Identity Managementコンポーネントをホストするために必要な最大ヒープ・サイズ(-Xmx)の最小(最低)レベルを構成する場合、この項の手順を実行してください。


注意:

これはオプションのステップで、一般にはテスト、開発、またはデモ環境でのみ実行されます。

最大ヒープ・サイズの最小(最低)レベルは次のとおりです。

  • Oracle WebLogic Administration Server: 512MB

  • Oracle WebLogic Managed Server: 256MB

Oracle WebLogic Administration ServerおよびOracle WebLogic Managed Serverのヒープ・サイズを構成するには、次の手順を実行します。

  1. MW_HOME/user_projects/domains/DOMAIN_NAME/bin/ディレクトリ内のsetDomainEnvスクリプト(.shまたは.bat)を開きます。

  2. 最後に出てくるEXTRA_JAVA_PROPERTIESエントリを見付けます。

  3. 最後に出てくるEXTRA_JAVA_PROPERTIESエントリ内で、最後に出てくるヒープ・サイズ・パラメータ(-Xmx-Xmsなど)を見付けます。


    注意:

    これらは、Oracle WebLogic Administration Serverのヒープ・サイズ・パラメータです。

  4. Oracle WebLogic Administration Serverのヒープ・サイズ・パラメータ(-Xmsおよび-Xmx)を必要に応じて設定します。たとえば、-Xms256mおよび-Xmx512mのように設定します。

  5. Oracle WebLogic Managed Serverのヒープ・サイズ・パラメータを設定するには、最後に出てくるEXTRA_JAVA_PROPERTIESエントリの直後に例4-1のテキストを入力し、次の手順を実行します。

    • ヒープ・サイズ・パラメータ(-Xmsおよび-Xmx)を必要に応じて設定します。たとえば、-Xms256m -Xmx256mのように設定します。

    • wls_ods1を、Oracle Directory Services ManagerをホストしているOracle WebLogic Managed Serverの名前に置き換えます。

    • wls_oif1を、Oracle Identity FederationをホストしているOracle WebLogic Managed Serverの名前に置き換えます。

    例4-1 Oracle WebLogic Managed Serverのヒープ・サイズ・パラメータ

    if [ "${SERVER_NAME}" = "wls_ods1" -o  "${SERVER_NAME}" = "wls_oif1" ] ; then
            EXTRA_JAVA_PROPERTIES=" ${EXTRA_JAVA_PROPERTIES} -Xms256m -Xmx256m "
            export EXTRA_JAVA_PROPERTIES
    fi
    
  6. setDomainEnvスクリプトを保存して閉じます。

  7. Oracle WebLogic Administration ServerおよびOracle WebLogic Managed Serverを再起動します。付録A「Oracleスタックの起動と停止」を参照してください。


注意:

UNIXシステムでは、AdminServerまたはOracle WebLogic Managed Serverの名前に対してps -efコマンドおよびgrepを実行すると(たとえばps -ef | grep AdminServerまたはps -ef | grep wls_oif1)、出力には複数のヒープ・サイズ・パラメータ(-Xmxおよび-Xms)が含まれます。

出力の最後に表示されるヒープ・サイズ・パラメータが有効で、その前のパラメータよりも優先されます。


4.1.7 インストール・ログ・ファイルの場所

インストーラは、UNIXシステムではORACLE_INVENTORY_LOCATION/logsディレクトリ、WindowsシステムではORACLE_INVENTORY_LOCATION\logsディレクトリにログ・ファイルを書き込みます。

Oracleインベントリ・ディレクトリの場所がわからない場合、UNIXシステムでは、ORACLE_HOME/oraInst.locファイルを参照します。

Microsoft Windowsシステムでは、インベントリ・ディレクトリのデフォルトの場所は、C:\Program Files\Oracle\Inventory\logsです。

次のインストール・ログ・ファイルは、ログ・ディレクトリに書き込まれます。

  • installDATE-TIME_STAMP.log

  • installDATE-TIME_STAMP.out

  • installActionsDATE-TIME_STAMP.log

  • installProfileDATE-TIME_STAMP.log

  • oraInstallDATE-TIME_STAMP.err

  • oraInstallDATE-TIME_STAMP.log

  • opatchDATE-TIME_STAMP.log