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Oracle® Fusion Middleware Oracle Data Integrator接続およびナレッジ・モジュール・ガイド
11gリリース1(11.1.1)
B62261-01
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21 Oracle OLAP

この章では、Oracle Data IntegratorでのOracle OLAPの使用方法について説明します。

この章の内容は次のとおりです。

21.1 概要

Oracle Data Integrator(ODI)を使用すると、Oracle OLAPのデータがシームレスに統合されます。Oracle Data Integratorの機能(リバース・エンジニアリングおよび統合インタフェースなど)は、Oracle OLAPキューブを使用した場合に最良の動作が得られるように設計されています。

Oracle Data Integratorでは、Java Database Connectivity(JDBC)を使用して、Oracle OLAPキューブが含まれるOracleデータベース・インスタンスに接続します。

21.1.1 概念

Oracle OLAP用Oracle Data Integratorナレッジ・モジュールでは、Oracle Data IntegratorとOracle OLAPのキューブとの間の統合と接続が提供されます。Oracle Data IntegratorではOracle OLAP KMを使用し、キューブの格納モードに応じて異なる2種類のキューブを処理できます。

  • ROLAP(リレーショナル・オンライン分析処理)キューブは、リレーショナル格納モデルに基づいています。ROLAPキューブでは大量のデータを処理でき、リレーショナル・データベースの機能をすべて利用できます。

  • MOLAP(多次元オンライン分析処理)データは、多次元キューブの形式で格納されます。MOLAPモデルでは、限られた量のデータに対する問合せのパフォーマンスがよく、データの取得が高速です。

Oracle OLAP用Oracle Data Integrator KMでは、次の処理を行うためにOracle OLAP用の高度な統合方法を使用します。

  • Oracle OLAPデータ構造(ROLAPまたはMOLAPのキューブで使用されているすべての表)をリバースエンジニアリングします。

  • 増分更新モードでOracle Analytic Workspaceターゲットにデータを統合します。


注意:

Oracle Data Integrator Oracle OLAP KMは、標準のOracle Database KMと類似しています。この章では、Oracle OLAPの特異性について説明します。Oracle Database KMの詳細は、第2章「Oracle Database」を参照してください。

21.1.2 ナレッジ・モジュール

Oracle Data Integratorには、Oracle OLAPデータを処理するためのナレッジ・モジュール(KM)が用意されています。これらのリストを表21-1に示します。これらのKMではOracle OLAP固有の機能が使用されます。Oracle OLAPでは、汎用SQL KMおよびOracle Database KMも使用できます。詳細は、第4章「汎用SQL」および第2章「Oracle Database」を参照してください。

表21-1 Oracle OLAPナレッジ・モジュール

ナレッジ・モジュール 説明

RKM Oracle OLAP(Jython)

Oracle Databaseから表、ビュー、列、主キー、一意キーおよび外部キーを取得するためのリバース・エンジニアリング・ナレッジ・モジュール。ROLAPまたはMOLAPのキューブで使用されます。このKMには、ロギング(ログの使用およびログ・ファイル名)オプションが用意されています。

IKM Oracle AW Incremental Update

このKMはIKM Oracle Incremental Updateと似ています。MOLAPキューブを処理するための追加オプションがあります。


21.2 インストールおよび構成

Oracle OLAPナレッジ・モジュールの使用を開始する前に、この項の情報を必ず読んでください。

21.2.1 システム要件および動作要件

インストールを実行する前に、システム要件および動作要件のドキュメントを読んで、使用する環境がインストールする製品の最低インストール要件を満たすことを確認する必要があります。

サポートされているプラットフォームおよびバージョンのリストには、次のOracle Technical Network(OTN)からアクセスできます。

http://www.oracle.com/technology/products/oracle-data-integrator/index.html

21.2.2 テクノロジ固有の要件

Oracle Data IntegratorでOracle OLAPデータを使用するための接続性要件はありません。Oracle Databaseの要件はOracle OLAPにも適用されます。詳細は、第2章「Oracle Database」を参照してください。

RKM Oracle OLAP(Jython)では、Oracle OLAPライブラリも使用されます。ORACLE_HOME/olap/api/libフォルダからODIの追加のdriversフォルダへ、awxml.jarおよびolap_api.jarをコピーしてください。

21.2.3 接続性要件

Oracle Data IntegratorでOracle OLAPデータを使用するための接続性要件はありません。Oracle Databaseの要件はOracle OLAPにも適用されます。詳細は、第2章「Oracle Database」を参照してください。

21.3 トポロジの設定

トポロジの設定には次が含まれます。

  1. Oracleデータ・サーバーの作成

  2. Oracle物理スキーマの作成

21.3.1 Oracleデータ・サーバーの作成

この工程では、データ・サーバー、およびOracle OLAPキューブを格納する物理スキーマと論理スキーマをOracle Data Integratorで宣言します。

21.3.1.1 データ・サーバーの作成

2.3.1項「Oracleデータ・サーバーの作成」の説明に従って、Oracleテクノロジ用データ・サーバーを作成します。

21.3.2 Oracle物理スキーマの作成

『Oracle Fusion Middleware Oracle Data Integrator開発者ガイド』の物理スキーマの作成に関する項に記載されている標準の手順で、Oracle物理スキーマを作成します。

『Oracle Fusion Middleware Oracle Data Integrator開発者ガイド』の論理スキーマの作成に関する項に記載されている標準の手順で、この物理スキーマ用の論理スキーマを作成し、特定のコンテキストで関連付けます。

21.4 統合プロジェクトの設定

Oracle OLAPの機能を使用してプロジェクトを設定するには、標準の手順に従います。『Oracle Fusion Middleware Oracle Data Integrator開発者ガイド』の統合プロジェクトの作成に関する項を参照してください。

Oracle OLAPでの作業を開始するにあたり、使用するプロジェクトに次のナレッジ・モジュールをインポートすることをお薦めします。

第2章「Oracle Database」に記載されている推奨のOracle Databaseナレッジ・モジュールもインポートします。

21.5 Oracleモデルの作成およびリバース・エンジニアリング

この項の内容は次のとおりです。

21.5.1 Oracleモデルの作成

『Oracle Fusion Middleware Oracle Data Integrator開発者ガイド』のモデルの作成に関する項に記載されている標準の手順で、Oracleモデルを作成します。

21.5.2 Oracle OLAPキューブのリバース・エンジニアリング

Oracle OLAPでは、カスタマイズされたリバース・エンジニアリングがサポートされています。RKM Oracle OLAP(Jython)では、OLAPキューブで使用されるOracle表からメタデータを取得します。

カスタマイズされたリバース・エンジニアリング

Oracle OLAPでカスタマイズされたリバース・エンジニアリングを実行するには、『Oracle Fusion Middleware Oracle Data Integrator開発者ガイド』のモデルのリバース・エンジニアリングに関する項に記載されている通常の手順を行います。この項では、Oracleテクノロジ固有のフィールドのみについて説明します。

  1. Oracleモデルの「リバース」タブでKM: RKM Oracle OLAP (Jython).<project name>を選択します。

  2. 次のようにRKMのオプションを設定します。

    • MOLAP: アナリティック・ワークスペースをリバースする場合、YESに設定します。このオプションをYESに設定する場合、次のオプションは必須です。

      • AW_NAME: アナリティック・ワークスペースの名前を示します。

      • AW_URL: アナリティック・ワークスペースのURLを指定します。

      • AW_OWNER: アナリティック・ワークスペースの所有者の名前を示します。

      • AW_PASSWORD: アナリティック・ワークスペースの所有者のパスワードを示します。

    • ROLAP: ROLAPスキーマから表をリバースする場合、YESに設定します。

    • USE_LOG: リバースエンジニアリング・プロセスのログ詳細をログ・ファイルに書き込む場合、YESに設定します。

    • LOG_FILE_NAME: ログ・ファイルの名前を指定します。

    リバース・エンジニアリング・プロセスによって、キューブで使用される表がデータストアとして戻されます。これらのデータストアをインタフェースのソースまたはターゲットとして使用できます。

21.6 統合インタフェースでのOracle OLAP KMの使用

Oracle Data Integrator Oracle OLAP KMおよび標準のOracle Database KMを使用できます。Oracle OLAP KMに固有の手順を次の項で説明します。

21.6.1 統合インタフェースでのOracle OLAPのソースとしての使用

RKM Oracle OLAP(Jython)を使用してリバースエンジニアリングを行ったら、Oracle OLAPデータ表を統合インタフェースのソースとして使用し、Oracle OLAPデータベースからデータを抽出して他のシステム(データ・ウェアハウス、他のデータベースなど)に統合できます。この状況でOracle OLAPをソースとして使用することは、統合インタフェースでソースとしてOracleデータストアを使用することと同じです。汎用SQLおよびOracle DatabaseのKMをこの用途で使用できます。

詳細は、次の章を参照してください。

21.6.2 統合インタフェースでのOracle ROLAPのターゲットとしての使用

RKM Oracle OLAP(Jython)を使用してリバースエンジニアリングを行ったら、Oracle ROLAPデータ表を統合インタフェースのターゲットとして使用し、任意のシステムからOracle ROLAPデータベースにデータをロードできます。この状況でOracle ROLAPをターゲットとして使用することは、統合インタフェースでターゲットとしてOracleデータストアを使用することと同じです。汎用SQLおよびOracle DatabaseのKMをこの用途で使用できます。

詳細は、次の章を参照してください。

21.6.3 統合インタフェースでのOracle MOLAPのターゲットとしての使用

Oracle MOLAPを統合インタフェースのターゲットとして使用することは、Oracle ROLAPをターゲットとして使用することと似ています。統合プロセスの標準機能の他に、統合インタフェースの実行時にIKM Oracle AW Incremental Updateを使用してMOLAPキューブをリフレッシュできる点が異なります。

このIKMはIKM Oracle Incremental Updateと似ています。詳細は、第2章「Oracle Database」を参照してください。MOLAPキューブを処理するための追加オプションが4つあります。

  • AW_NAME: アナリティック・ワークスペースの名前。

  • AW_OWNER: アナリティック・ワークスペースの所有者の名前。

  • CUBE_NAME: キューブの名前。

  • REFRESH_CUBE: アナリティック・ワークスペースのキューブをリフレッシュする場合、このオプションをYESに設定します。

統合インタフェース処理を行うたびにキューブがリフレッシュされないようにするには、パッケージの最後の統合インタフェースでのみキューブのリフレッシュ・オプションを指定してIKM Oracle AW Incremental Updateを使用します。

最後の統合インタフェースで、キューブをリフレッシュするオプションを次のように設定します。

  • REFRESH_CUBEオプションをYESに設定します。

  • AW_OWNER、AW_NAMEおよびCUBE_NAMEオプションに値を指定します。