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Oracle® Fusion Middleware Oracle Data Integrator接続およびナレッジ・モジュール・ガイド
11gリリース1(11.1.1)
B62261-01
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15 Sybase AS Enterprise

この章では、Oracle Data IntegratorでのSybase AS Enterpriseの使用方法について説明します。

この章の内容は次のとおりです。

15.1 概要

Oracle Data Integrator(ODI)では、Sybase AS Enterpriseデータベースのデータがシームレスに統合されます。Oracle Data Integratorの機能(ジャーナル化および統合インタフェースなど)は、Sybase AS Enterpriseを使用した場合に最良の動作が得られるように設計されています。

15.2 概念

Sybase AS Enterpriseの概念は、Oracle Data Integratorの概念に次のようにマップされます。各Sybase AS EnterpriseデータベースはOracle Data Integratorの1つのデータ・サーバーに対応します。このサーバー内で、データベースと所有者のペアは、1つのOracle Data Integrator物理スキーマにマップされます。

Oracle Data Integratorでは、Java Database Connectivity(JDBC)を使用してSybase AS Enterpriseデータベースに接続します。

15.3 ナレッジ・モジュール

Oracle Data Integratorには、Sybase AS Enterpriseデータを処理するためのナレッジ・モジュール(KM)が用意されています。これらのリストを表15-1に示します。これらのKMではSybase AS Enterprise固有の機能が使用されます。Sybase AS Enterpriseデータベースでは汎用SQL KMも使用できます。詳細は、第4章「汎用SQL」を参照してください。

表15-1 Sybase ASEナレッジ・モジュール

ナレッジ・モジュール 説明

IKM Sybase ASE Incremental Update

増分更新モードでSybase Adaptive Server Enterpriseのターゲット表にデータを統合します。このIKMは、データ・フローをステージングするための一時的なステージング表を作成します。その後、ステージング表の内容をターゲット表と比較して、挿入するレコードおよびそれ以外の更新するレコードを推測します。また、CKMを起動してデータ整合性チェックを実行できます。

挿入および更新は、最大のパフォーマンスを得るためにバルク・セットベースの処理で実行されます。そのため、このIKMは大量のデータ用に最適化されています。

Sybase Adaptive Server Enterpriseのターゲット表をロードして、欠落しているレコードを挿入し、既存のレコードを更新する場合は、このIKMの使用を検討してください。

このIKMを使用するには、ステージング領域がターゲットと同じデータ・サーバー上にあることが必要です。

IKM Sybase ASE Slowly Changing Dimension

データ・ウェアハウスでタイプ2の緩やかに変化するディメンションとして使用されるSybase Adaptive Server Enterpriseのターゲット表に、データを統合します。このIKMは、ターゲット・データストアで設定される緩やかに変化するディメンション・メタデータに依存して、新しいバージョンとして挿入する必要があるレコード、または既存のバージョンとして更新する必要があるレコードを判別します。

挿入および更新はバルク・セットベースの処理で実行されるため、このIKMは大量のデータ用に最適化されています。

Sybase Adaptive Server Enterpriseのターゲット表をタイプ2の緩やかに変化するディメンションとしてロードする場合は、このIKMの使用を検討してください。

このIKMを使用するには、ステージング領域がターゲットと同じデータ・サーバー上にあり、適切な緩やかに変化するディメンション・メタデータがターゲット・データストア上で設定されていることが必要です。

JKM Sybase ASE Consistent

トリガーを使用してSybase Adaptive Server Enterprise表の一貫したジャーナル化を行うためのジャーナル化インフラストラクチャを作成します。

Sybase Adaptive Server Enterpriseでの一貫性セット・チェンジ・データ・キャプチャを有効にします。

JKM Sybase ASE Simple

トリガーを使用してSybase Adaptive Server Enterprise表の単純なジャーナル化を行うためのジャーナル化インフラストラクチャを作成します。

Sybase Adaptive Server Enterpriseでの単純なチェンジ・データ・キャプチャを有効にします。

LKM SQL to Sybase ASE

任意のSQL準拠データベースからSybase Adaptive Server Enterpriseへデータをロードします。このLKMではODIエージェントを使用してデータベースから選択されたデータを読み取り、動的に作成されたターゲット一時表に結果を書き込みます。ジャーナル化されたソース表でこのKMを使用すると、ジャーナル化される表が更新されて使用するレコードにフラグが付けられ、インタフェースの最後にこれらのレコードから消去されます。大量のデータを扱う場合には、このナレッジ・モジュールはお薦めしません。バルク・ユーティリティ(SQL*LOADER、BULK INSERTなど)または直接リンク(DBLINKS、リンク・サーバーなど)を使用する他のモジュールの方が、通常効率的です。

LKM SQL to Sybase ASE(BCP)

BCP(バルク・コピー・プログラム)ユーティリティを使用して、任意のSQL準拠データベースからSybase Adaptive Server Enterpriseのステージング領域データベースへデータをロードします。

このLKMでは、一時ファイルにソース・データがアンロードされ、Sybase BCPユーティリティがコールされて、ステージング表が移入されます。この方法では固有のBCPユーティリティが使用されるため、通常、大量のデータを処理する場合は、LKM SQL to SQLより効率的です。

汎用データベースに大量のソース・データがあり、ステージング領域がSybase Adaptive Server Enterpriseデータベースの場合は、このLKMの使用を検討してください。

LKM Sybase ASE to Sybase ASE(BCP)

固有のBCP out/BCP inコマンドを使用して、Sybase Adaptive Server Enterpriseのソース・データベースからSybase Adaptive Server Enterpriseのステージング領域データベースへ、データをロードします。

このモジュールでは、固有のBCP(バルク・コピー・プログラム)コマンドを使用して一時ファイルにデータを抽出します。データはその後、固有のBCPコマンドを再び使用して、ターゲットのSybase Adaptive Server Enterpriseステージング表にロードされます。この方法は通常、大量のデータを処理する場合に標準のLKM SQL to SQLより効率的です。

ソース表がSybase Adaptive Server Enterpriseインスタンスにあり、ステージング領域が異なるSybase Adaptive Server Enterpriseインスタンスにある場合は、このLKMの使用を検討してください。


15.4 固有の要件

Sybase Adaptive Server Enterprise用の一部のナレッジ・モジュールでは、BCP固有のロード・ユーティリティが使用されます。このようなナレッジ・モジュールの使用時には、次の制限が適用されます。

詳細は、Sybase Adaptive Server Enterpriseのドキュメントを参照してください。