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Oracle Fusion Middleware Oracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Management Suite管理者ガイド
11g リリース1(11.1.1)
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20 Fusion Middleware Controlコンソールでのルール実行のトレース

この章では、Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlコンソールを使用してルール実行トレースを実行する方法について説明します。

この章の内容は、次のとおりです。

20.1 Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlコンソール

Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlコンソールでは、デプロイされているSOAコンポジット・アプリケーションをその詳細とともに表示できます。Fusion Middleware Controlコンソールにログインすると、Oracle Fusion Middlewareファームがファームのコンポーネントとともに表示されます。

SOAサーバー・メトリックとサービス・エンジンを表示する「SOAインフラ」を開くと、デプロイされているSOAコンポジットのリスト、コンポジット・インスタンス、およびコンポジット・インスタンスの実行時にレポートされたフォルトを参照できます。

図20-1は、Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlコンソールを示しています。

図20-1 Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlコンソール

Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlコンソール
「図20-1 Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlコンソール」の説明

コンポジット名をクリックして、図20-2に示すような関連インスタンスの詳細、コンポーネント・メトリックおよびサービスを表示できます。

図20-2 SOAコンポジット

SOAコンポジット
「図20-2 SOAコンポジット」の説明

20.2 デシジョン・トレース

Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlコンソールを使用して、ルール実行トレースを実行できます。

デシジョン・トレースは、ルールの評価中に発生するルール・エンジン・イベントのトレース・メカニズムです。トレースされるイベントのタイプは次のとおりです。

各トレースには、トレースするイベントに関する情報が含まれます。たとえば、実行されたルールのルール・トレース・エントリは次の内容で構成されます。

デシジョン・トレース・レベルはSOA Suiteでサポートされている監査レベルに似ています。

トレース・レベルは、SOAインフラ・レベルまたはコンポジット・レベルで設定できます。

図20-3は、Fusion Middleware Controlコンソールを使用してSOAインフラ・レベルで異なるトレース・レベルを設定するオプションを示しています。

図20-3 デシジョン・トレース・レベル

デシジョン・トレース・レベル
「図20-3 デシジョン・トレース・レベル」の説明

図20-5「コンポジット・レベルでのデシジョン・トレース・レベルの設定」は、コンポジット・トレース・レベルの設定方法を示しています。

20.3 Fusion Middleware Controlコンソールを使用したルール実行トレース

Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlコンソールを使用して、ルール実行トレースを起動できます。

20.3.1 開発レベルでのルール実行のトレース

デシジョン・トレース・レベルを「開発」に設定すると、実行されたルールに関連するすべての詳細情報を表示できます。

開発レベルのルール実行トレースを実行する手順は、次のとおりです。

  1. 図20-4に示すように、Fusion Middleware Controlコンソールでコンポジット・アプリケーションを開きます。対象のコンポジットはFOD Order Processingです。

    コンポジットの「ダッシュボード」タブの下に、最近実行されたコンポジット・インスタンスのリストが表示されます。

    図20-4 SOAコンポジットを開く

    SOAコンポジットを開く
    「図20-4 SOAコンポジットを開く」の説明

  2. 図20-5に示すように、「設定」リストをクリックし、コンポジットの監査レベル「開発」の順に選択して、トレース・レベルを「開発」に設定します。

    図20-5 コンポジット・レベルでのデシジョン・トレース・レベルの設定

    コンポジット・レベルでのデシジョン・トレース・レベルの設定
    「図20-5 コンポジット・レベルでのデシジョン・トレース・レベルの設定」の説明

  3. 「確認」ダイアログ・ボックスで、「はい」をクリックします。

    「確認」ダイアログ
    図版em_confirm.gifの説明

  4. 「テスト」「クライアント」の順にクリックして、図20-6に示すようにコンポジットのテスト・インスタンスを呼び出し、OrderIDなどの様々な入力パラメータに対応するデシジョン・トレースを表示します。

    図20-6 コンポジットのテスト・インスタンスの呼出し

    コンポジットのテスト・インスタンスの呼出し
    「図20-6 コンポジットのテスト・インスタンスの呼出し」の説明

  5. 図20-7に示すように、「Webサービスのテスト」ページの「引数を入力」セクションの「値」フィールドに1001などのOrderIDを入力し、「Webサービスのテスト」ボタンをクリックします。

    入力したOrderIDに基づいて、サービスはOrderIDの詳細を含むBPELプロセス・インスタンスを呼び出し、オーダー詳細に関連するルールが実行されます。

    図20-7 入力パラメータ値の入力

    入力パラメータ値の入力
    「図20-7 入力パラメータ値の入力」の説明

  6. 図20-8に示すように、「レスポンス」タブの下の「メッセージ・フロー・トレースの起動」をクリックして、「フローのトレース」ウィンドウを開きます。

    図20-8 デシジョン・トレースの起動

    デシジョン・トレースの起動
    「図20-8 デシジョン・トレースの起動」の説明

  7. 図20-9に示すように、「トレース」セクションでDiscountDictionaryというデシジョン・サービス・コンポーネント・インスタンスをクリックして、実際のルール実行トレースを表示します。

    図20-9 デシジョン・サービス・コンポーネントの「インスタンスの詳細」ウィンドウを開く

    「インスタンスの詳細」ウィンドウを開く
    「図20-9 デシジョン・サービス・コンポーネントの「インスタンスの詳細」ウィンドウを開く」の説明


    注意:

    ビジネス・ルール・コンポーネントを起動する前後のコンポジット変数の値を表示することもできます。「フローのトレース」ウィンドウでBPELプロセス・コンポーネント・インスタンスをクリックしてから、該当する「ペイロード」をクリックする必要があります。この場合、BPELコンポジット名はFODOrderProcessingProcessです。

    図20-10は、DiscountDictionaryというデシジョン・サービス・コンポーネントの実行トレースを示しています。

    図20-10 ルール実行トレースの表示

    ルール実行トレースの表示
    「図20-10 ルール実行トレースの表示」の説明

  8. 「監査証跡内のルール・セット・スタック状態の表示」チェック・ボックスを選択すると、図20-11に示すように、ルール実行の詳細が表示されます。

    図20-11 詳細なルール実行トレースの表示

    詳細なルール実行トレースの表示
    「図20-11 詳細なルール実行トレースの表示」の説明

    図20-11で、開発レベルのトレース・レポートに、ファクト名、アクティブ化されているルール以外に、プッシュおよびポップされたルールセット名が表示されることがわかります。

    次の表に、トレース・レポートのエントリをリストします。

    要素 説明
    呼び出されたデシジョン・サービス名 呼び出されたデシジョン・サービス・コンポーネントの名前が表示されます。
    アサートされたファクト BPELサービスからデシジョン・サービス・コンポーネントに渡されたファクトの名前が表示されます。これは、ユーザーが指定した入力パラメータに基づきます。この例ではOrderID 1001です。
    アクティブ化されたルール アクティブ化されているルールの名前が、ルールをアクティブ化したファクトの名前とともに表示されます。
    プッシュされたルールセット ファクトがアサートされたときに呼び出されたルールセットの名前が表示されます。
    ルールセット内の起動されたルール ルールが実行されたルールセットの名前が表示されます。
    起動されたルール 実行されたルールの名前が表示されます。
    変更されたファクト ルール実行の結果として変更されたファクトの名前が表示されます。この変更されたファクトは、デシジョン・サービス・コンポーネントからBPELサービスに渡されます。
    ポップされたルールセット 実行が完了したため、ルールセットが実行キューから取り出されたルールセットの名前が表示されます。


    注意:

    呼び出されたデシジョン・サービス名のエントリは、異なるシナリオでは異なって表示されます。
    • AS10.1.3.xからAS11にアップグレードされた、AssertExecuteWatchパターンを持つルール・ディクショナリでは、トレース・レポートのエントリは「呼び出されたデシジョン・サービス」として表示されます。

    • AS10.1.3.xからAS11にアップグレードされた、CallFunctionパターンを持つルール・ディクショナリでは、トレース・レポートのエントリは「呼び出されたデシジョン関数」として表示されます。

    • AS11で作成されたディクショナリでは、エントリは「呼び出されたデシジョン関数」として表示されます。


20.3.2 本番レベルでのルール実行のトレース

デシジョン・トレース・レベルを「本番」に設定すると、ルール実行トレースに関する切り詰められたレポートが提供されます。ルールセットと起動されたルールのみ表示され、ファクトに関する詳細やルールのアクティブ化などは表示されません。

本番レベルのトレースのプロセスは、開発レベルのトレースに似ています。ただし、本番レベルのトレースでは、次の操作を実行する必要があります。

Fusion Middleware Controlコンソールで、コンポジットを開いた後、図20-12に示すように、「設定」メニューのコンポジットの監査レベルから「本番」を選択します。

図20-12 本番レベルでのデシジョン・トレース・レベルの設定

本番レベルでのデシジョン・トレース・レベルの設定
「図20-12 本番レベルでのデシジョン・トレース・レベルの設定」の説明

このトレース・レベルはSOAインフラ・レベルでも設定できます。

図20-13は、トレース・レポートを表示する「フローのトレース」ウィンドウを示しています。

図20-13 本番レベルのルール実行トレースの表示

本番レベルのルール実行トレースの表示
「図20-13 本番レベルのルール実行トレースの表示」の説明

図20-13で、本番レベルのトレース・レポートに、ルールセットの名前と起動されたルールのみ含まれることがわかります。また、ドリルダウン詳細トレース・レポートを表示する「監査証跡内のルール・セット・スタック状態の表示」チェック・ボックスは、本番レベルのトレース・レポートでは使用できません。