この章では、Oracle Portalの最新リリースおよび前のリリースで導入された機能について簡単に説明し、詳細の参照先を示しています。この章の内容は次のとおりです。
Oracle Portal 11gリリース1(11.1.1)の新機能は、次のとおりです。
Oracle WebLogic Server上でのOracle Portalの実行
Oracle Portalは、前回のリリースではOracle Application Server Standard Edition Oneの一部として配布されました。現在は、Oracle WebLogic Server 11gR1(10.3.3)で動作します。
WSセキュリティのサポート
この拡張により、管理者はWSセキュリティ(SAML、UserTakenなど)を使用してWSRPプロデューサを保護し、アイデンティティ伝播に使用する適切な種類のトークンを選択できます。
新しいHTML文書型の宣言(Doctype)のサポート
新しいポータル構成設定によって、Oracle Portalによって生成されるHTML出力型を指定できます。HTML 4.01 Transitional以外に3つの新しい文書型(HTML 4.01 Strict、XHTML 1.0 Transitional、XHTML 1.0 Strict)がサポートされます。
Oracle Internet Directoryの統合の最適化
これらのセキュリティの拡張により、ログイン・パフォーマンスに対応して、グループのプロビジョニング変更の影響がユーザー認証に反映されるまでの時間を指定できます。
Identity Management統合
この拡張により、Oracle Internet Directoryの動的グループを定義したり、メンバーとしてユーザーを追加したり、動的グループに適切なアクセス権を追加してページを保護したりできます。グループの権限またはグループにおけるユーザーのメンバーシップに対してどのような変更を行っても、ページへのユーザーのアクセス権に反映されます。
Oracle Secure Enterprise Searchとの統合
Secure Enterprise Search(SES)により、公開および非公開のポータル・コンテンツと外部リポジトリの検索機能が提供されます(従来のUltra SearchがSESに置き換わります)。
Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Control
Oracle Portal 11gリリース1(11.1.1)には、Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Control 11gとの統合機能が用意されています。Enterprise Manager Fusion Middleware Control 11gには重要な新機能が数多く導入されており、ポータル・コンポーネントを監視および構成したり、Oracle Enterprise Managerのインタフェースを使用してポータル・ページ、ポートレットおよびプロバイダのパフォーマンス・メトリックをリアルタイムで表示したりできます。
エクスポート/インポート・ユーティリティの改善
エクスポート/インポート・ユーティリティには、Oracle Portal 11gリリース1(11.1.1)向けの重要な改善点がいくつかあります。その内容は次のとおりです。
事前確認の改善
SVUの改善
エラー・ログ記録機能の改善
ユーザー・ガイダンスの拡張
エクスポートの改善
UIの拡張
新しいクローニング機能
Oracle Fusion Middlewareとの統合
Oracle Portal 11gリリース1(11.1.1)は、Oracle Secure Enterprise Search(検索送信および検索結果)、Oracle BPEL(通知、タスク分析、レポート作成)、Oracle Business Intelligence Enterprise Edition(Siebel BI Tools)およびHyperion System BPM(Business Performance Management)を統合する新しいポートレットを備えており、Oracle Portalとのより高度で追加設定不要の統合を実現します。
BPELを使用したコンテンツ承認のサポート
Oracle Portal 11gリリース1(11.1.1)では、Oracle BPELを使用して、ポータルのページ・グループ用およびページ用に承認プロセスを定義できます。Oracle BPELでは、Oracle Portalの組込みワークフローで提供される機能以外の機能が追加されているため、ポータルで簡単にその機能を活用できるようになりました。
Oracle Applicationsとの統合の改善
Oracle Portal 11gリリース1(11.1.1)では、次のアプリケーションとの統合が改善されています。
Oracle Self-Service ApplicationsなどのOracle Applications Frameworkに基づくOracle Applicationsは、Oracle Portal内のポートレットとしてOracle Applications Frameworkに基づいたアプリケーション・ページを公開できます。
Oracle Portal 11gリリース1(11.1.1)は、PeopleToolsリリース8.48テクノロジ・レイヤーに基づくPeopleSoft Version 9などのPeopleSoftアプリケーションからのポートレットの組込みもサポートします。次のアダプタを使用できます。
Oracle Universal Content Management
Content DB*サード・パーティ・コンテンツ管理JCRアダプタ
ファイル・システム
Oracle PortalへのOracle WebCenter Servicesの統合
このリリースでは、別個のライセンスを使用するOracle WebCenterサービスをOracle Portalに統合できます。サービス・プロデューサ・アプリケーションの設定の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter開発者ガイドの第27章「Oracle JSF Portlet Bridgeでのポートレットの作成」を参照してください。
Oracle JSF Portlet Bridgeを使用したJSFアプリケーションのポートレット化およびOracle Portalへの統合
Oracle WebCenterサービスに同梱されているOracle JSF Portlet Bridgeを使用して、JSFアプリケーションをポートレット化できます。これらのポートレットは、Oracle Portalに統合できます。Oracle JSF Portlet Bridgeの詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter開発者ガイドの第27章「Oracle JSF Portlet Bridgeでのポートレットの作成」を参照してください。
コンテンツの統合
Oracle Portalポートレットでは、サード・パーティのドキュメント管理システムによるコンテンツを公開できます。ポートレットはOracle JDeveloperに作成され、JCR 1.0アダプタを使用してコンテンツ管理システムに接続されます。
Oracle Portal管理コンテンツへのアクセスの向上
Oracle Portal 11gリリース1(11.1.1)では、新しいJCRベース(JSR-170)のアダプタが用意されており、カスタムJ2EEアプリケーションのポータル・リポジトリ内に保存および管理されるコンテンツを統合できます。
OmniPortletの拡張
この拡張は、SQL問合せやデータベース列などのデータソースに基づいて値リストを動的に移入できる高度なパラメータ・フォームを提供します。また、OmniPortletのWebサービスのデータソースが大幅に向上しているので、BPELおよびPL/SQLベースのWebサービスを含む複雑なWebサービスを利用できます。
新しい業界標準のサポート
Oracle Portal 11gリリース1(11.1.1)では、次の新しい標準がサポートされています。
WSRP 2.0: Oracle Portalは、ADFリッチ・クライアント・テクノロジで構築されたAjax対応の豊富なポートレットを含むWSRP 2.0をサポートします。
JSR301: JavaServer Faces(JSR 301)のポートレット・ブリッジの仕様では、JSFを使用した新しいポートレットの作成、JSFページとタスク・フローの標準ベースのポートレットへの変換、および既存のJSFアプリケーションのOracle Portalへの変換を行うための標準について概説しています。
JSR170: カスタムJ2EEアプリケーションのポータル・リポジトリ内に保存および管理されるコンテンツを統合できます。
OracleAS Portal 10gリリース2(10.1.4)の新機能は、次のとおりです。
新しいキャッシュ・アーキテクチャ
10gリリース2(10.1.4)では、OracleAS Portalのスケーラビリティが大幅に向上しました。今回のリリースでは、ページ・リクエスト処理のエントリ・ポイントがParallel Page Engine(PPE)ではなく、Edge Side Includes(ESI)処理を使用したOracleAS Web Cacheになります。これによりページ・メタデータ(PMD)が簡易化され、OracleAS Web Cacheで様々なタイプのメタデータをより詳細なレベルでキャッシュできるようになるため、キャッシュのヒット率が高まり、ポータル・コンテンツをより詳細に無効化できるようになります。この新しい手法では、OracleAS Web Cacheでのセキュアなフルページ・キャッシュもサポートされます。
問合せパスURLでのSSLのサポート
OracleAS Portalでは、データベースからコールを介して特定の情報にアクセスするためのOracleAS Single Sign-OnのURL接頭辞を、UTL_HTTPパッケージを使用して管理しています。また、これらのコールをHTTPSを使用して実行できるようになりました。以前のリリースでは、これらのコールはHTTPを使用して実行されていました。そのため、OracleAS PortalとOracleAS Single Sign-OnがHTTPSを使用するように構成されていても、OracleAS Single Sign-OnのHTTPポートを使用してこれらのインタフェースをサポートする必要がありました。HTTPSを使用している場合、SSLを使用するようにOracleAS Single Sign-Onを構成した後に、OracleAS Single Sign-Onの問合せパスのURLを更新する必要があります。
新しいURL形式
OracleAS Portal 10gリリース2(10.1.4)のURL形式は、http://<host>:<port>/pls/<dad>
からhttp://<host>:<port>/portal/pls/<dad>
に変更されました。この変更は、WLS_PORTAL内で実行されているすべての必須Portalサービスの可用性に対応するためのものです。古い形式のURLにアクセスすると、OracleAS Portalは、新しい形式を使用するようにURLを自動的にリライトするか、ブックマークされたURLを新しい形式に変更するようユーザーに警告します。
WSRPのサポート
エンタープライズ・ポータル・プロジェクトに関わっている組織にとって、アプリケーションの統合は大きな問題です。今まで、ユーザーは固有のAPIを使用して単一ポータル・プラットフォームのポートレットを開発してきましたが、特定ポータル・ベンダーのポートレットの不足にしばしば直面していました。これらはすべて、Web Services for Remote Portlets(WSRP)の導入によって変わりました。WSRPは、ポータルや他の中間Webアプリケーションでのビジュアルなユーザー向けWebサービスのプラグ・アンド・プレイを可能にするWebサービスの標準です。WSRPは標準であるため、標準コンテナとあらゆるWSRPポータル間の相互運用性が実現されます。
検索およびOracle Text索引の拡張
OracleAS Portalの検索機能の特筆すべき改善点は、次のとおりです。
コミット時の検索索引の自動同期
Oracle Database 10gを使用している場合、ポータル・オブジェクトが追加、変更または削除されるたびにOracle Text索引が自動的に同期化されるように指定できます。この機能は、新しく追加または変更されたコンテンツをただちに検索可能にする必要のあるポータル・アプリケーションで役立ちます。
詳細は、第9.3.5.1項「Oracle Text索引の同期化」を参照してください。この機能は、Oracle Database 10gより前のデータベースでは使用できません。
ドキュメントおよびURLフィルタの改善
Oracle Textでは、AUTO_FILTERを使用して、ドキュメントおよびURLコンテンツを索引作成に適したプレーン・テキスト形式に変換します。コンテンツを不必要に絞り込むと、ポータル検索の速度と効率性に悪影響を与える可能性があるため、このリリースでは、ファイルベースとURLベースのアイテム・タイプにMIMEタイプおよびキャラクタ・セットという、2つの特別な属性が導入されました。これらの属性により、ポータル・ユーザーはポータルへのアップロード時にポータル・コンテンツを適切に分類できるようになり、フィルタ・プロセスが合理化されます。
詳細は、第9.3.3.7項「AUTO_FILTERパフォーマンスの最大化」を参照してください。
プロバイダの拡張メッセージ認証のサポート
10gリリース2(10.1.4)では、OracleAS Portalでプロバイダの拡張メッセージ認証がサポートされるようになりました。拡張メッセージ認証では、認証されたユーザーIDをWebプロバイダに伝播するために使用されるヘッダーの整合性が保護されます。これにより、プロバイダ・コードでJ2EEセキュリティを利用できるようになります。
関連項目
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OracleAS Portal 10gリリース2(10.1.2)の新機能は、次のとおりです。
Portalサービスの導入
OracleAS Portal WLSインスタンスでは、ポータル・ページの作成のほかポータルやページのメタデータへのアクセスなどに使用される、すべてのPortalサービスが提供されます。Parallel Page Engine(PPE)は、以前からあるPortalサービスの1つで、ポータル・ページを作成します。これ以外に、以前はmod_plsqlで提供されていたようなサービスも、Portalサービスに組み込まれました。このリリース以降、OracleAS Portalはmod_plsqlに依存しなくなりました。ただし、以前の機能はすべて、引き続きPortalサービスによってシームレスに提供されます。ただし、mod_plsqlへのランタイム依存はなくなりましたが、mod_plsql構成ファイルには依存します。Portalサービスは、これらのファイルを使用して、mod_plsqlと同じ方法でポータルに対するリクエストを処理します。
言語をインストールするための新しいptllangスクリプト
OracleAS Portalは、Oracle Application Server中間層のインストール時にOracle Universal Installer(OUI)で選択された言語で構成されます。OracleAS Portalをインストールした後で言語をインストールするには、ptllangを実行します。OracleAS Portal 10.1.2では、ptllangスクリプトがptlasst.csh-mode LANGUAGEとまったく同じ機能を提供します。OracleAS Portalでサポートする言語ごとに、ptllangを実行する必要があります。詳細は、第5.10項「言語サポートの構成」を参照してください。
OracleAS Portalでのグローバル非アクティビティ・タイムアウトのサポート
OracleAS Single Sign-On(SSO)Serverでは、グローバル非アクティビティ・タイムアウトを構成できます。この機能は、OracleAS Portal 10gリリース2(10.1.2)でサポートされるようになりました。詳細は、第7.1.7.1.2項「Oracle Portalでのグローバル非アクティビティ・タイムアウトのサポート」を参照してください。
OracleAS PortalでのユーザーおよびグループLOVのサポート
OracleAS Portal 10gリリース2(10.1.2)では、新しいコールバック方式の実装により、ユーザーおよびグループLOVが適切に機能します。Oracle Delegated Administration Servicesは、OracleAS Portalのドメインで選択した値をコールバック方式にポストして、JavaScriptのクロスドメイン問題を防ぎます。ただし、使用しているOracleAS PortalおよびOracle Delegated Administration Servicesのリリースで、このコールバック方式がサポートされている必要があります。これらのコンポーネントの10gリリース2(10.1.2)リリースでは、この方式がサポートされています。OracleAS Portal 10gリリース2(10.1.2)が、コールバック方式をサポートしていない旧リリースのOracle Delegated Administration Servicesで使用されている場合、スクリプトsecjsdom.sqlを実行して共通ドメインを設定する必要があります。詳細は、第7.1.7.2.5項「Oracle Portalでのユーザーとグループの値リスト」を参照してください。