ヘッダーをスキップ

Oracle Applications概要
リリース11i(11.5.10)
部品番号: B15656-01
目次へ
目次
前のページへ
前へ
次のページへ
次へ

Oracle Applications Manager

概要

Oracle Applications Manager(OAM)は、HTMLベースの集中管理コンソールからOracle Applicationsシステムを管理および監視できる、強力で使いやすいツールです。 E-Business Suiteシステム管理タスクの中でも、特にOracle Applications Managerは次の操作に役立ちます。

Oracle Applications ManagerはE-Business Suiteシステムに直接組み込まれており、Oracle Enterprise Managerツールの機能を補完します。

Oracle Applications Managerの機能

Applicationsダッシュボードでは、現在のステータス、パフォーマンス、重要な活動、診断、ビジネス・フローおよびセキュリティの要約を含む、E-Business Suiteインストレーションの主要な機能の概要を示しています。 これらの任意のエリアで追加情報を参照できます。

Applicationsシステムの詳細ビューはサイト・マップで提供されています。ここでは、管理、監視、保守および診断と修理のエリアに存在する数多くの機能およびオプションに簡単にアクセスできます。

管理

Oracle Applications Managerは、AutoConfig構成管理ツール(「AutoConfig」を参照)と併用する、総合的なシステム構成エディタを提供します。 以前の構成設定を現在の設定と容易に比較することができ、変更済の設定を識別し、必要に応じてロールバックできます。 この構成エディタにより、コンテキスト・ファイルにカスタム変数を追加することもでき、AutoConfigおよびAutoPatchにおいてシステム構成のカスタマイズ内容を保持できます。

Oracle Applications Managerでは高度な構成ウィザードも提供されており、これらのウィザードは、アプリケーション層ロード・バランシングの構成またはSecure Sockets Layer(SSL)アクセラレータの使用への転換など、以前は複雑であったタスクを順序立ててガイドします(「ロード・バランス」を参照)。

これらのウィザードでは、必要な情報をすべて入力するよう求めるプロンプトが表示され、システムに変更が加えられる前に設定が検証されます。

さらに、Oracle Applications Managerは、最近変更したサイトレベルのプロファイル・オプション設定など、構成変更の追跡に役立ちます。 また、Oracleの要件または推奨事項と一致しないデータベースの初期化パラメータなど、潜在的な構成の問題を検出できます。 Oracle Applications Managerを使用して、コンカレント処理、Oracle Formsリスナー、ReportsサーバーおよびWebサーバーなどの重要なアプリケーション層サービスを構成および管理できます。 たとえば、コンカレント要求を監視および管理し、コンカレント要求ワークロードを簡単に分析して、情報を得た上でコンカレント処理に構成変更を加えることができます。

また、Oracle Applications Managerを使用すると、バックグラウンド・エンジン、通知メーラー、エージェント・リスナーおよびキュー伝播機能などのOracle Workflowシステム・サービスを管理できます。 Oracle Workflowシステム活動の監視および分析、プロセスの一時停止および再開、エラーで終了した活動の再試行および古いWorkflowデータのパージが可能です。

Oracle Applications Managerのライセンス・マネージャ・コンポーネントにより、製品および関連機能のライセンスに関するすべての面を管理できます。 たとえば、現在ライセンスを取得済の製品、国固有の機能および言語、ならびにシステムの全体的なライセンス供与に関する要約についてレポートを取得できます。また、追加製品、国固有の機能および言語についてもライセンス供与できます。

監視

Oracle Applications Managerでは、Oracle E-Business Suiteの幅広い監視機能が提供されます。 チャートおよびグラフでは上位レベルの要約が示され、必要に応じてドリルダウンして詳細を参照できます。

E-Business Suiteシステム内で特定のエラーが発生するとOAMにより警告が出される場合があり、これらのエラーの診断に役立つ詳細なコンテキスト情報が提供されます。 パフォーマンス詳細、可用性、構成、診断データおよびセキュリティの問題など、システム・コンポーネントの情報はすべて、問題のビジネス・フローのコンテキストにおいて表示されるため、業務への影響をより的確に理解できます。

コンカレント・マネージャ、Oracle Formsリスナー、ReportsサーバーおよびWebサーバーなどのアプリケーション層サービスに対して、監視サポートが提供されています。 Forms要求またはコンカレント要求などの現在実行中のプロセスの場合、アプリケーション層およびデータベース・セッションの両方の詳細を、現在実行中のSQLに至るまで検査できます。

その他の監視機能には、CPUおよびメモリーの使用率の監視機能、ランタイム診断の検査機能およびFormsプロセスのログ・ファイルの表示機能があります。 JServプロセスを調べて、メモリー使用率、データベース接続の使用およびOracle Applicationsフレームワーク活動を検査できます。 また、リソース集中型のFormsプロセスまたはリソース集中型のコンカレント要求を自動的に識別し、アラートを発行するようOAMを構成できます。

保守

ミニパック、メンテナンス・パックおよびマージ・パッチに含まれる個々のパッチなど、システムに適用されているパッチを簡単に判別できます。 また、Oracle Applications Managerでは、システム上のパッチ・ファイルを検査し、所定のファイルを変更したすべてのパッチを識別できます。 適用されたパッチごとに、各パッチ・ドライバにより実行される処理を参照できます。

Oracle Applications Managerに組み込まれたパッチ・ウィザード・ツールでは、ご使用のOracle Applicationsシステム用のパッチを推奨することができます。 このウィザードでは、Oracleからダウンロードしたパッチ・データを使用し、Applicationsシステムと照合してそのデータを分析し、指定された基準に基づいてパッチを推奨します。 また、このウィザードでは、個々のパッチを分析してシステムに不足している前提条件を識別し、パッチがシステムに及ぼす影響について、影響を受けるアプリケーション、ファイルおよびその他の領域の面から示します。 さらに、ウィザードではOracleから複数のパッチをダウンロードし、これらを単一パッチにマージできます。

Applicationsシステムのクローニングは、Oracle Applications Managerを使用することで大幅に単純化されます。 クローニング・プロセスは、コンソールから直接管理できます。最初に、「Simple Clone」(完全一致のコピーを作成)または「Advanced Clone」(クローニング・パラメータの変更が可能)を選択します。 すると、Oracle Applications Managerにより作業の大部分が自動的に処理され、残りの決定および手動ステップが順序立てて示されます。 現在、クローニングの使用例には、単一ノード対単一ノード、単一ノード対複数ノードおよび複数ノード対複数ノードのクローニング機能があります。

管理者は、停止時間管理機能を使用して停止時間をスケジュールできます。 停止時間がスケジュールされている場合、「Home Page」上のメッセージにより、システムが使用できなくなる期間がユーザーに通知されます。 ユーザーは、ログインするか「Home Page」に戻ってこのメッセージを参照する必要があります。 停止時間が進行中である場合、ログイン・ページのかわりに適切な警告ページが表示されます。

スケジュールされた停止期間の間、適切なデータベース権限を持つ管理者はOAMにログインし、AutoPatchおよびその他のApplications DBAユーティリティの進捗を監視できます。E-Business Suiteのその他の部分にはアクセスできません。

診断と修理

OAMでは、複雑なリカバリ・ステップを自動化するトラブルシューティング・ウィザードが提供されます。 コンカレント・マネージャ・リカバリなどのツールにより、同じ画面から問題の診断および修正処理を実行できます。 サービス・インフラストラクチャ・トラブルシューティング・ウィザードにより、一般サービス管理(GSM)インフラストラクチャが正常に実行中かどうかが確認され、問題がある場合は、GSMの起動に必要なステップが管理者に対して順を追って示されます。

さらに、Applicationsダッシュボードにより、Oracle ApplicationsにOracle Diagnosticsへのゲートウェイが提供され、ここではテスト結果が要約され、さらに詳細なテスト・レポートへのアクセスが可能です。 すべての診断インタフェースからの出力は、Oracleサポートへの出荷用に単純かつ簡単に取得およびパッケージできます。 その他の機能には、顧客がOracleサポートにより提供される最新の診断パックをダウンロードし、必要に応じて独自の診断テストを作成するための規定が含まれます。

追加機能

拡張機能

独自のカスタムSQLスクリプトを使用して、Oracle Applications Managerを拡張できます。 SQLスクリプトをOAMコンソール内から編成およびアクセスできるだけでなく、スクリプト出力から標準Oracle Applications Managerインタフェースへのドリルダウンを有効にできます。 たとえば、SQLスクリプトからコンカレント要求IDを取得した場合、標準Oracle Applications Managerインタフェースにドリルダウンして、コンカレント要求の詳細を取得できます。

サポート・カート

OAMサポート・カートでは、詳細なノード固有情報の収集が自動化されており、この情報をOracleサポートに送信して問題の診断を依頼できます。 収集される情報には、インストール済の製品、適用済のパッチ、データベース・バージョン、コンカレント・データベース・パラメータおよびシステム・トポロジの詳細が含まれます。 必要に応じて、OAMのその他のページをサポート・カートに追加できます。

一般サービス管理

従来、Formsリスナー、HTTPサーバーおよびコンカレント・マネージャなどのアプリケーション層プロセスは、システム管理者が個別に起動および監視する必要があり、時間がかかり、潜在的にエラーが発生しやすいプロセスでした。 Webベース・アプリケーションへの移行とともに、Oracle Applications製品で必要となるアプリケーション層プロセス数が大幅に増加し、多くのApplications製品において、1つ以上のプロセスをサポートするために複数のアプリケーション層サービスが使用されるようになりました。

サービス・プロセスは、コンカレント・マネージャおよび取引マネージャのプロセスに類似しており、関連付けられた製品が正しく機能するように、アプリケーション層で継続的に実行される必要があります。 サービスは複数のホスト・マシンに分散される場合があるため、サービスの管理は複雑です。

一般サービス管理(GSM)機能により、集中管理コンソールがOracle Applications Managerに組み込まれたフォルト・トレラント・フレームワークが提供されるため、これらの一般サービス・プロセスの管理が単純化されます。 内部コンカレント・マネージャ(ICM)を一般サービス管理と併用することで、複数のホストにおける様々なサービス・プロセスが管理されます。 各ホストでは、サービス・マネージャがICMのかわりとなるため、ICMはそのホスト上のサービス・プロセスを監視および管理できます。

システム管理者は、Oracle Applications Managerによりサービスを構成、監視および管理でき、Oracle Applications ManagerがICMと通信します。 一般サービス管理では、フォルト・トレラント・システムが提供されます。つまり、予期せぬサービス・プロセスが存在する場合、ICMにより自動的にプロセスの再起動が試行されます。 ホストに障害が発生した場合、ICMにより二次ホストで関連サービス・プロセスを起動できます。 ICM自体は、様々なホストに配置された内部モニター・プロセスにより監視され、起動状態が保持されます。

この新規アプリケーション層サービス管理インフラストラクチャには、次の複数の利点があります。

一般サービス管理は、特別な設定なしでOracle E-Business Suiteリリース11.5.10で使用できます。また、その他のAutoConfig対応リリースでも使用できます。