Oracle Applications概要 リリース11i(11.5.10) 部品番号: B15656-01 | ![]() 目次 | ![]() 前へ | ![]() 次へ |
Oracle E-Business Suiteは、ワールドワイドな企業の複雑な要件を満たす単一のグローバル・インスタンスに、簡単に配置できるように設計されています。 この要件を満たすには、強力な国際化サポートが必要です。 リリース11iによって提供される主な国際化機能では、様々な言語や地域、各国の慣習に適合する柔軟な日付や数値の書式、複数報告通貨、その他の各国固有の機能などがサポートされ、各国の法定要件に準拠できます。
Applicationsリリース10.7では、1つのインスタンスにつき1つの言語がサポートされていました。同じインスタンス内でOracle Applicationsを複数の言語で稼働する必要がある場合、カスタマイズされたソリューションを提供して追加言語を使用できるようにしていました。 Applicationsリリース11では、同じキャラクタ・セットを使用している場合、同じデータベースで複数の言語の組合せがサポートされていました。フォーム、レポート、メッセージ、ヘルプ・テキスト、メニュー・プロンプトおよびレポート名リストなど、Oracle Applicationsのテキスト部分にはすべてのインストール済言語を使用できますが、製品レベルの大部分のデータには、ベース言語または主言語のみが使用できました。つまり、たとえば支払条件がベース言語でのみ入力可能な場合でも、フォームを別の言語で表示することができました。追加の複数言語サポートについては、カスタマイズされたソリューションを引き続き提供していました。
Oracle Applications製品の大部分がリリース11iで再構築され、Unicodeキャラクタ・セットを利用した複数言語サポートが製品データ・レベルで提供されています。 Unicodeでは、現在世界で共通に使用されている言語のすべての文字がサポートされるため、単一データベースで実行可能な、サポート対象言語に制限がありません。 以前提供されていた追加機能は、リリース11iでは標準装備されています。
注意: Oracle E-Business Suiteリリース11iでサポートされている言語の詳細は、『Oracle Applicationsのインストール』を参照してください。 キャラクタ・セットの詳細は、『Oracle Globalization Support Guide』を参照してください。
US7ASCIIキャラクタ・セットを使用すると本番データベースが、UTF8キャラクタ・セットを使用するとデモ・データベースが、Rapid Installによりデフォルトで作成されます。 ただし、インストール中、必要に応じてサポートされている他のキャラクタ・セットも選択できます。 Rapid Installでは、ライセンスを取得している言語に基づいたキャラクタ・セットをお薦めします。
Oracle Applicationsをインストールする前に、自社のインストレーションの将来的な言語要件について慎重に検討する必要があります。インストール時に選択するキャラクタ・セットにより、インスタンスでサポート可能な言語が決まります。 キャラクタ・セットを選択する前に、『Oracle Globalization Support Guide』を参照してください。インストール後のキャラクタ・セットの変更には、複雑なプロセスを要します。これを避けるには、長期的なニーズに合ったキャラクタ・セットを最初に選択しておくことです。
US7ASCIIキャラクタ・セットは、英語(アメリカ)のみサポートします。他のすべてのキャラクタ・セットでは、サポートする言語の数が異なります。 たとえば、フランス語をサポートする必要があり、さらにユーロ記号も使用する場合、WE8ISO8859P15がUS7ASCIIのスーパーセットになります。このキャラクタ・セットでは、英語とフランス語の両方がサポートされており、ユーロ記号も含まれています。英語、フランス語、日本語およびアラビア語をサポートする必要がある場合、OracleのUnicodeキャラクタ・セットであるUTF8を選択する必要があります。これが4つのすべての言語をサポートする唯一のキャラクタ・セットであるためです。
リリース11iデータ・モデルの拡張複数言語サポートにより、データベース記憶域要件が増加する可能性があります。新規のインストレーションでは、単一の言語に必要なデータベース領域を検討し、この領域とライセンスを許諾する言語の数を掛け算します。アップグレードする場合、現在単一の言語体系にあるデータの一部が、追加の記憶域を必要とする複数言語体系に変換されます。
注意: キャラクタ・セットのインストールの詳細は、『Oracle Applicationsのインストール』を参照してください。
Unicode UTF8またはJapanese JA16EUCなどのマルチバイト・キャラクタ・セット(WE8ISO8859P15などのシングルバイト・キャラクタ・セットと相違)を使用すると、使用される文字が2バイト以上の記憶域を必要とする場合があるため、言語設定およびトランザクション・データに必要な全体的な領域にも影響することがあります。
注意: サポートされているキャラクタ・セット、データベース・キャラクタ・セットを選択する際のヒントおよび記憶域要件の詳細は、『Oracle Globalization Support Guide』を参照してください。
US7ASCIIキャラクタ・セットを使用すると本番インスタンス用のアプリケーション層ファイル・システムが、UTF8キャラクタ・セットを使用するとVision Demoデータベース用のファイル・システムが、Rapid Installによりデフォルトで作成されます。 ただし、インストール中、必要に応じてサポートされている他のキャラクタ・セットも選択できます。Rapid Installでは、ライセンスを取得した言語に基づくアプリケーション層のキャラクタ・セットをお薦めします。
データの損失を防ぐには、すべての層のキャラクタ・セットで相互に互換性がある必要があります。一方のキャラクタ・セットに他方のキャラクタ・セットのすべての文字が含まれていない場合、代替文字が使用され、その結果データが失われます。
注意: UTF8はサポートされている他のすべてのキャラクタ・セットのスーパーセットであるため、完全に互換性のあるキャラクタ・セットは他に存在しません。任意の層でUTF8を使用する場合、すべての層でUTF8を使用する必要があります。
Rapid Installによりアプリケーション層のすべてのサーバーに英語(アメリカ)がインストールされます。 また、すべてのアプリケーション層サーバーに、同一の言語セットがインストールされているようにするには、追加言語をインストールする必要が生じる場合があります。
言語サポートには、データ入力方法、キャラクタ・セットおよびフォントについてのサポートが含まれており、デスクトップ・クライアントで使用できる必要があります。 ブラウザのキャラクタ・セットは、各セッションのOracle Applicationsで設定されます。
デスクトップ・ブラウザでは、キャラクタ・セットおよび言語固有な機能がサポートされている必要があります。たとえば、ヘブライ語やアラビア語では、右から左へ表示するための両方向サポートが必要であり、またアラビア語では、特殊文字形状の表示が可能なブラウザも必要です。
外部文書とは、荷受証、請求書および梱包伝票などの顧客および取引先を対象とした文書を指します。 Oracle E-Business Suite Releaseリリース11iでは、任意の有効な言語で、外部文書を同時に、かつ単一の要求によって作成できます。たとえば、イタリアの会社の顧客は、イタリア語で印刷された請求書を受け取り、ポーランドの会社の顧客はポーランド語で印刷された請求書を受け取ることができます。
言語を基準にして外部文書を別々のプリンタに送信し、要求言語に基づいて完了通知を様々な人に送信できます。 たとえば、フランス語のすべての文書をあるプリンタに送信し、他の文書をすべて別のプリンタに送信できます。 スペイン語の文書の完了通知をあるユーザーに送信し、スペイン語を含むすべての通知を他のユーザーに送信できます。
注意: See リリース11iで提供されている外部文書の詳細は、『Oracle Applicationsシステム管理者ガイド』を参照してください。
グローバリゼーションは、グローバル企業のニーズを満たすソフトウェアを設計および配置するプロセスです。 グローバリゼーションが成功する要件の1つに、特定の地域の法令、法的および文化的慣習に適合するという要件があります。 Oracle E-Business Suiteリリース11iでは、この要件は、各国固有の機能と呼ばれる、国および地域的な拡張を行うことによって達成できます。 各国固有の機能はすべて相互に互換性があるため、必要な各国固有の機能をすべてインストールすると、グローバル化された実装となります。
すべての国固有の機能は、Rapid Installを実行するとインストールされます。使用するローカリゼーションのライセンスを取得する必要があります。各国固有の機能は、各国向けの特別ユーザーズ・ガイドで説明されています。
「03-31-04」、「31/03/04」または「2004-03-31」など、任意の有効な書式で日付を入力および表示できます。SQLがマスクを提供する書式は有効です。 唯一の例外はOracle Reportsを使用した場合です。Oracle Reportsでは、DD-MON-RRRR(例: 31-MAR-2004)書式を使用します。
また、ピリオド(終止符)文字またはカンマのどちらかを小数区切り文字として使用し、数値を入力および表示できます。たとえば、1.02と100,000.02、または1,02および100.000,02と入力できます。
注意: 日付および数値書式の詳細は、『Oracle Globalization Support Guide』を参照してください。
日付や数値の入力には様々な書式を使用できますが、実際の値は一定の標準書式でデータベースに格納されます。これにより、日付および数値の値をある書式で入力し、別のユーザーが他の書式で表示できます。
複数報告通貨(MRC)機能(「複数報告通貨」で詳述)を使用して、取引レベルにおいて、会計レコードを複数の機能通貨で報告し保守することができます。 MRCは複数組織アーキテクチャ(「複数組織アーキテクチャ」を参照)に基づいており、グローバリゼーション戦略の重要な側面を形成しています。
主機能通貨は、Oracle E-Business Suite内で取引を記録したり、会計データを保守するときに使用する通貨です。主会計帳簿では、必ずこの機能通貨が主機能通貨になります。主機能通貨は、通常、大半の業務取引を実行するときの通貨であり、法的レポート用にも使用されます。
レポート用会計帳簿は、主会計帳簿に関連付けられた財務諸表作成エンティティです。 レポート用会計帳簿は、主会計帳簿と勘定体系および会計カレンダが同じですが、異なる機能通貨(レポート機能通貨)を使用しているため、主会計帳簿とは異なる機能通貨で報告できます。
各レポート機能通貨に対して、別々の会計帳簿を定義する必要があります。MRCで使用する各会計帳簿に関して、主会計帳簿とレポート用会計帳簿を指定する必要があります。次に、レポート用会計帳簿を主会計帳簿に割り当てます。また、主会計帳簿に対応する主職責、および各レポート用会計帳簿に対応するレポート職責も定義する必要があります。
注意: 詳細は、『Oracle Applicationsにおける複数報告通貨』および『Oracle Applicationsにおける複数組織』を参照してください。
リリース11では、ユーザーが設定した各言語および地域の構成に対して、アプリケーション層サーバーが必要でした。 たとえば、フランス語とドイツ語のForms要求を処理するには、フランス語とドイツ語のそれぞれに対してFormsサーバーを1つずつ起動する必要があります。 2人のユーザーがフランス語を使用し、1人が地域をフランスに設定し、他方がスイスに設定した場合、2人のユーザーをサポートするには、2つのFormsサーバーと2つのReportsサーバーが必要です。
リリース11iでは、このような複数のサーバーを用意する必要がありません。 アプリケーション層のプロセスは、Rapid Installで定義したサーバーのキャラクタ・セットを使用して開始する必要があります。ユーザーNLS設定(言語、地域、日付書式および数値書式など)はすべて、各ユーザー要求と一緒にアプリケーション層サーバーに渡され、対応のNLS設定を使用してセッションが開始されます。
リリース11iでは、ユーザーのランタイムNLS設定はプロファイル・オプションとしてデータベースに格納されます。言語および地域に関するプロファイル・オプションは、Rapid Installの実行時にサイト・レベルで構成されます。 ベース言語は、デフォルトの言語設定に使用されます。選択したデフォルトのユーザー地域は、地域プロファイル・オプションで使用されます。
サイト・レベルのプロファイル・オプション値は、すべてのエンド・ユーザーのデフォルトのNLS設定となります。ユーザーは、E-Business Suiteホーム・ページを使用してOracle Applicationsに最初にログオンするとき、これらの値を継承します。ユーザーは引き続きデフォルト値を使用するか、またはNLS設定のいずれかを代替値に変更できます。 更新された値は、ユーザー・レベルでデータベースに格納され、以降のセッションはすべてこの値で開始されます。