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Oracle Applications概要
リリース11i(11.5.10)
部品番号: B15656-01
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複数組織アーキテクチャ

概要

Oracle複数組織アーキテクチャ(複数組織)では、定義した関係を利用して、Oracle E-Business Suiteの単一インストレーションにおいて複数組織をサポートできます。 複数組織により、各組織間の相互作用と様々な組織間における取引のフローが指定されます。このような組織には、会計帳簿、ビジネス・グループ、法的エンティティ、営業単位または在庫組織が設定できます。

概要

Oracle Applications製品を複数組織環境で実行するときは、まず組織を選択します。組織を選択するには、職責を選択して暗黙的に選択する方法と、「組織の選択」ウィンドウで明示的に選択する方法があります。続いて表示されるそれぞれのウィンドウとレポートに、選択した組織の情報のみが表示されます。

複数組織アーキテクチャの基本用語は、次のとおりです。

表16-1 複数組織の用語
会計帳簿 特定の勘定体系、機能通貨および会計カレンダが使用された財務諸表作成エンティティ。Oracle General Ledgerでは、会計帳簿ごとに取引情報(仕訳、残高)が保護されます。Oracle General Ledgerを使用する場合、会計帳簿を指定する職責を選択します。 ログインに使用した職責の会計帳簿の情報のみを表示できます。
営業単位 Oracle Cash Management、Oracle Order ManagementおよびShipping Execution、Oracle Payables、Oracle PurchasingおよびOracle Receivablesを使用する組織。営業事務所、部署または部門などが考えられます。営業単位は法的エンティティと関連付けられています。情報は、これらのアプリケーションの営業単位ごとに保護されており、各ユーザーには自分の営業単位の情報のみが表示されます。これらのアプリケーションを実行するには、営業単位として分類された組織に関連付けられた職責を選択します。

注意: 詳細は『Oracle Applicationsにおける複数組織』を参照してください。

複数組織パーティション・オブジェクト

複数組織データが含まれる表は、表名に接尾辞"_ALL"を付けることができます。これらの表には、複数組織データを組織別にパーティション化するORG_IDと呼ばれる列が含まれます。

すべての複数組織表には、表のデータを営業単位ごとにパーティション化した対応ビューがあります。複数組織ビューでは、内部変数CLIENT_INFOにDECODEを含めることでデータがパーティション化されます。 この変数は、セキュリティ・システムによって、職責用に指定された営業単位に設定されます。 現行セッションの言語を戻す変数LANGUAGEと動作の面で類似しています。

注意: CLIENT.INFOが設定されていないときに複数組織パーティション・オブジェクトからデータにアクセスする場合(SQL*Plusからなど)、ビューではなく_ALL表を使用する必要があります。

SO_HEADERS_ALL(対応ビューはSO_HEADERS)は、複数組織パーティション・オブジェクトの一例です。

注意: 詳細は『Oracle Applicationsにおける複数組織』の「技術概要」を参照してください。

複数組織への変換

E-Business Suite本番システムをインストールする場合、複数組織を実装するかどうかに関係なく、データ・モデルは同一です。 データのパーティション化に使用する複数組織ビューは標準インストールに組み込まれており、事前定義済テキストが使用されます。 複数組織に変換すると、表は接尾辞"_ALL"が付いた名前に変更され、複数組織パーティション・データが含まれていることが示されます。

リリース11iでは、AD管理ユーティリティを使用して、最初にシード・データおよびトランザクション・データを複数組織に変換します。 基礎となるデータ・モデルは変更されないので注意してください。新規営業単位を作成すると、コンカレント・プログラムにより適切なシード・データが追加されます。

注意: 詳細は、『Oracle Applicationsメンテナンス・ユーティリティ』の「AD管理」を参照してください。