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Oracle Applicationsシステム管理者ガイド - 構成
リリース11i(2005年6月)
部品番号: B15956-01
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Oracle Discoverer 4iとOracle Applications 11iの連携

概要

Oracle9i Application Server(Oracle9iAS)の統合ビジネス・インテリジェンス・ソリューションの主要コンポーネントの1つであるOracle Discoverer 4iは、直観的な非定型の問合せ、レポート作成、分析およびWeb公開を可能にするツールです。これによって、組織のあらゆるレベルのビジネス・ユーザーは、データ・マート、データ・ウェアハウスおよびオンライン取引処理(OLTP)システムの情報に即時にアクセスできます。レポート作成者やアナリストはDiscoverer 4iを使用して、非定型の問合せやレポートを作成、変更および実行できます。一時的なユーザーは、事前定義済のレポートやグラフを使用してビジネス・ビューを表示およびナビゲートできるため、レポートの基礎となるデータ構造の複雑さを避けることができます。

Discoverer 4iはOracle E-Business Suiteリリース11iと緊密に統合されています。リリース11iユーザーはDiscovererを使用して、Financials、Operations、Human Resources、Purchasing、Process Manufacturing、Activity Based Managementなどのビジネス・エリアを選択し、そのデータを分析できます。

このドキュメントでは、Discoverer 4iを既存のOracle E-Business Suiteリリース11i環境にインストールする方法を説明します。Discoverer 4iをOracle E-Business Suiteリリース11i環境にインストールするには、次の作業を実行します。

このドキュメントでは、現行のDiscovererユーザー向けに、既存のDiscoverer End User LayerをDiscoverer 3iからDiscoverer 4iにアップグレードする方法も説明します。Discoverer 3iからDiscoverer 4iにアップグレードする理由はいくつかあります。

注意: 次の各項で説明する手順は、Oracle E-Business Suiteリリース11i環境に大きな影響を与えるため、熟練したOracle E-Business Suiteデータベース管理者またはシステム管理者のみが実行してください。ここで説明する手順を実行する前に、使用している環境のバックアップを作成し、本番環境で手順を実行する前に、環境をテストすることをお薦めします。また、変更を適用している間、ユーザーはシステムからログオフする必要があります。

使用可能な翻訳

Oracle E-Business Suiteリリース11iのDiscoverer 4iには、通常のApplicationsモジュールおよびBusiness Intelligence System(BIS)製品(Financials IntelligenceやPurchasing Intelligenceなど)用のワークブックとEnd User Layerが含まれています。これらの内容はアメリカ英語でのみ使用可能で、他の言語に翻訳する計画はありません。

最新ドキュメントの入手

ここで説明する内容は発行時のものです。具体的な最新情報は、OracleMetalink Note 139516.1『Using Discoverer 4i with Oracle Applications 11i』を参照してください。

Oracle9i Application Serverに関連したコンポーネントのインストールと構成に関する要約は、OracleMetalink Note 207159.1『Oracle9i Application Server (9iAS) with Oracle E-Business Suite Release 11i Documentation』を参照してください。

表記規則と重要なディレクトリの場所

このドキュメントでは、次の表記規則が使用されています。

規則 意味
¥
オンラインで入力するコマンドの例で、行の最後に円記号(¥)がある場合は、1行にコマンド全体を入力する必要があることを示します。円記号は入力しないでください。
monospace text
固定幅フォントのテキストは、コマンドライン・テキストを表します。このテキストは、表示されているとおりに入力してください。
< > or [ ] 
山カッコまたは角カッコに囲まれたテキストは、変数を表します。可変テキストを適切な値に置き換えてください。カッコは入力しないでください。
ディレクトリ・パス このドキュメントでは、ディレクトリ・パスはOracle E-Business Suiteの最上位インストール・ディレクトリとの相対になります。
たとえば、Oracle E-Business Suiteをディレクトリ/my/appsinstallにインストールし、mytestdbというOracle E-Business Suiteリリース11iのデータベースを指し示す場合、このドキュメントでは、<dbname>ora/iAS/Apacheが完全修飾パス: /my/appsinstall/mytestdbora/iAS/Apacheを意味することになります。

サポートされているアーキテクチャ

Discoverer 4iは、次の2つのアーキテクチャについて、Oracle E-Business Suite 11iで認証およびサポートされています。

リリース・バージョン

オプションのスタンドアロン・インスタンスでは、次のコンポーネントを使用する必要があります。

Oracle E-Business Suiteリリース11iインスタンスでは、次のコンポーネントを使用する必要があります。

インストール前のタスク

Discoverer 4i構成ガイドの参照

『Oracle Discoverer 4i Configuration Guide for Oracle 9i Application Server』の第2章では、Oracle9iAS Discovererの実行、保守およびサポートの方法について説明しています。作業を進める前に、少なくともこの章は参照してください。

Microsoft Windows PCの構成の確認

Discoverer Administration EditionはWindows PC上で実行されるため、Discoverer 4i End User Layerは、データベース層サーバー・ノードで管理する必要があります。Discoverer Administration Editionを実行するWindows PCに対する最小メモリー要件は次のとおりです。

Oracle Internet Developer Suite 1.0.2.4 for Microsoft Windowsの入手

Internet Developer Suite 1.0.2.4 for Microsoft Windowsの一部として提供されているDiscoverer Administration Editionを入手する必要があります。このCD-ROMは、リリース11.5.7以降のOracle E-Business Suite CD Packにも含まれています。DiscovererのCD-ROMをまだ入手していない場合、Internet Developer Suite(1.0.2.4.1)for Microsoft WindowsのCD Packの注文に関しては、日本オラクル正規代理店もしくはOracle Directにお問い合せください。

Microsoft Windows用MKS Toolkit for Developersの入手とインストール

Oracle E-Businessリリース11i用に事前作成されたDiscovererの内容(ビジネス・エリアやワークブックを含む)は、WindowsベースのDiscoverer Administration Editionを使用してインストールする必要があります。この内容は、一連のDiscoverer .eexローダー・ファイルによって提供されているため、adupdeul.shシェル・スクリプトを使用して特定の順序でロードする必要があります。これらのローダー・ファイルの手動によるインストールは認証されていません。.eexファイルのインストールに使用するadupdeul.shシェル・スクリプトには、UNIXと互換性があるシェル・インタプリタに対するサポート、およびDiscoverer Administration EditionがインストールされているWindows PC上のPerlスクリプトに対するサポートが必要です。

シェル・インタプリタは、Oracle E-Business Suiteリリース11iまたはOracle9i Application Serverに含まれていません。サード・パーティのユーティリティ・セットであるMKS Toolkit(http://www.mkssoftware.com)をお薦めします。このセットには、いくつかのUNIXシェル・インタプリタとPerlが含まれています。MKS Toolkit for System Administrators、MKS Toolkit for DevelopersなどのMKS Toolkit製品にはUNIXシェル・インタプリタとPerlが含まれており、リリース11iのDiscoverer 4iの内容のインストールを完全にサポートします。

認証および推奨されているMKSシェルを使用することをお薦めします。認証されていないサード・パーティのツールを使用すると、予期しない動作が発生する場合があります。Windows用の他のサード・パーティ・シェル・インタプリタが機能する場合もありますが、オラクル社ではテストしていません。Cygwin(http://www.cygwin.com)はテスト済で、awkの問題のためにADユーティリティとの互換性がありません。Microsoft Services for UNIXもテスト済で、adupdeul.shシェル・スクリプトとの互換性がありません。

MKS Toolkitは、Discoverer Administration EditionをインストールするWindows PC上にインストールします。このツールのインストール手順については、MKS Toolkitのマニュアルを参照してください。

Discoverer 3iのカスタマイズの保存(オプション)

注意: 初めてDiscoverer 4iをインストールする場合は、このステップをスキップしてください。

Discoverer 3iからDiscoverer 4iにアップグレードするときは、既存のカスタムのワークブックやビジネス・エリアの保存が必要になる場合があります。Discoverer 3iのカスタム内容を保存してDiscoverer 4iの新規インストールに移行する場合は、この項の手順に従ってください。Discoverer 3.1で作成したカスタム・ビジネス・エリアは、次に該当する場合、新規のDiscoverer 4i End User Layerにエクスポートできます。

既存のDiscoverer 3iのカスタマイズを保存する手順は、次のとおりです。

カスタムのDiscoverer 3iビジネス・エリアのエクスポート

カスタムのDiscoverer 3iワークブックの保存

既存のDiscoverer 3i End User Layerの削除

インストール・タスク

Oracle9i Application Server 1.0.2.2.2のインストール

Oracle 9iAS 1.0.2.2.2には、Discoverer Server 4.1.37、Discoverer Plus 4.1.37およびDiscoverer Viewer 4.1.37が含まれています。このリリース以降は、新規バージョンのDiscoverer 4iがOracle E-Business Suiteリリース11iに対して認証されています。この項では、Oracle 9iAS 1.0.2.2.2のインストール、および最新のDiscoverer 4iリリースへのアップグレードに必要なステップを説明します。

使用している環境がOracle E-Business Suiteリリース11.5.10 Rapid Installを使用して作成されている場合

使用している環境がOracle E-Business Suiteリリース11.5.9 Rapid Installを使用して作成されている場合

使用している環境がOracle E-Business Suiteリリース11.5.7または11.5.8 Rapid Installを使用して作成されている場合

使用している環境がOracle E-Business Suiteリリース11.5.1〜11.5.5のRapid Installを使用して作成されている場合

Discoverer 4iをスタンドアロン・サーバーまたはOracle E-Business Suiteリリース11iデータベースにアクセスする単一サーバー上の複数のORACLE_HOMEにインストールする場合

Oracle E-Business Suiteリリース11iデータベースにアクセスするスタンドアロン・サーバーにすでにDiscoverer 4iをインストールしてあり、そのスタンドアロン・サーバーを削除する場合

Oracle E-Business Suiteリリース11iデータベースにアクセスするスタンドアロン・サーバーにすでにDiscoverer 4iをインストールしてあり、そのスタンドアロン・サーバーをそのまま使用する場合

最新のDiscoverer PlusパッチとDiscoverer Viewerパッチの適用

この項では、既存の環境を、Oracle E-Business Suiteリリース11iで認証されている最新の認証済Discoverer PlusリリースとDiscoverer Viewerリリースにアップグレードするステップを説明します。

オペレーティング・システム・プラットフォーム
Discoverer 4i Plus/Viewer Sun Solaris(SPARC) Microsoft Windows HP HP/UX 11.0 IBM AIX Linux
4.1.48.06 Production 3201614 3201610 3206022* 3207866** 3205678***
ファイル名 必要な変数の設定
<8.0.6_ORACLE_HOME>/orainst/reg.tmp HTTPDIR=<iAS_HOME>/Apache/Apache/htdocs
<8.0.6_ORACLE_HOME>/orainst/varfile.tmp HTTPDIR=<iAS_HOME>/Apache/Apache/htdocs
<8.0.6_ORACLE_HOME>/orainst/varfile.tmp discwb4=<8.0.6_ORACLE_HOME>/discwb4
オペレーティング・システム・プラットフォーム
Discoverer 4i Plus/Viewer Sun Solaris(SPARC) Microsoft Windows HP HP/UX 11.0 IBM AIX Linux
4.1.48.08ワンオフ・パッチ 3451645 3451636 3454031 3472339 3453703
セキュリティ・ワンオフ・パッチ 3633146 3648310 3625256 3625248 3703747

構成設定の再適用

前のステップでDiscovererパッチを適用すると、次のファイルの構成設定が上書きされます。

AutoConfigインフラストラクチャを使用しているかどうかに基づいて、次のいずれかの手順で構成設定を再適用します。

AutoConfigを使用した構成設定の再適用

この項では、使用している環境でAutoConfigを使用可能にした場合に、コンカレント処理ノードを構成する手順を説明します。OracleMetalink Note 146468.1『Installing Oracle9i Application Server with Oracle Applications 11i』に従って、使用している環境をOracle9i Application Server 1.0.2.2.2に移行した場合、その環境はAutoConfigに対応しています。リリース11.5.7以降のRapid Installを使用して作成した環境は、AutoConfigに対応しています。

使用している環境がAutoConfigに対応しているかどうか不明な場合、またはAutoConfigに移行する場合は、OracleMetalink Note 165195.1『Using AutoConfig to Manage System Configurations with Oracle Applications 11i』を参照してください。

使用している環境でAutoConfigを使用可能にした場合は、次のステップに従ってアプリケーション層サーバー・ノードを構成します。

手動による構成設定の再適用

Internet Developer Suite 1.0.2.4.1のインストール

Discoverer 4i Administration Editionを、Discovererを管理するために使用するWindows PCにインストールします。

Discoverer Administration Editionパッチの適用

Oracle9iAS Discoverer PlusおよびOracle9iAS Discoverer Viewerが接続できるのは、同じパッチ・レベルのDiscoverer Administration Editionバージョンを使用してアップグレードまたは作成されたEnd User Layerのみです。この項では、Discoverer Administration Editionを最新の認証済Discovererリリースにアップグレードする手順を説明します。

Windowsレジストリ設定の設定

注意: ここで説明する手順には、Microsoft Windowsレジストリの変更に関する情報が含まれています。Windowsレジストリを変更する前に、レジストリをバックアップし、問題が発生した場合にレジストリを復元する方法を確認してください。レジストリのバックアップ、復元および編集の方法については、Microsoftサポート オンライン(http://support.microsoft.com/)で次の文書番号を参照してください。

Q256986「Microsoft Windowsレジストリの説明」

Discoverer Administration Editionを実行しているWindows PCで、次の操作を実行します。

レジストリ・キー データ型
HKEY_CURRENT_USER¥Software¥Oracle¥Discoverer 4¥ Database¥EnableTriggers REG_DWORD 1
HKEY_CURRENT_USER¥Software¥Oracle¥Discoverer 4¥ Database¥DefaultPreserveDisplayPropertyForRefresh REG_DWORD 1

Oracle Applicationsユーザー用の「接続」ダイアログの設定

Oracle Applicationsユーザー/パスワード認証を使用した直接ログインのためにDiscovererログイン・ページを使用する場合は、「接続」ダイアログを設定して「アプリケーション・ユーザー」チェック・ボックスを表示する必要があります。

直接ログインに対して設定可能な他のオプションの詳細は、『Oracle Discoverer 4i Configuration Guide for Oracle 9i Application Server』の付録Aを参照してください。

注意: ユーザーは、次の書式を使用して、ユーザーIDとApplications職責を「接続」ダイアログに入力できます。

UserID:<Responsibility>

Discovererの「接続」ダイアログで、ユーザーの直後にコロン(:)を追加し、その後に職責を指定しないと、Discovererは常に、Oracle Applicationsユーザーとして接続を確立し、そのApplicationsユーザーに対する有効なApplications職責のリストを表示します。

Discoverer 4i End User Layerの新規作成

Oracle Applicationsデータベースに新規の表領域を作成して、Discovererのデータベース・オブジェクトを格納することをお薦めします。

インストール後のタスク

Discovererに対するICXプロファイルの検証

Oracle E-Business Suiteリリース11i環境のAutoConfigツールは、Discoverer 4iのプロファイル・オプションを自動的に構成して、Discoverer URLを自動的に生成します。システム管理者は、トラブルシューティングが必要な場合、次のプロファイル・オプションが正しく設定されていることを確認します。

プロファイル 説明
ICX_DISCOVERER_ RELEASE ICX: Discovererリリース
Discovererのリリース番号を指定する1桁の数字。
4
ICX_DISCOVERER_ LAUNCHER ICX: Discovererランチャ
Discoverer Serverの「起動」ページを指し示すURL。
http://<HTTP Server>:<Port>/ discwb4/html/ discolaunch.htm ?Connect=[APPS_SECURE]
ICX_DISCOVERER_ VIEWER_LAUNCHER ICX: Discoverer Viewerランチャ
Discoverer Viewerサーブレットを指し示すURL。
http://<HTTP Server>:<Port>/ discoverer4i/ viewer/ ?Connect=[APPS_SECURE]
ICX_DISCOVERER_ USE_VIEWER ICX: DiscovererでViewerを使用
Discoverer Plus(デフォルト)のかわりにDiscoverer Viewerを起動するかどうかを指定します。
YまたはN
ICX_DEFAULT_EUL ICX: Discoverer End User Layerスキーマ接頭辞
EUL接頭辞です。実行時には、このEUL接頭辞と言語コードの組合せでEUL所有者が構成されます。
EUL
ICX_DISCOVERER_ EUL_LANGUAGE ICX: Discoverer End User Layer言語の上書き
現在、EULの内容はアメリカ英語でのみ使用可能であるため、このプロファイル・オプションを使用すると、Discoverer End User Layerに対するユーザーの一般言語プリファレンスが上書きされる可能性があります。各ユーザーの言語プリファレンスに関係なく、指定したEUL言語が使用されます。このプロファイルは、ICXパッチ2630750に含まれているBug 2348329のフィックスで使用できます。
このプロファイルは、Discovererに渡されるNLS言語パラメータには影響を与えません。つまり、Discovererのユーザー・インタフェースは、ユーザーのICX_LANGUAGEとICX_TERRITORYプロファイルに従って表示されます。ユーザー・インタフェースの言語は、ICX_LANGUAGEとICX_TERRITORYの有効な組合せに対してのみ変更されることに注意してください。
US
ICX_DISCOVERER_PARAMETERS ICX: Discovererパラメータ
このプロファイルは、追加のURLパラメータをオプションでDiscovererに渡すために使用できます。参照: OracleMetalink Note 186120.1。
 

注意: 複数のEULを実装する場合は、職責レベルでICX_DEFAULT_EULプロファイルを切り替えることができます。

たとえば、次の2つのEULを実装するとします。

この場合は、「Financials Intelligence - Enterprise Data Warehouse」など埋込みデータ・ウェアハウスの職責に対して、ICX_DEFAULT_EULをEUL4EDWに設定できます。これによって、その職責で埋込みデータ・ウェアハウスのEnd User Layerを使用できます。

複数のEULを実装する場合は、Discoverer Viewerが常にICX_DEFAULT_EULプロファイル・オプションで指定された正しいEnd User Layerに接続するために、ICXパッチ2154949以降を適用してください。

データベース接続ファイルの場所の確認

Discoverer 4iでは、Oracle E-Business Suiteリリース11iと連携して、シングル・サインオン機能をサポートしています。シングル・サインオンをサポートするために、Discovererは接続先データベースのデータベース接続ファイル(.dbc)にアクセスする必要があります。.dbcファイルは、特定データベースへの接続に必要なすべての情報が格納されたテキスト・ファイルです。

このファイルは、ディレクトリ$FND_TOP/secureにあります。.dbcファイルの命名規則は<database host name>_<two_task>.dbcです。

名称は次のように導出されます。

 select lower(host_name) || '_' || lower(instance_name) from v$instance;

デフォルトでは、Discovererは、$FND_TOP/secureディレクトリにある.dbcファイルを検索します。

ApplicationsユーザーをOracle E-Business Suite 11iでローカルで管理するように設定(条件付き)

次の両方の条件に該当する場合は、ここで説明するステップを実行する必要があります。

Oracle Internet Directoryを使用するログイン・サーバー認証を実装すると、Oracle Applicationsユーザー/パスワードを使用して直接ログインするためのDiscovererログイン・ページは、Oracle E-Business Suite 11iFND_USERユーザー・ディレクトリでパスワードが保守されるユーザーに対してのみ使用可能になります。Discovererログイン・ページは、Oracle Internet Directoryで排他的に保守されるユーザーに対しては使用可能になりません。これは、Oracle Internet DirectoryからOracle E-Business Suite 11iFND_USERユーザー・ディレクトリにパスワードが伝播されないためです。

この場合、Discovererログイン・ページを使用してログインを試みると、「認証が失敗しました。」(「データベースへの接続に失敗しました - Oracle Applicationsデータベースに接続できません : 無効なユーザー名またはパスワードです。」)というエラーが表示されます。

E-Business Suiteリリース11iのページ内からDiscovererに統合されたシングル・サインオン・リンクは、Oracle Internet Directoryの移行前および移行後もすべてのユーザーに対して使用可能です。

必要なOracle Applications相互運用性パッチのAutoPatchによる適用

使用している環境がOracle Applicationsリリース11.5.7以降の場合は、このステップをスキップできます。11.5.7以降のMaintainance Packには、このステップで説明している必要なすべての相互運用性パッチと前提パッチが含まれています。

注意: Discoverer 3iエクスポート全体が含まれるファイルbiseul.eexは、Discoverer 4iへの移行に伴って廃止されています。ファイルbiseul.eexは、パッチ1834171の一連のDiscoverer 4i .eexファイルに置き換えられます。新規のDiscoverer 4i EULには、biseul.eexを手動でインポートしないでください。

ビジネス・ビューの再生成

Oracle E-Business Suiteリリース11i Discovererの内容の一部として提供されているDiscovererフォルダのほとんどは、ビジネス・ビューに基づいています。技術者以外のユーザーは、このビジネス・ビューがあることで、基礎になるリリース11iデータ・モデルの複雑さを避けることができます。.eexファイルをインポートまたはリフレッシュする前に、すべてのビジネス・ビューを再生成する必要があります。これによって、Discovererのインポートまたはリフレッシュ処理では、ビジネス・ビューのキーおよび付加フレックスフィールドの変換済プロンプトをEnd User Layerに取り込むことができます。すべてのフレックスフィールド構造に1つ以上の有効なセグメントがあり、すべてのフレックスフィールドが固定されてコンパイルされていることを確認してください。

注意: Discoverer End User Layerのインポートやリフレッシュも含めて、発生したエラーは、次のステップに進む前に解決する必要があります。Discoverer Administration Editionでは、無効なApplicationsオブジェクトに依存しているEnd User Layerオブジェクトは、リフレッシュ処理時に削除されます。

EUL管理用Applicationsユーザー/職責の設定: SYSADMIN/システム管理者

リリース11iのシステム管理者アカウントには、Discoverer 4iの内容を更新および変更する権限を付与する必要があります。これらの権限は、Windows PC上のDiscoverer Administration Editionを使用して付与します。

$AU_TOP/discoverへのWindows PCのマッピング

Discoverer Administration EditionがインストールされているWindows PCからドライブを$AU_TOP/discover/ディレクトリにマップするか、または$AU_TOP/discover/ディレクトリ全体をWindows PCにコピーします。これによって、インポート・シェル・スクリプト$AU_TOP/discover/adupdeul.sh、および一連の.eexファイルが含まれるすべての言語固有サブディレクトリが格納されます。

UNIXドライブをWindows PCにマップできない場合は、かわりに$AU_TOP/discoverディレクトリ全体を圧縮してFTPで送信できます。この場合は、Windows PCでファイルを解凍するときに、ディレクトリ構造を含めて保持してください。

次に、UNIXでの例を示します。

% cd $AU_TOP
zip -r ~/discover.zip discover 

-rオプションによって、サブディレクトリ構造が含まれていることが確認されます。

次に、Windowsでの例を示します。

ftp <your UNIX machine> bin
get ~/discover.zip 

WinZipまたは同等のWindowsベースのZIPユーティリティを使用して、ZIPファイルをディレクトリ(たとえば、D:¥au_top¥)に抽出します。オプション「フォルダ名を使用」を選択したことを確認します。これで、D:¥au_top¥discover¥ディレクトリのadupdeul.shを使用してインポート処理を開始できます。

リリース11iのDiscoverer 4iの内容のインポート(adupdeul.sh mode=completeを使用)

このステップでは、Windows PC上のDiscoverer Administration Editionを使用して、Discoverer 4iローダー・ファイル(.eexファイル)をDiscoverer End User Layer(作成済)にインポートします。

変数 説明
secgroup APPS職責のセキュリティ・グループ。
topdir Discovererファイルが使用可能な最上位ディレクトリ。
iashome Oracle Application Server 10g Business IntelligenceノードのOracleホーム・ディレクトリ。
UNIXプラットフォームでは必須です。
exedir Discoverer実行ファイルが格納されているディレクトリ。
Windowsプラットフォームでは必須です。
eulprefix EULスキーマ接頭辞。たとえば、スキーマEUL_USの場合はeulprefix=USを使用します。
eultype OLTP: デフォルト。標準のApplications 11i Discovererの内容の場合。
EDW: 企業データ・ウェアハウスのDiscovererの内容の場合。
Oracle E-Business Suiteリリース11iのDiscoverer 10gの内容をインポートする場合は、eultype=OLTPを使用します。
mode COMPLETE: Discovererのすべての内容をインポートする場合。
DRIVER: デフォルト。特定のファイルのサブセットをインポートする場合。
FILELIST: 特定のファイルのサブセットをインポートする場合。
パッチ1834171を使用してDiscoverer 10g基本編成ファイルを初めて完全にインポートする場合は、mode=completeを使用します。このモードを使用すると、すべての.eexファイル(*o.eex)が.../discover/ディレクトリからDiscoverer End User Layerにアップロードされます。
driver ロードするドライバ・ファイルのカンマ区切りリストを指定します。
このパラメータは、mode=DRIVERの場合に必須です。
filelist ロードするファイルのリストが含まれているファイルの名称を指定します。
このパラメータは、mode=FILELISTの場合に必須です。
logfile adupdeul.shスクリプトによってインポート処理の結果が記録されるログ・ファイル。
デフォルト・ファイル名はadupdeul.logです。
parfile フォームPARAMETER=VALUEのエントリが含まれるコマンドライン・パラメータ・ファイルのファイル名。コマンドラインで指定したパラメータは、パラメータ・ファイルで指定したパラメータよりも優先されます。

注意: すべてのパラメータは、単一のコマンドラインまたはパラメータ・ファイルに指定する必要があります。名称と値のペアにはスペースを入れないでください。たとえば、PARAMETER=VALUEは受け入れられますが、PARAMETER = VALUEではエラーが発生します。

Discoverer 4i End User Layerのリフレッシュ

リリース11iのDiscoverer 4iの内容をデータベース層のDiscoverer End User Layerにインポートした後は、End User Layerをリリース11iデータ・モデルと照合してリフレッシュする必要があります。これによって、ビジネス・エリア、フォルダ、ワークブック、ビジネス・ビュー、フレックスフィールドおよびリリース11iデータベース・オブジェクトの間で、すべての参照が有効になります。

注意: リフレッシュ処理では、ログインの際に、EULデータベース・スキーマ所有者ではなくApplicationsユーザー/職責を使用する必要があります。EULデータベース・スキーマ所有者にはAPPSスキーマに対する必要な権限が付与されておらず、リフレッシュ処理でDiscovererフォルダが削除されます。

使用しているフレックスフィールド構造に応じて、すべてのビジネス・エリアのリフレッシュ処理が完了するのに数時間かかる場合があります。Discoverer Administration Editionでは、リフレッシュ処理が完了すると進行状況ウィンドウが閉じます。これで、End User Layerのリフレッシュが完了しました。フレックスフィールド列は、EULの言語でのフレックスフィールド・プロンプトを使用して、項目表示名としてフォルダに取り込まれています。

Oracle Applications職責に対するEULユーザー権限の付与

職責、ユーザーおよびワークブックへのアクセス権の付与

各Discovererユーザーには、特定のDiscovererワークブック職責やリリース11i職責へのアクセス権を付与でき、これによってDiscovererビジネス・エリアへのアクセス権が付与されます。Discoverer Administration Editionを使用して、ビジネス・エリアへのアクセス権とリリース11i職責を関連付け、職責とユーザーに対するワークブック・アクセス権を識別します。

この項で説明する手順は、Discovererレポート・セキュリティを計画するためのガイドラインとして使用できます。Discovererレポート計画を定義して、企業のデータ・セキュリティ計画、方針およびビジネス要件に反映できます。Discovererのセキュリティは柔軟性があり詳細に設定できるため、組織間でデータを参照する必要がある特定の個人に幅広いアクセス権を付与できます。

たとえば、財務アナリストは、すべてのFinancials Intelligenceビジネス・エリア(買掛管理や売掛管理など)にアクセスする必要があります。この場合は、すべてのFinancials Intelligenceビジネス・エリアへのアクセス権をFinancials Intelligence職責に付与します。次に、すべてのビジネス・エリアにアクセスする必要がある各財務アナリストに、Financials Intelligence職責を付与します。

注意: Oracle Applications 11.5.8 Maintenance Packまたはそれ以降のMaintenance Packリリースにアップグレードしている場合は、このステップをスキップできます。11.5.8 Maintenance Packおよびそれ以降のMaintenance Packリリースには、事前シード済のOracle Applications職責に必要なセキュリティ権限付与とワークブック共有がすべて含まれています。Oracle Applicationsユーザーと職責に、11.5.8以降のMaintenance Packに含まれる権限付与に加えて、ビジネス・エリアに対するセキュリティ・アクセス権を付与する場合は、この項で説明するステップに従って付与できます。

Discoverer Administration Editionを使用したセキュリティと権限の付与

Oracle E-Business Intelligence Suiteに同梱されているビジネス・エリアについては、『Oracle Business Intelligence Systemインプリメンテーション・ガイド』を参照してください。各ビジネス・エリアに対して使用するOracle Applications職責には、セキュリティ・アクセス権を付与する必要があります。

Oracle Applications職責 ビジネス・エリア
ABM Intelligence ABMアクティビティ
ABM原価計算対象
ABM部門
ABM資材
Engineering Intelligence 部品構成表&設計品目
Financials Intelligence
Financials Intelligence - Visionオペレーション(USA)
買掛管理
売掛管理
請求分析
資金管理
固定資産管理
一般会計
一般会計BIS
グローバル会計エンジン
プロジェクト
プロジェクト分析
入金分析
財務管理分析
Human Resources Intelligence 人事管理
人事管理の参照
研修管理
Marketing Intelligence マーケティング・オンライン
マーケティング・オンライン - レポート
Operations Intelligence 原価管理
在庫
在庫付加価値
マージン分析
計画のMRP分析
計画
品質
品質データ収集分析
収益分析
工程管理ビジネス・インテリジェンス
工程管理ビジネス・ビュー
Process Manufacturing Intelligence(SSWA) プロセス製造
Project Manufacturingマネージャ プロジェクト製造
Public Sector Budgeting責任者 Public Sector Budgeting - コア
Public Sector Budgeting - 機能
Purchasing Intelligence 購買管理
Supply Chain Intelligence 拡張価格設定
受注管理
出荷管理

Discoverer Plus Editionを使用したワークブックの共有

ワークブック分析で使用するOracle Applications職責に対して、共有ワークブック・アクセス権を付与する必要があります。

Oracle Applications職責 ワークブック
ABM Intelligence ABM: アクティビティ・コストとレート・データ
ABM: 原価計算対象コストと取引データ
ABM: 部門の財務および統計データ
ABM: エクスポート・テンプレート
ABM: 直接材料費と取引データ
Financials Intelligence
Financials Intelligence - Visionオペレーション(USA)(Vision職責はVisionデモ・データベース内でのみ使用可能です)
請求分析
キャッシュ・フロー分析
GL分析
制限利用分析
ネット・ポジション分析
プロジェクト原価分析
プロジェクト・マージン分析
プロジェクト収益分析
入金分析
Human Resources Intelligence 応募分析
委任チャージバック分析
イベント・ランク分析
イベント・リソース分析
外部受講者研修達成率分析
HR設定分析
内部受講者研修達成率分析
役職および職階分析
個人/アサイメント履歴分析
採用効率分析
採用時間分析
給与変更分析
給与サーベイ分析
スキル分析
終了済応募分析
研修原価および収益分析
金額別研修コース・ランク分析
研修達成率分析
US準拠分析
要員予算計画分析
要員構成分析
要員回転率分析
Operations Intelligence 在庫分析
MRP予測分析
製品マージン分析
製品収益分析
製品品質分析
品質グローバル結果分析
品質非適合分析
生産資源稼働率分析
Process Manufacturing Intelligence(SSWA) OPM原価分析
OPMロット系統分析
OPMマージン分析
OPM製品分析
OPM生産分析
Purchasing Intelligence 契約確保

Discoverer職責とワークブックのテスト

保存されているDiscoverer 3iのカスタマイズのインポート(オプション)

Discoverer 3iのカスタムの内容を保存した場合は、その内容を新規のDiscoverer 4i End User Layerにインポートできます。

カスタムのDiscoverer 3iビジネス・エリアのインポート

カスタムのDiscoverer 3iワークブックのロード

これで、Discoverer 4iの実装が完了し、Oracle E-Business Suite 11i製品のDiscovererの内容を使用する準備が完了しました。

追加のDiscoverer End User Layerパッチのインストール

前述のステップに従ってDiscoverer 4i End User Layerのインストールまたは移行が正常に完了した後も、追加のDiscoverer End User Layerパッチのインストールとインポートが後で必要になる場合があります。この項では、adupdeul.shを使用して、Discoverer 4iパッチをEnd User Layerにインストールする方法を説明します。

基本的には、相互運用性パッチについて説明したステップと同じですが、重要な違いは、後続のDiscovererパッチに含まれる.eexファイルのみをインポートすることです。適用する必要がある前提パッチについては、DiscovererパッチのReadmeを確認してください。パッチをDiscoverer End User Layerに適用する前に、必要な前提パッチを適用します。

追加のパッチによって更新された製品については、一部またはすべてのBISビューを再生成する必要があります。また、パッチをインポートした後は、追加のパッチによって影響を受けた製品のビジネス・エリアをリフレッシュする必要があります。

注意: リリース11iのDiscovererの全内容を初めてインポートしたとき、adupdeul.shスクリプトは、コマンドライン・パラメータmode=completeを使用して実行されています。

既存のDiscoverer 4i End User Layerに対して各パッチをインポートするときは、コマンドライン・パラメータmode=driverを使用してadupdeul.shスクリプトを実行します。

次に、仮想のパッチ1234567から.eexファイルをインポートする例を示します。

adupdeul.shスクリプトでは次の構文を使用します。

sh adupdeul.sh
     connect     = sysadmin/sysadmin-password@db
     resp        = "System Administrator"
     gwyuid      = APPLSYSPUB/PUB
     fndnam      = APPS
     secgroup    = "Standard"
     topdir      = D:/au_top/discover
     language    = US
     eulprefix   = EUL
     eultype     = OLTP
     mode        = driver
     driver      = c1234567.drv
     exedir      = D:/orant/discvr4
     logfile     = import_c1234567_eul4_us_cust115.log   

オプションで、テキスト・エディタを使用して、adupdeul.shが格納されているディレクトリと同じディレクトリにパラメータ・ファイルを作成できます。このパラメータ・ファイルには、ほとんど変更されていないパラメータを保存できます。

次に、パラメータ・ファイルを使用して、仮想のパッチ1234567から.eexファイルをインポートする例を示します。