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Oracle Daily Business Intelligenceインプリメンテーション・ガイド
リリース11i
B25740-01
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Daily Business Intelligence for Product Lifecycle Management

概要

Daily Business Intelligence for Product Lifecycle Managementでは、キー・パフォーマンス・インディケータおよび詳細レポートを通じて、構想から廃止までの製品のライフサイクル全体にわたって、製品の360度ビューが提供されます。この結果、企業は、開発中、製造時および市場で、製品の実績を計画、監視および最適化できます。

次の各ダッシュボードで情報が提供されます。

「製品管理 - 設計」ダッシュボードを使用すると、対象となるユーザーは、主要な設計指標を表示して、管理している品目に関する貴重な情報を取得できます。このリリースでは、このダッシュボードにレポートと機能が追加されています。変更オーダーに関するレポートから変更オーダーの取引詳細にドリルできるようになりました。遅延変更オーダーに関するレポートが追加され、品目に対する組織内の変更オーダー実施プロセスのフィードバックが提供されます。

このダッシュボードには、次のアプリケーションの情報が要約されます。

次のアプリケーションの品目レベルの詳細が表示されます。

「製品管理」ダッシュボードでは、製品の360度ビューが提供され、いくつかのキー・パフォーマンス・インディケータ(KPI)を通じて、製品の実績を監視できます。KPIには、「収益」、「売上原価」、「総利益」、「製品利益」、「販売予測」、「記帳済」および「バックログ」の各金額があります。

このダッシュボードには、次のアプリケーションの情報が要約されます。

Daily Business Intelligence for Product Lifecycle Managementの各ダッシュボードの詳細は、『Oracle Daily Business Intelligenceユーザーズ・ガイド』を参照してください。

レポートの理解

Daily Business Intelligence for Product Lifecycle Managementには、次のダッシュボードが用意されています。

「製品管理 - 設計」ダッシュボード

「製品管理 - 設計」ダッシュボードを使用すると、製品の設計および製造プロセスを監視できるため、迅速で的確な設計上の判断が可能になります。設計および製造の実績は、品目ごとに次のインディケータで示されます。

エンジニアリング・マネージャは、部品数量と製造手順によって品目の複雑度を測定するように、品目が設計されているかどうかを確認し、その品目に対して作成された変更オーダーまたは遅延変更オーダーの数を確認できます。

このダッシュボードにアクセスするには、「Daily Product Intelligence」職責、「エンジニアリング・マネージャ」職責または「製品マネージャ」職責を使用します。

製品管理

「製品管理」ダッシュボードでは、製品管理サイクルの360度ビューが提供されます。「収益」、「製品利益」、「販売予測」など、いくつかのキー・パフォーマンス・インディケータ(KPI)があります。

このダッシュボードにアクセスするには、「Daily Product Intelligence」職責または「製品マネージャ」職責を使用します。

職責

Daily Business Intelligence for Product Lifecycle Managementでは、次の役割と職責が提供されます。

インテリジェンス製品別のすべての役割とダッシュボードの全リストは、付録A「職責とダッシュボードのマトリックス」を参照してください。

ディメンション

Daily Business Intelligence for Product Lifecycle Managementでは、次の共通ディメンションが使用されます。

これらの共通ディメンションの詳細は、「共通ディメンション」を参照してください。

パフォーマンス測定

次の表に、Daily Business Intelligence for Product Lifecycle Managementの各KPIとその計算方法(計算されるフィールドの場合)を示します。

Daily Business Intelligence for Product Lifecycle ManagementのKPI
KPI 計算方法
BOMレベル 品目の基本部品構成表で定義される最大レベル数。組立品の深さを示します。
変更オーダー・サイクル時間(日数) 変更オーダーの実施までに要する平均時間。個別の変更オーダーのヘッダーと明細レベルの品目関連、および改訂品目のみが考慮されます。変更オーダーの要素はすべてヘッダー・レベルから取得されます(優先度、実施日、希望入手日、作成日、ステータス)。
製造手順 製品の製造に必要な工程連番の数。品目の基本工順で定義されます。現在日時点で有効な工程連番のみがこの値に含まれます。基本工順はOracle Bill of Materialsで定義されます。
新規変更オーダー 選択した期間にこの製品に対して生成または発生した変更オーダーの合計数。
オープン変更オーダー 選択した日付時点で取消日または実施日が設定されていない変更オーダーの合計数。
この値をドリルして詳細レポート(リスト・レポート)または取引アプリケーションに移動すると、オープン変更オーダーには、選択した日付時点ではなく、現行のシステム日付時点のオープン変更オーダーのリストが表示されます。
部品数量 品目の基本BOMにおける最終レベルの構成部品の数量。それぞれの構成部品の量に関係なく、製品の基本部品構成表の個々の構成部品がすべて要約されます。現在日時点で有効な構成部品のみがこの値に含まれます。
異なる方法で計算される品目タイプもあります。オプション品目は、次の品目タイプの場合は計算に含まれます。
  • 標準

  • ATO

  • KITS

    PTO品目タイプの場合、オプション品目は計算から除外されます。

単価 選択した品目の原価。原価要素(資材、資材間接費、資源、アウトソーシングおよび間接費)別に単価が示されます。組織の評価対象原価タイプのみがこの原価に含まれます(例: 標準原価)。

データの保護

基本的なDaily Business Intelligenceセキュリティ・モデルに加えて、Daily Business Intelligence for Product Lifecycle Managementでは、「製品管理 - 設計」ダッシュボードでどのユーザーがどの組織にアクセスできるかを判別するために、組織セキュリティが使用されます。組織セキュリティの詳細は、「Daily Business Intelligence」を参照してください。

「製品管理」ダッシュボードでは、基本的なDaily Business Intelligenceセキュリティ・モデルのみが使用されます。

前提条件

Daily Business Intelligence for Product Lifecycle Managementを実装する前に、使用しているシステムが次の前提条件を満たしていることを確認してください。

ソフトウェア

Oracle Inventory

設定手順

実装に関する考慮事項

次に、Daily Business Intelligence for Product Lifecycle Managementの設定を開始する前に考慮する必要がある共通の設定事項を示します。

「製品管理 - 設計」ダッシュボード

「製品管理 - 設計」ダッシュボードについて、次の実装に関する考慮事項があります。

品目

レポートする品目をOracle InventoryまたはOracle Advance Product Catalogで設定していることを確認します。

変更オーダー

レポートするすべての変更オーダーの属性が、Oracle Advanced Product Catalog(例: ステータス)またはOracle Engineeringで定義されていることを確認します。

部品数量と部品構成表

レポートする各品目に、Oracle Bill of Materialsで定義されている基本部品構成表があることを確認します。Daily Business Intelligence for Product Lifecycle Managementでは、有効な構成部品のみがレポートされます。有効日がすぎている構成部品は含まれません。

要約でカウントされる部品は、「BOM展開レベルの設定」パラメータによって限定されます。このパラメータは組織ごとに1回設定されます。その結果、パラメータが1に設定されている場合は、要約によって1レベルのBOMにのみ要約され、その下のレベルは要約には含まれません。このパラメータの最大設定は60です。

たとえば、パラメータが2に設定されていて、部品数量が次の図に示すように定義されているとします。

テキストで説明されている画像

Daily Business Intelligence for Product Lifecycle Managementの要約では、A、BおよびCがレポートされ、DとEは要約から除外されます。したがって、合計部品数量は3になります。

製造手順と工順設定

レポートする各品目に、Oracle Bill of Materialsで定義されている工順があることを確認します。Daily Business Intelligence for Product Lifecycle Managementでレポートされるのは、基本工順の工程であり、選択した日付時点で有効な工程のみです。有効日がすぎている工程は含まれません。

単価

Daily Business Intelligence for Product Lifecycle Managementでは、組織に対するデフォルトの原価方法に関連付けられている評価対象原価のみがレポートされます。レポートするすべての原価が評価対象原価として定義されていることを確認してください。原価は、最終組立レベルで計算されます。

「製品管理」ダッシュボード

「製品管理」ダッシュボードについて、次の実装に関する考慮事項があります。

サービス・セキュリティ

使用する職責にサービス・プロバイダの分類があり、すべての要求タイプに対するアクセス権があることが必要です。サービス・セキュリティの詳細は、このマニュアルのService Intelligenceに関する章を参照してください。

営業セキュリティ

職責に、営業グループ階層の最上位ノードに対する管理者アクセス権があることが必要です。営業セキュリティの詳細は、このマニュアルのSales Intelligenceに関する章を参照してください。

製品費用

製品費用のレポート作成を可能にするには、次の手順を実行します。

  1. 値を製品費用財務カテゴリにマップします。

  2. 勘定体系の範囲を製品カテゴリにマップします。

  3. ライン・オブ・ビジネスを原価センターにマップします。

製品費用の設定方法の詳細は、「Daily Business Intelligence for Financials」の章を参照してください。

履行、返品および在庫価額

Daily Business Intelligence for Product Lifecycle Managementの各ダッシュボードとレポートに、履行、返品および在庫価額を表示するには、サプライ・インテリジェンスの設定を完了します。「Daily Business Intelligence for Supply Chain Intelligence」の章を参照してください。

実装

前述の項に示した前提条件以外には、Daily Business Intelligence for Product Lifecycle Managementに必要な追加の設定手順はありません。

前提条件の完了後は、「Daily Business Intelligence」の「設定後の手順」に進むことができます。この項では、ユーザーの設定方法、およびすべてのDaily Business Intelligenceダッシュボードに対する初期ロードおよび増分リフレッシュの実行方法について説明しています。

保守と管理

設定が完了した後は、次の保守タスクと管理タスクを実行する必要があります。

通常、ソース・データまたはDaily Business Intelligence for Product Lifecycle Managementの設定を変更するたびに、増分要求セットを再実行してデータをリフレッシュする必要があります。

単価の変更

標準原価タイプ以外の原価タイプの場合、Daily Business Intelligence for Product Lifecycle Managementで単価の変更が取得されるのは、単価が取引レベルで変更された場合(例: 「その他取引」ウィンドウで変更された場合)のみです。

標準原価タイプの場合は、確定済原価のみが取得されます。確定済原価の変更は「単価」ウィンドウで行われる必要があり、「原価の更新」プロセスが実行された後でのみ取得されます。

増分要求セットの実行後に、すべての変更がダッシュボードとレポートに反映されます。

変更オーダー

増分要求セットを実行して、変更を反映します。

部品構成表の部品数量の変更

基本部品構成表の変更は、増分要求セットの実行後に反映されます。

組織のリストは、初期要求セットの実行時に移入されます。増分要求セットの実行時には、一時表が参照されて最終リフレッシュ後に変更された組織が特定され、これらの組織のみが更新されます。

工順の製造手順の変更

基本工順の変更は、増分要求セットの実行後に反映されます。

財務ディメンションのマッピングの変更

財務カテゴリ(収益など)、製品またはLOBのマッピングについて、財務ディメンションのマッピングを変更した場合は、「製品管理」ダッシュボードに対して増分要求セットを再実行する必要があります。

コンカレント・プログラム

DBI for Product Lifecycle Managementには、次のコンカレント・プログラムが用意されています。

「部品数量ベース要約のロード」コンカレント・プログラム

このプログラムでは、品目の部品数量情報が収集されます。デフォルトでは、全組織の品目の部品数量情報が収集されます。このプログラムは、「製品管理 - 設計」ダッシュボードの初期要求セットの一部であり、このダッシュボードではデフォルト・モードで実行されます。

次のパラメータを使用すると、単一要求としてこのプログラムを実行できます。