ヘッダーをスキップ

Oracle E-Business Suiteインストレーション・ガイド: Rapid Installの使用方法
リリース12.2 (12.2.0)
E51766-01
目次へ
目次
前のページへ
前へ
次のページへ
次へ

構成の詳細

この付録では、Rapid Installウィザードの様々な画面に表示されるフィールドの詳細を説明します。ここでは、サンプル・スクリーン・ショットで表示されていない構成値に特に留意しており、付加的なシステム要件についても説明しています。

この付録の構成は、次のとおりです。

Rapid Install構成パラメータ

この項では、Rapid Installウィザードの「Database Install Information」画面、ノード固有の構成情報画面および「Global Settings」画面上の構成パラメータをリスト表示し、定義しています。Rapid Installでは、インストールまたはアップグレード時、システムの設定および構成にこれらの値が使用されます。

注意: この項で説明しているディレクトリおよびサブディレクトリの詳細は、Oracle E-Business Suite概要のアプリケーション・ファイル・システムに関する項を参照してください。

データベース・パラメータ

この項では、Rapid Installウィザードの「Database Install Information」画面に入力する値をリスト表示し、説明します。Rapid Installでは、この情報を使用してデータベース・ノードの最上位ディレクトリおよびサブディレクトリが設定されます。

「Database Install Information」
入力フィールド名 定義
Database OS User (UNIX) Oracleテクノロジ・スタック(データベースを含む)を所有するオペレーティング・システム・ユーザー。
Database OS Group (UNIX) 「Oracle OS User」はこのグループに属する必要があります。
Base Install directory Rapid InstallにおいてRDBMSのインストールに使用される最上位ディレクトリ。RDBMSに関連付けられたサブディレクトリ(マウント・ポイント)はすべてこのディレクトリから導出されます。
Oracle Home 11gR2データベースのOracleホームの位置。RDBMSを実行およびメンテナンスするためのファイルが格納されます。
Data Top (SYS) すべてのデータベース・システム・ファイルのマウント・ポイント。「Base Install directory」から導出されます。
Data Top (LOG) すべてのデータベース・ログ・ファイルのマウント・ポイント。「Base Install directory」から導出されます。
Data Top (TXN) すべての取引データおよび索引ファイルのマウント・ポイント。「Base Install directory」から導出されます。
Data Top (ARCHIVE) すべてのアーカイブ・ファイル、メディア・ファイル、Advanced Queueファイル、サマリー・ファイルおよびUNDOファイルのマウント・ポイント。「Base Install directory」から導出されます。

注意: 詳細は、Oracle E-Business Suite概念の表領域の管理に関する項を参照してください。

アプリケーション・ノード・パラメータ

この項では、Rapid Installウィザードのアプリケーション・ノード画面上のフィールドをリスト表示し、説明します。これらのノード(1つ以上)の構成詳細は、「Primary Applications Node Configuration」画面に入力します。

アプリケーション・ノード・インストール情報
入力フィールド名 定義
X Display (UNIX) このディスプレイには、実行時に常にアクセスできる必要があります。アクティブな許可を受けたX Windowsディスプレイに設定し、常にインスタンスに使用できるマシンを指すようにします。
UNIX Toolkit Directory (Windows) MKSツールの位置。実行可能ファイルおよびDLLの再リンクに使用されます。
Visual Studio Directory (Windows) Microsoft Visual C/C++実行可能ファイルとDLLの位置。実行可能ファイルまたはDLLのリンクに使用されます。
Apps OS User (UNIX) Oracle E-Business Suiteファイル・システムとアプリケーション・ノード・テクノロジ・スタックを所有するオペレーティング・システム・ユーザー。
Apps OS Group (UNIX) 「Apps OS User」が属するグループ。
Base Install directory Rapid Installでアプリケーション・ノード・テクノロジ・スタックのインストールに使用する最上位ディレクトリ。すべてのサブディレクトリ名は、このディレクトリから導出されます。
Instance directory Oracle E-Business Suiteインスタンスの最上位ディレクトリ。このディレクトリはインスタンス・ホームと呼ばれ、$INST_TOP環境変数で示されます。
COMMON_TOP 全製品で使用されるファイルまたはサードパーティ製品に関連したファイル用の次のようなディレクトリが格納されます。
  • admin: コンカレント・マネージャ・ログおよびアウト・ディレクトリに使用されるいくつかのサブディレクトリ、インストール時に使用されるスクリプトおよびインスタンスの日常のメンテナンスに使用されるスクリプトが含まれます。

  • html: JSPファイル、Javaスクリプト、XMLファイル、スタイル・シートなど、HTMLベースの製品が使用するファイルが含まれます。

  • java: すべてのJARファイルの位置。サードパーティのJavaファイルおよびその他のZIPファイルも含まれます。

  • temp: Oracle Reportsなどの特定プロセスのキャッシュ用に使用されます。

Tools ORACLE_HOME Developer 10g製品(FormsおよびReports)に使用されるOracleAS 10.1.2.3 ORACLE_HOMEディレクトリ。
Web ORACLE_HOME Oracle HTTP Serverに使用されるOracle Fusion Middleware ORACLE_HOMEディレクトリ。
Temp Directory テンポラリ・ファイルが含まれます。このディレクトリは、インストール中には使用されません。

グローバル・システム設定

この項では、Rapid Installウィザードの「Global Settings」画面上のフィールドをリスト表示し、説明します。Rapid Installでは、完全修飾ドメイン名の識別と、システムですべてのサービスおよびリスナーの接続に使用されるポート設定の導出に、これらのフィールドが使用されます。

グローバル設定情報
入力フィールド名 定義
Domain Name Oracle E-Business Suiteの構成がネットワークに関係する場合に使用される有効なドメイン名。この値をホスト(マシン)名と組み合せることで、完全修飾ドメイン名(FQDN)となる必要があります。たとえば、ホスト名がapps1でドメイン名がcompany.comであれば、FQDNはapps1.company.comとなります。
Port Pool 事前設定ポート番号を一意にするために選択できる増分設定のリスト。たとえば、ポート1521を1524に変更するには、リストから「3」を選択します。
Database Port Oracle Databaseでの処理用の様々なサーバーからの要求を受信するネット・サービス・リスナー・ポート。

ログ・ファイル

Rapid Installでは、インストールまたはアップグレードに関連するログ・ファイルを保存します。ログ・ファイルは<timestamp>.logという名前で、次の場所に格納されます。

変数 摘要
データベース層ログ・ファイル <APPS_BASE>/db/tech_st/11.2.0/appsutil/log/<CONTEXT_NAME>
アプリケーション層ログ・ファイル <APPS_BASE>/fs1/inst/apps/<CONTEXT_NAME>/logs例: /u01/R122_EBS/fs1/inst/apps/<CONTEXT_NAME>/appl/admin/logs

新規本番データベースの要件

Oracle E-Business Suite Release 12.2.0でRapid Installによってインストールされるフレッシュ・データベースは、Oracle 11gR2 (11.2.0)です。このデータベースは、本番システムまたはテスト・システムなどの任意の目的に使用できます。このデータベースは100%のサイジング・ファクタで最小限のサイズに設定されます。デフォルトのキャラクタ・セットはUS7ASCII、デフォルトのデータベース・ブロック・サイズは8192バイトです。

重要: Oracle E-Business Suite Release 12.2.0には、8Kのデータベース・ブロック・サイズが必要です。他のサイズは使用できません。

データベースの初期化ファイルは$ORACLE_HOME/dbsディレクトリにあり、init<SID>.oraと呼ばれます。

Oracle E-Business Suite Release 12.2.0では、すべてのベース製品がフル・インストールされます。ただし、ライセンス取得済でアクティブであるものとして自動登録されるのは、基本的なテクノロジ製品のみです。Rapid Installウィザードを使用して、Oracleライセンス契約ですべての製品を登録します。ウィザード画面に初期構成値を入力するプロセスで、キャラクタ・セットの変更が可能であり、これに応じてRapid Installによりデータベースが変換されます。

データベースではOracle Applications表領域モデル(OATM)を使用します。この簡略化されたモデルは、オブジェクトの入出力特性に基づくローカル管理表領域で構成されます。OATMでは、LinuxでのOracle Real Application Clustersの実装もサポートしています。

注意: OATMの詳細は、『Oracle E-Business Suiteセットアップ・ガイド』を参照してください。

次に示す表領域サイズはおおよその値で、プラットフォームによって異なる可能性があります。

本番データベースの表領域サイズ
表領域 摘要 サイズ(MB)
APPS_TS_ARCHIVE アーカイブ済のパージ関連データが含まれる表。 866
APPS_TS_INTERFACE インタフェースおよび一時データと索引。 1041
APPS_TS_MEDIA テキスト、ビデオ、サウンド、図形および空間データなどのマルチメディア・オブジェクト。 1551
APPS_TS_NOLOGGING サマリー管理および一時オブジェクトに使用されないマテリアライズド・ビュー。 64
APPS_TS_QUEUES アドバンスト・キューイングおよび依存する表と索引。 1000
APPS_TS_SEED 参照および設定データと索引。 3118
APPS_TS_SUMMARY マテリアライズド・ビュー、ファクト表などのサマリー管理オブジェクトと、サマリー情報を記録するその他のオブジェクト。 1146
APPS_TS_TOOLS ツールの表領域。 500
APPS_TS_TX_DATA 取引データが含まれる表。 6667
APPS_TS_TX_IDX 取引表の索引。 9113
APPS_UNDOTS1 自動UNDO管理(AUM)表領域。AUMが有効である場合、UNDOセグメントはROLLBACKセグメントと同じです。 1752
CTXD Oracle interMedia。 21
ODM Oracle Data Mining。 12
OLAP OLAP 17
OWAPUB Oracle Application Server。 10
PORTAL Oracle Portal。 100
SYSAUX Oracleのオプションと機能に関連する補助データベース・メタデータが格納されます。 573
SYSTEM Oracleデータベースで使用されるシステム表領域。 13465
TEMP 一時表領域。 2124

注意: この表領域リストは網羅的ではありません。

Vision Demonstrationデータベースの要件

Vision Demoデータベースでは、架空の企業(Vision Corporation)の取引データのサンプル・セットを提供します。このデータベースは、ほとんどのOracle E-Business Suite製品が使用され、マルチノード・システム用に構成されています。このデータベースは、サポート言語数を最大限にするために、AL32UTF8 (汎用)キャラクタ・セットとともにインストールされます。

データベース初期化ファイルは$ORACLE_HOME/dbsディレクトリにあり、init<SID>.oraと呼ばれます。

注意: 表に示されたサイズはおおよその値で、プラットフォームによって異なる可能性があります。

Vision Demoデータベースの表領域サイズ
表領域 摘要 サイズ(MB)
APPS_TS_ARCHIVE アーカイブ済のパージ関連データが含まれる表。 478
APPS_TS_INTERFACE インタフェースおよび一時データと索引。 1641
APPS_TS_MEDIA テキスト、ビデオ、サウンド、図形および空間データなどのマルチメディア・オブジェクト。 5124
APPS_TS_NOLOGGING サマリー管理および一時オブジェクトに使用されないマテリアライズド・ビュー。 725
APPS_TS_QUEUES アドバンスト・キューイングおよび依存する表と索引。 2200
APPS_TS_SEED 参照および設定データと索引。 2850
APPS_TS_SUMMARY マテリアライズド・ビュー、ファクト表などのサマリー管理オブジェクトと、サマリー情報を記録するその他のオブジェクト。 13324
APPS_TS_TX_DATA 取引データが含まれる表。 53500
APPS_TS_TX_IDX 取引表の索引。 41024
APPS_UNDOTS1 自動UNDO管理(AUM)表領域。AUMが有効である場合、UNDOセグメントはROLLBACKセグメントと同じです。 5188
CTXSYS Oracle interMedia。 2
ODM_DATA Oracle Data Mining。 30
SYSTEM Oracleデータベースで使用されるシステム表領域。 20500
TEMP 一時表領域。 2124

Vision Demoデータベースでは、複数組織機能を使用しています。次の表は、Vision Demoデータベースにおける営業単位を示しています。職責は、いずれかの営業単位に接続します。

Vision Demoデータベースにおける営業単位
営業単位 ユーザー名/パスワード
Vision Operations APPS/APPS
Vision Corporation APPS/APPS
Vision Industries APPS/APPS
Vision Services APPS/APPS
Vision Project Manufacturing APPS/APPS
Vision ADB APPS/APPS

注意: Vision Demoデータベースには、Oracle E-Business Suiteの他の製品との統合を実証するために使用される他のアカウント用に、複数のスキーマがあります。これらのスキーマについては、ここでは説明していません。

Oracle E-Business Suiteユーザーの多くは、Vision Demoデータベースにおいて事前定義されます。次に示すユーザー名/パスワードは、システム管理者の職責を持っています。