Oracle E-Business Suite リリース11iから12.2へのアップグレード・ガイド E51767-01 | ![]() 目次 | ![]() 前へ | ![]() 次へ |
この付録では、要求時アップグレードのオプションを説明します。要求時アップグレードは、初期アップグレード・プロセス (重大な停止期間ウィンドウ) から省略された履歴データをアップグレードする方法です。たとえば、すべての財務会計データを停止時間中にアップグレードするかわりに、最終会計年度のみをアップグレード対象に含めることができます。他の会計年度 (数か月後または数年後でも) のアップグレードが必要になった場合は、アップグレード後にいつでも実行できます。
この付録の内容は次のとおりです。
この項では、Oracle Customer Relationship製品の要求時アップグレード・タスクを説明します。
この項では、次のタスクを説明します。
アップグレード後は、いつでもOracle Sales OnlineからOracle Salesにカスタム職責を移行する必要があり、また移行が可能です。この移行は、ビジネス要件にあわせて適切な時期に手動で実行できます。ただし、カスタムSales Online職責を同等のSales職責に移行する際に使用できるようにスクリプトが用意されています。
スクリプト (asnmmres.sql) では、新旧の職責キーと職責アプリケーション・コードを入力として使用します。新規の職責は作成されませんが、新旧いずれかの職責が存在しない場合はエラーで終了します。古いSales Online職責を持つ各ユーザーには、新しいSales職責が未割当の場合は割り当てられ、古い職責が失効します。
このスクリプトを実行する手順は、次のとおりです。
$ASN_TOP/patch/115/sqlディレクトリに移動します。
入力として新旧の職責キーとアプリケーション・コードを使用し、asnmmres.sqlを実行します。
これらのステップをSales Onlineのカスタム職責ごとに繰り返します。
このスクリプトを同じSales Online職責に対して複数回実行して、複数のSalesカスタム職責に移行できます。また、このスクリプトを実行すると、以前に移行済であっても、終了日を削除せずに「Sales Onlineスーパーユーザー」職責をカスタム職責に移行できます。
次の表に、カスタム職責を作成する際のヒントを示します。
カスタム職責 | 手動手順 |
---|---|
Sales Onlineユーザー | Oracle Salesで同様の職責を作成し、新旧両方の職責をスクリプトに入力します。Salesユーザー用のOracle Salesのシード済職責で使用していたASN_MAIN_MENUのように、Sales職責用の新しいメニューの指定が必要になる場合があります。 |
Sales Onlineマネージャ | Sales Intelligenceアプリケーションについて、移行用の新しいカスタム職責を作成する必要があります。Sales Intelligenceの「営業マネージャ」職責に類似する必要があり、「営業DBI」メニューを参照できます。 |
Sales Onlineスーパーユーザー | Salesで、「営業管理者」職責に類似した新しい職責を作成します。ASN_ADMIN_MAIN_MENU体系を指すことができます。 |
この項で説明するタスクは次のとおりです。
注意: アップグレード後にユーザーがSalesおよびTelesalesにログオンする前に、アプリケーション担当者がこの項の手順を完了する必要があります。
Oracle SalesとOracle Telesalesでは、商談明細ごとに1人の営業担当のみが明細の収益実績全体を受け取ります。リリース11iのSalesでは、単一の商談明細の実績を複数の営業担当が受け取ることができましたが、この機能は廃止になりました。同一商談明細の収益実績をそれぞれ受け取る営業担当が複数存在する商談は、各商談明細の実績を受け取る営業担当が1人のみに指定されるように移行されます。
営業実績と営業チームを移行するには、次の手順で一連のレポート・スクリプトとコンカレント・プログラムを実行します。
$ASN_TOP/patch/115/sqlディレクトリに移動します。
SQLレポート・スクリプトを実行します。システムから、csv_report_fileの値を入力するように要求されます。レポート・ファイル名を入力し、「入力」をクリックしてレポートを生成します。
asnmrsc1.sql - 「商談明細当たり複数営業担当」レポートが生成されます。このレポートには、商談明細で複数の営業担当またはパートナが収益 (または予算) 営業実績を受け取る商談がリストされます。
asnmrsc4.sql - 「所有者以外の単一パートナ商談」レポートが生成されます。このレポートには、商談所有者以外の単一パートナが収益営業実績を受け取る商談がリストされます。このレポートには、営業担当ではなくパートナに関する情報のみが含まれます。
asnmrsc5.sql - 「100%でない非収益実績受領者」レポートが生成されます。このレポートには、実績率が100%でない非収益実績受領者がリストされます。非収益実績受領者はすべて、移行中に100%に更新されます。
「不正データ営業実績」レポートを生成します。
asnmrsc6.sqlを実行して「不正データ営業実績」レポートを生成します。このレポートには、移行されなかった収益営業実績レコードがリストされます。次の特性を持つ商談が不正データとしてリストされます。
明細ごとの予算実績率の合計<>100
予算実績額の合計が明細金額と一致しない
次のステップに進む前に、不正データを訂正する必要があります。不正データがレポートされなくなるまで、スクリプトを再実行して訂正します。
「Oracle Sales管理者」職責でログインします。
「コンカレント要求」->「実行」にナビゲートします。
「ASN複数営業担当および所有者の商談の移行」コンカレント要求セットを実行します。この要求セットには、次のコンカレント・プログラムが含まれています。
ASN重複営業担当商談の移行メイン・プログラム
ASN重複営業担当顧客の移行メイン・プログラム
ASN重複営業担当引合の移行メイン・プログラム
ASN複数営業担当商談の移行メイン・プログラム
各プログラムの「パラメータ」フィールドをクリックし、必須パラメータのリストを表示します。
パラメータ名 | 値 |
---|---|
ワーカー数 | 実行するコンカレント・マネージャ・プロセス数。 |
コミット・フラグ | 「Yes」=変更をコミットします。「No」=変更内容を保存しません。 |
デバッグ・フラグ | 「Yes」=アプリケーション共通ロギング・リポジトリにメッセージを記録します。「No」=メッセージを記録しません。 注意: デバッグ・メッセージを記録するには、FND Logging Frameworkのプロファイル値を設定する必要があります。 |
ステップ2を繰り返して移行結果を検証します。
商談 (Business World - 新製品の販売) に、新製品の商談明細があり、営業担当2人 (JohnとMary) がそれぞれ収益実績を受け取るように指定されているとします。商談明細は$200分で、JohnとMaryはそれぞれ収益実績の75% ($150) と25% ($50) を受け取ります。
アップグレードにより、この製品に関して新しい商談明細が作成され、営業担当の1人 (たとえばMary) が割り当てられます。新規明細の明細金額は$50、収益実績は100%、収益実績額は$50です。既存の商談明細は$150に更新され、収益実績は100%、収益実績額は$150となります。Johnは、既存の商談明細の収益実績を受け取る唯一の営業担当となります。
商談全体のヘッダー金額は変わりませんが、同じ製品に関する商談明細が2つになります。各明細で収益実績を受け取る営業担当は1人のみです。
このコンカレント・プログラムの主な機能と処理は、次のとおりです。
実績タイプ | プログラムで実行される処理 |
---|---|
収益営業実績 |
|
非収益営業実績 |
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HZ_PARTIES表内の個々の顧客 (組織または個人) ごとに、重複する営業担当レコードがAS_ACCESSES_ALL表から削除されます。
AS_SALES_LEADS表内の個々の引合ごとに、重複する営業担当レコードがAS_ACCESSES_ALL表から削除されます。
AS_LEADS_ALL表内の個々の商談ごとに、重複する営業担当レコードがAS_ACCESSES_ALL表から削除されます。
Oracle SalesとOracle Telesalesでは、商談で営業ステージが指定されている場合、販売方法論が必須です。指定後は、その商談を他の販売方法論には変更できません。販売方法論のスクリプト (asnmomth.sql) では、販売方法論なしの営業ステージが指定されている商談のみが移行されます。指定の営業ステージにマップされている有効な販売方法論が、スクリプトによりランダムに選択されます。有効な販売方法論がない場合は、エラーがレポートされます。販売方法論が有効かどうかは、方法論の開始日と終了日によって決まります。
エラーや不正な移行を回避するには、asnmromt.sqlスクリプトを実行し、営業ステージごとに有効な販売方法論が確実に1つのみであるように移行の準備を進めます。
注意: システムから、csv_report_fileの値を入力するように要求されます。レポート・ファイル名を入力し、「入力」をクリックしてレポートを生成します。
生成されたレポートを検討し、データ移行前に設定を訂正します。このスクリプトを実行する手順は、次のとおりです。
$ASN_TOP/patch/115/sqlディレクトリに移動します。
asnmromt.sqlを実行します。
営業ステージがレポートされない場合は、ステップ5に進みます。
営業ステージがレポートされた場合は、レポートの情報に基づいて「販売方法論」と「営業ステージ」の設定を訂正します。営業ステージがレポートされなくなるまで、レポートを実行して訂正します。
asnmomth.sqlを実行して、商談の販売方法論を移行します。
このスクリプトでは、商談内で移行する必要があって、有効な販売方法論がマップされていないか、複数の有効な販売方法論がマップされている営業ステージがレポートされます。販売方法論または営業ステージを変更すると、他の方法論やステージに影響する場合があります。変更後に最新のレポートを生成することをお薦めします。
この項では、Oracle FinancialsおよびProcurement製品ファミリの要求時アップグレード・タスクを説明します。特に明記されている場合を除き、E-Business TaxまたはSubledger Accounting (あるいはその両方) の取引履歴と仕訳のアップグレード方法をリストされた製品別に説明します。補助元帳仕訳履歴のアップグレード・プロセス全体の説明は、この付録の「Subledger Accounting」を参照してください。
この項では、次のタスクを説明します。
AssetsからSubledger Accountingに追加の会計仕訳を移行する必要がある場合は、SLAアップグレード後プロセスを実行できます。このプロセスでは、指定した元帳と期間について全Assets取引をアップグレードするパッケージがコールされます。
会計データと税金データを更新する「補助元帳取引履歴のアップグレード」プログラムについては、この付録の「Subledger Accounting」を参照してください。
この項では、次のタスクを説明します。
デフォルトでは、General Ledgerに転記済の現行会計年度のブラジル売掛/未収金回収文書発生と、すべての未転記発生のみが、アップグレードの一環として移行されます。オプションで、この期間を現行会計年度から元帳用の長期間に変更できます。アップグレード期間に該当する発生のみでなく、1件以上の発生がアップグレード期間に該当する回収文書の送金発生もすべてアップグレードされるため、これらの送金発生の補助元帳仕訳への逆参照が取り扱われます。
以前の会計年度の発生に関する追加の仕訳をSubledger Accountingに移行する必要がある場合は、SLAアップグレード後プロセスを実行できます。このプロセスでは、指定した元帳および期間についてブラジル売掛/未収金取引を他の売掛/未収金取引に加えてアップグレードするReceivables内のパッケージがコールされます。
このステップは、General Ledgerで仕訳を消込済の場合に適用されます。
TUMSステップ・キー: GL_CREATE_RECON_LINES
この新機能により、「Oracle Financials各国共通機能」内の「GL入力消込」機能が置き換えられています。この新機能を使用すると、差引0 (ゼロ) にする必要のある仕訳明細を消し込むことができます。通常は、仮勘定の消込に使用するか、ノルウェー、ドイツまたはフランスなどの国で給与勘定や課税対象勘定の監査または消込を実行したり、期末に特定の勘定の未回収残高を検証するために使用します。
アップグレード前に入力された仕訳明細を消し込むか、アップグレード前に実行された消込を表示して戻し処理する場合は、「消込用仕訳明細のアップグレード」コンカレント・プログラムを実行します。
この項では、次のタスクを説明します。
Subledger Accountingのアップグレードでは、会計データと税金データが処理されます。アップグレード時には、実行対象となる期間を指定します。アップグレード後のいずれかの時点で、このアップグレード期間に該当しなかった支払または前払の修正が必要であることが判明した場合は、SLAアップグレード後プロセスを実行できます。このプロセスでは、指定した元帳と期間についてPayables内の全取引をアップグレードするPayables内のパッケージがコールされます。
この項では、次のタスクを説明します。
Subledger Accountingのアップグレードでは、会計データと税金データが処理されます。PurchasingからE-Business Taxリポジトリに追加の税金データを移行する必要がある場合は、SLAアップグレード後プロセスを実行できます。このプロセスでは、指定した元帳と期間についてPurchasing内で該当する全税金取引をアップグレードするE-Business Tax内のパッケージがコールされます。
この項では、次のタスクを説明します。
Subledger Accountingのアップグレードでは、会計データと税金データが処理されます。ReceivablesからSubledger Accountingに追加の会計仕訳を移行する必要がある場合は、SLAアップグレード後プロセスを実行します。このプロセスでは、指定した元帳と期間について全Receivables取引をアップグレードするReceivables内のパッケージがコールされます。
この項は、次のいずれかの製品を使用している場合に適用されます。
Oracle Assets (Subledger Accountingの場合)
Oracle Financials for the Americas (Subledger Accountingの場合)
Oracle Payables (E-Business TaxとSubledger Accountingの両方の場合)
Oracle Projects (Subledger Accountingの場合)
Oracle Purchasing (E-Business Taxの場合)
Oracle Receivables (E-Business TaxとSubledger Accountingの両方の場合)
停止期間の長期化を防ぐため、古いデータを日次操作に永続的に使用可能にする必要がない場合などは、会計データと税金データのサブセットのみをアップグレードするように選択できます。データ量が少ないほど記憶領域の所要量も減少するため、この決定はハードウェア・リソースに直接影響します。ただし、通常の業務中には古いデータを使用可能にしておく必要がある状況があります。たとえば、古い請求書の戻し処理が必要になった場合、Oracle Subledger Accountingで正しい会計逆仕訳を生成するには請求書の当初会計データが必要です。
注意: SLAアップグレード後プロセスを停止時間中のアップグレードの代替とはみなさないでください。このプロセスの目的は指定した元帳の個別期間のみをアップグレードすることであり、停止時間中には複数の元帳が同時にアップグレードされます。
アップグレード方法の決定時には、リソースへの影響を考慮することが重要です。
SLAアップグレード後プロセスは日次操作と同時に実行します。大量データのアップグレードがシステム・パフォーマンスに及ぼす影響を慎重に検討する必要があります。
停止時間中のアップグレードでは、大量のデータを効率的に処理できます。ただし、データ量に応じて停止時間が長くなります。
SLAアップグレード後プロセスを実行する前に、「SLA: 履歴アップグレードの初期日」プロファイル・オプションに、アップグレード対象となる初期期間の決定に使用する初期日を入力します。プロセスを実行するには、このプロファイル・オプションを移入する必要があります。
その後、次の手順でプロセスを実行します。
options=hotpatchを指定してAutoPatchを実行します。
統合ドライバを要求するプロンプトに対して、$XLA_TOP/patch/115/driver/xla5584908.drvを指定します。
この項では、Oracle Projectsの要求時アップグレード・タスクのうち、Subledger Accountingに関連する情報を説明します。補助元帳仕訳履歴のアップグレード・プロセス全体の説明は、この付録の「Subledger Accounting」を参照してください。
この項では、次のタスクを説明します。
ProjectsからSubledger Accountingに追加の会計仕訳を移行する必要がある場合は、SLAアップグレード後プロセスを実行できます。このプロセスでは、指定した元帳と期間について該当する全会計仕訳をアップグレードするProjects内のパッケージがコールされます。
Oracle Projectsで追加の仕入先原価取引をアップグレードする必要がある場合には、「UPG: 取引属性のアップグレード」コンカレント・プログラムを実行できます。このコンカレント・プログラムは、指定したパラメータについてOracle Projectsでの取引に該当するすべての仕入先原価属性を更新します。詳細は、『Oracle Projects基礎』を参照してください。
この項では、Oracle Supply Chain Management製品ファミリのOracle Cost Managementの要求時アップグレード・タスクを説明します。補助元帳仕訳履歴のアップグレード・プロセス全体の説明は、この付録の「Subledger Accounting」を参照してください。
この項では、次のタスクを説明します。
CostingからSubledger Accountingに追加の会計仕訳を移行する必要がある場合は、SLAアップグレード後プロセスを実行できます。このプロセスでは、指定した元帳と期間についてInventory、Work in ProcessおよびReceivingの取引をアップグレードするCosting内のパッケージがコールされます。
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