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Oracle E-Business Suite開発者ガイド
リリース12.2
E53035-01
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アプリケーション・フレームワークの設定

アプリケーション・フレームワーク設定の概要

Oracle E-Business SuiteアプリケーションやOracle E-Business Suiteを統合したカスタム・アプリケーションは、コンポーネントの配列が予想可能な構造になっていると想定しています。これには特定のディレクトリ構造が含まれ、Oracle環境変数やOracle Application Object Libraryがアプリケーション・コンポーネントの検索に使用するアプリケーション名だけでなく、レポート、フォーム、プログラムおよびその他のオブジェクトが格納されます。

定義

共通して使用される用語を次に示します。

アプリケーション

アプリケーションは、フォーム、プログラム、メニュー、ライブラリ、レポートおよびその他のオブジェクトの機能グループで、Oracle General LedgerやOracle Inventoryなどがその例です。カスタム・アプリケーションは、カスタム・メニュー、フォーム、またはコンカレント・プログラムなど、サイト特有のコンポーネントを一緒にグループ化したものです。

アプリケーション短縮名

アプリケーション短縮名は、ディレクトリ内のアプリケーションやファイル名およびPL/SQLルーチンなどのアプリケーション・コードによるアプリケーションを識別するために使用されるアプリケーション名を短縮したものです。

Oracleスキーマ

データベースにアクセスするアプリケーションが使用するデータベース・ユーザー名です。Oracle ID (パスワードを含む)またはOracleユーザーとも呼ばれます。

環境変数

オペレーティング・システム変数で、アプリケーションの実行環境を示します。たとえば、環境変数を定義することでディレクトリ・パスを指定できます。

環境変数には、$記号のある場合とない場合があるので注意してください。Windows NT環境では、環境変数の多くはレジストリ設定($記号なし)に対応していますが、レジストリにはなく.cmdファイル内にあるものもあります。

アプリケーション・ベースパス

アプリケーション・レベルのサブディレクトリへのディレクトリ・パスを指定する環境変数です。アプリケーション環境ファイルにアプリケーション・ベースパスを記述し、アプリケーション名の登録時にOracle Application Object Libraryに登録します。$PRODUCT_TOPディレクトリに対応します。

アプリケーション・ディレクトリ構造の設定

アプリケーション・コンポーネントの開発時には、Oracle Application Object Libraryが検索できるようにアプリケーション・コンポーネントを適切なマシンの適切なディレクトリに格納する必要があります。たとえば、Oracle Reportsで作成されたレポートは通常、コンカレント処理サーバー・マシン上のレポートという名前のサブディレクトリに格納します。また、フォームは、フォーム・サーバー・マシン上で、地域や言語によって(米語はUS、ドイツ語はDなど)別々のサブディレクトリに格納します。

作成したアプリケーションのディレクトリ構造は、サイトのOracle E-Business Suiteの構成だけでなく、使用しているコンピュータやオペレーティング・システム・プラットフォームによっても異なります。たとえば、Unixデータベース・サーバー、Unixコンカレント処理サーバー、Microsoft Windows NTフォーム・サーバーおよびPC上のWebブラウザからなる構成を使用している場合や、データベースとフォーム・サーバーの両方を構築した1台のUnixマシンとPC上のWebブラウザからなる構成を使用している場合があります。これらの構成ではディレクトリ設定も異なったものとなります。特定のプラットフォームや構成に対するディレクトリ設定情報については、Oracle E-Business Suite概要を参照してください。各サブディレクトリの内容や目的の詳細は、Oracle E-Business Suite概要を参照してください。

アプリケーションの登録

adspliceを使用してアプリケーションを登録する必要があります。関連項目: 『Oracle E-Business Suiteセットアップ・ガイド』のADスプライサに関する項およびMy Oracle Supportナレッジ・ドキュメント1577707.1『Creating a Custom Application in Oracle E-Business Suite Release 12.2』

カスタム・アプリケーションを識別することによって、Oracle E-Business Suiteは、アップグレード時にユーザーによって作成されたアプリケーション・オブジェクトやカスタマイゼーションを保護します。アプリケーションは登録時に、職責などのアプリケーション・オブジェクトが含まれているApplication Object Library表の中のアプリケーションID番号を割り当てられます。このアプリケーションID番号は、Oracle E-Business Suiteフォーム・フィールドから見ることはできません。

作成したカスタム・アプリケーション短縮名が今後Oracle E-Business Suiteで使用される短縮名と重複するというリスクを避けるために、作成したカスタム・アプリケーション短縮名は「XX」で始めることをお薦めします。このような競合が、アプリケーションID番号を使用して保存したアプリケーション・データには影響することはありません(Oracle E-Business Suite製品で使用されるアプリケーションIDが重複することはありません)。ただし、メッセージやコンカレント・プログラムなどのオブジェクトを識別するためにアプリケーション短縮名を使用するような場合(アプリケーション短縮名をアプリケーションIDのかわりにコードに含める場合)には、短縮名の競合はアプリケーション・コードに影響する場合があります。

環境ファイルの変更

対応するOracle E-Business Suite環境ファイル(あるいはWindows NTレジストリ)にアプリケーション・ベースパス変数を加える必要があります。環境ファイルの形式および位置は、使用しているオペレーティング・システムとOracle E-Business Suite構成によって異なります。環境ファイルの詳細は、Oracle E-Business Suite概要を参照してください。

Oracleスキーマの設定と登録

カスタム表を基にしてカスタム・フォームを作成する場合、表は通常データベースのOracleスキーマに置きます。カスタム・スキーマはOracle Application Object Libraryに登録する必要があります。関連項目: My Oracle Supportナレッジ・ドキュメント1577707.1『Creating a Custom Application in Oracle E-Business Suite Release 12.2』

データベース・オブジェクトの作成とAPPSスキーマとの統合

作成したアプリケーション表をOracle E-Business Suiteと統合するには、APPSスキーマに適切な権限とシノニムを作成する必要があります。関連項目: カスタム・オブジェクトとスキーマの統合

データ・グループへのアプリケーションの追加

Oracle E-Business Suite製品は、標準データ・グループの一部としてインストールされます。カスタム・アプリケーションを作成中に標準データ・グループのコピーを作成したり新たなデータ・グループにアプリケーションOracle IDを追加するには、「データ・グループ」ウィンドウを使用する必要があります。作成したアプリケーション表をAPPSスキーマと統合している場合、APPSは(カスタム・スキーマの名前ではなく)一組のアプリケーションOracle IDのOracle IDとして指定することに注意してください。『Oracle E-Business Suiteセットアップ・ガイド』を参照してください。

コンカレント・マネージャの設定

カスタム・アプリケーションをサポートする適切なコンカレント・マネージャ設定がサイトに存在していない場合、追加のコンカレント・マネージャ設定をシステム管理者に依頼する必要がある場合があります。『Oracle E-Business Suiteセットアップ・ガイド』を参照してください。