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Oracle E-Business Suite開発者ガイド
リリース12.2
E53035-01
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オンライン・パッチ適用の準備

はじめに

Oracle E-Business Suiteには、オンライン・パッチ適用準備レポートというユーティリティが含まれており、リリース12.2およびオンライン・パッチ適用有効化の準備で、更新を必要とするデータベース・コンポーネントを容易に識別できます。このユーティリティは、(オンライン・パッチ適用が有効になる前の)リリース11i、12.0、12.1または12.2環境で実行されます。

このユーティリティは、リリース12.2の取得前にアップグレードを準備している顧客がリリース12.2とは関係なく使用できます。また、リリース12.2にも使用可能です。リリース(リリース11i、12.0、12.1または12.2)に対応する適切なパッチをダウンロードしてください。パッチ番号を検索する方法は、My Oracle Supportナレッジ・ドキュメント1531121.1『Using the Online Patching Readiness Report in Oracle E-Business Suite Release 12.2』を参照してください。パッチのREADMEファイルに、このユーティリティに関する最新の情報が記載されています。

重要: オンライン・パッチ適用を有効にする前に、このユーティリティでレポートされたすべての違反を修正する必要があります。

要約準備レポートおよび手動修正準備レポートの実行

以降の項で説明する準備レポートをアプリケーション層APPL_TOPから実行する必要があります。このレポートには、エディション化不可オブジェクトはエディション化可能オブジェクト(エディション化可能オブジェクトは、シノニム、ビューおよびPL/SQLオブジェクト)を参照できないという、エディションベースの再定義(EBR)ルールに準拠していないオブジェクトがリストされます。また、このレポートには、いくつかのネーミング標準違反もリストされ、これらは、オンライン・パッチ適用有効化パッチを適用する前に修正する必要があります。

さらに、グローバル標準準拠チェッカ(GSCC)スクリプトを実行し、このスクリプトでレポートされるエラーにも対処する必要があります。このスクリプトの最新情報については、My Oracle Supportナレッジ・ドキュメント1531121.1『Using the Online Patching Readiness Report in Oracle E-Business Suite Release 12.2』、および関連パッチのREADMEファイルを参照してください。

レポートの実行に関係する手順を次の図で示します。

要約準備レポートおよび手動修正準備レポートの実行

本文の説明内容に関するイメージ

  1. 要約準備レポート(ADZDPSUM.sql)を実行します。

    未登録のカスタム・スキーマがない場合は、ステップ3に進みます。それ以外の場合は、ステップ2に移動します。

  2. 有効化のためにスキーマを登録します。

    要約準備レポートを再度実行します。

    未登録のスキーマがなくなるまで、ステップ1と2を繰り返します。その後、ステップ3に進みます。

  3. 手動修正準備レポート(ADZDPMAN.sql)、オンライン・パッチ適用データベース準拠チェッカおよびグローバル標準準拠チェッカを実行します。

    例外がレポートされない場合は、ステップ5に移動します。それ以外の場合は、ステップ4に移動します。

  4. ステップ3のユーティリティの実行によって検出された例外を修正します。

    例外が検出されなくなるまで、ステップ3のユーティリティを再度実行します。

  5. オンライン・パッチ適用を有効化します。

カスタム・コードの新規標準への準拠の確認

関連データベース・オブジェクトとコードにパッチをオンラインで正常に適用できることを保証する新規標準に、カスタム・コードが準拠していることを確認する必要があります。

提供されているツールを使用して、カスタマイズにOracle E-Business Suiteオンライン・パッチ適用標準の違反がないか確認します。

前述の準備レポートおよびデータベース標準チェッカ(データベース準拠チェッカまたはDBCCともいいます)は、まだオンライン・パッチ適用対応ではないシステムで実行するように設計されています。これらは、有効化後に最終チェックとして実行可能であり、実行することをお薦めします。オンライン・パッチ適用が有効化された後の手順は、次のとおりです。

  1. リリース12.2にアップグレードします。

  2. 準備レポートを実行します。

  3. エラーを修正し、ステップ2を繰り返します。

  4. データベース標準チェッカ(ADZDDBCC.sql)を実行します。

  5. ステップ4で検出されたエラーを修正します。ステップ4を繰り返します。

    注意: DBCCユーティリティは、システムがオンライン・パッチ適用可能になるまで、完全なレポートを提供できません。

  6. オンライン・パッチ適用を有効化します。

  7. 準備レポートを再実行します。エラーまたは問題がレポートされないことを確認します。

  8. データベース標準チェッカ(ADZDDBCC.sql)を再実行します。

  9. エラーがレポートされなくなるまで、エラーを修正し、ステップ8を繰り返します。

データベース標準チェッカを使用した準拠のチェック

本文の説明内容に関するイメージ

環境の準備

ユーティリティを実行するための環境を準備します。

  1. 実行ファイル・システム環境を初期化します。

    source <RUN APPL_TOP>/<Instance SID>_<hostname>.env

    注意: 後続のステップでは、この環境ファイルで初期化された同じセッションで実行していることを前提としています。追加のオペレーティング・システム・レベルのセッションが必要な場合は、必ずこの同じ環境ファイルで環境を初期化してください。

  2. オンライン・パッチ適用ログ・ファイルの場所を作成し、その場所を現行ディレクトリとして設定します。

    mkdir $LOG_HOME/appl/op 
    cd $LOG_HOME/appl/op  

    注意: $LOG_HOMEディレクトリは、実行ファイル・システムのインスタンス最上位の下に作成されます。

準備レポートの実行

次のスクリプトを実行します。

注意: 準備レポートの多数の違反は、カスタム・スキーマを登録することによって自動的に修正できます。カスタム・スキーマ、およびOracleテクノロジの一部としてインストールされるAPEX、XDB、OWBSYSなどのスキーマの登録方法に関するサンプル・コマンドは、要約準備レポート(ADZDPSUM.sql)の最後のセクションを確認してください。Oracle E-Business Suiteのオンライン・パッチ適用をサポートしていないすべてのカスタム・スキーマまたはサード・パーティ・スキーマを登録する必要があります。次のスキーマは登録しないでください。

これらのスキーマとエディション化オブジェクトの間の依存性は、コーディング標準違反であり、手動で修正する必要があります。

テンプレート・ファイル$AD_TOP/sql/ADZDPCUST.sqlをカスタマイズして、選択した修正を実行することをお薦めします。レポートに、この手順に関する詳細が示されます。

オンライン・パッチ適用データベース標準チェッカの実行

オンライン・パッチ適用データベース標準チェッカ・レポート(ADZDDBCC.sql)を実行して、コーディング標準違反をチェックします。

このユーティリティでは、オンライン・パッチ適用開発標準に対する違反がレポートされます。これらの標準の詳細は、このマニュアルで後述するデータベース・オブジェクト標準を参照してください。カスタム・コードの一部である、このレポートにリストされたオブジェクトを修正する必要があります。違反を修正しない場合は、このレポートにリストされたオブジェクトにパッチを適用するために、オンライン・パッチ適用インフラストラクチャを使用することはできません。

注意: 違反の修正に失敗した際の結果は、違反のタイプに依存します。オンライン・パッチ適用開発標準に準拠しないオブジェクトは、オンライン・パッチ適用時または適用後に正しく動作しないか、無効になる可能性があります。

注意: このレポートの一部のSQL文には、Oracle 11gR2データベースを必要とするOracle E-Business Suiteリリース12.2に対する依存性があります。リリース12.2のアップグレード前にレポートを実行していて、データベースを11gR2にアップグレードしていない場合、SQLの失敗は無視できます。その後、Oracle E-Business Suiteリリース12.2のアップグレードを完了した後、またはデータベースを11gR2にアップグレードした後で、レポートを再実行して、エラーを修正する必要があります。

グローバル標準準拠チェッカ(GSCC)の実行

グローバル標準準拠チェッカ(GSCCまたはgscc.plスクリプト)を実行して、一般的な標準の問題をチェックします。

Oracle E-Business Suiteリリース12.2におけるオンライン・パッチ適用の実装は、Oracle Database 11gR2のエディションベースの再定義機能に依存し、Oracle E-Business Suiteに登録されるスキーマ内のデータベース・オブジェクト全体の新しい論理ビューが追加されます。これらのデータベース・オブジェクトには論理層からアクセスする必要があり、新しいコーディング標準によって、これがコードで正しく行われることが容易に保証されます。論理層の実装は、大半のアプリケーション・コードが新しい標準にあらかじめ従うように実行されますが、このスクリプトは、多数の準拠に関する問題が存在する場合に、これらをスキャンして識別するために提供されています。このスクリプトの詳細は、My Oracle Supportナレッジ・ドキュメント1531121.1『Using the Online Patching Readiness Report in Oracle E-Business Suite Release 12.2』、およびそのドキュメントで参照されるパッチのREADMEを参照してください。

グローバル標準準拠チェッカ(GSCC)は、メイン・エンジン・スクリプト$FND_TOP/bin/gscc-run.plと、一般的な標準の問題をチェックする、$FND_TOP/perl/GSCC/OpenEFCにある様々な実施コード(EFC)モジュールで構成されます。GSCCの実行および出力の解釈に関する指示は、パッチのREADMEを参照してください。このスクリプトでレポートされたエラーを修正してください。