Oracle Demantraユーザー・ガイド リリース12.2 E57801-01 | ![]() 目次 | ![]() 前へ | ![]() 次へ |
この章では、次のトピックについて説明します。
連鎖とは、ソース組合せからターゲット組合せにシリーズ・データをコピーするプロセスです。通常は、新規のメンバーまたは新規の組合せを作成した後にこれを実行して、Oracle Demantraが予測時にデータを使用できるようにします。連鎖操作の設定時に、コピーする各シリーズ・データ、コピーする日付範囲、ペーストを開始する日付、およびオプションとしてそのシリーズの倍数ファクタを指定します。連鎖操作中、Oracle Demantraによってシリーズ・データは集計され、分割メカニズムの選択に従って、ターゲット組合せに分割されます。
Oracle Demantraでは、連鎖操作の詳細が保存されます。つまり、後で、必要に応じて同じ操作を実行できます。
注意: Demantraではすべての組合せのデータが最低レベルである品目と場所(ITEM_IDとLOCATION_ID)で保存されます。連鎖プロセスは常にこのレベルで実行されます。
連鎖管理を開く手順
次のいずれかを実行します。
メンバー管理がオープンしたら、「連鎖管理」をクリックします。
Oracle Demantra内で、「ツール」->「連鎖管理」をクリックします。
コラボレータ・ワークベンチ内で、「計画アプリケーション」->「メンバー管理」をクリックします。
「連鎖管理」ウィンドウがオープンします。
このツールがデスクトップにインストールされていないか、または使用可能なより新しいバージョンがある場合、このツールは、Oracle Demantraによりデスクトップにインストールされるか、または更新されます。これには適切な権限が必要です。Oracle Demantraインプリメンテーション・ガイドを参照してください。
ターゲットの取得をクリックします。連鎖管理」が更新され、すべての保存済の連鎖操作が表示されます。
連鎖管理の使用を開始する前に、そのユーザー・インタフェースを理解しておくと便利です。これを開始したら、ターゲットの取得をクリックします。次のウィンドウが表示されます。このウィンドウの各行が示す内容は、次のとおりです。
「ターゲット」領域には、保存済の連鎖操作が表示されます。
「ソース」領域には、選択した連鎖操作のソース組合せが表示されます。
「シリーズ」領域には、選択した連鎖操作中にコピーするシリーズが表示されます。
このウィンドウでは、次のことを実行できます。
連鎖操作の定義。
保存済の各連鎖操作の詳細の表示。画面の上部にある表の行をクリックすると、ウィンドウの他の部分が更新され、その操作の詳細が表示されます。
保存済の連鎖操作の編集。
連鎖操作をバックグラウンドで処理できるよう送信します。以前に処理された連鎖操作を戻すことができます。
過去の連鎖操作のステータスの表示。
連鎖操作の定義時に、ターゲットおよびソースの組合せを選択する必要があります。これを実行するには、メンバー管理ツールに非常に類似しているウィンドウを使用します。参考に、一般的な方法をここで説明します。この例では、店舗99にある品目Aの組合せを選択します。
組合せを選択する手順
「レベル・メンバーの表示」の説明に従い、品目レベルまたは場所レベルのメンバーを表示します。どちらのディメンションからも開始できます。たとえば、SKUレベルのメンバーを表示します。
開始ポイントとして使用するメンバーをクリックします。この例では、品目Aメンバーをクリックします。
場所へのリンク・ボタンまたは品目へのリンク・ボタンのうち、表示された方をクリックします。この例では、場所へのリンク・ボタンをクリックします。
メンバー管理に、もう1つのディメンション(この場合は場所)のレベルが表示されます。
注意: 前の画面に戻って選択を再確認するには、「戻る」をクリックします。
必要なレベルのメンバーを表示します。たとえば、「出荷先」レベルのメンバーを表示します。
組合せのもう1つの部分を構成するメンバーをクリックします。この例では、店舗99をクリックします。
必要に応じて、後述の説明に従い、組合せをフィルタします(この例では、単一の最下位レベルの組合せを選択しているため、フィルタには意味がありません)。
「連鎖管理」をクリックしてこの組合せを選択し、連鎖管理のユーザー・インタフェースに戻ります。
選択した最下位レベルの組合せをフィルタできます。
注意: メンバー・リストがなんらかの方法でフィルタされている場合、注意を喚起するために「フィルタ」ボタンは赤で表示されます。
組合せをフィルタする手順
「フィルタ」をクリックします。
「フィルタ」ダイアログ・ボックスが表示されます。
フィルタの選択元ペインで、フィルタするレベルを選択します。
選択したレベルのメンバー・リストが値の選択元ペインに表示されます。
値の選択元ペインで含めるメンバーをクリックし、矢印をクリックして、それらを選択済の値ペインに移動します。
「OK」をクリックします。
メンバーの表示をクリックします。
注意: 組合せをフィルタする方法は他にもあります。以前にもう1つのディメンションを表示している際にフィルタを適用したことがある場合、そのフィルタをこのディメンションにコピーできます。これを実行するには、「場所のフィルタからフィルタを取得」または「品目のフィルタからフィルタを取得」のうち、現在表示されている方のボタンをクリックします。
既存の最下位レベルのソース組合せまたはターゲット組合せに連鎖操作があるかどうかを表示できます。
既存の最下位レベルの組合せを表示する手順
「ターゲット」領域または「ソース」領域で右クリックして、全組合せを選択します。
注意: このオプションが使用できない場合は、作業内容を保存して連鎖管理を終了し、再びこれを開きます。
連鎖管理に次のようなウィンドウが表示されます。
このウィンドウには、現在存在するすべての下位レベルの組合せがリストされます。連鎖操作自体によって作成された組合せは表示されません。
ウィンドウをクローズするには、「OK」をクリックします。
変更を行う必要がある場合は、次を実行します。
「ターゲット」領域または「ソース」領域で右クリックして、組合せリスト-品目を選択します。ダイアログ・ボックスが表示され、そこに選択したことがあるすべての品目が表示されます。含める品目を指定し、「OK」をクリックします。
「ターゲット」領域または「ソース」領域で右クリックして、組合せリスト-場所を選択します。ダイアログ・ボックスが表示され、そこに選択したことがあるすべての場所が表示されます。含める場所を指定し、「OK」をクリックします。
必要に応じて、手順1の説明に従い、組合せを再確認します。
この項では、連鎖オプションの概要を示し、それらが相互にどのように関連しているかを説明します。
「ターゲット」、「移入」および「ソース」オプションは、相互に関連しています。これらのオプションの1つを設定する場合、他のオプションをどのように設定したかを考慮する必要があります。これらの設定には、基本的に次の3つの便利な一般的構成があります。
1つ目の構成は、品目の類似性に対する構成です。この場合、ソースとターゲットの両組合せの最下位レベルに、同じ品目メンバーが含まれます。たとえば、店舗99で品目1500を販売していて、同じ品目1500を販売する店舗100を作成したとします。この場合、Oracle Demantraにより自動的に暗示的な組合せが作成されます。まだそれらが存在しない場合は、メンバー管理内で最初にこれらの組合せを作成する必要はありません。
もう1つの組合せは、場所の類似性に対する構成です。この場合、ソースとターゲットの両組合せの最下位レベルに、同じ場所メンバーが含まれます。たとえば、品目Aが10店舗を含む地域5で販売されていて、品目Bを、まだそれを販売していないこの地域に投入する必要があるとします。この場合、まだ組合せが存在しない場合は、Oracle Demantraにより自動的に暗示的な組合せが作成されます。
もう1つの構成は、類似性のないソースおよびターゲットに対するものです。この場合、ソースとターゲットの組合せには、異なる品目と場所のメンバーが含まれます。これらの場合、連鎖管理により組合せは作成されません。ターゲットの組合せはすでに存在している必要があります。
次の表は、各構成で使用する設定を要約しています。
表内では次のとおりです。
*は、このメンバーが任意の集計レベルに配置可能でフィルタ可能であることを示します。
**は、利用不可なソース組合せがある場合、それは連鎖管理で無視されることを示します。
ケース | ターゲット・メンバーのSKUを使用する設定 | ターゲット・メンバーの「出荷先」を使用する設定 | 「移入」の「品目」を使用する設定 | 「移入」の「場所」を使用する設定 | 「ソース」**のSKUを使用する設定 | 「ソース」**の「出荷先」を使用する設定 |
---|---|---|---|---|---|---|
品目の類似性 | すべて | 特定の場所* | ソース | ターゲット | すべて(このコンテキストでは、すべてのSKUがソースの場所に関連付けられていることを意味します) | ターゲットとは異なる特定の場所* |
場所の類似性 | 特定の品目* | すべて | ターゲット | ソース | ターゲットとは異なる特定の品目* | すべて(このコンテキストでは、すべての出荷先がソースの品目に関連付けられていることを意味します) |
類似性なし | 特定の品目* | 特定の場所* | ターゲット | ターゲット | ターゲットとは異なる特定の品目* | ターゲットとは異なる特定の場所* |
各シリーズ(および各期間)に対し、Oracle Demantraはすべてのソース組合せからのデータを集計して、その後、ターゲット組合せに値を分割します。
注意: 各シリーズでは、集計された値をまったく分割しないことも選択できます。かわりに、集計された値を各ターゲット組合せに張り付けることができます。
品目と場所の両方をまたがる分割
品目間のデータの分割の方法と場所間のデータ分割の方法を指定できます。その結果の分割比率が各組合せに乗算されます。これを例で示します。
次の4つのターゲット組合せがあるとします。
品目1と店舗A
品目2と店舗A
品目1と店舗Z
品目2と店舗Z
これらの品目に対し、次の分割比率を指定済であるとします。
品目 | 比率 |
---|---|
品目1 | 0.6 |
品目2 | 0.4 |
また、これらの場所に対し、次の分割比率を指定済であるとします。
品目 | 比率 |
---|---|
店舗A | 0.75 |
店舗Z | 0.25 |
結果として、各組合せの全体的な比率は、次のようになります。
組合せ | 比率 |
---|---|
品目1と店舗A | 0.6 * 0.75 = 0.45 |
品目2と店舗A | 0.4 * 0.75 = 0.3 |
品目1と店舗Z | 0.6 * 0.25 = 0.15 |
品目2と店舗Z | 0.4 * 0.25 = 0.1 |
使用可能な分割オプション
連鎖管理内では、実際は、前述の例のように、直接パーセントで比率を指定しません。かわりに、次のオプションが用意されています。
「ターゲット」比率: 既存のターゲットの保存済の比率を使用します(このオプションは、指定したすべてのターゲット組合せがすでに存在する場合のみ適用されます)。
注意: 保存済の比率は、別の組合せの販売の相対量に反映します。Oracle Demantraにより、この情報は自動的に計算されます。
均等比率: 最下位レベルのすべてのターゲット間で等しく値が分割されます。このオプションは、このディメンションをまたがる分割方法に関する情報がない場合に適しています。
「ソース」比率: 各ターゲット組合せをソース組合せに一致させます。その後、各ターゲットでは、対応するソースの比率が使用されます。
類似比率: 組合せの第三のセットを選択して参照として使用し、各ターゲット組合せを参照組合せに一致させます。その後、各ターゲットに対し、参照ソースの比率を使用します。
注意: ターゲット内に有効な組合せが存在しない場合、連鎖は動作せず、エラー・メッセージが表示されます。つまり、Oracle Demantraでは、各ターゲット組合せに対して使用する参照組合せを検出する必要があります。
連鎖操作では、複数のシリーズのデータをコピーできます。コピーする各シリーズで、次を指定できます。
データのペースト先のシリーズ(多くの場合はコピー元のシリーズと同一。そうでない場合もあります。)
ペースト前にデータを乗算するためのファクタ
同一の集計済データを分割せずに、各組合せにペーストするオプション
また、ソース・データで日付範囲を指定します。これにより、Oracle Demantraでは、そのタイム・スパン内のシリーズ・データが選択されます。また、ターゲットで開始日を指定します。これにより、Oracle Demantraでは、選択したシリーズのペーストがその日付に開始されます。
この手順では、ターゲット・メンバーおよび「移入」フィールドを指定します。
ターゲットを指定する手順
「連鎖管理を開く方法」の説明に従い、連鎖管理を起動します。
新規の行の「名称」列に、この連鎖操作の固有の名前を入力します。
新規の行のSKUまたは「出荷先」列内でダブルクリックします。
表示されたウィンドウで、任意の集計レベルにあるターゲット組合せを選択します。
「組合せの選択」の説明に従い、組合せを選択します。その際、必要に応じて、フィルタを適用します。
ターゲットとソースの間に類似性がある場合は、移入/品目列または移入/場所列のいずれかにソースを選択します。
次の表は、ここで使用する設定を要約しています。
表内の*は、このメンバーが任意の集計レベルに配置可能でフィルタ可能であることを示します。
ケース | ターゲット・メンバーのSKU | ターゲット・メンバーの「出荷先」 | 「移入」の「品目」 | 「移入」の「場所」 |
---|---|---|---|---|
品目の類似性 | すべて | 特定の場所* | ソース | ターゲット |
場所の類似性 | 特定の品目* | すべて | ターゲット | ソース |
類似性なし | 特定の品目* | 特定の場所* | ターゲット | ターゲット |
「ターゲットとソース」も参照してください。
各連鎖操作に対し、最低1つのソース組合せを指定する必要があります。任意の集計レベルにあるソースを選択でき、また、複数のソースを選択できます。通常は、ターゲットに類似した需要履歴を持つソースを選択します。
ソースを指定する手順
「ソース」領域内で右クリックし、次に挿入を選択します。
「ソース」領域内に新しい行が表示されます。
新しい行内でダブルクリックします。
表示されたウィンドウで、任意の集計レベルにあるソース組合せを選択します。
「組合せの選択」の説明に従い、組合せを選択します。その際、必要に応じて、フィルタを適用します。
ターゲットとソースの間に類似性がある場合は、ターゲット組合せに一致させることができるソース組合せを選択します。次の表は、ここで使用する設定を要約しています。
表内では次のとおりです。
*は、このメンバーが任意の集計レベルに配置可能でフィルタ可能であることを示します。
**は、利用不可なソース組合せがある場合、それは連鎖管理で無視されることを示します。
ケース | 「ソース」**のSKU | 「ソース」**の「出荷先」 |
---|---|---|
品目の類似性 | すべて(このコンテキストでは、すべてのSKUがソースの場所に関連付けられていることを意味します) | ターゲットの場所とは異なる特定の場所* |
場所の類似性 | ターゲットとは異なる特定の品目* | すべて(このコンテキストでは、すべての出荷先がソースの品目に関連付けられていることを意味します) |
類似性なし | ターゲットとは異なる特定の品目* | ターゲットとは異なる特定の場所* |
「ターゲットとソース」も参照してください。
各シリーズに対し、データはすべてのソース組合せで集計され、その後、連鎖操作での指定に従い、ターゲット組合せに分割されます。比率列で、品目および場所に対する分割の実行方法を定義します。使用可能な分割方法は、次のとおりです。
設定 | 意味 |
---|---|
ターゲット | 既存のターゲットの保存済の比率を使用します(このオプションは、指定したすべてのターゲット組合せがすでに存在する場合のみ適用されます)。 |
均等 | 最下位レベルのすべてのターゲット間で値を等しく分割します。このオプションは、このディメンション全体の分割方法に関する情報が存在しない場合に適しています。 |
ソース | 各ターゲット組合せをソース組合せに一致させます。その後、各ターゲットに対して、対応するソースの比率が使用されます。 |
類似 | 組合せの第三のセットを選択して参照として使用し、各ターゲット組合せを参照組合せに一致させます。その後、各ターゲットに対して、参照ソースの比率を使用します。 |
連鎖比率を指定する手順
比率/品目列で、分割方法をクリックして選択します。
「類似」をクリックすると、「品目の類似の場所」タブが有効化されます(「ソース」領域内)。これにより、Oracle Demantraでは、ターゲット組合せと同じ品目を含む一連の参照組合せが必要になります。これらの参照組合せを指定するには、ターゲット品目が販売されている他の場所を選択します。
「品目の類似の場所」タブをクリックします。
このタブの空白のフィールドをダブルクリックします。表示されたウィンドウで、任意のレベルの場所を選択します。
通常どおり、場所メンバーを選択します。
注意: この場合、メンバーの選択時にフィルタを適用することはできません。
「連鎖管理」をクリックして選択を受け入れ、連鎖管理に戻ります。
比率/場所列で、分割方法をクリックして選択します。
「類似」をクリックすると、「場所の類似の品目」タブが有効化されます。これにより、Oracle Demantraでは、ターゲット組合せと同じ場所を含む一連の参照組合せが必要になります。これらの参照組合せを指定するには、ターゲット品目と同じ場所で販売されている他の品目を選択します。この手順は前述の手順と類似しています。
注意: 「すべてのメンバー」チェック・ボックスで「同一値」を選択している場合、これらのオプションは無視されます。「手順5: コピーするシリーズの指定」を参照してください。
各ソースに対し、ソースの日付範囲およびペーストを開始する日付を指定します。ソース日付では、開始日と、終了日または基準タイムバケットの数のいずれかを指定します。
連鎖日付を指定する手順
「ソース」領域内の各行で、次を指定します。
日付: 自 | ソース・データの開始日(カレンダを使用する場合は、「カレンダ」ボタンをクリックします) |
長さ | シリーズ・データをコピーする基準タイムバケットの数 |
日付: 至 | ソース・データの終了日 |
開始時 | このソースからのシリーズ・データのペーストを開始する日付 |
画面の「シリーズ」領域には、この連鎖操作中にコピーされるデータを含むシリーズがリストされます。1つのシリーズからデータをコピーする場合、複数のシリーズにペーストできることに注意してください。また、スケーリング・ファクタを指定できます。
コピーするシリーズを指定する手順
この操作中にコピーするデータを含む各シリーズに対し、次を実行します。
「シリーズ」領域内で右クリックし、次に挿入を選択します。
新しい行が表示されます。
「ソース」で、データのコピー元のシリーズを選択します。
「ターゲット」で、データのコピー先のシリーズを選択します。
「ファクタ」で、必要に応じて、ペースト前にこのデータを乗算するためのファクタを指定します。
同一の集計済データを、組合せ全体で分割せずに、各ターゲット組合せにペーストする場合、「すべてのメンバーに対して同じ値」チェック・ボックスを選択します。
注意: このオプションを選択した場合、品目および場所の比率は無視されます。
品目の類似性または場所の類似性を指定している場合、各ターゲット組合せは、(選択している連鎖ソースの数によって)対応する1つまたは複数のソース組合せに対して組み合されます。ただし、ソース組合せの一部またはすべての日付に販売が存在しない場合、連鎖操作は不完全とみなされます。
このような場合に注意を喚起するため、部分連鎖インディケータ(連鎖操作が前回不完全だった組合せおよび日付をマークする内部フラグ)の一部またはすべてを有効化する必要がある場合があります。これらのインディケータは、実装方法によって、異なる方法で使用されます。最も一般的にはレベルとして使用され、さらに作業が必要な組合せをすぐに確認できるよう、組合せをグループ化します。
部分連鎖には、サブタイプを含む次の2つの一般的なタイプがあります。
すべてのソースが欠落: これは、すべてのソース組合せに問題がある場合に発生します。つまり、ソース組合せのすべてに、すべての日付のデータが存在していません。すべてのソース組合せで、データが完全に欠落している(すべての日付でデータがない)か、または単に部分的に欠落しています(一部の日付でのみデータがない)。
一部のソースが欠落: これは、一部のソース組合せに問題がある場合に発生します。ソース組合せの一部で、データが完全に欠落している(すべての日付でデータがない)か、または単に部分的に欠落しています(一部の日付でのみデータがない)。ただし、ソース組合せの一部には、すべての日付のデータが存在します。
実装担当者またはシステム管理者とともに、ご使用のシステムが部分連鎖インディケータを使用しているかどうかを確認してください。使用している場合、連鎖操作の定義時に、その操作に対してインディケータが有効化されていることを確認します。
部分連鎖インディケータを有効化する手順
「連鎖管理」の「ターゲット」領域で右にスクロールして、次の列を表示します。
この領域には、使用可能な4つのインディケータがリストされます。これらの一部またはすべてを有効化できます。
部分連鎖インディケータを有効化するには、ドロップダウン・リストからデータ列を選択します。ターゲットとソースの間に不一致がある場合、連鎖操作により、そのタイプの連鎖インディケータが、指定のターゲット組合せ行の内部データ列に書き込まれます。
Oracle Demantraでは、部分連鎖インディケータを保存するために使用できるデフォルトの列が提供されています。通常は次のように、指定の任意のインディケータに対し、インディケータと同じ名前を持つデータ列を指定します。
「ターゲットとソース」も参照してください。
連鎖操作を保存する手順
連鎖操作に適切な名前を設定します。
必要に応じて、「ターゲット」領域の右の方にある「摘要」列に摘要を追加します。
画面の下部にある「保存」をクリックします。
「連鎖操作の実行」も参照してください。
任意の保存された連鎖操作を実行できます。連鎖操作では、連鎖日付に対するターゲット組合せの既存のデータは上書きされます。
注意: 連鎖を実行させるには、連鎖操作を定期的に(毎分数回)実行する必要があります。
連鎖操作を実行する手順
「ツール」->「連鎖管理」をクリックします。
「連鎖管理」ウィンドウがオープンします。
ターゲットの取得をクリックします。「連鎖管理」が更新され、すべての過去の連鎖操作が表示されます。
実行する連鎖操作をクリックします。
連鎖をクリックします。
選択内容を要約するダイアログ・ボックスが表示されます。
「OK」をクリックします。
画面の「ターゲット」領域の中ほどまでスクロールし、プロセス・ステータス列を表示します。この列には各連鎖操作のステータスが表示されます。
ステータスは、次のいずれかになります。
連鎖なし | この連鎖操作はまだ実行されていないか、または最近実行されましたが、成功しませんでした。 |
連鎖準備完了 | この連鎖操作はキューに送信され、可能なかぎり早く実行されます。 |
完了 | 連鎖操作は、前回の実行時に正常に完了しています。 |
失敗 | 連鎖操作は成功しませんでした。 |
このシナリオでは、最下位レベルにある1つの組合せのデータをコピーして、それをやはり最下位レベルにあるユーザー定義の組合せにペーストします。これは一般的なシナリオではありませんが、これを試行することは有効な学習になります。
Wal-Mart 001でSKU 009が販売されているとします。この組合せで次の売上がありました(ここでは四半期単位で表示しています)。
すでにメンバー管理を使用して、SKU 999という新規の品目を作成し、その後にWal-Mart 001のSKU 999という組合せを作成しているとします。
SKU 009とWal-Mart 011に対する予測をコピーして、そのデータをWal-Mart 011のSKU 999の「擬似」に使用するとします。ただし、日付は1年移動します。
このデータをコピーするには、この連鎖操作を設定します。
ターゲット-メンバー
メンバー | 設定 | 注意事項 |
---|---|---|
SKU | SKU 999 | この組合せは、メンバー管理内ですでに作成されています。 |
出荷先 | Wal-Mart Store 001 | - |
ターゲット-移入
メンバー | 設定 | 注意事項 |
---|---|---|
品目 | ターゲット | - |
場所 | ソース | - |
ターゲット-比率
メンバー | 設定 | 注意事項 |
---|---|---|
品目 | ソース | ターゲット組合せの販売データはまだないため、ターゲット比率は使用できません。 ただし、作業は最下位レベルで行われているため、実際には、比率は関係ありません。 |
場所 | ソース | ターゲット組合せの販売データはまだないため、ターゲット比率は使用できません。 ただし、作業は最下位レベルで行われているため、実際には、比率は関係ありません。 |
ソース
メンバーまたは日付 | 値 | 注意事項 |
---|---|---|
SKU | SKU 009 | - |
出荷先 | Wal-Mart store 001 | - |
日付: 自 | 04/23/01 | - |
日付: 至 | 01/05/04 | - |
開始時 | 04/22/02 | これは、要求されたデータのコピー先となる日付です。これは、選択した開始日の約1年後となります。 |
シリーズ
設定 | 値 | 注意事項 |
---|---|---|
ターゲット | 擬似 | これらのオプションは、ベース予測シリーズの(選択したソースの)データをコピーし、ファクタ1によってそのデータを乗算し、その後、前述のように日付を変更して、結果を(ターゲットの)「擬似」シリーズにペーストします。 |
ソース | ベース予測 | これらのオプションは、ベース予測シリーズの(選択したソースの)データをコピーし、ファクタ1によってそのデータを乗算し、その後、日付を変更して、結果を(ターゲットの)「擬似」シリーズにペーストします。 |
ファクタ | 100% | これらのオプションは、ベース予測シリーズの(選択したソースの)データをコピーし、ファクタ1によってそのデータを乗算し、その後、日付を変更して、結果を(ターゲットの)「擬似」シリーズにペーストします。 |
Oracle Demantraによる連鎖操作の実行後、Wal-Mart 001のSKU 999には次のデータが含まれます。
2003年1月20日以降、Oracle Demantraにより「擬似」にデータがペーストされていないことに注意してください。これは、「擬似」が編集可能なのは履歴内のみであるためです。また、2003年1月20日の値は、四半期単位でデータを表示しているため、ソース内の対応する値とは若干異なります。最下位レベル(週単位)でデータを表示すると、数字は等しくなります。
新規の品目を市場に投入する必要があります。既存の品目が販売されているすべての場所で、同じ販売データを使用し、2分の1で乗算し、1年先に移動して、この品目を販売する必要があります。
品目Chocolate Ice Creamが、3つの店舗で販売されています。たとえば、この品目の四半期「Q1 2003」の需要は、次のとおりです。
店舗 | 需要 |
---|---|
店舗A | 1000 |
店舗B | 2000 |
店舗C | 3000 |
メンバー管理を使用して、Double Chocolate Ice Creamという名前の新規の品目を作成したとします。これをChocolate Ice Creamと同じ店舗で販売する予定で、その売上は同様であると予想しています。
また、メンバー管理で新規の品目(Double Chocolate Ice Cream)は作成しましたが、その組合せは作成していません。
Double Chocolate Ice Creamを、Chocolate Ice Creamとまったく同じ店舗と組み合せます。これらの組合せに対し、Oracle Demantraデータベースには、50%で乗算され、1年移動した同じ需要データが含まれるようにします。
組合せを作成してこのデータをコピーするには、次の連鎖操作を使用します。
ターゲット-メンバー
「連鎖管理」内のオプション | 設定 | 注意事項 |
---|---|---|
SKU | Double Chocolate Ice Cream | - |
出荷先 | すべて | - |
ターゲット-移入
メンバー | 設定 | 注意事項 |
---|---|---|
品目 | ターゲット | - |
場所 | ソース | - |
ターゲット-比率
メンバー | 設定 | 注意事項 |
---|---|---|
品目 | ソース | - |
場所 | ソース | - |
ソース
メンバーまたは日付 | 設定 | 注意事項 |
---|---|---|
SKU | Chocolate Ice Cream | - |
出荷先 | すべて | - |
日付: 自 | 04/23/01 | - |
日付: 至 | 01/05/04 | - |
開始時 | 04/22/02 | これは、要求されたデータのコピー先となる日付です。これは、選択した開始日の約1年後となります。 |
シリーズ
設定 | 値 | 注意事項 |
---|---|---|
ターゲット | 擬似 | これらのオプションは、ベース予測シリーズの(選択したソースの)データをコピーし、ファクタ1によってそのデータを乗算し、その後、日付を変更して、結果を(ターゲットの)「擬似」シリーズにペーストします。 |
ソース | ベース予測 | これらのオプションは、ベース予測シリーズの(選択したソースの)データをコピーし、ファクタ1によってそのデータを乗算し、その後、日付を変更して、結果を(ターゲットの)「擬似」シリーズにペーストします。 |
ファクタ | 50% | これらのオプションは、ベース予測シリーズの(選択したソースの)データをコピーし、ファクタ1によってそのデータを乗算し、その後、前述のように日付を変更して、結果を(ターゲットの)「擬似」シリーズにペーストします。 |
Oracle Demantraデータベースに次の組合せが含まれました。
店舗AのDouble Chocolate Ice Cream
店舗BのDouble Chocolate Ice Cream
店舗CのDouble Chocolate Ice Cream
また、データベースにはこれらの組合せのデータも含まれています。たとえば、データには四半期Q1の「擬似」の値が含まれています。
店舗 | 擬似 |
---|---|
店舗A | 500 |
店舗B | 1000 |
店舗C | 1500 |
東マンハッタンに1店舗、マンハッタンの西側に1店舗あります。場所「East」を閉店して、そこの全品目を場所「West」で販売します(2つの場所をそのうちの1つにマージします)。各製品の売上合計に変更はないと見込んでいます。
「移入」の「品目」 | 「移入」の「場所」 | 比率の「品目」 | 比率の「場所」 |
---|---|---|---|
ソース | ターゲット | ソース | ターゲット |
連鎖前
ソース店舗Eastの品目 | ソース店舗Eastの場所 | ソース店舗Eastの数量 | ソース店舗Westの品目 | ソース店舗Westの場所 | ソース店舗Westの数量 |
---|---|---|---|---|---|
I1 | L1 | 10 | I2 | L2 | 20 |
I2 | L1 | 20 | I4 | L2 | 40 |
I3 | L1 | 30 | I3 | L2 | 20 |
連鎖後
ターゲット店舗Westの品目 | ターゲット店舗Westの場所 | ターゲット店舗West |
---|---|---|
I1 | L2 | 10 |
I2 | L2 | 40 |
I3 | L2 | 50 |
I4 | L2 | 40 |
新規の品目を市場に投入しようとしているとします。この品目には、ClassicとLightの2つのバージョンがあります。既存の品目が販売されているすべての場所で販売し、これらの2バージョンの売上が既存の製品と(合計すると)同じになることを予測しています。
I1: 既存の製品、G2: I21およびI22の階層レベル
I21、I22: 新規の製品(ClassicとLightは決して連鎖されません)
東海岸: L1、L2、L3
「移入」の「品目」 | 「移入」の「場所」 | 比率の「品目」 | 比率の「場所」 |
---|---|---|---|
ターゲット | ソース | 均等 | ソース |
連鎖前
ソースI1の品目 | ソースI1の場所 | ソースI1の数量 | ターゲットG2の品目 | ターゲットG2の場所 | ターゲットG2の数量 |
---|---|---|---|---|---|
I1 | L1 | 10 | I21 | - | - |
I1 | L2 | 20 | I22 | - | - |
I1 | L3 | 30 | - | - | - |
ターゲットG2の品目 | ターゲットG2の場所 | ターゲットG2 |
---|---|---|
I21 | L1 | 5 |
I21 | L2 | 10 |
I21 | L3 | 15 |
I22 | L1 | 5 |
I22 | L2 | 10 |
I22 | L3 | 15 |
連鎖後
新規の製品はそれぞれ、すべてのソース場所で販売される必要があります。各ソースの製品と場所の販売データを、2つの製品間で分割する必要があります。
下位レベル以外のメンバーの分割メカニズムは、「均等」になります。均等分割(たとえば販売15を2つの品目間で等しく分割)した際に、整数データ・タイプで非整数結果が出た場合は、集計レベル問合せの手動更新で現在使用しているものと同じメカニズムがここで適用される必要があります。
2つのソース品目からのデータが、複数のシリーズとともに分割されます。
ある企業が、製品ZをSaver-Storeに投入しようとしています。製品Zは、3つの製品Aと1つの製品Bを別のパッケージに含めたものと同等ですが、価格はA2つとB1つ分です。投入してすぐに、この企業では全国規模のスーパーマーケット・チェーンによるキャンペーンを実施しようとしています。キャンペーンは、製品Aと同じタイプのものとします。
ターゲットとして、ユーザーは、製品ZおよびSaver-Storeを選択します。ソースに対し、ユーザーは製品Aおよび製品B、場所としてSaver-Storeを選択します。
ソース品目 | ソース場所 | シリーズ元のソース | シリーズ先 | ファクタ% | ターゲット品目 | ターゲット場所 |
---|---|---|---|---|---|---|
A | Saver-Store | 需要 | 擬似 | 300 | Z | Saver-Store |
A | Saver-Store | 価格 | 価格 | 200 | Z | Saver-Store |
A | Saver-Store | 値引 | 値引 | 100 | Z | Saver-Store |
A | Saver-Store | イベント | イベント | 100 | Z | Saver-Store |
B | Saver-Store | 需要 | 擬似 | 100 | Z | Saver-Store |
B | Saver-Store | 価格 | 価格 | 100 | Z | Saver-Store |
B | Saver-Store | 値引 | 値引 | 100 | Z | Saver-Store |
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