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Oracle Demantra Sales and Operations Planningユーザー・ガイド
リリース12.2
E57803-01
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Oracle Demantra Real-Time Sales and Operations Planningの概要

概要

S&OPセールス・アンド・オペレーションズ・プランニングは、組織の販売、マーケティング、製造および会計機能の間のコンセンサスに基づいて統合されたビジネス計画を作成する公式の管理プロセスです。 このプロセスはまた、主要な顧客および仕入先が含まれるように拡張されます。 組織の機能領域間のコラボレーションによって一連の計画が統合されることにより、すべての利害関係者が理解でき、かつ確実にサポートされます。

セールス・アンド・オペレーションズ・プランニングは、一般的に上級管理者が主導する反復プロセスです。 計画サイクルの結果は次のサイクルと比較され、上級管理者にビジネス内のトレンドが示されます。 上級管理者は、供給と需要、在庫とオーダー・バックログの時間フェーズ化された予測を評価し、すべてのビジネス機能および地理における戦略的な計画の調整と企業戦略のサポートを確実なものにします。

従来のサイロベースの企業では、販売、製造および会計機能が互いに競合することがよくあります。 連結済計画を使用しなければ、小さな問題がすぐに大きな問題になる可能性があります。 リアルタイム・セールス・アンド・オペレーションズ・プランニングのレポートおよびKPIを使用すると、このような問題をすぐに特定できます。 前計画比のネット・チェンジ・レポートをキー・メトリックに対して実行し、最も大きな変化を自動的に特定できます。 高レベルでの違いを識別することで、様々なビューやレポートを通して根本原因の詳細および認識が分析されます。 例外および問題の識別によって、別のシナリオを作成できます。

効果的なセールス・アンド・オペレーションズ・プランニング・プロセスの利点は、次のとおりです。

さらに、セールス・アンド・オペレーションズ・プランニング・プロセスは、次の基本的な質問への回答にも役立ちます。

セールス・アンド・オペレーションズ・プランニングについて

セールス・アンド・オペレーションズ・プランニング・プロセスは業界および組織間で大きく異なることがありますが、ほぼすべてのプロセスに共通する固有の要素があります。 一般的なセールス・アンド・オペレーションズ・プランニング・プロセスは、次の主要ステップで説明できます。

  1. 最新データによる需要、新製品投入(NPI)、供給および財務計画の更新。

  2. 需要、NPI、供給および財務計画の分析および消込。 条件が記録され、リスクおよび機会が特定され、推奨が作成されます。

  3. 上級管理者による連結済計画と代替計画のレビュー。 決定が下され、実行に移されます。

ただし、実際は、企業が異なると、高レベルの戦略的なプロセスからより短期で実際の業務に焦点を当てたものまで、プロセスのプラクティスや時間枠も異なります。 リアルタイム・セールス・アンド・オペレーションズ・プランニングの柔軟な設計によって、既存のセールス・アンド・オペレーションズ・プランニング・プロセスをマップできます。

次の図は、一般的なセールス・アンド・オペレーションズ・プランニングのビジネス・プロセスを示しています。

本文の説明内容に関するイメージ

需要計画レビュー

需要計画は、製品の今後の需要に対する企業の合意済予測です。 需要計画は、需要に影響する可能性がある販売、営業キャンペーン、その他の将来的な構想に関する履歴情報に基づいています。 需要レビューの目的は、供給レビューへの入力としてコンセンサス予測を生成することです。

需要計画レビューは、関心を持つすべての利害関係者(マーケティングおよび販売部門または顧客など)が関わる会議です。 S&OPプロセスの需要レビュー・フェーズの目的は、供給レビューへの入力としてコンセンサス予測を生成することです。 この会議には、通常、次のレビューが含まれます。

需要計画レビューでは、コンセンサス需要予測が作成されます。 この予測は、概略生産能力、生産計画および在庫計画を含む供給計画を作成するための供給プランニングをフィードします。

供給計画レビュー

供給計画は、製造上の制約や在庫目標に基づいてどのように需要を満たすのかという企業の予測です。

供給レビューでは、コンセンサスベースの需要を満たす企業の能力を判断し、過去のパフォーマンスを測定して将来のパフォーマンスを予測します。 代替供給計画シナリオの比較分析も行います。 供給レビュー会議には、通常、次のレビューが含まれます。

財務計画レビュー

財務レビューの目的は、財務目標に対して需要および供給計画を評価することです。 この高レベルのビューにより、需要および供給計画が財務目標をどの程度満たしているかが示されます。

例外のレビューでは、財務パフォーマンスに関連する許容範囲外のメトリックをレビューおよび消込する必要があるかどうかを示します。 以前のサイクルからの収益、原価および予算の増減は、企業のパフォーマンスが目標に向かっているかどうかを示します。

消込

消込は、需要形成の影響と供給パフォーマンスおよび生産能力の変化の影響を評価するための継続的な対話型プロセスです。 このステップには通常、事前のセールス・アンド・オペレーションズ・プランニング会議が含まれ、ここでは、上級の部門横断型チームが新規製品の最新ビューや需要および供給の予想などの新たなビジネス上の問題を調査します。 次のような主要な問題がハイライトされます。

最後に、チームは、効率的に実行できるようにエグゼクティブ・レビューを準備します。

注意: Oracle Demantra Sales and Operations Planningでは、財務計画レビューはエグゼクティブ・レビューに組み込まれています。

エグゼクティブ・レビュー

上級管理者会議はエグゼクティブ・セールス・アンド・オペレーションズ・プランニング会議としても知られていますが、ここでは、業務計画、予算および戦略的な計画間のギャップを埋めるために提案される計画および追加処理について決定します。 この会議は、すべての主要な利害関係者が集まって、次のことを行う機会です。

Demantra Real-Time Sales and Operations Planningの概要

Oracle Demantra Real-Time Sales and Operations Planningは構成可能なWebベースの製品で、セールス・アンド・オペレーションズ・プランニング・プロセスに関連するタスクの実行において組織を支援します。 Oracle Demantra Real-Time Sales and Operations Planningはコラボレーションを中心に構築されており、ワークフローを使用してS&OPプロセスを自動化します。

Demantra Real-Time Sales and Operations Planningのプロセス

次の図は、Demantra Real-Time Sales and Operations Planningのプロセスを示しています。

本文の説明内容に関するイメージ

データの収集およびダウンロード

ほとんどのビジネスでは、Demand Managementのプロセスを週次、月次または日次のように定期的に計画します。 この期間中、将来の需要予測に使用するために、様々なソースから需要管理システムにデータがロードされます。 ソース・システムは、ERPシステム、レガシー・システムまたはアドバンスト・サプライ・チェーン計画、Inventory Optimization、グローバル・オーダー納期処理、コラボレイティブ計画、ラピッド・プランニングなどの別のOracle APS (Advanced Planning Suite)モジュールになる可能性があります。

S&OP管理者は、S&OPに必要なデータの収集およびダウンロードを(手動または予定に基づいて)開始します。 これにより、Demantraに品目、場所および販売データが作成されます。

需要レビュー

需要レビューの前に、需要アナリストは予測を変更し、需要管理の需要分析ワークシートにデータを保存する必要があります。

注意: 需要分析ワークシートをS&OPと連動して使用する場合、予測を受け入れるために使用する「承認」および「最終承認」チェック・ボックスは省略されます。 需要管理で「承認」チェック・ボックスを選択するとすべてのワークシート・シリーズが読取り専用になるため、これはS&OPを使用する場合に必要です。

需要計画レビュー会議中、参加者は個々の利害関係者の予測が含まれた「コンセンサス予測」ワークシートを使用します。 各利害関係者は、それぞれのシリーズに加重を割り当て、計算済の(加重された)コンセンサス計画に上書きします。 条件(関連の原因ファクタなど)は、ワークシートの「ノート」セクションに記録できます。

予測について合意に達したら、S&OPマネージャ(またはその他の最終承認者)が製品カテゴリごとにコンセンサス予測を承認します。 すべての製品カテゴリをレビューおよび承認した後、S&OPマネージャは需要レビュー完了ワークフローを使用して予測のエクスポート準備が整っていることを示します。 このワークフローでは、予測を供給計画ステップへのエクスポートに使用できることが管理者に通知されます。

供給レビュー

供給レビューでは、コンセンサスベースの需要を満たす企業の能力の判断、過去のパフォーマンスの測定および将来のパフォーマンスの予測を行い、これは上級管理者会議への主要な入力として機能します。 供給レビューでは、次の供給計画データを使用して供給計画および概略生産能力計画を作成します。

これらがDemantraにインポートされると、コンセンサス予測を供給プランニングに使用できるワークフローを介してS&OPマネージャおよび戦略プランナに通知されます。 利害関係者は、連結済の需要、供給および在庫計画ワークシートと生産および在庫レベルを製品カテゴリまたはファミリごとにレビューします。 例外アラートを使用することにより、S&OPマネージャは、供給計画と指定の供給メトリックしきい値の比較から生じる例外を特定できます。

この時点で、プランナは、在庫目標を満たすように固定タイム・フェンス外の生産よび生産能力を改訂します。 戦略プランナが固定タイム・フェンス内での生産能力の向上を必要とした場合、エスカレートによって承認を得ようとします。 (右クリック・メニューから使用できる)メソッドでは、承認ワークフローを実行して適切な承認者に通知できます。 最後に、S&OPマネージャは、製品ファミリごとに改訂済の供給計画シナリオを承認します。

財務レビュー

財務レビューは、一般的に事前のS&OP会議とみなされますが、財務パフォーマンス目標でコンセンサス需要および供給計画を消し込みます。 財務上の例外は、製品カテゴリ(またはファミリ)レベルで特定され、調査されます。 このフェーズには、需要形成機会と、リード・タイムおよび生産能力の制約に関連するリスクのwhat-if財務分析が含まれます。 最新のコンセンサス予測に基づいて、財務予測に対する調整が行われます。 財務上の消込の目的は、収益性を最大化しながら収益目標を満たすための実行可能な一連の業務計画を収集することによって、エグゼクティブ・レビューの準備を行うことです。

エグゼクティブ・レビュー

エグゼクティブ・レビューでは、キー・メトリックの年累計パフォーマンスを調査し、代替シナリオを考慮し、コンセンサスを達成するように努めます。 この会議の結果は、最終決定されたコンセンサス需要および供給計画の1つとなり、業務計画として配布されます。

リアルタイム・セールス・アンド・オペレーションズ・プランニングのユーザーおよびグループ

Oracle E-Business Suite (EBS)には、セキュリティおよびアクセスを制御するための、Demantra Real-Time Sales and Operations Planningの事前シード済ユーザー職責が2つあります。

これらの職責には、Demantra Real-Time Sales and Operations Planningへのシングル・サインオン・アクセスが提供されます。 管理者は、Demantra Business Modelerでユーザー・セキュリティ設定を直接変更できます。 EBSユーザーがすでにDemantra Demand Managementへのアクセス権を持っている場合、Demantra Sales and Operations Planningでのユーザー名には接尾辞「_SOP」が含まれます。

非EBS顧客には、ビジネス・モデラーの他のシード済ユーザーがあります。

ビジネス・モデラーのシード済ユーザー・グループもあります。 SOP groupメンバーは、ワークシートで予測ノートを共有できます。