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Oracle Order Managementインプリメンテーション・マニュアル
リリース12
E05611-01
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データ・モデルの概要

この付録の内容は、次のとおりです。

概要

受注は、次のエンティティで構成されるビジネス・オブジェクトとしてモデル化されています。

以前にへッダー・レベルで定義されていた属性の多くは、現在、明細レベルでも定義されています。たとえば、「請求先」は、明細レベルで定義されています。これにより、同じ受注の受注明細を異なる請求先サイトに請求できます。ヘッダー・レベルでの属性値は、明細レベルでの属性値のデフォルト設定として使用されます。『Oracle Electronic Technical Reference Manual(eTRM)』を参照してください。

Order Managementエンティティ

本文の説明内容に関するイメージ

以前は、受注タイプを使用して、受注情報のデフォルト設定、請求などの処理管理の確立および最も重要な役割として、受注の受注サイクルを決定していました。これにより、受注サイクルが受注の処理フローを制御していました。受注サイクルがOracle Order Management Workflow定義に置き換えられ、受注タイプはOrder Management取引タイプに置き換えられました。Oracle Order Managementには、受注と明細の両方に使用できるシード済ワークフロー・プロセス定義が用意されています。また、受注ヘッダーと受注明細の両方の取引タイプを定義できます。

新規の受注明細は、Oracle Order Entryリリース11の受注明細とは機能的にも技術的にも異なります。これには、いくつかの新しい属性に加え、既存のSO_HEADERS表、SO_ORDER_LINES表およびSO_LINE_DETAILS表からの属性も含まれます。

Oracle Order Managementでは、明細レベルに依存関係がなく、各明細には独自のフローがあります。

Oracle Order Entryに対するOracle Order Management 11iの改善点

主要な受注管理モジュール

取消

Oracle Order Managementでの取消は柔軟です。明細の受注数量を直接変更することで、明細の一部を取り消すことができます。システムでは、標準品目の明細の取消が受注処理フローで出荷確認や請求インタフェース(非出荷フローの場合)へと進行しないように、制約がシードされています。必要な場合は、より限定的な制約を定義できます。

取消はワークフロー経由で追跡されません。明細の取消済数量は、その明細に対して取消が実行されたかどうかを示します。受注と明細の取消済フラグは、全体が取消済かどうかを示します。全取消の場合、ヘッダーおよび明細フローはいずれもクローズ・アクティビティに強制的に送られます。

Oracle Order Managementでは、受注数量の削減が取消として表示される時期を決定するルールを設定できます。取消事由を要求されるのは、その明細の取消済数量が指定した数量を超えて増加した場合のみです。数量変更に事由コードが指定されるたびに、旧レコードのコピーがOE_ORDER_LINES_HISTORYに格納されます。

デフォルティング・フレームワーク

Oracle Order Managementには、PL/SQLベースのデフォルティング・フレームワークで拡張された機能が用意されています。受注属性のデフォルトは、生成されたPL/SQLデフォルト・ルールに基づいて設定されます。受注のヘッダーや明細の属性ごとのルール・セットと、各ルールの使用条件を定義できます。

レコードを更新しても、既存の子レコードへの連鎖効果はありません。たとえば、受注ヘッダーの倉庫を変更しても、既存の受注明細の倉庫は変更されません。このため、最初に値のデフォルト設定に使用されたルールを格納する必要がなくなります。一括変更機能を使用すると、レコード・セットの特定の値を更新できます。一括変更機能を使用して、受注の全明細の倉庫を異なる値に変更できます。

デフォルティング・フレームワークは、オブジェクト、オブジェクト関連および属性定義に関してAKディクショナリに依存します。各種オブジェクトを同じレコード、関連レコード、プロファイル・オプション、カスタムAPIなどのデフォルト・ソースとして使用できます。デフォルト・ルールは、ユーザー定義条件に基づいて適用できます。

履行

履行はワークフロー対応であり、システムまたはユーザー定義の履行イベントとセットにより駆動されます。構成は、アプリケーションにより暗黙的に履行セットとして扱われます。次の履行イベントがシードされます。

独自の履行イベント・アクティビティを定義できますが、それを認識するようにシード済の「履行」アクティビティを構成する必要があります。受注明細を1つ以上の履行セットに割り当てることができます。履行セット内の明細が「履行」アクティビティ以降へと進行するのは、該当する履行セットの全メンバーが履行された場合のみです。

受注明細の列(履行フラグ、履行済数量)は、明細が履行済かどうかと履行済数量を示します。超過出荷/出荷不足の場合は、履行数量が受注数量とは異なる場合があります。超過出荷の許容範囲/出荷不足の許容範囲により、超過出荷または出荷不足の場合に明細が履行済とみなされるかどうかが制御されます。

一括変更

一括変更を使用すると、選択したレコード・セットに対して属性値を更新できます。また、コピー、価格再設定、予定作成、保留の適用も可能です。

処理制約フレームワーク

Oracle Order Managementでは、PL/SQLベースの処理制約フレームワークにより、拡張された柔軟性の高いセキュリティが提供されます。ワークフロー・アクティビティ・ステータスやカスタムAPIなど、各種ソースに基づいて制約条件を定義できます。また、組込みルールと除外ルールの両方を使用し、職責に対して制約を定義することもできます。

このフレームワークは、オブジェクトと属性の定義に関してAKディクショナリに依存しています。Oracle Order Managementでは、受注オブジェクトの更新、挿入および削除操作ごとに制約がチェックされます。

Oracle Order Managementではシード済のシステム制約が減少し、緩和されているため、柔軟性が向上しています。ビジネス・ニーズに即したより限定的な制約を定義できます。一部の制約は下位互換性のためにシードされますが、削除できます。

例:

設定

Oracle Order Managementでは、出荷セットおよび到着セットをサポートしています。後者を使用すると、一括して到着させる必要がある明細を指定できます。ピック・リリースでは、リリースできる明細を判断するときに出荷セットや到着セットは検査されません。出荷確認時には、出荷セットを分割するか(および分割可能かどうか)が通知されます。出荷セットに含まれる一部の明細を出荷すると、該当する明細が出荷セットから自動的に削除されます。出荷セットまたは到着セットに含まれる明細が1つでも出荷確認されると、そのセットが自動的にクローズされます。

出荷親エンティティはありません。作成される各明細は出荷であり、明細と出荷番号の両方が付いています。既存の出荷明細をさらに複数の出荷に分けるには、分割する必要があります。明細を分割すると明細セットが作成され、当初明細から分割されたすべての明細レコードはその明細セットを(line_set_id経由で)指します。この種の明細間で共通にする必要のある属性(品目、受注数量単位、出荷許容範囲)は、明細セットに格納されます。明細セットは、アウトバウンドのトップレベル明細(標準品目明細、キット明細、トップ・モデル明細)についてのみ作成されます。

明細の一部が処理される場合にアプリケーションにより分割されます。明細フローなど、すべての子エンティティも分割されます。全部処理済の部分はそのフローに沿って進行し、一部処理済の部分はフロー内で処理を待機します。

次の時点で一部処理があると、明細分割が実行されます。

構成の一部が処理されると、比例分割される場合とそうでない場合があります。後者の場合は、アプリケーションにより、処理済明細と未処理明細の両方を含む残余セットも作成されます。

また、Oracle Order Managementでは履行セットもサポートしています。履行セット内の明細が「履行済」としてマークされるのは、履行セットのすべてのメンバーが履行済である場合のみです。

セット定義はOE_SETSに格納されます。明細セット、出荷セットおよび到着セットでのメンバーシップは、受注明細に非正規化されます。特定の受注明細を1つ以上の履行セットに含めることができるため、履行セットのメンバーシップはOE_LINE_SETSに格納されます。

システム・パラメータ

アプリケーションの処理を駆動する一部の制御は、営業単位レベルで定義可能にする必要があります。Oracle Order Managementでは、この種の制御の設定が「システム・パラメータ」エンティティを通じて簡素化されています。「OMシステム・パラメータ」フォームを通じて次の制御を定義する必要があります。

Oracle Order Managementでは、Oracle Receivablesの設定が検査されて会計帳簿が判断され、OM固有のプロファイル・オプション経由で値を重複して設定する必要がありません。

取引タイプ

アプリケーションには、明細用に受注タイプと同様のエンティティである明細タイプがあります。取引タイプには、受注タイプと明細タイプが格納されます。ほとんどの「取引タイプ」属性は、2つのタイプに共通です。ただし、ヘッダー・レベルでのみ使用可能な制御(受注採番制御など)や、明細レベルでのみ使用可能な制御(明細が社内調達されるか外部調達されるかを示す制御など)があります。受注取引タイプのカテゴリ・コード(ORDER、RETURN、MIXED)により、特定の受注にアウトバウンド明細とインバウンド明細を混在させるかどうかを制御できます。

また、取引タイプを使用すると、受注ヘッダーまたは明細がたどるワークフローを決定できます。受注タイプにはヘッダー・ワークフローが割り当てられ、受注タイプ、明細タイプおよび品目タイプの組合せには明細ワークフローが割り当てられます。異なる明細タイプを持ち、異なるフローをたどる明細を同じ受注に使用できます。

受注、明細、受注タイプ、明細タイプおよびワークフロー・プロセス間の関連

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