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Oracle XML Publisherレポート・デザイナーズ・ガイド
リリース12
E05660-01
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XMLパブリッシャの概要

この章では、次のトピックを説明します。

はじめに

Oracle XML Publisherは、Oracle E-Business Suiteとともに提供されるテンプレート・ベースの発行ソリューションです。使い慣れたデスクトップ文書処理ツールを既存のE-Business Suiteデータ・レポートと統合することで、レポートを設計して発行するための新しいアプローチを提供します。XMLパブリッシャでは、広く知られた標準的なテクノロジとツールを利用しているため、カスタム・レポート書式を迅速に開発して保守できます。

XMLパブリッシャの柔軟性は、レポートの表現をそのデータ構造から分離した結果得られたものです。データの収集はE-Business Suiteで処理されますが、レポート出力を独立したテンプレート・ファイルで表す方法を設計して管理できるようになりました。実行時に、XMLパブリッシャは、設計されたテンプレート・ファイルとレポート・データをマージし、様々なビジネス・ニーズを満たす多様な出力を作成します。次のような出力を作成できます。

本文の説明内容に関するイメージ

ユーザー・インタフェース

XMLパブリッシャには、E-Business Suiteユーザーがレポート・テンプレートを登録して保守したり、データ・ソースにリンクしたりできるように、テンプレート・マネージャが用意されています。レポート・テンプレートとそのデータ・ソースを登録した後、標準要求発行を使用してレポートを実行すると、XMLパブリッシャによってテンプレートとそのデータ・ソースがカスタマイズ・レポートにマージされます。

テンプレート・マネージャ

テンプレート・マネージャは、テンプレートとデータ・ソースのリポジトリです。テンプレートをデータ定義に関連付けて、実行時にXMLパブリッシャで使用できるようにするためのインタフェースでもあります。テンプレート・マネージャから、テンプレートおよび翻訳結果をダウンロード、更新およびプレビューできます。テンプレート・マネージャの詳細は、『Oracle XML Publisher管理および開発者ガイド』を参照してください。

XMLパブリッシャ・デスクトップ・コンポーネント

XMLパブリッシャには、テンプレートを簡単に開発するために、デスクトップにインストールできるコンポーネントが用意されています。

テンプレート・ビルダーはMicrosoft Wordの拡張機能であり、RTFテンプレートの開発を簡略化します。このビルダーによって、別の方法では必要となる手動による多くの手順が自動化されます。

テンプレート・ビューワは、すべてのテンプレート・タイプに高度なプレビュー機能を提供して、テンプレートを迅速に開発できるようにするJavaアプリケーションです。

プロセスの概要

XMLパブリッシャを使用したカスタマイズ・レポートの作成は、設計時と実行時の2つのフェーズに分割できます。

設計時

  1. テンプレート・マネージャで、E-Business Suiteレポートをデータ定義として登録します。

    XMLパブリッシャを使用してカスタマイズするE-Business Suiteレポートについて、テンプレート・マネージャでデータ定義を作成します。

  2. テンプレートを設計します。

    テンプレート・ファイルはリッチ・テキスト・フォーマット(RTF)またはPortable Document Format(PDF)にできます。

    RTFは、Microsoft Wordなどの多くの文書処理アプリケーションで使用されている仕様です。デスクトップ文書処理アプリケーションを使用してテンプレートを設計し、RTFファイル(拡張子.rtf)としてファイルを保存します。基本マークアップ・タグを文書に挿入し、XMLデータとマージするための文書を準備します。XMLパブリッシャは、適用する書式設定機能を認識してXSL-FOに変換します。

    Adobe Acrobatを使用して、カスタム設計またはダウンロードしたPDFテンプレートにマークアップ・タグを適用します。

  3. テンプレート・マネージャにテンプレートを登録します。

    テンプレート・マネージャでテンプレートを作成する場合は、RTFまたはPDFのテンプレート・ファイルを登録してアップロードします。テンプレートは、マージ対象のE-Business Suiteレポートのデータ定義コードに割り当てる必要があります。

  4. RTFテンプレートに適切な翻訳を追加します。

    XMLパブリッシャの翻訳ユーティリティを使用すると、テンプレートからXLIFFファイルに翻訳可能文字列を抽出できます。このファイルの文字列を翻訳し、テンプレート・マネージャに再アップロードして、実行時にその翻訳を使用可能にします。

実行時

  1. XMLを生成するためのコンカレント・プログラムを設定します。

  2. 標準要求発行を使用してコンカレント・プログラムを実行します。

XMLパブリッシャのマニュアル・セットの構成

XMLパブリッシャのマニュアル・セットには、『Oracle XML Publisherレポート・デザイナーズ・ガイド』と『Oracle XML Publisher管理および開発者ガイド』の2つのマニュアルが含まれています。

『Oracle XML Publisherレポート・デザイナーズ・ガイド』では、レポート・レイアウトのテンプレートの設計を説明します。次の章があります。

『Oracle XML Publisherレポート・デザイナーズ・ガイド』

RTFテンプレートの作成 - レポート用にカスタマイズしたテンプレートを作成するために、文書処理アプリケーションでレポートXMLファイルを使用する方法を説明します。

PDFテンプレートの作成 - カスタマイズ・テンプレートをPDFで作成するために、Adobe AcrobatでレポートXMLファイルを使用する方法を説明します。

eTextテンプレートの作成 - EDIおよびEFTファイル仕様に準拠した表ベース・テンプレートを作成する方法を説明します。これらのテンプレートはeText処理エンジンによって処理され、ビジネス・パートナと交換するためにフラット・テキスト・ファイルが作成されます。

XMLパブリッシャの拡張関数 - XMLパブリッシャで拡張されたSQLおよびXSL関数をリストしています。

サポートされているXSL-FO要素 - XMLパブリッシャ・エンジンでサポートされるFO要素をリストしています。

『Oracle XML Publisher管理および開発者ガイド』

このマニュアルには、XMLパブリッシャの設定、レポートの実行、データ・エンジンの使用およびAPIの利用に関する情報が含まれています。

テンプレート・マネージャの使用 - (E-Business Suiteユーザーにのみ関連)Oracleレポートをデータ定義として登録し、テンプレート・マネージャにテンプレートをアップロードする方法を説明します。

カスタマイズ・レポートの生成 - (E-Business Suiteユーザーにのみ関連)カスタマイズ・テンプレートで出力を生成するために、コンカレント・マネージャを使用してレポート要求を発行する方法を説明します。

管理 - 構成プロパティの設定、フォントのアップロード、フォント・マッピングの作成および通貨マッピングの作成を可能にする管理インタフェースを説明します。

データ・テンプレート - XMLパブリッシャのデータ・エンジンを使用してXMLデータを抽出するためのテンプレートを作成する方法を説明します。

XMLパブリッシャAPIのコール - APIを介してXMLパブリッシャの処理エンジンを利用する方法を説明します。

配信マネージャ - 複数のチャネルを介して文書を配信するためにXMLパブリッシャの配信マネージャAPIを使用する方法、およびカスタム・チャネルの作成方法を説明します。

アプリケーションへの文書ビューワの統合 - Oracle Applicationsフレームワーク・コンポーネントであるXMLパブリッシャの文書ビューワをアプリケーションに実装する方法を説明します。

E-Business Suiteインスタンス間でのテンプレートおよびデータ定義の移動 - FNDLOADおよびXDOLoaderユーティリティを使用して、XMLパブリッシャのオブジェクトをテスト、開発および本番のインスタンス間で移動する方法を説明します。

XMLパブリッシャ構成ファイル - 管理プロパティを設定するための構成ファイルを設定する方法を説明します。

OracleレポートからXMLパブリッシャ・レポートへの移行 - 変換ユーティリティを使用して既存のOracleレポートをXMLパブリッシャ・レポートに変換する方法を説明します。