1. Oracle VM Server for SPARC ソフトウェアの概要
Oracle Solaris OS ネットワークインタフェース名を確認する
Logical Domains に割り当てられる MAC アドレスの範囲
Logical Domains でのネットワークアダプタの使用
NAT およびルーティング用の仮想スイッチおよびサービスドメインの構成
ドメインの IPMP グループへの仮想ネットワークデバイスの構成
Logical Domains 仮想ネットワークでのリンクベースの IPMP の使用
Logical Domains 1.3 以前のリリースの IPMP の構成および使用
ポート VLAN ID (Port VLAN ID、PVID)
VLAN を仮想スイッチおよび仮想ネットワークデバイスに割り当てる
インストールサーバーが VLAN に存在する場合にゲストドメインをインストールする
ジャンボフレームを使用するように仮想ネットワークおよび仮想スイッチデバイスを構成する
ジャンボフレームに対応していない旧バージョンの vnet および vsw ドライバとの互換性
A. Oracle VM Server for SPARC 物理から仮想への変換ツール
B. Oracle VM Server for SPARC Configuration Assistant
C. Logical Domains Manager の検出
D. Logical Domains Manager での XML インタフェースの使用
この節では、ドメインへの仮想スイッチの追加、仮想スイッチのオプションの設定、および仮想スイッチの削除について説明します。
# ldm add-vsw [default-vlan-id=vlan-id] [pvid=[port-vlan-id]] [vid=vlan-id1,vlan-id2,...] [linkprop=phys-state] [mac-addr=num] [net-dev=device] [mode=sc] [mtu=size] [id=switch-id] vswitch-name ldom
各エントリの内容は次のとおりです。
default-vlan-id=vlan-id は、仮想スイッチとそれに関連する仮想ネットワークデバイスが暗黙的にタグなしモードで属するデフォルトの仮想ローカルエリアネットワーク (Virtual Local Area Network、VLAN) を指定します。これは、仮想スイッチおよび仮想ネットワークデバイスのデフォルトのポート VLAN ID (Port VLAN ID、PVID) として機能します。このオプションを指定しない場合、このプロパティーのデフォルト値は 1 です。通常、このオプションを指定する必要はありません。このオプションは、単にデフォルト値の 1 を変更する手段として用意されています。詳細については、「VLAN のタグ付けの使用」を参照してください。
pvid=port-vlan-id には、仮想スイッチをメンバーにする必要のある VLAN をタグなしモードで指定します。詳細については、「VLAN のタグ付けの使用」を参照してください。
vid=vlan-id は、仮想スイッチがタグ付きモードでメンバーとして属する必要のある 1 つ以上の VLAN を指定します。詳細については、「VLAN のタグ付けの使用」を参照してください。
linkprop=phys-state では、配下の物理ネットワークデバイスに基づいて、仮想デバイスがリンクステータスをレポートするかどうかを指定できます。コマンドラインで linkprop=phys-state を指定すると、仮想デバイスのリンクステータスは物理リンクステータスを反映します。デフォルトでは、仮想デバイスのリンクステータスは物理リンクステータスを反映しません。
リンクベースの IPMP を使用するには、このオプションを指定します。「Logical Domains 仮想ネットワークでのリンクベースの IPMP の使用」 を参照してください。
mac-addr=num は、このスイッチで使用される MAC アドレスです。番号は、標準のオクテット記述法で指定する必要があります。たとえば、80:00:33:55:22:66 とします。MAC アドレスを指定しない場合、スイッチには Logical Domains Manager に割り当てられているパブリック MAC アドレス範囲のアドレスが自動的に割り当てられます。詳細は、「自動または手動による MAC アドレスの割り当て」 を参照してください。
net-dev=device は、このスイッチが動作するネットワークデバイスへのパスです。
mode=sc を指定すると、Logical Domains 環境での Oracle Solaris Cluster のハートビートパケットの優先処理用の仮想ネットワークサポートが有効になります。Oracle Solaris Cluster などのアプリケーションでは、輻輳した仮想ネットワークおよびスイッチデバイスによって高優先度のハートビートパケットがドロップされないようにする必要があります。このオプションを使用して、Oracle Solaris Cluster のハートビートフレームが優先され、これらのフレームが信頼性の高い方法で転送されるようにします。
論理ドメイン環境で Oracle Solaris Cluster を実行し、ゲストドメインを Oracle Solaris Cluster ノードとして使用している場合は、このオプションを設定する必要があります。ゲストドメインで Oracle Solaris Cluster ソフトウェアを実行していない場合には、仮想ネットワークのパフォーマンスに影響を与える可能性があるため、このオプションを設定しないでください。
mtu=size は、仮想スイッチデバイスの最大転送単位 (Maximum Transmission Unit、MTU) を指定します。有効な値の範囲は 1500 ~ 16000 です。
id=switch-id は、新しい仮想スイッチデバイスの ID です。デフォルトでは ID 値は自動的に生成されるため、OS で既存のデバイス名に一致させる必要がある場合に、このプロパティーを設定します。「仮想デバイス識別子およびネットワークインタフェース名」 を参照してください。
vswitch-name は、サービスとしてエクスポートされるスイッチの一意の名前です。クライアント (ネットワーク) は、このサービスに接続できます。
ldom には、仮想スイッチを追加する論理ドメインを指定します。
# ldm set-vsw [pvid=[port-vlan-id]] [vid=[vlan-id1,vlan-id2,...]] [mac-addr=num] [linkprop=[phys-state]] [net-dev=[device]] [mode=[sc]] [mtu=[size]] vswitch-name
各エントリの内容は次のとおりです。
mode= (空白のまま) では、Oracle Solaris Cluster のハートビートパケットの特殊処理が停止されます。
それ以外のコマンド引数は、「仮想スイッチを追加する」 で説明しているものと同じです。
# ldm rm-vsw [-f] vswitch-name
各エントリの内容は次のとおりです。
-f は、仮想スイッチの強制削除を試行します。削除は失敗することがあります。
vswitch-name は、サービスとして削除されるスイッチの名前です。