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Oracle VM Server for SPARC 2.0 管理ガイド
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ドキュメントの情報

はじめに

1.  Oracle VM Server for SPARC ソフトウェアの概要

2.  ソフトウェアのインストールおよび有効化

3.  セキュリティー

4.  サービスおよび制御ドメインの設定

5.  ゲストドメインの設定

6.  I/O ドメインの設定

7.  仮想ディスクの使用

8.  仮想ネットワークの使用

仮想ネットワークの概要

仮想スイッチ

仮想ネットワークデバイス

仮想スイッチの管理

仮想スイッチを追加する

既存の仮想スイッチのオプションを設定する

仮想スイッチを削除する

仮想ネットワークデバイスの管理

仮想ネットワークデバイスを追加する

既存の仮想ネットワークデバイスのオプションを設定する

仮想ネットワークデバイスを削除する

仮想デバイス識別子およびネットワークインタフェース名

Oracle Solaris OS ネットワークインタフェース名を確認する

自動または手動による MAC アドレスの割り当て

Logical Domains に割り当てられる MAC アドレスの範囲

自動割り当てのアルゴリズム

重複した MAC アドレスの検出

解放された MAC アドレス

Logical Domains でのネットワークアダプタの使用

ネットワークアダプタが GLDv3 準拠かどうかを判別する

NAT およびルーティング用の仮想スイッチおよびサービスドメインの構成

ドメインが外部に接続できるように仮想スイッチを設定する

Logical Domains 環境での IPMP の構成

ドメインの IPMP グループへの仮想ネットワークデバイスの構成

サービスドメインでの IPMP の構成と使用

Logical Domains 仮想ネットワークでのリンクベースの IPMP の使用

物理リンクステータスの更新を構成する

Logical Domains 1.3 以前のリリースの IPMP の構成および使用

ゲストドメインでの IPMP の構成

サービスドメインでの IPMP の構成

VLAN のタグ付けの使用

ポート VLAN ID (Port VLAN ID、PVID)

VLAN ID (VID)

VLAN を仮想スイッチおよび仮想ネットワークデバイスに割り当てる

インストールサーバーが VLAN に存在する場合にゲストドメインをインストールする

NIU ハイブリッド I/O の使用

NIU ネットワークデバイスで仮想スイッチを構成する

ハイブリッドモードを有効にする

ハイブリッドモードを無効にする

仮想スイッチでのリンク集積体の使用

ジャンボフレームの構成

ジャンボフレームを使用するように仮想ネットワークおよび仮想スイッチデバイスを構成する

ジャンボフレームに対応していない旧バージョンの vnet および vsw ドライバとの互換性

9.  ドメインの移行

10.  リソースの管理

11.  構成の管理

12.  その他の管理タスクの実行

A.  Oracle VM Server for SPARC 物理から仮想への変換ツール

B.  Oracle VM Server for SPARC Configuration Assistant

C.  Logical Domains Manager の検出

D.  Logical Domains Manager での XML インタフェースの使用

E.  Logical Domains Manager XML スキーマ

用語集

索引

VLAN のタグ付けの使用

Oracle Solaris 10 10/08 OS および Logical Domains 1.1 ソフトウェアのリリース以降は、Logical Domains ネットワークインフラストラクチャーで 802.1Q VLAN のタグ付けがサポートされます。


注 - タグ付き VLAN は、以前のリリースの Logical Domains ネットワークコンポーネント用ではサポートされていません。


仮想スイッチ (vsw) および仮想ネットワーク (vnet) デバイスは、仮想ローカルエリアネットワーク (Virtual Local Area Network、VLAN) 識別子 (ID) に基づいて Ethernet パケットのスイッチングをサポートし、Ethernet フレームの必要なタグ付けまたはタグなし処理を行います。

ゲストドメインの vnet デバイスには複数の VLAN インタフェースを作成できます。Oracle Solaris OS ifconfig(1M)コマンドを使用すると、ほかの物理ネットワークデバイスに VLAN インタフェースを構成する場合と同じ方法で、仮想ネットワークデバイスに VLAN インタフェースを作成できます。Logical Domains 環境では、この手順のほかに Logical Domains Manager CLI コマンドを使用して、対応する VLAN に vnet を割り当てる必要があります。Logical Domains Manager CLI コマンドの詳細については、ldm(1M) を参照してください。

同様に、サービスドメインの仮想スイッチデバイスに VLAN インタフェースを構成することができます。VLAN ID 2 ~ 4094 が有効です。VLAN ID 1 は default-vlan-id として予約されています。

ゲストドメインに vnet デバイスを作成する場合は、そのデバイスを必要な VLAN に割り当てる必要があります。それには、ldm add-vnet コマンドで pvid= 引数および vid= 引数を使用して、この vnet にポート VLAN ID および 0 個以上の VLAN ID を指定します。これによって、仮想スイッチは、Logical Domains ネットワークで複数の VLAN をサポートし、ネットワークで MAC アドレスと VLAN ID の両方を使用してパケットをスイッチングするように構成されます。

同様に、vsw デバイス自体が属することになる VLAN を、ネットワークインタフェースとして plumb するときに、ldm add-vsw コマンドで pvid= 引数および vid= 引数を使用して、vsw デバイス内に構成する必要があります。

デバイスが属する VLAN は、ldm set-vnet または ldm set-vsw コマンドを使用して変更できます。

ポート VLAN ID (Port VLAN ID、PVID)

PVID は、仮想ネットワークデバイスをメンバーにする必要のある VLAN を、タグなしモードで示します。この場合、PVID で指定した VLAN の vnet デバイスのために必要なフレームのタグ付けまたはタグなし処理は、vsw デバイスによって行われます。仮想ネットワークからのタグなしのアウトバウンドフレームは、仮想スイッチによって PVID でタグ付けされます。この PVID でタグ付けされたインバウンドフレームは、仮想スイッチによってタグが削除されてから、vnet デバイスに送信されます。このため、PVID を vnet に暗黙に割り当てることは、仮想スイッチの対応する仮想ネットワークポートが、PVID で指定された VLAN に対してタグなしとしてマークされることを意味します。vnet デバイスに設定できる PVID は 1 つだけです。

対応する仮想ネットワークインタフェースは、VLAN ID なしで ifconfig(1M) コマンドを使用して、そのデバイスインスタンスだけを使用して構成した場合、仮想ネットワークの PVID によって指定された VLAN に暗黙に割り当てられます。

たとえば、次のコマンドを使用して vnet インスタンス 0 を plumb する場合に、この vnetpvid= 引数が 10 として指定されているときは、vnet0 インタフェースが VLAN 10 に属するように暗黙に割り当てられます。

# ifconfig vnet0 plumb

VLAN ID (VID)

VID は、仮想ネットワークデバイスまたは仮想スイッチをメンバーにする必要のある VLAN を、タグ付きモードで示します。仮想ネットワークデバイスは、その VID で指定されている VLAN でタグ付きフレームを送受信します。仮想スイッチは、仮想ネットワークデバイスと外部ネットワークの間で、指定の VID でタグ付けされたフレームを通過させます。

VLAN を仮想スイッチおよび仮想ネットワークデバイスに割り当てる

  1. 仮想スイッチ (vsw) を 2 つの VLAN に割り当てます。

    たとえば、VLAN 21 をタグなし、VLAN 20 をタグ付きとして構成します。仮想ネットワーク (vnet) を 3 つの VLAN に割り当てます。VLAN 20 をタグなし、VLAN 21 および VLAN 22 をタグ付きとして構成します。

    # ldm add-vsw net-dev=nxge0 pvid=21 vid=20 primary-vsw0 primary
    # ldm add-vnet pvid=20 vid=21,22 vnet01 primary-vsw0 ldom1
  2. VLAN インタフェースを plumb します。

    この例では、ドメイン内のこれらのデバイスのインスタンス番号は 0 で、VLAN はこれらのサブネットに対応づけられていることを前提としています。


    VLAN
    サブネット
    20
    192.168.1.0 (ネットマスク: 255.255.255.0)
    21
    192.168.2.0 (ネットマスク: 255.255.255.0)
    22
    192.168.3.0 (ネットマスク: 255.255.255.0)
    1. サービス (primary) ドメインで VLAN インタフェースを plumb します。
      primary# ifconfig vsw0 plumb
      primary# ifconfig vsw0 192.168.2.100 netmask 0xffffff00 broadcast + up
      primary# ifconfig vsw20000 plumb
      primary# ifconfig vsw20000 192.168.1.100 netmask 0xffffff00 broadcast + up
    2. ゲスト (ldom1) ドメインで VLAN インタフェースを plumb します。
      ldom1# ifconfig vnet0 plumb
      ldom1# ifconfig vnet0 192.168.1.101 netmask 0xffffff00 broadcast + up
      ldom1# ifconfig vnet21000 plumb
      ldom1# ifconfig vnet21000 192.168.2.101 netmask 0xffffff00 broadcast + up
      ldom1# ifconfig vnet22000 plumb
      ldom1# ifconfig vnet22000 192.168.3.101 netmask 0xffffff00 broadcast + up

      Oracle Solaris OS で VLAN インタフェースを構成する方法の詳細については、『Solaris のシステム管理 (IP サービス)』の「仮想ローカルエリアネットワークの管理」を参照してください。

インストールサーバーが VLAN に存在する場合にゲストドメインをインストールする

ネットワークを介してゲストドメインをインストールしており (JumpStart)、インストールサーバーが VLAN に存在する場合は注意してください。インストールサーバーに関連付けられた VLAN ID を、仮想ネットワークデバイスの PVID として指定します。その仮想ネットワークデバイスにタグ付き VLAN (vid) を構成しないでください。OBP は VLAN を認識せず、VLAN のタグ付きのネットワークパケットを処理できないため、このようにする必要があります。仮想スイッチは、ネットワークインストールの実行中、ゲストドメインから送受信されるパケットのタグ付きおよびタグなし処理を行います。ネットワークインストールが完了して Oracle Solaris OS が起動したら、仮想ネットワークデバイスがその VLAN でタグ付けされるように構成できます。その後、その仮想ネットワークデバイスをタグ付きモードでほかの VLAN に追加できます。

JumpStart を使用したゲストドメインのインストールについては、「ゲストドメインの JumpStart 操作を実行する」を参照してください。

  1. 最初にネットワークデバイスをタグなしモードで構成します。

    たとえば、インストールサーバーが VLAN 21 にある場合、最初に仮想ネットワークを次のように構成します。

    primary# ldm add-vnet pvid=21 vnet01 primary-vsw0 ldom1
  2. インストールが完了して Oracle Solaris OS が起動したら、仮想ネットワークをタグ付きモードで構成します。
    primary# ldm set-vnet pvid= vid=21, 22, 23 vnet01 primary-vsw0 ldom1