1. Oracle VM Server for SPARC ソフトウェアの概要
フルディスクとしてエクスポートされるファイルまたはボリューム
1 つのスライスディスクとしてエクスポートされるファイルまたはボリューム
ZFS ボリュームを 1 つのスライスディスクとしてエクスポートする
ファイルおよびディスクスライスを仮想ディスクとしてエクスポートする場合のガイドライン
CD または DVD をサービスドメインからゲストドメインにエクスポートする
primary ドメインから ISO イメージをエクスポートしてゲストドメインをインストールする
ZFS ボリュームまたは ZFS ファイルをゲストドメインに割り当てる
Logical Domains 環境でのボリュームマネージャーの使用
Solaris Volume Manager での仮想ディスクの使用
仮想ディスクでの Solaris Volume Manager の使用
A. Oracle VM Server for SPARC 物理から仮想への変換ツール
B. Oracle VM Server for SPARC Configuration Assistant
C. Logical Domains Manager の検出
D. Logical Domains Manager での XML インタフェースの使用
仮想ディスクのバックエンドをエクスポートする際には、さまざまなオプションを指定できます。これらのオプションは、ldm add-vdsdev コマンドの options= 引数にコンマ区切りのリストとして指定します。有効なオプションは、ro、slice、および excl です。
読み取り専用 (ro) オプションは、バックエンドが読み取り専用デバイスとしてエクスポートされることを指定します。その場合、ゲストドメインに割り当てられるこの仮想ディスクに対しては読み取り操作のアクセスのみが可能で、仮想ディスクへの書き込み操作は失敗します。
排他 (excl) オプションは、サービスドメインのバックエンドを仮想ディスクとして別のドメインにエクスポートするときに、仮想ディスクサーバーによって排他的に開かれる必要があることを指定します。バックエンドが排他的に開かれると、サービスドメインのほかのアプリケーションがこのバックエンドにアクセスすることはできません。これによって、サービスドメインで動作するアプリケーションが、ゲストドメインでも使用されているバックエンドを誤って使用することはなくなります。
注 - ドライバには excl オプションを受け入れないものもあるため、一部の仮想ディスクバックエンドを排他的に開くことが許可されません。excl オプションが物理ディスクおよびスライスで機能することはわかっていますが、このオプションはファイルでは機能しません。ディスクボリュームなどの擬似デバイスでは機能する場合と機能しない場合があります。バックエンドのドライバで排他的オープンが受け入れられない場合、バックエンドの excl オプションは無視され、バックエンドは排他的に開かれません。
excl オプションによって、サービスドメインで動作中のアプリケーションが、ゲストドメインにエクスポートされるバックエンドにアクセスできなくなるため、次の場合は excl オプションを設定しないでください。
ゲストドメインの動作中に format(1M)、luxadm(1M) などのコマンドを使用して物理ディスクを管理できるようにする場合は、これらの物理ディスクをエクスポートする際に excl オプションを指定しないでください。
RAID、ミラー化ボリュームなどの Solaris Volume Manager ボリュームをエクスポートする場合は、excl オプションを設定しないでください。このようにしないと、RAID またはミラー化ボリュームのコンポーネントに障害が発生した場合に、Solaris Volume Manager で一部の復旧処理の開始が妨げられる可能性があります。詳細については、「Solaris Volume Manager での仮想ディスクの使用」を参照してください。
Veritas Volume Manager (VxVM) がサービスドメインにインストールされていて、Veritas Dynamic Multipathing (VxDMP) が物理ディスクに対して有効な場合は、excl オプション (デフォルトではない) を指定せずに物理ディスクをエクスポートする必要があります。このようにしないと、仮想ディスクサーバー (vds) が物理ディスクデバイスを開くことができないため、エクスポートは失敗します。詳細は、「VxVM のインストール時の仮想ディスクの使用」 を参照してください。
同じ仮想ディスクバックエンドを同じ仮想ディスクサービスから複数回エクスポートする場合の詳細については、「仮想ディスクバックエンドを複数回エクスポートする」を参照してください。
デフォルトでは、バックエンドは排他的ではない状態で開かれます。このため、バックエンドが別のドメインにエクスポートされている間でも、サービスドメインで動作中のアプリケーションはこのバックエンドを使用できます。これは、Oracle Solaris 10 5/08 OS リリースから導入された新しい動作です。Oracle Solaris 10 5/08 OS より前のリリースでは、ディスクバックエンドは常に排他的に開かれ、バックエンドを排他的でない状態で開くことはできませんでした。
通常、バックエンドは、その種類に応じてフルディスクまたは 1 つのスライスディスクのいずれかとしてエクスポートされます。slice オプションを指定すると、バックエンドは強制的に 1 つのスライスディスクとしてエクスポートされます。
このオプションは、バックエンドの raw コンテンツをエクスポートする場合に便利です。たとえば、データを格納済みの ZFS または Solaris Volume Manager ボリュームがある場合に、ゲストドメインでこのデータにアクセスするには、slice オプションを使用して ZFS または Solaris Volume Manager ボリュームをエクスポートする必要があります。
このオプションの詳細については、「仮想ディスクバックエンド」を参照してください。