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Oracle® JRockit Mission Control Mission Control Clientの紹介
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2 JRockit Mission Control Client

この章では、JRockit Mission Control Clientに付属の各種ツールについて説明します。

Oracle JRockit Mission Controlツール・スイートには、Javaアプリケーションのモニター、管理、プロファイリング、メモリー・リークの解消などを行うツールが含まれています。この種のツールに伴うパフォーマンスのオーバーヘッドは発生しません。

この章では、以下の内容に関する情報を取り上げます。

2.1 JRockit Mission Control Clientのアーキテクチャの概要

この項では、一般的なJRockit Mission Control Clientのセッション中に何が実行されるかを示します。

2.1.1 フライト・レコーダ

JRockit Mission Control Clientでフライト記録を開始すると、指定した期間中のJRockit JVMプロセスのステータスが記録されます。フライト・レコーダで、記録データの入ったファイルが作成されます。記録ファイルは、JDKレベル1.5以上で有効とされる記録の終了後にJRockitフライト・レコーダ・ツールで自動的に開かれます。記録される一般的な情報として、Javaヒープの分散、ガベージ・コレクション、メソッドのサンプル、スレッドのレイテンシおよびロック・プロファイリングの情報があります。

2.1.2 管理コンソール

アプリケーションやOracle JRockit JVMのリアル・タイムの動作を確認するために、JRockit JVMのインスタンスに接続して、JRockit管理コンソールからリアル・タイムの情報を表示できます。表示できる一般的な情報としては、スレッドの使用状況、CPUの使用状況、メモリーの使用状況があります。すべてのグラフは構成可能であり、独自の属性を追加したり、それぞれのラベルを再定義したりできます。管理コンソールでは、たとえば、CPUの使用率がサイズの90%に達した場合にメールを送信するなど、特定のイベントをトリガーするルールを作成することもできます。

2.1.3 JMXエージェント

JMXエージェントを介して、プラットフォームMBeanサーバーにデプロイされたすべてのMBeanにアクセスできます。これらのMBeanからは、ガベージ・コレクションによる休止時間などの属性情報を読み込むことができます。

2.1.4 メモリー・リーク・ディテクタ

Javaアプリケーションのメモリー・リークを見つけるには、JRockit JVMの実行中のプロセスにJRockitメモリー・リーク・ディテクタを接続します。Memory Leak DetectorはJMX (RMP)エージェントに接続し、JMXエージェントがMemory Leakサーバーの起動を指示します。それ以降の通信はすべてこのサーバーとの間で行われます。

2.2 JRockit Mission Controlの起動

JRockit Mission Control Clientの実行可能ファイルは、JAVA_HOME/binにあります。このディレクトリがシステム・パスにある場合は、コマンド(シェル)プロンプトでjrmcと入力するだけでJRockit Mission Control Clientを起動できます。

2.3 JRockitブラウザ

JRockitブラウザは、JRockit Mission Control 2.0で導入されました。このツールを使用すると、システム上で実行しているJRockit JVMのすべてのインスタンスを設定および管理することができます。フライト記録の開始、管理コンソールへの接続、メモリー・リーク検出の開始など、JRockitブラウザから様々なツールをアクティブにします。各JRockit JVMインスタンスは「コネクタ」と呼ばれます。

2.4 JRockit管理コンソール

JRockit管理コンソールを使用して、JRockit JVMインスタンスをモニターできます。複数の管理コンソールを同時に並べて実行できます。ツールでは、メモリーやCPU使用率など、実行時の指標についての実データが収集および表示されます。Oracle JRockit JDK 5.0に接続した管理コンソールには、JRockit JVMの内部MBeanサーバーにデプロイされたJMX MBeanに含まれる情報も表示されます。Oracle JRockit JDK 1.4に接続されるコンソールの場合、JMXプロキシによるRMP機能が表示されます。JVMの管理には、CPUアフィニティ、ガベージ・コレクション方式、メモリー・プールのサイズなどに対する動的な制御が含まれます。

2.5 JRockitフライト・レコーダ

JRockitフライト・レコーダは、パフォーマンス監視およびプロファイリング・ツールで、システム・クラッシュなどの壊滅的な障害が発生しても、常に診断情報を提供します。基本的に、JFRでは診断データおよびプロファイリング・データが循環バッファに書き込まれ、これらのデータをいつでもオンデマンドで利用できます。それはいわば「タイム・マシン」のようなもので、時間の流れを遡り、イベントが起こるに至るまでの診断データを収集できます。循環バッファには、JVMやアプリケーション・イベントなどのデータが格納されます。

JRockit Mission Control Clientで、Oracle JRockit JVMのフライト・レコーダ対応バージョン(バージョンR28.0.0以降)を実行しているユーザーは、フライト・レコーダにより、パフォーマンス・データを論理的なタスク・ベースのグループにまとめた一連のタブで、JVMの記録、現在の記録の設定、およびランタイム・パラメータを表示できます。これらのタブのデータは、一式のダイアル、チャートおよび表によって表示されます。各タブの最上部に、レポート範囲を縮小または拡大できる、レンジ・ナビゲータと呼ばれるスライディング・ウィンドウがあります。たとえば、特定の期間の周りに複数のイベントが集中している場合は、レンジ・ナビゲータを調節してそれらのイベントだけを含め、タブ・コンポーネントにそれらのイベントのデータだけを表示することができます。

フライト・レコーダ・ラン・タイム・コンポーネントの詳細は、Oracle Technology Networkでフライト・レコーダ・ラン・タイム・ガイドを参照してください。

2.6 JRockitメモリー・リーク・ディテクタ

JRockitメモリー・リーク・ディテクタは、Javaアプリケーションのメモリー・リークを検出し、その原因を突き止めるためのツールです。The JRockit Memory Leak Detector's trend analyzer discovers slow leaks, it shows detailed heap statistics (including referring types and instances to leaking objects), allocation sites, and it provides a quick drill down to the cause of the memory leak.Memory Leak Detectorでは高度なグラフィカル表示手法が使われているため、時として複雑な情報をより簡単に操作し、把握することができます。