この章では、各プロトコルと、使用するJ2SEバージョンに応じて生じる違いについて説明します。
Oracle JRockit JVMを実行するJ2SEバージョンに応じて、通信プロトコルの特定の側面が異なります。
この節の内容は以下のとおりです。
JRockit JDKのJ2SE 5.0以降のバージョンでは、JMXRMI (JMX over RMI)が使用されます。このオプションは、-Xmanagement:port
オプションで設定されるRMIレジストリの1つのポートと、RMIサーバーとやり取りするための2番目のポート(匿名のポート)を使用します。ただし、RMIサーバーのポートは設定できないため、RMIサーバーの固定ポートを定義する独自のエージェントを記述することもできます。詳細は、次のリンクにアクセスして、JMXリモートAPIを使用したアウトオブボックスの管理の模倣に関する項を参照してください。
http://java.sun.com/javase/6/docs/technotes/guides/management/agent.html#gdfvv
表3-1に、-Xmanagement
フラグに使用できるオプションを示します。
表3-1 -Xmanagementオプション
オプション | 説明 | デフォルト |
---|---|---|
authenticate |
パスワード認証に使用する |
True |
ssl |
SSL (Secure Sockets Layer)を使用する |
True |
port |
RMIレジストリに使用するポート |
7091 |
これらのオプションの詳細は、次のリンクにアクセスして「JMXを使用する監視と管理」を参照してください。
http://java.sun.com/j2se/1.5.0/docs/guide/management/agent.html
すべてのJ2SEバージョンでは、-Xmanagement
オプションのautodiscoveryを使用して、その存在を示すためにJRockit JVMがJRockit Discovery Protocol (JDP)を使用するようにすることができます。たとえば、-Xmanagement:autodiscovery=true
と指定します。
表3-2に、JDPサーバーの動作の制御に使用できる追加のシステム・プロパティを示します。
表3-2 JDPサーバーの制御に使用されるシステム・プロパティ
システム・プロパティ | 説明 | デフォルト |
---|---|---|
jrockit.managementserver.discovery.period |
プレゼンスのマルチキャスティング間の待機時間(ミリ秒) |
5000 |
jrockit.managementserver.discovery.ttl |
パケットがマルチキャストされている間に生存する必要のあるルーター・ホップの数 |
1 |
jrockit.managementserver.discovery.address |
使用するマルチキャスト・グループ/アドレス |
232.192.1.212 |
jrockit.managementserver.discovery.targetport |
ブロードキャストのターゲット・ポート |
7090(1.4)/7091(1.5) |
JRockit Mission Controlのすべてのバージョンは、メモリー・リーク・ディテクタの使用時に追加のプロトコルを使用します。メモリー・リーク・サーバーはJavaで記述されていませんが、JVMに不可欠な構成部分です。メモリー・リーク・サーバーが使用される状況としては、JVMでメモリー不足が発生したときに任意で起動する場合が考えられます。このような状況では、ヒープがまったく利用できないため、Javaコードの実行は不可能です。
MLP (MemLeak Protocol)は、メモリー・リーク・セッション中にネイティブ・メモリー・リーク・サーバーによって使用されます。JRockit Mission Controlは、RMP(1.4)またはJMXRMI(5.0以上)で通信して、Oracle JRockit JVMにサーバーを起動するよう求めます。Oracle JRockit Mission Controlプリファレンスを使用して、メモリー・リーク・サーバーを起動するポート、およびセッションで使用するポートを構成できます。