用途
obtar -t
は、バックアップ・イメージに含まれるファイルおよびディレクトリの名前をリストする場合に使用します。バックアップ・イメージのコンテンツ全体をリストすることも、バックアップ・イメージの一部のみをリストすることもできます。バックアップ・イメージをカタログに追加するには、-Gt
を指定します。obtar -t
では、NDMPバックアップはリストまたはインポートされません。
構文
obtar -t::=
obtar -t [ -f device ] [ -F { cur | file-number } ] [ -Gvz ] [ pathname ]...
意味
obtar -t
には複数のオプションを指定できます。この項では、使用する可能性が最も高いオプションについて説明します。obtar -t
のその他のオプションについては、「obtarのオプション」を参照してください。
テープ・デバイスの名前を指定します。-f
を指定しない場合は、TAPE
環境変数(定義されている場合)によって指定されたテープ・デバイスから読み取られます。
ボリューム・セットにおけるバックアップ・イメージの番号を指定します。現在ロードされているボリュームとは異なるボリューム上に指定ファイルがある場合、必要なボリューム変更を行うように要求されます。-F
を指定しない場合は、ボリュームの現在位置にあるバックアップ・イメージが読み取られます。
cur
を指定した場合は、ボリュームの現在位置にあるバックアップ・イメージが抽出されます。これがデフォルト設定です。
file-number
を指定する場合は、指定したファイル位置にあるバックアップ・イメージが抽出されます。
バックアップ・イメージのコンテンツに関する追加情報を表示します。この出力は、UNIXのls -l
コマンドと似ています。追加情報には、ファイルとディレクトリの権限、所有者、サイズおよび最終変更日が含まれます。
バックアップ・イメージのボリューム・ラベルを表示します。
リストするファイルまたはディレクトリのパス名を1つ以上指定します。ディレクトリを指定すると、そのディレクトリのコンテンツが再帰的にリストされます。パス名の引数を指定しない場合は、ボリュームの現在の場所か、-F
オプションで指定した場所にあるバックアップ・イメージのコンテンツがすべてリストされます。
例
例B-11 バックアップ・イメージのコンテンツの表示
この例では、テープ・デバイスtape1にロードされたボリュームの現在位置にあるバックアップ・イメージのコンテンツを表示しています。
# obtar -t -f tape1 project/ project/file1 project/file2 project/file3
例B-12 ボリューム・セットにあるバックアップ・イメージのコンテンツの表示
ボリューム・セットに含まれる特定のバックアップ・イメージのコンテンツを表示するには、-F
オプションを使用します。この例では、バックアップ・イメージ4のコンテンツを表示しています。
# obtar -t -f tape1 -F 4 doc/ doc/chap1 doc/chap2 test/ test/file1 test/file2
例B-13 バックアップ・イメージに関する追加情報の表示
バックアップ・イメージに関する追加情報を表示するには、-v
オプションを使用します。この例では、-v
オプションを使用して、バックアップ・イメージ4に関する追加情報に表示しています。
# obtar -t -v -f tape1 -F 4 drwxrwxr-x jane/rd 0 Feb 24 16:53 2000 doc/ -rw-r--r-- jane/rd 225 Feb 24 15:17 2000 doc/chap1 -rwxrwxr-x jane/rd 779 Feb 24 15:17 2000 doc/chap2 drwxrwxr-x jane/rd 0 Feb 24 16:55 2000 test/ -rwxrwxr-x jane/rd 779 Feb 24 16:54 2000 test/file1 -rw-r--r-- jane/rd 225 Feb 24 16:54 2000 test/file2
例B-14 イメージ内のファイルに関する情報の表示
バックアップ・イメージに含まれる特定のファイルまたはディレクトリに関する情報を表示するには、ファイルまたはディレクトリの名前をコマンドラインの最後の引数として含めます。この例では、バックアップ・イメージ4に含まれるディレクトリtestに関する情報を表示しています。
# obtar -t -f tape1 -F 4 test test/ test/file1 test/file2
例B-15 複数のディレクトリに関する情報の表示
バックアップ・イメージに含まれているパス名を複数指定できます。この例では、ディレクトリtest
およびdoc
に関する情報を表示しています。各ディレクトリは、バックアップ・イメージ内と同じ順序でリストされます。
# obtar -t -f tape1 -F 4 test doc doc/ doc/chap1 doc/chap2 test/ test/file1 test/file2
例B-16 ファイルシステム・バックアップ・イメージのカタログへの追加
-G
オプションを使用して、バックアップ・イメージのコンテンツをカタログに追加します。この例では、テープ・ドライブtape1にロードされたボリューム上のバックアップ・イメージ1をカタログに追加しています(出力の一部のみが示されています)。この例でイメージに含まれているのは、1つのファイルシステム・バックアップです。一度にカタログに追加できるバックアップ・イメージは1つのみです。
# obtar -f tape1 -tG -F 1 Volume label: Volume tag: DEV100 Volume ID: VOL000001 Volume sequence: 1 Volume set owner: root Volume set created: Tue Nov 22 15:57:36 2008 Archive label: File number: 1 File section: 1 Owner: root Client host: osbsvr2 Backup level: 0 S/w compression: no Archive created: Tue Nov 22 15:57:36 2008 /home/someuser/ /home/someuser/.ICEauthority /home/someuser/.Xauthority /home/someuser/.aliases /home/someuser/.bash_history /home/someuser/.bash_logout /home/someuser/.bash_profile /home/someuser/.bashrc . . .
例B-17 RMANバックアップ・イメージのカタログへの追加
この例でも、テープ・ドライブtape1にロードされたボリューム上のバックアップ・イメージ1をカタログに追加しています。この例でイメージに含まれているのは、アーカイブREDOログのRMAバックアップです。
# obtar -f tape1 -tG -F 1 Volume label: Volume tag: ADE202 Volume ID: RMAN-DEFAULT-000002 Volume sequence: 1 Volume set owner: root Volume set created: Mon Feb 13 10:36:13 2006 Media family: RMAN-DEFAULT Volume set expires: never; content manages reuse Archive label: File number: 1 File section: 1 Owner: root Client host: osbsvr1 Backup level: 0 S/w compression: no Archive created: Mon Feb 13 10:36:13 2006 Backup piece name: 05hba0cd_1_1 Backup db name: ob Backup db id: 1585728012 Backup copy number: non-multiplexed backup Backup content: archivelog