複数所有者ボリュームマネージャーのフレームワークリソースグループの登録と構成

複数所有者ボリュームマネージャーのフレームワークリソースグループを登録および構成すると、Oracle RAC で複数所有者ボリュームマネージャーのリソースを Oracle Solaris Cluster ソフトウェアを使用して管理できるようになります。

グローバルクラスタ投票ノードの複数所有者ボリュームマネージャーのフレームワークリソースは、マシン上の場所に関係なく、Oracle RAC で使用されるすべてのボリュームマネージャーに対応します。グローバルクラスタとすべてのゾーンクラスタが対象になります。

この節では、複数所有者ボリュームマネージャーのフレームワークリソースグループの登録に関する次の情報を示します。

• 「複数所有者ボリュームマネージャーのフレームワークリソースグループを登録および構成するためのツール」

• 「clsetup を使用して複数所有者ボリュームマネージャーのフレームワークリソースグループを登録および構成する」

複数所有者ボリュームマネージャーのフレームワークリソースグループを登録および構成するためのツール

Oracle Solaris Cluster ソフトウェアには、グローバルクラスタまたはゾーンクラスタで複数所有者ボリュームマネージャーのフレームワークリソースグループを登録および構成するための次のツールが用意されています。

• clsetup ユーティリティー。詳細は、「clsetup を使用して複数所有者ボリュームマネージャーのフレームワークリソースグループを登録および構成する」を参照してください。

• Oracle Solaris Cluster Manager。詳細については、Oracle Solaris Cluster Manager のオンラインヘルプを参照してください。

• Oracle Solaris Cluster メンテナンスコマンド。詳細は、付録 D コマンド行のオプションを参照してください。

clsetup ユーティリティーと Oracle Solaris Cluster Manager のそれぞれに、複数所有者ボリュームマネージャーのフレームワークリソースグループのリソースを構成するウィザードがあります。 ウィザードは、コマンドの構文エラーや漏れから生じる構成エラーの可能性を低減します。 また、これらのウィザードは、すべての必須リソースが作成され、リソース間で必要なすべての依存関係が設定されるようにします。

clsetup を使用して複数所有者ボリュームマネージャーのフレームワークリソースグループを登録および構成する

クラスタ用に複数所有者ボリュームマネージャーのフレームワークリソースグループを登録および構成すると、複数所有者ボリュームマネージャーのフレームワークリソースグループが作成されます。

この手順は、Oracle RAC 用サポート の初期設定で行います。 この手順は 1 つのノードからのみ実行します。

始める前に

• Oracle RAC を実行するすべてのノードで、使用する予定のすべてのストレージ管理ソフトウェアがインストールされ、構成されていることを確認します。

• Oracle ファイルに使用するストレージ管理スキーマのリストがあることを確認します。

1. 任意のクラスタノードでスーパーユーザーになります。
2. clsetup ユーティリティーを起動します。

   # clsetup

   clsetup のメインメニューが表示されます。

3. 「データサービス (Data Services)」に対応するオプションの番号を入力し、Return キーを押します。

   データサービス メニューが表示されます。

4. 「Oracle Real Application Clusters」に対応するオプションの番号を入力し、Return キーを押します。

   clsetup ユーティリティーに、Oracle RAC 用サポート に関する情報が表示されます。

5. Return キーを押して続けます。

   clsetup ユーティリティーから、Oracle RAC 用サポート の初期構成を実行するか既存の構成を管理するかを選択するように求められます。

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   注 - 現在、clsetup ユーティリティーで継続的に管理できるのは、グローバルクラスタで実行されている RAC フレームワークのみです。 ゾーンクラスタで構成された RAC フレームワークを継続的に管理するには、代わりに Oracle Solaris Cluster メンテナンスコマンドを使用する必要があります。

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6. 「Oracle RAC 構成の作成 (Oracle RAC Create Configuration)」に対応するオプションの番号を入力し、Return キーを押します。

   clsetup ユーティリティーから、Oracle RAC クラスタの場所を選択するように求められます。 この場所は、グローバルクラスタまたはゾーンクラスタのどちらかになります。

7. 「グローバルクラスタ (Global Cluster)」に対応するオプションの番号を入力し、Return キーを押します。

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   注 - 複数所有者ボリュームマネージャーのフレームワークリソースグループの構成は、グローバルクラスタでのみ行います。

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   clsetup ユーティリティーに、構成する Oracle RAC のコンポーネントのリストが表示されます。

8. 「複数所有者ボリュームマネージャーのフレームワークリソースグループ (Multiple-Owner Volume-Manager Framework Resource Group)」に対応するオプションの番号を入力し、Return キーを押します。

   clsetup ユーティリティーに、この作業の概要が表示されます。

9. Return キーを押して続けます。

   clsetup ユーティリティーから、使用する複数所有者ボリュームマネージャーを選択するように求められます。 このリストには、インストール済みのボリュームマネージャーのみが表示されます。

10. 使用する複数所有者ボリュームマネージャーに対応するオプションの番号を入力し、Return キーを押します。
11. 複数所有者ボリュームマネージャーの選択を確定するには、d と入力し、Return キーを押します。

    clsetup ユーティリティーに、このユーティリティーで作成される Oracle Solaris Cluster オブジェクトの名前が表示されます。

12. Oracle Solaris Cluster オブジェクトに別の名前が必要な場合は、名前を変更します。
    1. 変更する名前に対応するオプションの番号を入力し、Return キーを押します。

       clsetup ユーティリティーは、新しい名前を指定できる画面を表示します。

    2. 「新しい値」プロンプトで、新しい名前を入力し、Return キーを押します。

    clsetup ユーティリティーは、このユーティリティーが作成する Oracle Solaris Cluster オブジェクトの名前のリストに戻ります。

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    注 - 複数所有者ボリュームマネージャーのフレームワークリソースグループを構成したあとに、もう一度このウィザードを実行して別のボリュームマネージャーを構成する場合、複数所有者ボリュームマネージャーのフレームワークリソースグループとその既存のリソースの名前を変更することはできません。

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13. Oracle Solaris Cluster オブジェクト名の選択を確認するには、d を入力して、Return キーを押します。

    clsetup ユーティリティーは、このユーティリティーが作成する Oracle Solaris Cluster の構成に関する情報を表示します。

14. 構成を作成するには、c を入力し、Return キーを押します。

    clsetup ユーティリティーは、構成を作成するためにこのユーティリティーがコマンドを実行していることを示す進行状況のメッセージを表示します。構成が完了した時点で、clsetup ユーティリティーは、構成を作成するためにユーティリティーが実行したコマンドを表示します。

15. Return キーを押して続けます。

    clsetup ユーティリティーが、Oracle RAC 用サポートを構成するためのオプションのリストに戻ります。

16. (省略可能) clsetup ユーティリティーが終了するまで、繰り返し q を入力し、Return キーを押します。

    必要に応じて、ほかの必要な作業を実行している間、clsetup ユーティリティーを動作させたままにし、そのあとでユーティリティーを再度使用することができます。clsetup を終了する場合、ユーザーがユーティリティーを再起動する際に、ユーティリティーは複数所有者ボリュームマネージャーフレームワークの既存のリソースグループを認識します。

17. 複数所有者ボリュームマネージャーのフレームワークリソースグループとそのリソースがオンラインになっているかどうかを確認します。

    このためには、clresourcegroup(1CL) ユーティリティーを使用します。 デフォルトでは、複数所有者ボリュームマネージャーのフレームワークリソースグループには、clsetup ユーティリティーによって vucmm_framework_rg という名前が付けられます。

    # clresourcegroup status vucmm_framework_rg

18. 複数所有者ボリュームマネージャーのフレームワークリソースグループとそのリソースがオンラインになっていない場合は、それらをオンラインにします。

    # clresourcegroup online vucmm_framework_rg

リソースの構成

次の表に、この作業の完了時に clsetup ユーティリティーによって作成されるデフォルトのリソースの構成を示します。

次の手順

次の手順は、次の表に示すように、使用しているボリュームマネージャーによって異なります。