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Oracle® Coherence開発者ガイド
リリース3.6.1
B61368-02
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C コマンドラインのオーバーライド

Coherenceオペレーション構成デプロイメント・ディスクリプタtangosol-coherence.xmlおよびCoherenceキャッシュ構成デプロイメント・ディスクリプタcoherence-cache-config.xmlは両方とも、ディスクリプタに定義された任意の要素に、Javaコマンドライン・オプション名を割り当てることができます。一部の要素には、このコマンドライン設定オーバーライドがあらかじめ定義されています。オーバーライドは独自に作成することも、事前定義されたものを変更することもできます。

この機能は、単一のJVMの設定を変更する必要がある場合や、別のディスクリプタを使用しないで設定の異なる別のアプリケーションを起動できるようにする場合に役立ちます。最も一般的なアプリケーションでは、マルチキャストの別のアドレスやポートを渡すことによって、別のアプリケーションで別のクラスタを作成できるようにします。

コマンドライン設定オーバーライドを作成するには、system-property属性を追加して、オーバーライドを作成する要素にJavaコマンドライン・オプションの名前として割り当てる文字列を指定します。次に、Javaコマンドラインで先頭を-Dとして指定します。

オーバーライドの例

たとえば、マルチホーム・サーバーのIPアドレスにオーバーライドを作成し、デフォルトのlocalhostが使用されないようにして、Coherenceで使用するインタフェースに特定のIPアドレス(例、192.168.0.301)を指定できます。このオーバーライドをtangosol.coherence.localhostと呼ぶとします。

まず、cluster-config要素、unicast-listener要素またはaddress要素にsystem-propertyを追加します。

<address>localhost</address>

このプロパティを追加すると、次のようになります。

<address system-property="tangosol.coherence.localhost">localhost</address>

Javaコマンドラインを変更して次のように使用します。

java -jar coherence.jar

(構成で指定されたデフォルトのlocalhostのかわりに)次のようにIPアドレス192.168.0.301を指定します。

java -Dtangosol.coherence.localhost=192.168.0.301 -jar coherence.jar

事前構成されているオーバーライド値

表C-1には、事前構成されているオーバーライド値がすべて一覧表示されています。

表C-1 事前構成されているシステム・プロパティのオーバーライド値

オーバーライド・オプション 設定

tangosol.coherence.cacheconfig

キャッシュ構成ディスクリプタのファイル名。「configurable-cache-factory-config」を参照してください。

tangosol.coherence.cluster

クラスタ名。「member-identity」を参照してください。

tangosol.coherence.clusteraddress

クラスタ(マルチキャスト)のIPアドレス。「multicast-listener」の<multicast-listener-address>サブ要素を参照してください。

tangosol.coherence.clusterport

クラスタ(マルチキャスト)のIPポート。「multicast-listener」の<multicast-listener-port>サブ要素を参照してください。

tangosol.coherence.distributed.backup

データ・バックアップ記憶域の場所。「DistributedCacheサービスのパラメータ」のbackup-storage/typeサブ要素を参照してください。

tangosol.coherence.distributed.backupcount

データ・バックアップの数。「DistributedCacheサービスのパラメータ」のbackup-countサブ要素を参照してください。

tangosol.coherence.distributed.localstorage

有効化されているローカル・パーティション管理。「DistributedCacheサービスのパラメータ」のlocal-storageサブ要素を参照してください。

tangosol.coherence.distributed.threads

スレッド・プールのサイズ。「DistributedCacheサービスのパラメータ」のthread-countサブ要素を参照してください。

tangosol.coherence.distributed.transfer

パーティション送信のしきい値。「DistributedCacheサービスのパラメータ」のtransfer-thresholdサブ要素を参照してください。

tangosol.coherence.edition

製品のエディション。「license-config」を参照してください。

tangosol.coherence.invocation.threads

起動サービスのスレッド・プールのサイズ。「InvocationServiceのパラメータ」のthread-countサブ要素を参照してください。

tangosol.coherence.localhost

ユニキャストのIPアドレス。「unicast-listener」の<unicast-listener-address>サブ要素を参照してください。

tangosol.coherence.localport

ユニキャストのIPポート。「unicast-listener」の<unicast-listener-port>サブ要素を参照してください。

tangosol.coherence.localport.adjust

ユニキャストのIPポートの自動割当て。「unicast-listener」の<unicast-listener-auto>サブ要素を参照してください。

tangosol.coherence.log

ロギング先。「logging-config」の<logging-config-destination>サブ要素を参照してください。

tangosol.coherence.log.level

ロギング・レベル。「logging-config」の<logging-config-level>サブ要素を参照してください。

tangosol.coherence.log.limit

ログ出力文字制限。「logging-config」の<logging-config-limit>サブ要素を参照してください。

tangosol.coherence.machine

マシン名。「member-identity」を参照してください。

tangosol.coherence.management

JMX管理のモード。「management-config」を参照してください。

tangosol.coherence.management.readonly

JMX管理の読取り専用フラグ。「management-config」を参照してください。

tangosol.coherence.management.remote

リモートJMX管理の有効フラグ。「management-config」を参照してください。

tangosol.coherence.member

メンバー名。「member-identity」を参照してください。

tangosol.coherence.mode

操作モード。「license-config」を参照してください。

tangosol.coherence.override

デプロイメント構成のオーバーライド・ファイル名。

tangosol.coherence.priority

優先度。「member-identity」を参照してください。

tangosol.coherence.process

プロセス名。「member-identity」を参照してください。

tangosol.coherence.proxy.threads

Coherence*Extendサービスのスレッド・プールのサイズ。「ProxyServiceのパラメータ」のthread-countサブ要素を参照してください。

tangosol.coherence.rack

ラック名。「member-identity」を参照してください。

tangosol.coherence.role

ロール名。「member-identity」を参照してください。

tangosol.coherence.security

キャッシュ・アクセス・セキュリティの有効フラグ。「security-config」を参照してください。

tangosol.coherence.security.keystore

セキュリティ・アクセス・コントローラのキーストア・ファイル名。「security-config」を参照してください。

tangosol.coherence.security.password

キーストアまたはクラスタの暗号化パスワード。「暗号化フィルタ」を参照してください。

tangosol.coherence.security.permissions

セキュリティ・アクセス・コントローラの権限ファイル名。「security-config」を参照してください。

tangosol.coherence.shutdownhook

シャットダウン・リスナー・アクション。「shutdown-listener」を参照してください。

tangosol.coherence.site

サイト名。「member-identity」を参照してください。

tangosol.coherence.tcmp.enabled

TCMPの有効フラグ。「packet-publisher」の<packet-publisher-enabled>サブ要素を参照してください。

tangosol.coherence.tcpring

TCPリングの有効フラグ。「tcp-ring-listener」を参照してください。

tangosol.coherence.ttl

マルチキャスト・パケットの有効時間(TTL)。「multicast-listener」の<mulitcast-listener-ttl>サブ要素を参照してください。

tangosol.coherence.wka

既知のIPアドレス。「well-known-addresses」を参照してください。

tangosol.coherence.wka.port

既知のIPポート。「well-known-addresses」を参照してください。