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Oracle® Coherence開発者ガイド
リリース3.6.1
B61368-02
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5 クラスタ・サービスの概要

Coherenceの機能はクラスタ・サービスの概念に基づいています。各クラスタ・ノードは、任意の数の名前付きサービスに参加できます(これはサービスの提供取得の両方が可能であることを意味します)。これらの名前付きサービスはすでに存在している(1つ以上の他のクラスタ・ノードですでに実行されている)場合があります。存在していない場合は、新しい名前付きサービスをクラスタ・ノードに登録できます。それぞれの名前付きサービスには、クラスタ内でそのサービスを一意に識別するためのサービス名と、サービスの機能を定義するサービス・タイプが設定されています。各サービス・タイプ(rootクラスタ・サービスを除く)には、複数の名前付きインスタンスが存在する場合もあります。類似性という点では、サービス・インスタンスはデータベース・スキーマにほぼ相当すると言えます。データ・サービスの場合は、ホストされる名前付きキャッシュがデータベース・テーブルにほぼ相当します。サービスは構成可能ですが、ほとんどのアプリケーションは、Coherenceで提供されるデフォルトのサービス・セットを使用するだけで済みます。Coherenceでサポートされるサービス・タイプには、次のものがあります。

接続サービス

処理サービス

データ・サービス

リソースに関して、クラスタ・サービスは通常1つのデーモン・スレッドを使用しますが、さらに大きな処理帯域幅を持つサービスを提供するために、オプションで、構成可能なスレッド・プールを使用します。たとえば、起動サービスと分散キャッシュ・サービスはどちらもスレッド・プーリングを完全にサポートすることで、データベースのロード処理、パラレル分散問合せ、およびエージェントの起動を加速化します。

重要なことは、これらはクラスタ・サービスの基本にすぎず、Coherenceが提供するキャッシュ・タイプの完全なセットではないということです。クラスタ・サービスをバッキング・マップやオーバーフロー・マップなどのキャッシュ機能と組み合せることにより、Coherenceは、きわめて柔軟性の高い、構成可能で強力なクラスタ・アプリケーション向けのオプション・セットを提供できます。たとえば、ニア・キャッシュ機能では、分散キャッシュがこの機能のコンポーネントとして使用されます。

キャッシュ・サービス内には、任意の数の名前付きキャッシュが存在します。名前付きキャッシュは標準のJCache APIを提供します。このAPIは、キーと値のペアを保持するjava.util.MapというJavaコレクションAPIをベースとしています。Mapインタフェースは、たとえばJavaのHashtableクラスで実装されるものと同じAPIです。