Coherenceでは、発生する可能性のある使用上および構成上の問題を管理者や開発者が効率的に分析できるよう、すぐに利用可能なレポートが提供されます。Coherence*Webに固有のレポートについては、『Oracle Coherence Oracle Coherence*Webユーザーズ・ガイド』のパフォーマンス・レポートの実行に関する項を参照してください。
この章は次の各項で構成されています。
ネットワーク・ヘルス・レポートには、ネットワーク通信の状態を確認するための主要な集計情報が含まれます。ネットワーク・ヘルス・ファイルはタブ区切りのファイルで、名前の先頭にはYYYYMMDDHH
形式の日付と時間、末尾には-network-health.txt
が付きます。たとえば、2009年1月31日午後1時に作成されたファイルの名前は、2009013113-network-health.txt
になります。表38-1は、ネットワーク・ヘルス・レポートの内容を示しています。
表38-1 ネットワーク・ヘルス・レポートの内容
列 | 型 | 説明 |
---|---|---|
Batch Counter |
Long |
関連ファイルの情報の統合に役立つ順次カウンタ。この値は、Reporterを再起動する場合や、ノード全体での一貫性がない場合にリセットされますが、ファイルの統合において有用な情報になります。 |
Report Time |
Date |
レポートが実行されたシステム時間。 |
Min Node Rx Success |
Double |
クラスタ内のノードにおける受信側の最小成功率。この値がGrid Rx Success率よりも著しく(10%)低い場合は、ネットワーク・ヘルス詳細を使用したより詳細な分析が必要になります。 |
Grid Rx Success |
Double |
グリッド全体における受信側の成功率。この値が90%を下回る場合は、ネットワーク・ヘルス詳細を使用したより詳細な分析が必要になります。 |
Min Node Tx Success |
Double |
クラスタ内のノードにおけるパブリッシャの最小成功率。この値がGrid Rx Success率よりも著しく(10%)低い場合は、ネットワーク・ヘルス詳細を使用したより詳細な分析が必要になります。 |
Grid TX Success |
Double |
グリッド全体におけるパブリッシャの成功率。この値が90%を下回る場合は、ネットワーク・ヘルス詳細を使用したより詳細な分析が必要になります。 |
ネットワーク・ヘルス・レポートは、ネットワーク通信の状態確認に役立つノード・レベルの詳細情報をサポートしています。ネットワーク・ヘルス詳細ファイルはタブ区切りのファイルで、名前の先頭にはYYYYMMDDHH
形式の日付と時間、末尾には-network-health-detail.txt
が付きます。たとえば、2009年1月31日午後2時に作成されたファイルの名前は、2009013114-network-health.txt
になります。表38-2は、ネットワーク・ヘルス詳細レポートの内容を示しています。
表38-2 ネットワーク・ヘルス詳細レポートの内容
列 | データ型 | 説明 |
---|---|---|
Batch Counter |
Long |
関連ファイルの情報の統合に役立つ順次カウンタ。この値は、Reporterを再起動する場合や、ノード全体での一貫性がない場合にリセットされますが、ファイルの統合において有用な情報になります。 |
Report Time |
Date |
レポートが実行されたシステム時間。 |
Node Id |
Long |
ネットワーク統計の対象ノード。 |
Tx Success |
Double |
ノードにおけるパブリッシャの成功率。この値が、ネットワーク・ヘルス・ファイルのバッチに示されるMin Node Tx Success値の2から3%以内にあり、Grid Tx Success値よりも10%以上低い場合は、対象ノードとクラスタとの間に通信上の問題がある可能性があります。この問題の要因としては、CPUまたはネットワーク帯域幅の制約、あるいはネットワークの長い待機時間などが考えられます。 |
RX Success |
Double |
ノードにおける受信側の成功率。この値が、ネットワーク・ヘルス・ファイルのバッチに示されるMin Node Rx Success値の2から3%以内にあり、Grid Rx Success値よりも10%以上低い場合は、対象ノードとクラスタとの間に通信上の問題がある可能性があります。この問題の要因としては、CPUまたはネットワーク帯域幅の制約、あるいはネットワークの長い待機時間などが考えられます。 |
Packets Sent |
Double |
ノードから送信されたネットワーク・パケットの総数。 |
Current Packets Sent |
Long |
前回のレポート実行以降にノードから送信されたパケットの数。 |
Packets Resent |
Long |
ノードから再送信されたネットワーク・パケットの総数。パケットの受信側が無効なパケットを受信した場合、または適切な時間内に確認パケットが送信されなかった場合、パケットは再送信されます。 |
Current Packet Resent |
Long |
前回のレポート実行以降にノードから再送信されたネットワーク・パケットの数。 |
PacketsRepeated |
Long |
1回以上受信したパケットの総数。 |
Current Packets Repeated |
Long |
前回のレポート実行以降に受信したパケットの数。 |
Packets Received |
Long |
ノードが受信したパケットの総数。 |
Current Packets Received |
Long |
前回のレポート実行以降にノードが受信したパケットの総数。 |
メモリー・ステータス・レポートは、レポート・バッチの一部として実行する必要があります。このレポートの値は、各ノードおよびグリッド全体のメモリー消費量の把握に役立ちます。データをレポートに含めるには、プラットフォームMBean情報を公開するようにノードを構成する必要があります。メモリー・ステータス・ファイルはタブ区切りのファイルで、名前の先頭にはYYYYMMDDHH
形式の日付と時間、末尾には-memory-status.txt
が付きます。たとえば、2009年1月31日午後3時に作成されたファイルの名前は、2009013115-memory-status.txt
になります。表38-3は、メモリー・ステータス・レポートの内容を示しています。
表38-3 メモリー・ステータス・レポートの内容
列 | データ型 | 説明 |
---|---|---|
Batch Counter |
Long |
関連ファイルの情報の統合に役立つ順次カウンタ。この値は、Reporterを再起動する場合や、ノード全体での一貫性がない場合にリセットされますが、ファイルの統合において有用な情報になります。 |
Report Time |
Date |
レポートが実行されたシステム時間。 |
Node Id |
Long |
メモリー関連の統計の対象ノード。 |
Gc Name |
String |
ガベージ・コレクタ情報の名前。 |
CollectionCount |
Long |
仮想マシンの起動後に発生したガベージ・コレクションの数。 |
Delta Collection Count |
Long |
前回のレポート実行以降に発生したガベージ・コレクションの数。 |
CollectTime |
Long |
JVMが起動後にガベージ・コレクションに費やした時間(ミリ秒)。 |
Delta Collect Time |
Long |
前回のレポート実行以降にJVMがガベージ・コレクションに費やした時間(ミリ秒)。 |
Last GC Start Time |
Long |
最後のガベージ・コレクションの開始時刻。 |
Last GC Stop Time |
Long |
最後のガベージ・コレクションの終了時刻。 |
Heap Committed |
Long |
レポート実行時点におけるコミット済ヒープ・バイト数。 |
Heap Init |
Long |
レポート実行時点における初期化済ヒープ・バイト数。 |
Heap Max |
Long |
JVMが起動後に使用した最大バイト数。 |
Heap Used |
Long |
レポート実行時点でJVMが使用していたバイト数。 |
キャッシュ・サイズ・レポートは、必要に応じて実行することも、レポート・バッチの一部に含めて実行することもできます。このレポートでは、キャッシュの<local-scheme>
の<unit-calculator>
サブ要素をBINARY
に設定する必要があります。キャッシュ・サイズ・ファイルはタブ区切りのファイルで、名前の先頭にはYYYYMMDDHH
形式の日付と時間、末尾には-cache-size.txt
が付きます。たとえば、2009年1月31日午前1時に作成されたファイルの名前は、2009013101-cache-size.txt
になります。表38-4は、キャッシュ・サイズ・レポートの内容を示しています。
表38-4 キャッシュ・サイズ・レポートの内容
列 | データ型 | 説明 |
---|---|---|
Batch Counter |
Long |
関連ファイルの情報の統合に役立つ順次カウンタ。この値は、Reporterを再起動する場合や、ノード全体での一貫性がない場合にリセットされますが、ファイルの統合において有用な情報になります。 |
Report Time |
Date |
レポートが実行されたシステム時間。 |
Cache Name |
String |
キャッシュの名前。 |
MemoryMB |
Double |
キャッシュ内のオブジェクトによって消費されたMB。これにはインデックスやオーバーヘッドは含まれません。 |
Avg Object Size |
Double |
各オブジェクトの平均メモリー消費量。 |
Cache Size |
Double |
キャッシュ内のオブジェクトの数。 |
Memory Bytes |
Double |
キャッシュ内のオブジェクトによって消費されたバイト数。これにはインデックスやオーバーヘッドは含まれません。 |
キャッシュの使用レポートは、キャッシュの使用(get、put、エビクションなど)に関する情報を提供します。
このレポートはタブ区切りのファイルで、名前の先頭にはYYYYMMDDHH
形式の日付と時間、末尾には-cache-usage.txt
が付きます。たとえば、2010年1月31日午後1時に作成されたファイルの名前は、2010013113-cache-usage.txt
になります。表38-5は、キャッシュの使用レポートの内容を示しています。
表38-5 キャッシュの使用レポートの内容
列 | データ型 | 説明 |
---|---|---|
Batch Counter |
Long |
関連ファイルの情報の統合に役立つ順次カウンタ。この値は、Reporterを再起動する場合や、ノード全体での一貫性がない場合にリセットされますが、 ファイルの統合において有用な情報になります。 |
Report Time |
Date |
レポートが実行されたシステム時間。 |
Service |
String |
キャッシュ・サービスの名前。 |
Cache Name |
String |
キャッシュの名前。 |
Tier |
String |
値は |
Total Puts |
Double |
前回レポートが実行されてからクラスタ全体でキャッシュに対してputが実行された合計回数。 |
Total Puts Milliseconds |
Double |
前回レポートが実行されてからクラスタ全体でput()呼出しごとにかかった時間(PutsMillis)の合計(ミリ秒)。 |
Total Gets |
Double |
前回レポートが実行されてからクラスタ全体でキャッシュに対してgetが実行された合計回数。 |
Total Gets Milliseconds |
Double |
前回レポートが実行されてからクラスタ全体で |
Total Hits |
Double |
前回レポートが実行されてからクラスタ全体でのキャッシュに対するヒットの合計数。 |
Total Hits Milliseconds |
Double |
前回レポートが実行されてからクラスタ全体でヒットだった |
Total Misses |
Double |
前回レポートが実行されてからクラスタ全体でのキャッシュに対するミスの合計数。 |
Total Misses Milliseconds |
Double |
前回レポートが実行されてからクラスタ全体でミスだった |
Total Writes |
Double |
前回レポートが実行されてからクラスタ全体でキャッシュについて記憶域への書込みが実行された合計回数。 |
Total Writes Milliseconds |
Double |
前回レポートが実行されてからクラスタ全体で記憶域への書込み操作にかかった時間(WritesMillis)の合計(ミリ秒)。 |
Total Reads |
Double |
前回レポートが実行されてからクラスタ全体でキャッシュのキャッシュ・ストアから読取りが実行された合計回数。 |
Total Read Milliseconds |
Double |
前回レポートが実行されてからクラスタ全体でキャッシュのキャッシュ・ストアの読取りにかかった時間の合計(ミリ秒)。 |
Total Failures |
Long |
前回レポートが実行されてからクラスタ全体でキャッシュについて記憶域で障害が発生した合計回数。 |
Total Queue |
Long |
クラスタ全体のキュー・リンク・サイズの合計。 |
evictions |
Long |
前回レポートが実行されてからクラスタ全体でキャッシュに対してエビクションが実行された合計回数。 |
Cache Prunes |
Long |
前回レポートが実行されてからクラスタ全体でキャッシュに対してプルーニングが実行された合計回数。 |
Cache Prunes Milliseconds |
Long |
前回レポートが実行されてからクラスタ全体でプルーニング操作にかかった時間(PrunesMillis)の合計(ミリ秒)。 |
サービス・レポートは、処理済のリクエスト、失敗したリクエスト、未処理のリクエスト、処理済のタスク、失敗したタスクおよび未処理のタスクに関する情報を提供します。Request CountおよびTask Countは、サービスのパフォーマンスとスループットを確認する場合に有用です。RequestPendingCountおよびTask Backlogは、容量の問題やブロックされたプロセスの特定に有用です。Task Hung Count、Task Timeout Count、Thread Abandoned CountおよびRequest Timeout Countは、システムで発生した実行の失敗数を示します。表38-6は、サービス・レポートの内容を示しています。
表38-6 サービス・レポートの内容
列 | データ型 | 説明 |
---|---|---|
Batch Counter |
Long |
関連ファイルの情報の統合に役立つ順次カウンタ。この値は、Reporterを再起動する場合や、ノード全体での一貫性がない場合にリセットされますが、ファイルの統合において有用な情報になります。 |
Report Time |
Date |
レポートが実行されたシステム時間。 |
Service |
String |
サービス名。 |
Node Id |
String |
数値のノード識別子。 |
Refresh Time |
Date |
サービス情報がリモート・ノードから更新されたシステム時間。 |
Request Count |
Long |
前回のレポート実行以降のリクエスト数。 |
RequestPendingCount |
Long |
レポート実行時点における未処理のリクエスト数。 |
RequestPendingDuration |
Long |
レポート実行時点における未処理リクエストの待機時間。 |
Request Timeout Count |
Long |
前回のレポート実行以降のリクエストのタイムアウト回数。 |
Task Count |
Long |
前回のレポート実行以降に実行されたタスクの数。 |
Task Backlog |
Long |
レポート実行時点における未処理のタスク数。 |
Task Timeout Count |
Long |
前回のレポート実行以降のタスクのタイムアウト回数。 |
Task Hung Count |
Long |
前回のレポート実行以降にハングしたタスクの数。 |
Thread Abandoned Count |
Long |
前回のレポート実行以降に破棄されたスレッドの数。 |
ノード識別子(nodeId
)の一時的性質により、Reporterでは、ノードのリストとユーザー定義の<member-identity>情報がログに出力されます。ノード・リスト・ファイルはタブ区切りのファイルで、名前の先頭にはYYYYMMDDHH
形式の日付と時間、末尾には-nodes.txt
が付きます。たとえば、2009年1月31日午前1時に作成されたファイルの名前は、2009013101-nodes.txt
になります。表38-7は、ノード・リスト・レポートの内容を示しています。
表38-7 ノード・リスト・レポートの内容
列 | データ型 | 説明 |
---|---|---|
Batch Counter |
Long |
関連ファイルの情報の統合に役立つ順次カウンタ。この値は、Reporterを再起動する場合や、ノード全体での一貫性がない場合にリセットされますが、ファイルの統合において有用な情報になります。 |
Report Time |
Date |
レポートが実行されたシステム時間。 |
Node Id |
String |
数値のノード識別子。 |
Unicast Address |
String |
ノードのユニキャスト・アドレス。 |
Member Name |
String |
ノードのメンバー名。 |
Process Name |
String |
ノードのプロセス名。 |
Role Name |
String |
ノードのロール名。 |
Machine Name |
String |
ノードのマシン名。 |
Rack Name |
String |
ノードのラック名。 |
Site Name |
String |
ノードのサイト名。 |
Refresh Time |
Date/Time |
情報がリモート・ノードからリフレッシュされた時刻。この時刻がバッチに出力された他の行のリフレッシュ時刻と異なる場合、このノードは適時に応答しなかったことになります。この現象は一般に、ガベージ・コレクションを実行しているノードで発生します。リフレッシュ日付が古いノードに関する情報は信頼できません。 |
プロキシ・ファイルには、プロキシ・サーバーに関する情報およびクライアントに転送された情報が格納されます。プロキシ・ファイルはタブ区切りのファイルで、名前の先頭にはYYYYMMDDHH
形式の日付と時間、末尾には-report-proxy.txt
が付きます。たとえば、2009年1月31日午前1時に作成されたファイルの名前は、2009013101-report-proxy.txt
になります。表38-8は、プロキシ・レポートの内容を示しています。
表38-8 プロキシ・レポートの内容
列 | 型 | 説明 |
---|---|---|
Batch Counter |
Long |
関連ファイルの情報の統合に役立つ順次カウンタ。この値は、Reporterを再起動する場合や、ノード全体での一貫性がない場合にリセットされますが、ファイルの統合において有用な情報になります。 |
Report Time |
Date |
レポートが実行されたシステム時間。 |
Node Id |
String |
数値のノード識別子。 |
Service Name |
String |
プロキシ・サービスの名前。 |
HostIp |
String |
プロキシ・サービスのIPアドレスおよびポート。 |
Connection Count |
Long |
プロキシ・サービスの現在の接続数。 |
Outgoing Byte Backlog |
Long |
プロキシ・サービスの送信キューに入れられているバイト数。 |
Outgoing Message Backlog |
Long |
プロキシ・サービスの送信キューに入れられているメッセージ数。 |
Bytes Sent |
Long |
前回のレポート実行以降にプロキシ・サービスから送信されたバイト数。 |
Bytes Received |
Long |
前回のレポート実行以降にプロキシ・サービスが受信したバイト数。 |
Messages Sent |
Long |
前回のレポート実行以降にプロキシ・サービスから送信されたメッセージ数。 |
Messages Received |
Long |
前回のレポート実行以降にプロキシ・サービスが受信したメッセージ数。 |