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Oracle® Coherenceスタート・ガイド
リリース3.6
B61369-01
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18 Real Time Client(RTC)

Coherence Real Time Client(Coherence RTC)は、クライアント・アプリケーションからCoherenceデータ・グリッドへのセキュアでスケーラブルなアクセスを提供します。Coherence RTCはデータ・グリッドをデスクトップへ拡張し、Coherenceの他の製品ラインと同様のコアAPIを提供します。

Coherenceデータ・グリッドへの接続は、Coherence*Extendテクノロジを介して実現されます。このテクノロジにより、クライアント・アプリケーションからデータ・グリッド内の特定のサーバーへの接続が可能になります。接続はデータ・グリッド内のすべてのサーバー間でロード・バランシングされるため、この接続方法を使用すると、何万ものクライアントをサポートできるようになります。詳細は、「Coherence*Extendの構成と使用」を参照してください。

用途

Coherence RTCの主な用途は、Coherenceクラスタ内に保持されるデータへの読取り専用(または読取りを主体とする)アクセスをクライアントに提供することです。クライアントはクラスタ化されたキャッシュに問合せを実行し、データが変更されるたびにリアルタイムの更新を受け取ることができます。クライアントは、集計や処理などのサーバー側のデータ操作タスクも開始できます。集計および処理の詳細は、次のAPIを参照してください。

キャッシュ・アクセス

通常、クライアント・アプリケーションには、データ・グリッド(データ・グリッド・エージェントにキャッシュの更新を委任)で管理されるデータに対する読取りアクセスのみが付与されますが、直接読取り/書込みアクセスを付与することも可能です。

ローカル・キャッシュ

データ・グリッドで管理されるキャッシュにクライアント・アプリケーションが直接アクセスできても、ネットワーク・インフラストラクチャによっては効果がない場合があります。この効果を高めるために、クライアント・アプリケーションでは、ニア・キャッシュ(Java、C++、または.NET)および連続問合せキャッシュ(Java、C++、または.NET)の両方を使用して、キャッシュ・データをローカルに維持できます。

ニア・キャッシュおよび連続問合せの詳細は、次を参照してください。

イベント通知

標準のCoherenceイベント・モデルを使用すると、データ・グリッド内で発生したデータの変更をクライアント・アプリケーションで確認できます。クライアント・アプリケーションでは関心のあるイベントのみを指定するため、実際にネットワークに配信されるイベントは、クライアント・アプリケーションで指定されたもののみになります。これにより、ネットワーク帯域幅とクライアント処理が効率的に使用されるようになります。

イベント・モデルの詳細は、『Oracle Coherence開発者ガイド』のキャッシュ・イベントの使用に関する項を参照してください。

エージェントの起動

クライアント・アプリケーションには読取り専用アクセスのみが付与される可能性があるため、データ操作はいずれもデータ・グリッド自体で行われます。このためのメカニズムがデータ・グリッド・エージェントです。このエージェントは次のAPIで提供されます。

クライアントは、InvocableMapメソッドを使用して、サーバー側のキャッシュされたオブジェクトに対するタスク、アグリゲータおよびプロセッサを起動できます。

データ・グリッド・エージェントの詳細は、第2章「データ・グリッドの提供」を参照してください。

接続のフェイルオーバー

クライアント・アプリケーションが接続されているサーバーに障害が発生した場合は、接続が別のサーバーとの間で自動的に再確立され、ローカルにキャッシュされているデータはクラスタとの間で再び同期化されます。