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Oracle Fusion Middleware Repository Creation Utilityユーザーズ・ガイド
11g リリース1(11.1.1)
B55904-03
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4 コマンドラインからのRepository Creation Utilityの実行

この章では、Repository Creation Utility(RCU)のコマンドライン・インタフェース(CLI)の使用方法について説明します。CLIは、アプリケーションのデプロイ時に、Oracle Fusion MiddlewareインストーラおよびEnterprise Managerとの統合を行うために必要です。また、Xサーバーが構成されていない場合や、適切な表示機能を持たないtelnet端末を使用している場合にも、CLIを使用できます。

この章は、次の項で構成されています。

4.1 コマンドラインの構文およびパラメータ

RCUのコマンドライン・インタフェースの構文は、次のとおりです。

rcu [-silent | -interactive] [-createRepository | -dropRepository] {parameters}

表4-1は、CLIコマンドとその説明を示しています。

表4-1 RCU CLIコマンドと説明

コマンド 説明

-silent

コマンドラインから最小限のやり取りで、またはやり取りなしでRCUを実行します。

詳細は、第4.2項「-silentコマンドの使用」を参照してください。

-interactive

RCUグラフィカル・インタフェースを実行します。-silent-interactiveのどちらも指定されていない場合は、これがデフォルトです。

(指定されているかどうかに関係なく)このコマンドにより、コマンドラインで指定されたとおりに、特定の画面に情報をあらかじめ設定することができます。あらかじめ情報を設定できるのは、「リポジトリの作成」画面および「データベース接続の詳細」画面です。

詳細は、第4.3項「-interactiveコマンドの使用」を参照してください。

-createRepository

-silent-interactiveのいずれかを指定してRCUを実行し、リポジトリを作成します。

詳細は、第4.4項「コマンドラインからのリポジトリの作成」を参照してください。

-dropRepository

-silent-interactiveのいずれかを指定してRCUを実行し、リポジトリを削除します。

詳細は、第4.5項「コマンドラインからのリポジトリの削除」を参照してください。


表4-2は、各種パラメータとその説明を示しています。

表4-2 RCU CLIパラメータと説明

パラメータ タイプ 説明

-compInfoXMLLocation

オプション

ComponentInfo.xmlファイルの場所へのフルパス。デフォルトの場所は、RCU_HOME/rcu/config(UNIXシステム)またはRCU_HOME\rcu\config(Windowsシステム)です。

-storageXMLLocation

オプション

StorageInfo.xmlファイルの場所へのフルパス。デフォルトの場所は、RCU_HOME/rcu/config(UNIXシステム)またはRCU_HOME\rcu\config(Windowsシステム)です。

-databaseType

オプション

接続するデータベースのタイプ。有効なオプションは、ORACLEIBMDB2またはSQLSERVERです。

-connectString

必須

データベースに接続するための資格証明。

  • Oracleデータベース: host:port:sidの形式を使用します。

  • Microsoft SQL ServerデータベースおよびIBM DB2データベース: server name or host:port:database nameの形式を使用します。

-dbUser

必須

データベース・ユーザー名(たとえば、Oracleデータベースのデフォルトのユーザー名はSYS)。

-dbRole

オプション

データベース・ユーザー・ロール(たとえば、OracleデータベースのSYSユーザーの場合はSYSDBA)。

-unicodeSupport

オプション

エンコーディングをサポートするスキーマをデータベースが生成するかどうか。有効な値はYesまたはNoです。デフォルト値はYesです。このパラメータは、SQLSERVERデータベース・タイプでのみ有効です。

-skipCleanupOnFailure

オプション

作成操作や削除操作が失敗した場合に、スキーマのクリーンアップをスキップするかどうか。デフォルトはNoです。

-variables

オプション

variablename=value形式のカンマ区切り変数。RCUの環境変数のリストについては、第4.6項「RCUの環境変数」を参照してください。

-schemaPrefix

オプション

スキーマの接頭辞。スキーマの接頭辞の詳細は、第1.2.1項「カスタム・スキーマおよび表領域の作成」および第A.5項「「コンポーネントの選択」画面(作成操作の場合)」を参照してください。

-component

必須

追加または削除するコンポーネントのID。1つのコンポーネントを指定するには、次の形式を使用します。

-component component_ID

複数のコンポーネントを指定するには、次の形式を使用します。

-component component_ID -component component_ID

有効なコンポーネント(スキーマ)IDのリストについては、付録B「Repository Creation Utilityのスキーマ、IDおよび表領域」を参照してください。依存コンポーネントが原因で複数のコンポーネントが必要な場合があります。たとえば、Portlet Producers(PORTLET)のスキーマがまだ存在しない場合は、Oracle Portal(PORTAL)スキーマは作成できません。このような場合は、両方のスキーマを指定する必要があります。

-component PORTAL -component PORTLET

スキーマとその依存スキーマの詳細は、付録B「Repository Creation Utilityのスキーマ、IDおよび表領域」を参照してください。

-tablespace

必須

コンポーネントの表領域名。このオプションを使用する場合は、この表領域がデータベースに存在している必要があります。

このパラメータは、-createRepositoryコマンドでのみ使用します。

-tempTablespace

必須

コンポーネントの一時表領域名。このオプションを使用する場合は、この表領域がデータベースに存在している必要があります。

このパラメータは、-createRepositoryコマンドでのみ使用します。


4.2 -silentコマンドの使用

コマンドを入力した後、最小限のやり取りでRCUを実行するには、-silentを指定します。このコマンドでは、必須のコマンドライン・パラメータをすべて指定する必要があります。例:

rcu -silent -createRepository -connectString database_connect_string -dbUser -database_user -component component

このシナリオでは、データベースおよびコンポーネント・スキーマのパスワードをコマンドラインで指定するように求められます。複数のコンポーネントを指定する場合は、コンポーネントの指定順にパスワードを入力するように求められます。

コマンドラインとのやり取りをまったく行わないようにする場合は、必要なパスワードをすべて含むテキスト・ファイル(1行に1個のパスワード)を作成し、-fオプションを使用してこのパスワード・ファイルをRCUに渡すことができます。たとえば、passwordfile.txtというファイルを作成する場合は、次のコマンドを使用できます。

rcu -silent -createRepository -connectString database_connect_string -dbUser -database_user -component1 component_name -component2 component_name -f < passwordfile.txt

passwordfile.txtファイルの行は、次の順になります。

database_password
component1_schema_password
component2_schema_password

ファイルのパスワードを、コマンドラインのコンポーネントと同じ順序で指定することが重要です。

インストールが完了したら、パスワード・ファイルを削除する必要があります。パスワードはクリアテキスト形式で保持されるため、インストール後もパスワード・ファイルが残っていると、セキュリティ上の危険があります。

4.3 -interactiveコマンドの使用

-interactiveを指定してRCUグラフィカル・インタフェースを実行します。-silent-interactiveのどちらも指定されていない場合は、これがデフォルトです。

RCU操作を効率よく進めるために、コマンドラインで情報を指定してグラフィカル・インタフェースに追加できます。たとえば、RCUを次のコマンドで実行するとします。

rcu

「データベース接続の詳細」ページには、次のように空白のフィールドが表示されます。

RCUの「データベース接続の詳細」画面
図database_interactive_1.gifの説明

一方、コマンドラインでいくつかのパラメータを指定してRCUを実行するとします。

rcu -interactive -createRepository -connectString mydb.us.oracle.com:1521:orcl.us.oracle.com -dbUser SYS -component1 MDS

「データベース接続の詳細」ページには、コマンドラインで指定された情報が反映されます。

RCUの「データベース接続の詳細」画面
図database_interactive_2.gifの説明

4.4 コマンドラインからのリポジトリの作成

リポジトリを作成するためのRCUコマンドライン・インタフェースの完全な構文は、次のとおりです。

rcu [-silent | -interactive] -createRepository
   [-compInfoXMLLocation omponentInfo.xml_file_location]
   [-storageXMLLocation Storage.xml_file_location]
   [-databaseType [ORACLE|SQLSERVER|DB2]]
   -connectString database_connect_string
   -dbUser database_username
   [-dbRole database_user_role]
   [-unicodeSupport [Yes|No]]
   [-skipCleanupOnFailure [Yes|No]
   [-variables variablename=value]
   [-schemaPrefix schema_prefix]
   -component component_ID
   -tablespace component_tablespace_name
   -tempTablespace component_temp_tablespace_name
]

正常に動作させるには、パラメータがリストされた同じ順序で指定されていることを確認してください。たとえば、-compInfoXMLLocationパラメータは-componentパラメータの前には指定しないでください。

-componentを指定する場合は、正しいコンポーネントIDを使用する必要があります。コンポーネントIDは、付録B「Repository Creation Utilityのスキーマ、IDおよび表領域」に一覧表示されています。

スキーマを作成する前に、ロードするコンポーネントのすべての依存性を認識し、指定する必要があります。たとえば、SOAINFRAスキーマはMDSスキーマとORASDPMスキーマに依存します。MDSスキーマとORASDPMスキーマの両方を指定せずにSOAINFRAスキーマをロードしようとした場合、またはMDSスキーマとORASDPMスキーマがデータベースにまだ存在していない場合は、ロードが実行される前にRCUが停止します。

UNIXシステムでSOAインフラストラクチャのスキーマを作成するためのサンプル・コマンドを次に示します。

./rcu -silent -createRepository -databaseType ORACLE -connectString host1.oracle.com:1521:orcl -dbUser sys -dbRole sysdba -schemaPrefix TEST -component SOAINFRA -component MDS -component ORASDPM

4.5 コマンドラインからのリポジトリの削除

リポジトリを削除するためのRCUコマンドライン・インタフェースの完全な構文は、次のとおりです。

rcu [-silent | -interactive] -dropRepository
   [-compInfoXMLLocation ComponentInfo.xml_file_location]
   [-storageXMLLocation Storage.xml_file_location]
   [-databaseType [ORACLE|SQLSERVER|DB2]]
   -connectString database_connect_string
   -dbUser database_username
   [-dbRole database_user_role]
   [-unicodeSupport [Yes|No]]
   [-skipCleanupOnFailure [Yes|No]
   [-variables variablename=value]
   [-schemaPrefix schema prefix]
   -component component_ID

正常に動作させるには、パラメータがリストされた同じ順序で指定されていることを確認してください。たとえば、-compInfoXMLLocationパラメータは-componentパラメータの前には指定しないでください。

スキーマを削除する場合は、スキーマの依存性を認識する必要があります(付録B「Repository Creation Utilityのスキーマ、IDおよび表領域」を参照)。たとえば、一部のスキーマにはMDSスキーマが必要であり、MDSスキーマを削除すると、MDSスキーマを必要とするすべてのスキーマが機能しなくなります。

UNIXシステムでWebCenter Spacesのスキーマを削除するサンプル・コマンドを次に示します。

./rcu -silent -dropRepository -databaseType ORACLE -connectString host1.oracle.com:1521:orcl -dbUser sys -dbRole sysdba -schemaPrefix TEST -component WEBCENTER

4.6 RCUの環境変数

表4-3は、RCUが環境から取得する変数を示しています。その環境変数が設定されていない場合は、デフォルト値が使用されます。

表4-3 RCU環境変数

変数 デフォルト 説明

RCU_LOG_LOCATION

RCU_HOME/rcu/log(UNIXオペレーティング・システム)

RCU_HOME\rcu\log(Windowsオペレーティング・システム)

RCUログ・ファイルの場所。

RCU_TIMESTAMP_LOG_DIR

true

RCUログ・ファイル用にlogdir.yyyy-dd_hh-mmという形式のディレクトリを作成するかどうかを決定します。

この変数をtrueまたはfalseに設定します。

RCU_LOG_NAME

rcu.log

RCUログ・ファイルの名前。

RCU_LOG_LEVEL

ERROR

RCUログ・レベルを決定します。

この変数をSEVEREERRORNOTIFICATIONTRACEのいずれかに設定します。