Oracle® Fusion Middleware Oracle Data Integrator接続およびナレッジ・モジュール・ガイド 11gリリース1(11.1.1) B62261-01 |
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この章では、Oracle Data IntegratorでのIBM DB2 UDBの使用方法について説明します。
この章の内容は次のとおりです。
Oracle Data Integrator(ODI)では、IBM DB2 UDBデータベースのデータがシームレスに統合されます。Oracle Data Integratorの機能(ジャーナル化、データ整合性チェックおよび統合インタフェースなど)は、IBM DB2 UDBを使用した場合に最良の動作が得られるように設計されています。
IBM DB2 UDBの概念は、Oracle Data Integratorの概念に次のようにマップされます。各IBM DB2 UDBデータベースはOracle Data Integratorの1つのデータ・サーバーに対応します。このサーバー内で、スキーマはOracle Data Integratorの物理スキーマにマップされます。
Oracle Data Integratorでは、Java Database Connectivity(JDBC)を使用してIBM DB2 UDBデータベースに接続します。
Oracle Data Integratorには、IBM DB2 UDBデータを処理するためのナレッジ・モジュール(KM)が用意されています。これらのリストを表14-1に示します。これらのKMではIBM DB2 UDB固有の機能が使用されます。IBM DB2 UDBデータベースでは汎用SQL KMも使用できます。詳細は、第4章「汎用SQL」を参照してください。
表14-1 IBM DB2 UDBナレッジ・モジュール
ナレッジ・モジュール | 説明 |
---|---|
IKM DB2 UDB Incremental Update |
増分更新モードでIBM DB2 UDBのターゲット表にデータを統合します。このIKMは、データ・フローをステージングするための一時的なステージング表を作成します。その後、ステージング表の内容をターゲット表と比較して、挿入するレコードおよびそれ以外の更新するレコードを識別します。また、CKMを起動してデータ整合性チェックを実行できます。 挿入および更新は、最大のパフォーマンスを得るためにバルク・セットベースの処理で実行されます。そのため、このIKMは大量のデータ用に最適化されています。 IBM DB2 UDBのターゲット表をロードして、欠落しているレコードを挿入し、既存のレコードを更新する場合は、このIKMの使用を検討してください。 このIKMを使用するには、ステージング領域がターゲットと同じデータ・サーバー上にあることが必要です。 |
IKM DB2 UDB Slowly Changing Dimension |
データ・ウェアハウスでタイプ2の緩やかに変化するディメンションとして使用されるIBM DB2 UDBのターゲット表に、データを統合します。このIKMは、ターゲット・データストアで設定される緩やかに変化するディメンション・メタデータに依存して、新しいバージョンとして挿入する必要があるレコード、または既存のバージョンとして更新する必要があるレコードを判別します。 挿入および更新はバルク・セットベースの処理で実行されるため、このIKMは大量のデータ用に最適化されています。 IBM DB2 UDBのターゲット表をタイプ2の緩やかに変化するディメンションとしてロードする場合は、このIKMの使用を検討してください。 このIKMを使用するには、ステージング領域がターゲットと同じデータ・サーバー上にあり、適切な緩やかに変化するディメンション・メタデータがターゲット・データストア上で設定されていることが必要です。 |
JKM DB2 UDB Consistent |
トリガーを使用してIBM DB2 UDB表の一貫したジャーナル化を行うためのジャーナル化インフラストラクチャを作成します。 IBM DB2 UDBでの一貫性のあるチェンジ・データ・キャプチャを有効にします。 |
JKM DB2 UDB Simple |
トリガーを使用してIBM DB2 UDB表の単純なジャーナル化を行うためのジャーナル化インフラストラクチャを作成します。 IBM DB2 UDBでの単純なチェンジ・データ・キャプチャを有効にします。 |
LKM DB2 UDB to DB2 UDB(EXPORT_IMPORT) |
固有のEXPORT / IMPORTコマンドを使用して、IBM DB2 UDBソース・データベースからIBM DB2 UDBステージング領域データベースへデータをロードします。 このモジュールでは、EXPORT CLPコマンドを使用して一時ファイルにデータを抽出します。その後、IMPORT CLPコマンドを使用してターゲットのDB2 UDBステージング表にデータをロードします。この方法は通常、大量のデータを処理する場合に標準のLKM SQL to SQLより効率的です。 ソース表がDB2 UDBデータベースにあり、ステージング領域が異なるDB2 UDBデータベースにある場合は、このLKMの使用を検討してください。 |
LKM File to DB2 UDB(LOAD) |
固有のCLP LOADコマンドを使用して、ファイルからDB2 UDBステージング領域データベースへデータをロードします。 このLKMでは、ファイルの種類(固定またはデリミタ付き)に応じて、適切なLOADスクリプトが一時ディレクトリに生成されます。その後、CLPによってこのスクリプトが実行され、実行終了時に自動的に削除されます。この方法では固有のIBM DB2ローダーが使用されるため、大量のデータを処理する場合は、標準のLKM File to SQLより効率的です。 ソースが大きいフラット・ファイルで、ステージング領域がIBM DB2 UDBデータベースの場合は、このLKMの使用を検討してください。 |
LKM SQL to DB2 UDB |
任意のANSI SQL-92標準準拠ソース・データベースからIBM DB2 UDBステージング領域へデータをロードします。このLKMは、第4章「汎用SQL」に記載されている標準のLKM SQL to SQLと似ていますが、IBM DB2 UDBの追加パラメータを指定できる点で異なります。 |
LKM SQL to DB2 UDB(LOAD) |
CLP LOADコマンドを使用して、任意のANSI SQL-92標準準拠ソース・データベースからIBM DB2 UDBステージング領域へデータをロードします。 このLKMでは、一時ファイルにソース・データがアンロードされ、CLP LOADコマンドを使用してIBM DB2固有のローダーがコールされて、ステージング表が移入されます。この方法では固有のIBM DB2ローダーが使用されるため、通常、大量のデータを処理する場合は、LKM SQL to SQLまたはLKM SQL to DB2 UDBより効率的です。 汎用データベースに大量のソース・データがあり、ステージング領域がIBM DB2 UDBデータベースの場合は、このLKMの使用を検討してください。 |
SKM IBM UDB |
IBM DB2 UDBデータベース用のデータ・アクセスWebサービスを生成します。詳細は、第4章「汎用SQL」のSKM SQLの説明を参照してください。 |
IBM DB2 UDB用の一部のナレッジ・モジュールでは、オペレーティング・システムのコールを使用してIBM CLPコマンド・プロセッサを起動し、効率的なロードを実行します。このようなナレッジ・モジュールの使用時には、次の制限が適用されます。
Oracle Data Integratorのエージェントを実行するマシン上に、IBM DB2 UDB Command Line Processor(CLP)およびDB2 UDB Connectソフトウェアがインストールされている必要があります。
トポロジで定義されるサーバー名は、これらのサーバーに使用されるIBM DB2 UDBの接続文字列と一致する必要があります。
一部のDB2 UDB JDBCドライバでは、ODIエージェントを実行するマシンにDB2 UDB Connectソフトウェアがインストールされている必要があります。
詳細は、IBM DB2のドキュメントを参照してください。