Oracle® Fusion Middleware Oracle Data Integrator接続およびナレッジ・モジュール・ガイド 11gリリース1(11.1.1) B62261-01 |
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この章では、Oracle Data IntegratorでのSybase AS Enterpriseの使用方法について説明します。
この章の内容は次のとおりです。
Oracle Data Integrator(ODI)では、Sybase AS Enterpriseデータベースのデータがシームレスに統合されます。Oracle Data Integratorの機能(ジャーナル化および統合インタフェースなど)は、Sybase AS Enterpriseを使用した場合に最良の動作が得られるように設計されています。
Sybase AS Enterpriseの概念は、Oracle Data Integratorの概念に次のようにマップされます。各Sybase AS EnterpriseデータベースはOracle Data Integratorの1つのデータ・サーバーに対応します。このサーバー内で、データベースと所有者のペアは、1つのOracle Data Integrator物理スキーマにマップされます。
Oracle Data Integratorでは、Java Database Connectivity(JDBC)を使用してSybase AS Enterpriseデータベースに接続します。
Oracle Data Integratorには、Sybase AS Enterpriseデータを処理するためのナレッジ・モジュール(KM)が用意されています。これらのリストを表15-1に示します。これらのKMではSybase AS Enterprise固有の機能が使用されます。Sybase AS Enterpriseデータベースでは汎用SQL KMも使用できます。詳細は、第4章「汎用SQL」を参照してください。
表15-1 Sybase ASEナレッジ・モジュール
ナレッジ・モジュール | 説明 |
---|---|
IKM Sybase ASE Incremental Update |
増分更新モードでSybase Adaptive Server Enterpriseのターゲット表にデータを統合します。このIKMは、データ・フローをステージングするための一時的なステージング表を作成します。その後、ステージング表の内容をターゲット表と比較して、挿入するレコードおよびそれ以外の更新するレコードを推測します。また、CKMを起動してデータ整合性チェックを実行できます。 挿入および更新は、最大のパフォーマンスを得るためにバルク・セットベースの処理で実行されます。そのため、このIKMは大量のデータ用に最適化されています。 Sybase Adaptive Server Enterpriseのターゲット表をロードして、欠落しているレコードを挿入し、既存のレコードを更新する場合は、このIKMの使用を検討してください。 このIKMを使用するには、ステージング領域がターゲットと同じデータ・サーバー上にあることが必要です。 |
IKM Sybase ASE Slowly Changing Dimension |
データ・ウェアハウスでタイプ2の緩やかに変化するディメンションとして使用されるSybase Adaptive Server Enterpriseのターゲット表に、データを統合します。このIKMは、ターゲット・データストアで設定される緩やかに変化するディメンション・メタデータに依存して、新しいバージョンとして挿入する必要があるレコード、または既存のバージョンとして更新する必要があるレコードを判別します。 挿入および更新はバルク・セットベースの処理で実行されるため、このIKMは大量のデータ用に最適化されています。 Sybase Adaptive Server Enterpriseのターゲット表をタイプ2の緩やかに変化するディメンションとしてロードする場合は、このIKMの使用を検討してください。 このIKMを使用するには、ステージング領域がターゲットと同じデータ・サーバー上にあり、適切な緩やかに変化するディメンション・メタデータがターゲット・データストア上で設定されていることが必要です。 |
JKM Sybase ASE Consistent |
トリガーを使用してSybase Adaptive Server Enterprise表の一貫したジャーナル化を行うためのジャーナル化インフラストラクチャを作成します。 Sybase Adaptive Server Enterpriseでの一貫性セット・チェンジ・データ・キャプチャを有効にします。 |
JKM Sybase ASE Simple |
トリガーを使用してSybase Adaptive Server Enterprise表の単純なジャーナル化を行うためのジャーナル化インフラストラクチャを作成します。 Sybase Adaptive Server Enterpriseでの単純なチェンジ・データ・キャプチャを有効にします。 |
LKM SQL to Sybase ASE |
任意のSQL準拠データベースからSybase Adaptive Server Enterpriseへデータをロードします。このLKMではODIエージェントを使用してデータベースから選択されたデータを読み取り、動的に作成されたターゲット一時表に結果を書き込みます。ジャーナル化されたソース表でこのKMを使用すると、ジャーナル化される表が更新されて使用するレコードにフラグが付けられ、インタフェースの最後にこれらのレコードから消去されます。大量のデータを扱う場合には、このナレッジ・モジュールはお薦めしません。バルク・ユーティリティ(SQL*LOADER、BULK INSERTなど)または直接リンク(DBLINKS、リンク・サーバーなど)を使用する他のモジュールの方が、通常効率的です。 |
LKM SQL to Sybase ASE(BCP) |
BCP(バルク・コピー・プログラム)ユーティリティを使用して、任意のSQL準拠データベースからSybase Adaptive Server Enterpriseのステージング領域データベースへデータをロードします。 このLKMでは、一時ファイルにソース・データがアンロードされ、Sybase BCPユーティリティがコールされて、ステージング表が移入されます。この方法では固有のBCPユーティリティが使用されるため、通常、大量のデータを処理する場合は、LKM SQL to SQLより効率的です。 汎用データベースに大量のソース・データがあり、ステージング領域がSybase Adaptive Server Enterpriseデータベースの場合は、このLKMの使用を検討してください。 |
LKM Sybase ASE to Sybase ASE(BCP) |
固有のBCP out/BCP inコマンドを使用して、Sybase Adaptive Server Enterpriseのソース・データベースからSybase Adaptive Server Enterpriseのステージング領域データベースへ、データをロードします。 このモジュールでは、固有のBCP(バルク・コピー・プログラム)コマンドを使用して一時ファイルにデータを抽出します。データはその後、固有のBCPコマンドを再び使用して、ターゲットのSybase Adaptive Server Enterpriseステージング表にロードされます。この方法は通常、大量のデータを処理する場合に標準のLKM SQL to SQLより効率的です。 ソース表がSybase Adaptive Server Enterpriseインスタンスにあり、ステージング領域が異なるSybase Adaptive Server Enterpriseインスタンスにある場合は、このLKMの使用を検討してください。 |
Sybase Adaptive Server Enterprise用の一部のナレッジ・モジュールでは、BCP固有のロード・ユーティリティが使用されます。このようなナレッジ・モジュールの使用時には、次の制限が適用されます。
BCPユーティリティおよびSybase Adaptive Server Enterpriseクライアントは、Oracle Data Integratorのエージェントを実行するマシン上にインストールする必要があります。
トポロジで定義されるサーバー名は、これらのサーバーに使用されるSybase Adaptive Server Enterpriseクライアントの接続文字列と一致する必要があります。
クライアントで定義されるサーバー名には、空白を使用できません。
ターゲットのステージング領域データベースには、select into/bulk copyオプションが必要です。
BCPプログラムによって生成されたファイルが空の場合は、実行が保留状態のままになります。
パフォーマンスの点から、ターゲット・サーバー・マシン上にOracle Data Integratorのエージェントをインストールすることをお薦めします。
詳細は、Sybase Adaptive Server Enterpriseのドキュメントを参照してください。