この章では、Oracle Mediatorサービス・コンポーネントと他のアプリケーションとの間の一般的なメッセージ交換パターンについて説明します。
項目は次のとおりです。
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 注意: 次の交換パターンは、ルーティング・ルールが作成された際のレスポンス、フォルトおよびコールバックに対するOracle JDeveloperのデフォルト処理を示しています。すべてのケースについて、次の点を考慮してください。
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一方向相互作用では、Oracle Mediatorは起動されますが、コール元にはレスポンスを返信しません。表24-1に示すように、ルーティング・ルール・ターゲットのタイプに基づいて、レスポンス、フォルトおよびコールバックが処理されます。
表24-1 Oracle MediatorのWSDLが一方向相互作用の場合のレスポンス
| ルーティング・ルール・ターゲットのタイプ | レスポンス | 
|---|---|
| 
 リクエスト  | 
 レスポンスはありません。  | 
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 リクエスト・レスポンス  | 
 レスポンスは、別のターゲットまたはイベントに転送されます。  | 
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 リクエスト・レスポンス・フォルト  | 
 レスポンスおよびフォルトは、別のターゲットまたはイベントに転送されます。  | 
| 
 リクエスト・コールバック  | 
 コールバックは、別のターゲットまたはイベントに転送されます。  | 
| 
 リクエスト・レスポンス・コールバック  | 
 レスポンスおよびコールバックは、別のターゲットまたはイベントに転送されます。  | 
| 
 リクエスト・レスポンス・フォルト・コールバック  | 
 レスポンス、フォルトおよびコールバックは、別のターゲットまたはイベントに転送されます。  | 
図24-1は、一方向メッセージ交換パターンを示しています。
one.way.returns.faultプロパティは、一方向インタフェースのSOAPコールについて、フォルトおよび一方向メッセージの処理方法を制御します。このプロパティは、composite.xmlファイルの一方向Webサービスに関するWebサービス・セクションのサービス・バインディング・コンポーネントに追加できます。このプロパティを、参照に適用することはできません。適用できるのは、サービスとbinding.wsバインディング・タイプに対してのみです。表24-2に、このプロパティの詳細を示します。
表24-2 one.way.returns.faultプロパティ
| one.way.returns.faultの設定 | 結果 | 
|---|---|
| 
 
 
. . .
<service name="Mediator1_2"
 ui:wsdlLocation="ReadFile.wsdl">
    <interface.wsdl
 interface="http://xmlns.oracle.com/pcbpel/adapter/file
 /LocalSandbox/Project1/ReadFile%2F#wsdl.interface(Read_
ptt)"/>
    <binding.ws
 port="http://xmlns.oracle.com/pcbpel/adapter/file
/LocalSandbox/Project1/ReadFile%2F#wsdl.endpoint
(Mediator1/Read_pt)">
   <property name="one.way.returns.fault" type="xs:string" many="false"
     override="may">true</property>
    </binding.ws>
</service>
. . .
 | 
 後続処理で発生するフォルトは、クライアントへのSOAPフォルトと、HTTPレスポンス・コード500を返します(11g リリース1と同じ動作)。  | 
| 
 
 
. . .
<service name="Mediator1_2"
 ui:wsdlLocation="ReadFile.wsdl">
    <interface.wsdl
 interface="http://xmlns.oracle.com/pcbpel/adapter/file/
Local Sandbox/Project1/ReadFile%2F#wsdl.interface(Read_
ptt)"/>
    <binding.ws
port="http://xmlns.oracle.com/pcbpel/adapter/file/LocalSan
dbox/Project1/ReadFile%2F#wsdl.endpoint(Mediator1/Read_
pt)">
      <property name="one.way.returns.fault"
 type="xs:string" many="false"
                override="may">false</property>
    </binding.ws>
  </service>
. . .
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 後続処理で発生するフォルトは、HTTPレスポンス・コード500のみを返します。クライアントにはSOAPフォルトを返しません。  | 
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 未設定の場合(デフォルト)  | 
 後続処理で発生するフォルトは、クライアントへのSOAPフォルトと、HTTPレスポンス・コード500を返します(11g リリース1と同じ動作)。  | 
one.way.returns.faultプロパティを追加する手順は、次のとおりです。
SOAコンポジット・エディタで、one.way.returns.faultプロパティを追加するサービス・バインディング・コンポーネントを選択します。
エディタの右下部にある「プロパティ・インスペクタ」セクションに移動します。
「バインディング・プロパティ」セクションで、「追加」アイコンをクリックします。
「プロパティの作成」ダイアログが表示されます。
「名前」フィールドに、one.way.returns.faultと入力します。
「値」フィールドに、trueまたはfalseを入力します。
「OK」をクリックします。
リクエスト・リプライ相互作用では、Oracle Mediatorが起動され、コール元にリプライを送信します。表24-3に示すように、ルーティング・ルール・ターゲットのタイプに基づいて、レスポンス、フォルトおよびコールバックが処理されます。
表24-3 Oracle MediatorのWSDLがリクエスト・リプライの場合のレスポンス
| ルーティング・ルール・ターゲットのタイプ | レスポンス | 
|---|---|
| 
 リクエスト  | 
 ターゲットからのレスポンスはありませんが、リクエスト・レスポンス・サービスが含まれる順次ルーティング・ルールが少なくとも1つ必要です。  | 
| 
 リクエスト・レスポンス  | 
 レスポンスは、コール元に返信されます。レスポンスは別のターゲットまたはイベントに転送できますが、コール元にレスポンスを返す順次ルーティング・ルールが少なくとも1つ必要です。  | 
| 
 リクエスト・レスポンス・フォルト  | 
 レスポンスは、コール元に返信されます。フォルトは、別のターゲットまたはイベントに転送されます。  | 
| 
 リクエスト・コールバック  | 
 ターゲットからのレスポンスはありませんが、リクエスト・レスポンス・サービスが含まれる順次ルーティング・ルールが少なくとも1つ必要です。コールバックは、別のターゲットまたはイベントに転送されます。  | 
| 
 リクエスト・レスポンス・コールバック  | 
 レスポンスは、コール元に返信されます。コールバックは、別のターゲットまたはイベントに転送されます。  | 
| 
 リクエスト・レスポンス・フォルト・コールバック  | 
 レスポンスは、コール元に返信されます。コールバックおよびフォルトは、別のターゲットまたはイベントに転送されます。  | 
図24-2は、リクエスト・リプライ・メッセージ交換パターンを示しています。
リクエスト・リプライ・フォルト相互作用では、Oracle Mediatorが起動され、コール元にリプライと1つ以上のフォルトを返信します。表24-4に示すように、ルーティング・ルール・ターゲットのタイプに基づいて、レスポンス、フォルトおよびコールバックが処理されます。
表24-4 Oracle MediatorのWSDLがリクエスト・リプライ・フォルトの場合のレスポンス
| ルーティング・ルール・ターゲットのタイプ | レスポンス | 
|---|---|
| 
 リクエスト  | 
 リクエスト・レスポンス・フォルト・サービスが含まれる順次ルーティング・ルールが少なくとも1つ必要です。送信するレスポンスがない場合、Oracle Mediatorは  | 
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 リクエスト・レスポンス  | 
 レスポンスは、コール元に返信されます。Oracle Mediatorによるメッセージ処理での例外によってフォルトが発生する場合があります。  | 
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 リクエスト・レスポンス・フォルト  | 
 レスポンスおよびフォルトがコール元に返信されます。Oracle Mediatorによるメッセージ処理での例外によってフォルトが発生する場合があります。  | 
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 リクエスト・コールバック  | 
 ターゲットからのレスポンスはありませんが、リクエスト・レスポンス・サービスが含まれる順次ルーティング・ルールが少なくとも1つ必要です。送信するレスポンスがない場合、Oracle Mediatorは  | 
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 リクエスト・レスポンス・コールバック  | 
 レスポンスは、コール元に返信されます。Oracle Mediatorによるメッセージ処理での例外によってフォルトが発生する場合があります。  | 
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 リクエスト・レスポンス・フォルト・コールバック  | 
 レスポンスおよびフォルトがコール元に返信されます。Oracle Mediatorによるメッセージ処理での例外によってフォルトが発生する場合があります。  | 
図24-3は、リクエスト・リプライ・フォルト・メッセージ交換パターンを示しています。
リクエスト・コールバック相互作用では、Oracle Mediatorが起動され、コール元に非同期リプライを送信する場合があります。表24-5に示すように、ルーティング・ルール・ターゲットのタイプに基づいて、レスポンス、フォルトおよびコールバックが処理されます。
表24-5 Oracle MediatorのWSDLがリクエスト・コールバックの場合のレスポンス
| ルーティング・ルール・ターゲットのWSDL | レスポンス | 
|---|---|
| 
 リクエスト  | 
 リクエスト・コールバック・サービスが含まれる順次ルーティング・ルールが少なくとも1つ必要です。コールバックが定義されたルーティング・ルールがない場合、コールバックはコール元に送信されません。  | 
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 リクエスト・レスポンス  | 
 レスポンスは、独立したスレッドでコールバックとしてコール元に返信されます。  | 
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 リクエスト・レスポンス・フォルト  | 
 レスポンスは、独立したスレッドでコールバックとしてコール元に返信されます。フォルトは、別のターゲットまたはイベントに転送されます。  | 
| 
 リクエスト・コールバック  | 
 コールバックは、コール元に返信されます。  | 
| 
 リクエスト・レスポンス・コールバック  | 
 コールバックはコール元に返信され、レスポンスは別のターゲットまたはイベントに転送されます。  | 
| 
 リクエスト・レスポンス・フォルト・コールバック  | 
 コールバックは、コール元に返信されます。レスポンスおよびフォルトは、別のターゲットまたはイベントに転送されます。  | 
図24-4は、リクエスト・コールバック・メッセージ交換パターンを示しています。
リクエスト・リプライ・コールバック相互作用では、Oracle Mediatorが起動され、初期コール元にレスポンスと非同期リプライを送信します。表24-6に示すように、ルーティング・ルール・ターゲットのタイプに基づいて、レスポンス、フォルトおよびコールバックが処理されます。
表24-6 Oracle MediatorのWSDLがリクエスト・レスポンス・コールバックの場合のレスポンス
| ルーティング・ルール・ターゲットのタイプ | レスポンス | 
|---|---|
| 
 リクエスト  | 
 レスポンスを返す順次ルーティング・ルールが少なくとも1つ必要です。コールバックが定義されたルーティング・ルールがない場合、コールバックはコール元に送信されません。  | 
| 
 リクエスト・レスポンス  | 
 レスポンスを返す順次ルーティング・ルールが少なくとも1つ必要です。コールバックが定義されたルーティング・ルールがない場合、コールバックは送信されません。  | 
| 
 リクエスト・レスポンス・フォルト  | 
 レスポンスを返す順次ルーティング・ルールが少なくとも1つ必要です。コールバックが定義されたルーティング・ルールがない場合、コールバックはコール元に送信されません。  | 
| 
 リクエスト・コールバック  | 
 レスポンスを返す順次ルーティング・ルールが少なくとも1つ必要です。送信するレスポンスがない場合、Oracle Mediatorは  | 
| 
 リクエスト・レスポンス・コールバック  | 
 レスポンスおよびコールバックがコール元に返信されます。  | 
| 
 リクエスト・レスポンス・フォルト・コールバック  | 
 レスポンスおよびコールバックがコール元に返信されます。フォルトは、別のターゲットまたはイベントに転送されます。  | 
図24-5は、リクエスト・リプライ・コールバック・メッセージ交換パターンを示しています。
リクエスト・リプライ・フォルト・コールバック相互作用では、Oracle Mediatorが起動され、初期コール元にレスポンス、非同期リプライおよび1つ以上のフォルト・タイプを返信します。表24-7に示すように、ルーティング・ルール・ターゲットのタイプに基づいて、レスポンス、フォルトおよびコールバックが処理されます。
表24-7 リクエスト・レスポンス・フォルト・コールバックのOracle Mediatorへのレスポンス
| ルーティング・ルール・ターゲットのWSDL | レスポンス | 
|---|---|
| 
 リクエスト  | 
 リクエスト・コールバック・サービスが含まれる順次ルーティング・ルールが少なくとも1つ必要です。コールバックが定義されたルーティング・ルールがない場合、コールバックはコール元に送信されません。  | 
| 
 リクエスト・レスポンス  | 
 リクエスト・コールバック・サービスが含まれる順次ルーティング・ルールが少なくとも1つ必要です。コールバックが定義されたルーティング・ルールがない場合、コールバックはコール元に送信されません。  | 
| 
 リクエスト・レスポンス・フォルト  | 
 リクエスト・コールバック・サービスが含まれる順次ルーティング・ルールが少なくとも1つ必要です。コールバックが定義されたルーティング・ルールがない場合、コールバックはコール元に送信されません。  | 
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 リクエスト・コールバック  | 
 レスポンスを返す順次ルーティング・ルールが少なくとも1つ必要です。送信するレスポンスがない場合、Oracle Mediatorは  | 
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 リクエスト・レスポンス・コールバック  | 
 レスポンスおよびコールバックがコール元に返信されます。Oracle Mediatorによるメッセージ処理での例外によってフォルトが発生する場合があります。  | 
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 リクエスト・レスポンス・フォルト・コールバック  | 
 レスポンス、フォルトおよびコールバックがコール元に返信されます。  | 
図24-6は、リクエスト・リプライ・フォルト・コールバック・メッセージ交換パターンを示しています。