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Oracle® Fusion Middleware Oracle SOA Suite開発者ガイド
11g リリース1 (11.1.1.4.0)
B56238-03
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47 コンポジット・センサーの定義

この章では、SOAコンポジット・アプリケーションでコンポジット・センサーを定義する方法について説明します。

項目は次のとおりです。

47.1 コンポジット・センサーの概要

コンポジット・センサーは、メッセージにトラッキング可能なフィールドを実装する手段を提供します。コンポジット・センサーを使用すると、次のタスクを実行できます。

コンポジット・センサーは、Oracle JDeveloperでサービス・バインディング・コンポーネントおよび参照バインディング・コンポーネントに定義します。この機能は、BPELプロセスの変数センサーに類似しています。実行時に、コンポジット・センサー・データはデータベースに維持されます。

47.1.1 コンポジット・センサー使用上の制限

コンポジット・センサーの使用に関して、次の制限に注意してください。

  • 関数はペイロードでのみ使用できます。たとえば、concat()などのXPath関数はプロパティでは使用できません。

  • 式を使用するコンポジット・センサーは常に、値を文字列として取得します。この処理のため、検索で使用できるのはlike比較演算子のみです。また、値が数値の場合でも、他の<>=など論理演算子やこれらの組合せを使用することはできません。

  • コンポジット・センサーでは、Enterprise ManagerおよびJMSの2つのタイプのセンサー・アクションのみがサポートされます。

  • Webサービス・バインディングに対しては、ヘッダー・ベースのセンサーのみがサポートされています。

  • Oracle B2B、サービス・データ・オブジェクト(SDO)、Web Services Invocation Framework (WSIF)およびOracle Business Activity Monitoringのバインディングに対するセンサー・アクションは、サポートされていません。

  • センサー値の型は次のいずれかになります。

    1. 次のスカラー型

      • STRING

      • NUMBER

      • DATE

      • DATE_TIME

    2. 複合XML要素

  • フィルタリング用のXPath式を作成する場合は、ノードセットを返すすべての関数を文字列として明示的にキャストする必要があります。

    xpath20:upper-case(string($in.request/inp1:updateOrderStatus/inp1:orderStatus) ) = "PENDING"
    

47.2 コンポジット・センサーの追加

SOAコンポジット・エディタで、SOAコンポジット・アプリケーションのサービス・バインディング・コンポーネントまたは参照バインディング・コンポーネントにセンサーを追加します。

47.2.1 コンポジット・センサーの追加方法

コンポジット・センサーを追加する手順は、次のとおりです。

  1. 次のいずれかのオプションを使用して、SOAコンポジット・エディタでコンポジット・センサーを追加します。

    1. コンポジット・センサーを追加する「公開されたサービス」または「外部参照」スイムレーンで特定のサービスまたは参照のバインディング・コンポーネントを右クリックし、「コンポジット・センサー」を選択します。

      図47-1に示すように、選択したバインディング・コンポーネントの「コンポジット・センサー」ダイアログが表示されます。

      図47-1 選択したバインディング・コンポーネントの「コンポジット・センサー」ダイアログ

      図47-1の説明が続きます
      「図47-1 選択したバインディング・コンポーネントの「コンポジット・センサー」ダイアログ」の説明

    2. 「追加」アイコンをクリックします。

    または、

    1. 図47-2に示すように、SOAコンポジット・エディタ上部にある「コンポジット・センサー」アイコンをクリックします。

      図47-2 「コンポジット・センサー」アイコン

      図47-2の説明が続きます
      「図47-2 「コンポジット・センサー」アイコン」の説明

      図47-3に示すように、SOAコンポジット・アプリケーションの「コンポジット・センサー」ダイアログが表示されます。

      図47-3 「コンポジット・センサー」ダイアログ

      図47-3の説明が続きます
      「図47-3 「コンポジット・センサー」ダイアログ」の説明

    2. コンポジット・センサーを追加するサービスまたは参照を選択し、「追加」アイコンをクリックします。

    図47-4に示すように、「コンポジット・センサーの作成」ダイアログが表示されます。

    図47-4 「コンポジット・センサーの作成」ダイアログ

    図47-4の説明が続きます
    「図47-4 「コンポジット・センサーの作成」ダイアログ」の説明

  2. 表47-1に記載されている詳細を入力します。

    表47-1 「コンポジット・センサーの作成」ダイアログ

    名前 説明

    名前

    コンポジット・センサーの名前を入力します。「式」フィールドの「編集」アイコンを使用可能にするには、名前を入力する必要があります。

    サービス

    サービス名が表示されます。このフィールドが表示されるのは、サービス・バインディング・コンポーネントに対するコンポジット・センサーを作成している場合のみです。このフィールドは編集できません。

    サービス・センサーは、サービスが外部または別のコンポジット・アプリケーションから受信するメッセージを監視します。

    参照

    参照名が表示されます。このフィールドが表示されるのは、参照バインディング・コンポーネントに対するコンポジット・センサーを作成している場合のみです。このフィールドは編集できません。

    参照センサーは、参照が外部または別のコンポジット・アプリケーションに送信するメッセージを監視します。

    操作

    サービスまたは参照のポート・タイプに対する操作を選択します。

    「編集」アイコンをクリックすると、作成する式のタイプを選択するドロップダウン・リストが起動します。

    • 変数: 変数に対する式の値を作成する場合に選択します。手順は、第47.2.2項「変数の追加方法」を参照してください。

    • : XPath式を作成するための「式ビルダー」ダイアログを起動する場合に選択します。手順は、第47.2.3項「式の追加方法」を参照してください。

    • プロパティ: 正規化されたメッセージ・ヘッダー・プロパティに対する式の値を作成する場合に選択します。これらは、invokeアクティビティ、receiveアクティビティ、replyアクティビティ、scopeアクティビティのOnEventブランチ(BPEL 2.0の場合)、およびpickアクティビティとscopeアクティビティ(BPEL 2.0の場合)のonMessageブランチの「プロパティ」タブの下に表示される同じプロパティです。手順は、第47.2.4項「プロパティの追加方法」を参照してください。

    フィルタ

    「編集」アイコンをクリックすると、式用のXPathフィルタを作成する「式ビルダー」ダイアログが起動します。このフィールドを使用可能にするには、最初に式を作成する必要があります。

    たとえば、10,000を超える発注金額をトラッキングする式を作成できます。

    $in.inDict/tns:inDict/ns2:KeyValueOfstringstring/ns2:Value > 10000.00
    

    コンポジット・センサー・アクション

    サポートされているセンサー・アクションを表示します。この機能を使用すると、ランタイム・センサー・データを格納できます。「Enterprise Manager」「JMSキュー」または「JMSトピック」のいずれかとの両方を選択できます。

    • Enterprise Manager

      ランタイム・センサー・データをOracle Enterprise Manager Fusion Middleware ControlコンソールからSOAコンポジット・アプリケーションの「インスタンス」タブで検索できるようにするために選択します。この選択は、前のリリースのDBSensorActionの選択と同じです。

      注意: 「Enterprise Manager」が選択されている場合、センサー・データはトラッキング可能フィールド表に送られます。選択されていない場合、データは送られません。ただし、いずれの場合も、Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlコンソールにはこのフィールドが表示され、センサーに基づいたコンポジット・インスタンスの検索が可能です。

      詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Management Suite管理者ガイド』を参照してください。

    • JMSキュー

      コンポジット・センサー・データ(XMLペイロード)をJMSキューに格納する場合に選択します。JMSコネクション・ファクトリおよびキュー名を指定する必要があります。

    • JMSトピック

      コンポジット・センサー・データ(XMLペイロード)をJMSトピックに格納する場合に選択します。JMSコネクション・ファクトリおよびトピック名を指定する必要があります。

    注意: 「JMSキュー」および「JMSトピック」を選択すると、コンポジット・センサー・データ(XMLペイロード)はOracle Business Activity MonitoringやOracle Complex Event Processing (CEP)など他のコンシューマでも使用できるようになります。どちらを選択した場合も、Oracle WebLogic ServerによるJMSサポートが使用され、『Oracle Fusion Middlewareテクノロジ・アダプタ・ユーザーズ・ガイド』の説明にあるようなOracle SOA Suite JMSアダプタは使用されません。JMSメッセージはOracle WebLogic Server管理コンソールで表示できます。

    Oracle Business Activity Monitoringでのセンサー・データの使用の詳細は、第50章「Oracle BAMとSOAコンポジット・アプリケーションの統合」を参照してください。


  3. 「適用」をクリックしてコンポジット・センサーを追加します。

  4. 完了後に「OK」をクリックします。

    図47-5に示すように、コンポジット・センサー・アイコンがサービス・バインディング・コンポーネントまたは参照バインディング・コンポーネント上に表示されます。

    図47-5 「センサー」アイコン

    図47-5の説明が続きます
    「図47-5 「センサー」アイコン」の説明

47.2.2 変数の追加方法

図47-6に示す「XPath式の選択」では、トラッキングする要素を選択できます。

変数を追加する手順は、次のとおりです。

  1. ツリーを開き、トラッキングする要素を選択します。

  2. 完了後に「OK」をクリックします。

47.2.3 式の追加方法

図47-7に示す「プロパティの選択」では、トラッキングする式を作成できます。

式を追加する手順は、次のとおりです。

  1. トラッキングする要素のXPath式を作成します。

  2. 完了後に「OK」をクリックします。

47.2.4 プロパティの追加方法

図47-8に示す「プロパティの選択」では、トラッキングする正規化されたメッセージ・ヘッダー・プロパティを選択できます。

プロパティを追加する手順は、次のとおりです。

  1. トラッキングする正規化されたメッセージ・ヘッダー・プロパティを選択します。

    図47-8 プロパティ

    図47-8の説明が続きます
    「図47-8 プロパティ」の説明

  2. 完了後に「OK」をクリックします。

47.3 実行時のコンポジット・センサー・データの監視

実行時に、Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlコンソールでコンポジット・センサー・データを監視できます。

詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Management Suite管理者ガイド』を参照してください。