この章では、OmniPortletの概要、およびOmniPortletに関連付けられたユーザー・インタフェース要素について説明します。この章の内容は、次のとおりです。
OmniPortletを使用してサンプルのポートレットを構築する方法は、第4章「OmniPortletを使用したポートレットの構築例」を参照してください。OmniPortletに関するトラブルシューティング情報は、B.3項「OmniPortletの問題」を参照してください。OmniPortletのOracle Portalへの登録と構成の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Portal管理者ガイド』を参照してください。
OmniPortletは、Oracle Portalのサブコンポーネントです。これにより、ページ設計者や開発者は、コードを作成しなくても、様々なレイアウトを使用して異なるデータソースのデータを簡単に公開できます。OmniPortletでは、スプレッドシート(値間を特定文字で区切ったもの)やXML、さらに既存のWebページのアプリケーション・データなど、あらゆる種類のデータソースを使用できます。
注意: 様々な種類のポートレットを開発する方法は、第1章「ポートレットの概要」を参照してください。プロバイダと他のポートレット・テクノロジの詳細は、第2章「ポートレット・テクノロジのマトリックス」を参照してください。 |
OmniPortletを使用すると、ページ設計者やコンテンツ作成者は次の操作を実行できます。
複数ソース(CSV、XML、SQLなど)のデータの表示
表示するデータのソート
多様なレイアウト(箇条書きリスト、チャート、HTMLなど)を使用したデータの書式設定
ポートレット・パラメータの使用
ポートレット・イベントの起動
ページ・ビューアへのパーソナライズ可能な設定の公開
パーソナライズされたデータを表示する場合は、データソースから戻された結果をフィルタリングして、取得したデータを絞り込み、保護されたデータのアクセスに使用する資格証明情報をパラメータ化できます。複雑な設定が不要なOmniPortletには、表、チャート、HTML、ニュース、箇条書きリストおよびフォームなど、最も一般的なポートレット用のレイアウトが用意されています。
注意: Windows 2000でOmniPortlet、シンプル・パラメータ・フォーム、Webクリッピング・ポートレットを使用するには、Netscape 7.0以上またはMicrosoft Internet Explorer 5.5以上を使用する必要があります。 |
他のポートレットを追加するのと同じように、OmniPortletをポータル・ページに追加できます。OmniPortletは、ポートレット・リポジトリのポートレット・ビルダーの下にあります。たとえば、OmniPortletをOracle Portal Developer Kitの一部としてダウンロードしてあり、それ以降のリリースにアップグレードする場合、使用する前に登録する必要があります。
ポータル・ページの作成とポートレットの追加の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Portalユーザーズ・ガイド』を参照してください。
OmniPortletプロバイダのインストール、構成および登録に関する指示は、PDK-JavaおよびPortalツールが格納されているpdksoftware.zip
ファイルに用意されています。OmniPortletの構成の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Portal管理者ガイド』を参照してください。
OmniPortletウィザードには、最初に5つのステップが表示されます。OmniPortletを初めて定義するときは、データソース・タイプ、データソース・オプション、フィルタ・オプション、表示オプションおよびレイアウトを設定します。ウィザードのこれらの設定ステップを終えた後にウィザードを再開する場合は、ポートレットの「デフォルトの編集」をクリックします。ウィザードの再開時には、「ソース」、「フィルタ」、「表示」および「レイアウト」の各タブで定義を変更でき、「イベント」タブでイベント・パラメータを設定できます。
注意: IBM Linux on POWERプラットフォームでは、OmniPortletの定義の際、アクション・ボタン(「次へ」、「前へ」、「終了」および「取消」)が点の状態に最小化されている場合、スタック・サイズ・シェル制限を無制限にし、WLS_PORTALインスタンスを再開してください。次のコマンドを実行して、スタック・サイズ・シェル制限を無制限に設定します。prompt> ulimit -s unlimited |
この項では、6つのタブの概要(表3-1を参照)を示します。各タブのオプションの詳細はオンライン・ヘルプでも参照できます。オンライン・ヘルプは、製品内の「ヘルプ」リンクをクリックするとアクセスできます。
表3-1 OmniPortletウィザードとデフォルトの編集
ステップ/タブ | 説明 |
---|---|
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データソース・オプションを提供します。ポートレットの初期定義でのみ表示されます。ポートレットのデフォルトの編集時には表示されません。 |
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使用するWebサービスのURLなど、選択したデータソースのオプションを提供します。これらのオプションは、ポートレットのデフォルトの編集時にも変更できます。 |
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結果の絞り込みを可能にするOracle Portalレベルのソート・オプションを提供します。これらのオプションは、ポートレットのデフォルトの編集時にも変更できます。 |
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ポートレットのヘッダーとフッターのテキスト、レイアウト・スタイルおよびキャッシュを表示するオプションを提供します。これらのオプションは、ポートレットのデフォルトの編集時にも変更できます。 |
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レイアウトをカスタマイズするための詳細オプションを提供します。これらのオプションは、ポートレットのデフォルトの編集時にも変更できます。 |
|
ポートレットの初期定義では表示されません。イベントをポートレットに追加するためのオプションを提供します。表示されるのは、ポートレットがウィザードのデフォルト編集モードで定義された場合のみです。 |
OmniPortletを初めて起動すると「タイプ」ステップが表示され、そのステップでデータソースを選択できます(図3-1)。複雑な設定が不要なOmniPortletは、表3-2に示すデータソースをサポートしています。
注意: 追加のデータソースをダウンロードしてインストールすると、そのデータソースが「タイプ」タブに表示されます。 |
表3-2 サポートされるデータソース・タイプ
データソース・タイプ | 説明 |
---|---|
スプレッドシート |
特定文字で区切られた複数値(CSV)を含むテキスト・ファイルのデータを表示します。 |
SQL |
SQLを使用したデータベースのデータを表示します。 |
XML |
XMLファイルのデータを表示します。 |
Webサービス |
標準のプロトコルを使用してインターネット上でアクセスできる個々のビジネス・サービスのデータを表示します。 |
Webページ |
既存のWebコンテンツに基づくデータを表示します。 |
J2EE Connector Architecture* |
(サンプル・プロバイダがOracle Portalに登録されている場合にのみ表示されます。) J2EE Connector Architecture(JCA)1.0アダプタも使用できます。JCAでは、ERPシステム(Oracle Financials、SAP、PeopleSoftなど)に保持されている企業データを格納および取得するためのメカニズムが提供されます。 |
OmniPortletウィザードを実行してポートレットのデフォルトを編集すると、データソース・タイプが変更できなくなります。
データソース・タイプを選択すると、OmniPortletウィザードの「ソース」ステップが表示されます。このステップは、選択したデータソースに対応しているため、そのデータソースが提供するオプションを指定できます。「ソース」タブ内には、「プロキシ認証」セクション(認証を必要とするプロキシ・サーバーを使用するようにOmniPortletプロバイダが構成されている場合)と「接続」セクションが表示されます。「接続」セクションでは、データソースへの接続に必要な情報を入力できます。
この項では、「ソース」タブにある次の2つの一般的な領域について説明します。
また、「ソース」タブ内のデータソース固有部分についても、この項の後半で説明します。使用可能なデータソースは次のとおりです。
注意: 「ソース」タブのオプションの詳細は、ページの右上隅にある「ヘルプ」をクリックしてください。 |
OmniPortletは、グローバルなプロキシ認証やユーザーごとの認証などのプロキシ認証をサポートします。すべてのユーザーが指定されたユーザー名とパスワードで自動的にログインするか、各ユーザーが個別のユーザー名とパスワードでログインするか、またはすべてのユーザーが指定されたユーザー名とパスワードでログインするかを指定できます。ログインを必要とするプロキシ認証を使用するようにOmniPortletプロバイダが設定されている場合は、「ソース」タブに「プロキシ認証」セクションが表示され、プロキシ認証情報を入力できます。
「プロキシ認証」セクションは、アクセスにプロキシ・サーバーを使用する必要があるデータソース、すなわちCSV(複数値を特定文字で区切ったもの)、XML、WebサービスおよびWebページについてのみ表示されます。プロキシ認証を使用するためのOmniPortletプロバイダの構成方法は、「プロバイダの編集: OmniPortletプロバイダ」ページの「ヘルプ」をクリックすると表示されるオンライン・ヘルプ・トピックを参照してください。OmniPortletプロバイダが「すべてのユーザーにログインを要求」に構成されている場合は、ユーザーはそれぞれ独自のログイン情報を設定する必要があります。ページ設計者の場合は、この設定を「デフォルトの編集: ソース」タブで行います。ページ閲覧者の場合は、この設定を「パーソナライズ」スクリーンで行います。
OmniPortletの構成の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Portal管理者ガイド』も参照してください。
注意: Webページ・データソースを使用している場合、「ソース」タブで「Webページの選択」ボタンをクリックすると、Webクリッピング・スタジオに「プロキシ認証」セクションが表示されます。 |
Webページ・データソース以外のデータソースごとに、「ソース」ステップでは「接続」セクションが表示され、ここで保護データにアクセスするための接続情報を定義できます。「ソース」ステップでは、すべてのデータソースに対して「ポートレット・パラメータ」セクションが表示され、ここでポートレットのパラメータを定義できます(図3-2)。ポートレット・パラメータはページ・レベルのパラメータにマップできます。
注意: 「ユーザー名」、「パスワード」または「接続文字列」でパラメータを使用すると、パラメータ値が置き換えられた際に接続情報が正しい場合でも、「テスト」ボタンによってエラーが返されます。 |
接続情報を編集するには、「接続の編集」ボタンをクリックし、図3-3に示すページに情報を入力します。このページでは、接続情報の名前のみでなく、ユーザー名やパスワードも入力できます。SQLデータソースの場合、データソースへの接続に使用するドライバを指定するための詳細情報を入力できます。詳細は、3.2.2.4項「SQL」を参照してください。
注意: 「接続」セクションおよび「接続の編集」ボタンの詳細は、OmniPortletウィザードの「ソース」タブの「ヘルプ」をクリックしてください。 |
スプレッドシートは、小規模なデータセットを格納するための一般的な方法です。OmniPortletでは、特定文字で区切られた複数値(CSV)をデータソースとしてサポートすることで複数のスプレッドシートの共有を可能にします。「ソース」タブでは、CSVファイルの位置を指定します(図3-4)。保護されたサーバー上にそのファイルがある場合は、図3-2の「接続」セクションで接続情報を指定できます。Oracle Portalによるファイルの読取り時に使用するキャラクタ・セットのみでなく、デリミタやテキスト修飾子も選択できます。
OmniPortletプロバイダはOracle Portalアプリケーションとは異なる層に存在し、実行されるので、Oracle Portalのセッション情報にアクセスできません。そのため、OmniPortletでセッション情報にアクセスするためには、Oracle PortalにアップロードされるCSVファイルをPUBLICとして公開する必要があります。
データを格納する最も一般的な場所は、リレーショナル・データベースです。OmniPortletでは、標準のJDBCドライバを使用できるため、複雑な設定なしでOracleデータベースや任意のJDBCデータベースにアクセスできます。ドライバのタイプは、接続情報の構成時に指定できます。図3-5にSQLデータソースの「ソース」タブを示します。
DataDirect JDBCドライバを使用して他のリレーショナル・データベースにアクセスできます。これらのドライバを使用するようにOmniPortletを構成する方法は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Portal管理者ガイド』を参照してください。
ドライバをインストールすると、図3-6に示すように、「ソース」タブの「接続」ダイアログ・ボックスの「ドライバ名」リストに、インストールしたドライバがリストされます。
注意: DataDirectドライバの詳細は、『Oracle Fusion MiddlewareとDataDirect JDBCの動作保証マトリックス』(http://www.oracle.com/technology/products/index.html )を参照してください。 |
DataDirectドライバのいずれかを使用するときは、hostname:port
という一意の接続文字列フォーマットを使用する必要があります。ここで、hostnameはデータベースが実行されているサーバーの名前で、portはデータベースのリスニング・ポートです。例を図3-7に示します。
SQL文のかわりにストアド・プロシージャをコールすることによっても、データにビジネス・ロジックを追加できます。また、データベース内にパッケージとストアド・プロシージャを作成でき、そのストアド・プロシージャをOmniPortletから参照できます。
たとえば、SCOTTサンプル・スキーマを使用して次のように実行できます。
パッケージを作成し、ref cursorを宣言します。
create or replace package emp_pack istype empcurr is ref cursor;end;
ストアド・プロシージャを定義します。たとえば、次のプロシージャはパラメータとしてJOB
を受け入れ、ref cursorを返します。ここで、JOBはscott.Emp
表の列で、その値にはCLERK
、MANAGER
などがあります。
create or replace procedure emp_proc(eset OUT emp_pack.empcurr, jname IN VARCHAR2) is sql_statement varchar2(200); begin sql_statement := 'select empno,ename,hiredate from emp where job = '''||jname||''' order by EMPNO,hiredate'; open eset for sql_statement; end;
ステップ1と2のPL/SQL文をSQLファイル(たとえば、proc.sql
)に追加し、それをディレクトリに保存します。
次のコマンドを使用して、データベースに接続します。
sqlplus userid/password@Connection_String
userid
、password
、Connection_String
を、データベースへの接続情報と置き換えます。接続文字列については、ORACLE_INSTANCE\config
ディレクトリ内のtnsnames.ora
ファイルを参照してください。
プロシージャを実行します。
@proc
最後に、SQLデータソースに基づいてOmniPortletを作成し、適切なデータベース接続情報を入力します。「SQL文」ボックスで、次のコードを入力します。
call emp_proc('CLERK')
XMLデータソースには、イントラネットまたはインターネット経由でアクセスできます。「ソース」タブでは、使用するデータを格納するXMLファイルのURLを図3-8に示すように指定できます。
「XML URL」および「XSLフィルタのURL」フィールドの横にあるのが「テスト」ボタンです。XMLデータソースおよびXSLフィルタを検証するのに使用できます。
指定したXMLファイルは表(ROWSET/ROW)構造でかまいません。あるいはXMLスタイル・シート(XSL)を用意してデータをROWSET/ROW構造に変換できます。次の図は、XMLデータソースのROWSET/ROW構造の例を示しています。
<TEAM> <EMPLOYEE> <DEPTNO>10</DEPTNO> <ENAME>KING</ENAME> <JOB>PRESIDENT</JOB> <SAL>5000</SAL> </EMPLOYEE> <DEPTNO>20</DEPTNO> <ENAME>SCOTT</ENAME> <JOB>ANALYST</JOB> <SAL>3000</SAL> <EMPLOYEE> </TEAM>
この例では、<TEAM>タグが行セットを表し、<EMPLOYEE>タグが行を表しています。
OmniPortletは、XMLファイルの形式に関係なく、自動的にXMLを確認して列名を決定します。この列名は後でレイアウトの定義に使用されます。この情報を自分で指定する場合は、データを記述するXMLスキーマへのURLを指定できます。
XMLファイルがHTTP Basic認証で保護されている保護サーバー上にある場合は、他のデータソースと同様に、このデータソースの接続情報も指定できます。
注意: OmniPortletプロバイダはOracle Portalとは異なる層に存在し、実行されるのでOracle Portalのセッション情報にアクセスできません。そのため、OmniPortletでセッション情報にアクセスするためには、Oracle PortalにアップロードされるXMLファイルをPUBLICとして公開する必要があります。 |
Webサービスは、SOAPやHTTPなどの標準プロトコルを使用してインターネット上でプログラムを使用してアクセスできる個別のビジネス・サービスです。Webサービスはプラットフォームや言語にとらわれないサービスで、通常、Webサービス・ブローカに登録されています。使用するWebサービスを検索するには、Webサービスを記述し、コール可能なメソッド、必要なパラメータおよび戻されたデータの記述などを指定するWebサービス記述言語(WSDL)ファイルへのURLを取得する必要があります。
OmniPortletは、ドキュメントとRPC(リモート・プロシージャ・コール)の2つのタイプのWebサービスをサポートしています。指定したWSDLドキュメント/ファイルは解析され、コールできる使用可能なメソッドが「ソース」タブに表示されます。
XMLデータソースと同様に、OmniPortletではROWSET/ROW形式のWebサービス・データが必要です。ただし、データは、XSLファイルを使用して変換することもできます。OmniPortletは、WSDLドキュメント/ファイルを確認して列名を決定します。ただし、XMLスキーマを指定して、戻されたデータ・セットを記述することもできます。
図3-9にWebサービスの「ソース」タブを示します。
OmniPortletでは、既存のWebコンテンツをデータのソースとして使用し、情報をポータルに公開できます。クリップされたWebコンテンツはデータソースとして提供され、レンダリングされます。
Webページ・データソースでは、スクレイプ機能を組み込むために、Webクリッピング・ポートレットが提供する範囲が拡張されます。次の機能もサポートしています。
様々なログイン・メカニズムを介したナビゲーション。これには、フォーム・ベースとJavaScriptベースの送信、およびCookieベースのセッション管理を使用したHTTPのBasic認証とDigest認証が含まれます。
クリッピングのファジー・マッチング。ソース・ページ内部でWebクリッピングの順序が変更されたり、文字のフォント、サイズまたはスタイルが変更された場合でも、Webページ・データソースでは正確に識別され、ポートレット・コンテンツとして配信されます。
広範囲なWebコンテンツの再利用。これには、HTTPのGETとPOST(フォーム送信)を使用して取得された、HTML 4.0.1やJavaScriptで作成されたページの基本サポートが含まれます。
すべてのWebクリッピング定義は、Oracle Fusion Middlewareインフラストラクチャ・データベースまたは別のOracleデータベースに永続的に格納されます。パスワードなどの保護情報は、Oracle Databaseの暗号化テクノロジを使用し、Data Encryption Standard(DES)に基づいて暗号化されたフォームで格納されます。
OmniPortletウィザードの「ソース」タブ(図3-10)では、「Webページの選択」ボタンをクリックしてWebクリッピング・スタジオを起動できます。Webクリッピング・スタジオが起動すると、Oracle Fusion Middleware Web Clippingのオンライン・ヘルプを参照できます。
データソースを選択し、データソース・オプションを指定した後は、OmniPortletのフィルタリング・オプションを使用してデータをさらに絞り込むことができます。フィルタリングを効率的に使用するには、「ソース」タブのデータソース・レベルで可能なかぎりデータを絞り込んでから、「フィルタ」タブのオプションを使用してデータを簡素化することをお薦めします。たとえば、SQLデータソースを使用している場合は、WHERE句を使用して指定の列から特定のデータのみを戻すことができます。この場合は、「フィルタ」タブをスキップして、ウィザードの「表示」ページに進むことができます。ただし、データソース・レベルにフィルタリング・オプションがない場合は、「フィルタ」タブのオプションを使用してデータをソートできます(図3-11)。
データの指定とソートが完了すると、OmniPortletに対して表示オプションとレイアウトを選択できます。「表示」タブ(図3-12)ではヘッダーとフッターのテキストを追加し、「レイアウト」タブで後で調整できるレイアウト・スタイルを選択し、キャッシュを有効にできます。次のレイアウトから選択できます。
表
チャート
ニュース
箇条書き
フォーム
HTML
注意: OmniPortletで使用できる様々なレイアウト・スタイルの詳細は、次の項を参照するかまたはOmniPortletウィザードのページの右上隅にある「ヘルプ」をクリックしてください。 |
「レイアウト」タブは、「表示」タブで選択したレイアウト・スタイルによって変わります。このタブでは、ポートレットの外観をさらにパーソナライズできます。たとえば、OmniPortletはチャート・レイアウトのドリルダウン・ハイパーリンクをサポートしています。つまり、ユーザーがチャートの特定部分をクリックすると操作(別のURLへのジャンプなど)が実行されるように、チャートを設定できます。
他のレイアウト・スタイルの場合は、それぞれの列が特定の形式(プレーン・テキスト、HTML、イメージ、ボタンまたはフィールドなど)で表示されるように定義できます。たとえば、イメージへのURLを含むデータソースを選択したとします。このイメージを表示するには、この列の表示に対して「イメージ」を選択できます。それぞれの列も、チャートのハイパーリンクの動作と同じように、操作にマップできます。
OmniPortletで使用できるレイアウト・スタイルは、次のとおりです。
「表示」タブで選択した表スタイルは、「レイアウト」タブで調整できます(図3-13)。通常、データの1つ以上の列を表に表示する場合は、表レイアウトを使用します。「プレーン」を選択すると、表のすべての行が背景色なしで表示されます。「代替」を選択すると、表の行の1行おきに背景色が表示されます。
注意: ポータル・ページ・スタイルによりポートレットの背景色を制御できます。ポータル・ページ・スタイルの使用方法の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Portalユーザーズ・ガイド』を参照してください。 |
「列のレイアウト」セクションでは、ポートレットに表示するデータの列を選択し、次にそのデータの表示形式を選択できます。このセクションでは、ハイパーリンクを表示する列を設定できます。これによって、ユーザーが表内でその列をクリックすると、2番目のWebページが表示されます。2番目のWebページを新しいウィンドウに表示するかどうかを指定することもできます。図3-14は、表形式を使用したOmniPortletの例を示しています。
注意: OmniPortletウィザードの使用方法は、「レイアウト」タブの右上隅にある「ヘルプ」リンクをクリックしてください。 |
チャート・レイアウトを使用すると、データを棒、円または折れ線のグラフで表示できます。「レイアウト」タブ(図3-15)で、チャート・スタイルと列のレイアウトを選択します。列のレイアウトを選択した場合は、ラベルの基となるグループまたは列を選択できます。カテゴリはチャートの凡例の作成に使用する値を定義し、値はチャート内の棒、線またはスライスの相対サイズを決定します。チャートの各セクションがハイパーリンクを指すかどうか、およびターゲットの情報を新しいウィンドウに表示するかどうかも選択できます。図3-16は、円グラフ・レイアウト用の「レイアウト」タブの例を示しています。
注意: チャート内の情報をグループ化するには、データ・レベル(SQL問合せ文など)で情報をグループ化する必要があります。また、データソースの数値に、書式設定された文字列、カンマまたは通貨が含まれている場合(たとえば$32,789.00)、その内容はテキストとみなされ、チャートの生成時に無視されます。数値として正しく読み取られるようにするには、これらの書式設定文字を削除する必要があります。 |
棒、スライスまたは線のそれぞれが別のWebページにリンクするように、チャートのハイパーリンクを定義することもできます。たとえば、ポータル・ページにチャート・ポートレットとレポート・ポートレットを表示し、次に、チャートのハイパーリンクを設定して、選択したデータに関する詳細な情報を表示するレポートの行を表示できます。
図3-17は、円グラフの例です。グラフの下に、凡例で使用されているカテゴリ「部門名」が表示されています。
ニュース・レイアウトを使用すると、各記事へのリンクを、簡単な説明付きで表示できます。このレイアウトを使用して、ポータル・ページにRDF(Resource Description Framework)やRSS(RDF Site Summary)などの標準XML形式で情報を公開できます。「列のレイアウト」セクション(図3-18)では、ポートレットの最上部に表示するヘッダーを追加できます。ロゴも追加できます。また、スクロール・レイアウトを使用すると、ユーザーは垂直に移動するポートレットにすべての情報を表示できます。ユーザーがポートレットの特定のデータをクリックすると別のWebページが表示されるように、URLも入力できます。2番目のWebページを新しいウィンドウに表示するかどうかを指定することもできます。
図3-19は、ニュース・レイアウトを使用したOmniPortletの例を示しています。
注意: OmniPortletのニュース・レイアウトのスクロール・タイプは、Microsoft Internet ExplorerとNetscape 7.0でサポートされています。 |
注意: OmniPortletウィザードの使用方法は、「レイアウト」タブの右上隅にある「ヘルプ」リンクをクリックしてください。 |
箇条書きレイアウトを使用すると、箇条書きリストのデータを表示できます。「レイアウト」タブ(図3-20)には様々な箇条書きスタイルと番号付き箇条書きスタイルが用意されています。「列のレイアウト」セクションでは、ポートレットでの列の表示方法とユーザーが列をクリックしたときに2番目のWebページを表示するかどうかも選択できます。2番目のWebページを新しいウィンドウに表示するかどうかを指定することもできます。
図3-21は、箇条書きレイアウトを使用したOmniPortletの例を示しています。
注意: OmniPortletウィザードの使用方法は、「レイアウト」タブの右上隅にある「ヘルプ」リンクをクリックしてください。 |
フォーム・レイアウト(図3-22)は、Name: <name>のように、フォーム内にラベルまたはデフォルト値として表示するデータがある場合に使用できます。この場合は、ポートレット・パラメータとイベントを使用して、選択した行にデータを渡すことができます。
ターゲットのURLを新しいウィンドウに表示するかどうかを指定することもできます(図3-23)。図3-24は、フォーム・レイアウトを使用したOmniPortletの例を示しています。
注意: OmniPortletウィザードの使用方法は、「レイアウト」タブの右上隅にある「ヘルプ」リンクをクリックしてください。 |
HTMLレイアウトを使用して、カスタマイズされたルック・アンド・フィールをポートレットに作成できます。これには、組込みHTMLレイアウトを選択してそのコードを変更するか、または新規レイアウトをスクラッチから作成するかのいずれかを選択します。選択されたデータソースを基にOmniPortletが取得したデータ列に基づいて、独自のHTMLまたはJavaScriptをハンドコードできます(図3-25)。独自のHTMLおよびJavaScriptをコーディングすることで、ポートレットについて外観の詳細の変更やリッチ・インタフェースの開発を行うことができます。HTMLレイアウトでJavaScriptを使用する例の場合、このタブにある「クイック・スタート」リストから「ソート可能表」レイアウトを選択します。
図3-26は、HTMLレイアウトを使用したOmniPortletの例を示しています。
OmniPortletを作成してポータル・ページに戻った後でポートレットのオプションを変更する必要が生じた場合は、「デフォルトの編集」アイコンをクリックします。デフォルト編集モードでは、OmniPortletウィザードの様々なステップ(「タイプ」ステップを除く)に対応したタブが表示されるので、このタブから直接様々なオプションにアクセスできます。また、この他のタブとして「イベント」があります。このタブについては次の項で説明します。
OmniPortletをデフォルト編集モードで編集する際には、次の事項に注意してください。
新しいモード「none」は、ロケール・カスタマイズ・レベルのOmniPortletおよびシンプル・パラメータ・フォームに対するデフォルト設定です。このモードは、デフォルト編集モードでポートレットのデフォルトを編集すると、現行のOracle Portalセッションの言語およびブラウザのロケールに関係なく、変更内容がすべてのユーザーに適用されることを意味します。これらの設定の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Portal管理者ガイド』を参照してください。
ポートレットは、ポートレット上の「パーソナライズ」リンクをクリックして実行時にパーソナライズできます。ポートレットをパーソナライズすると、パーソナライズされたオブジェクトの完全なコピーが作成されます。すべてのプロパティが複製されるため、その後の「デフォルトの編集」を使用したポートレットの変更は、パーソナライズされたポートレットには反映されません。最新の変更内容がポートレットに反映されるようにするには、デフォルトの編集ウィザードを使用して変更した後に「パーソナライズ」を再度クリックし、「デフォルトに戻す」オプションを選択する必要があります。
デフォルトでは、OmniPortletプロバイダはパーソナライズされたオブジェクトを格納するのにファイルベースのプリファレンス・ストアを使用します。このストアは、中間層のファイル・システム内にオブジェクトを格納します。OmniPortletを複数の中間層の環境にデプロイする場合は、データベース・プリファレンス・ストア(DBPreferenceStore)のような共有プリファレンス・ストアを使用する必要があります。共有プリファレンス・ストアを使用するには、次のどちらかを選択します。
とりあえずファイルベースのプリファレンス・ストアを使用しておき、後でPDKプリファレンス・ストア移行ユーティリティを使用してデータベース・プリファレンス・ストアに移行します。
OmniPortletをDBPreferenceStoreを使用するように構成し、『Oracle Fusion Middleware Oracle Portal管理者ガイド』のPortalツールとWebプロバイダを構成する手順に従います。
OmniPortletウィザードのデフォルト編集モードの「イベント」タブ(図3-27)では、「ソース」タブで選択したポートレット・パラメータに基づいてイベント・パラメータを指定できます。
デフォルト設定では、OmniPortletは最大5つのパラメータを受信し、最大3つのイベントを起動できます。各イベントは1つ以上のパラメータを送信できます。たとえば、1つの部門の複数の従業員を表示するチャートを設定できます。ユーザーがチャートの一部(部門名など)をクリックすると、イベントが起動し、ページにパラメータが送信されます。次に、ページから、そのページ上の従業員に関する情報を表示するすべてのポートレットにパラメータが渡されます。その結果、ページ上のすべてのポートレットに、選択した部門の従業員に関する情報が表示されます。
注意: OmniPortletでパラメータとイベントを使用する方法は、第4章「OmniPortletを使用したポートレットの構築例」の手順に従ってください。provider.xml ファイルに慣れている場合は、このファイルを編集してパラメータとイベントを追加できます。 |
パラメータとイベントを設定するには、最初に、それらを受け入れるページ・グループを有効にしておく必要があります。Oracle Portalでは、パラメータとイベントはデフォルトで有効になっています。したがって、各ポートレットを設定して、必要なパラメータを受け入れ、必要なイベントを起動します。ポートレット・パラメータを設定した後は、ページ・レベルのパラメータとイベントを設定して、複数のポートレットをまとめてリンクできます。
デフォルト設定では、1つのOmniPortletに対して最大5つのポートレット・パラメータを定義できます。次の場所でパラメータを定義できます。
OmniPortletを定義するときに、ウィザードの「ソース」タブで指定
OmniPortletに対する「デフォルトの編集」を選択するときに、「ソース」タブで指定
図3-28は、「ソース」タブの「ポートレット・パラメータ」セクションを示しています。
パラメータ値によってポートレットに表示されるデータが決定されます。また、パラメータを使用してURLに値を渡したり、ポートレット・テキストに値を埋め込むことができます。
注意: ポートレット・パラメータの詳細は、オンライン・ヘルプを参照してください。オンライン・ヘルプにアクセスするには、OmniPortletウィザードの「ソース」タブにある「ヘルプ」リンクをクリックします。このオンライン・ヘルプでは、ポートレット・パラメータの詳細とOmniPortletへの設定方法を説明しています。『Oracle Fusion Middleware Oracle Portalユーザーズ・ガイド』も参照してください。 |
各OmniPortletは、最大3つのイベントを起動するように設定できます。各イベントは最大3つのパラメータを渡すことができます。それぞれのパラメータは、Param1などのポートレット・パラメータやDepartment_Noなどのデータソース列の場合があります。イベントは、OmniPortletのデフォルト編集モードのときに「イベント」タブで設定します(図3-29)。