Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic Server JMSのプログラミング 11g リリース1(10.3.4) B61629-02 |
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この項では、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server JMSのプログラミング』の内容と構成について説明します。
このドキュメントは、WebLogic Server Java Message Service (JMS)を利用したアプリケーションを開発および構成するソフトウェア開発者を対象としています。また、WebLogic Serverを評価するビジネス・アナリストや、特定のアプリケーション用にWebLogic Server JMSの使用を考えているシステム設計者にとって便利な情報も掲載しています。
このドキュメントのトピックでは、ソフトウェア・プロジェクトの設計および開発段階に関連する情報を提供します。また、プロジェクトのテストおよび本番前の段階で見つかるアプリケーションの問題を解決するうえで便利なトピックもあります。
このドキュメントでは、本番段階でのJMSの管理、モニター、パフォーマンス・チューニングについては扱いません。これらのトピックに関するWebLogic Serverのドキュメントとリソースへのリンクについては、「関連ドキュメント」を参照してください。
このドキュメントは、Java EEおよびJMSの概念に精通している読者を対象としています。このドキュメントでは、WebLogic Server JMSが提供する付加価値機能と、JMSアプリケーションを実行するWebLogic Server機能の使い方に関する主要な情報が重点的に扱われています。
この章第1章「概要およびロードマップ」では、このガイドの構成について説明します。
第2章「WebLogic JMSについて」では、Java Message Serviceの概要を説明します。また、WebLogic JMSコンポーネントと機能についても説明します。
第3章「アプリケーション設計のベスト・プラクティス」では、WebLogic Server JMSの設計オプション、設計のプロセスで検討するアプリケーションの動作、および推奨される設計パターンについて説明します。
第4章「WebLogic JMSをEJBやサーブレットと組み合せて使用するために拡張されたサポート」では、WebLogic JMSをJava EEコンポーネント(エンタープライズJava Bean、サーブレットなど)と組み合せて使用するのを容易にする最良の方法について説明します。
第5章「基本的なJMSアプリケーションの開発」では、WebLogic JMSアプリケーションを開発する方法について説明します。
第6章「アプリケーションの管理」では、WebLogic JMSの付加価値機能を使用してJMSアプリケーションをプログラム的に管理する方法について説明します。
第7章「JMSモジュール・ヘルパーを使用したアプリケーションの管理」では、JMSサーバー、ストア・アンド・フォワード・エージェント、およびJMSシステム・リソースをプログラム的に作成および管理する方法について説明します。
第8章「WebLogic JMSでのマルチキャストの使い方」では、マルチキャストを使用して、指定したホストのグループへのメッセージ配信を有効にする方法について説明します。マルチキャストで配信されたメッセージは、その後サブスクライバに転送されます。
第9章「分散宛先の使用」では、WebLogic JMSで分散宛先を使用する方法について説明します。
第10章「メッセージ順序単位の使用」では、メッセージ順序単位を使用して、WebLogic JMSキューの使用時に厳格なメッセージ順序を提供する方法について説明します。
第11章「作業単位メッセージ・グループの使用」では、作業単位メッセージ・グループを使用して、WebLogic JMSの使用時にメッセージのグループを提供する方法について説明します。
第12章「WebLogic JMSによるトランザクションの使い方」では、WebLogic JMSでトランザクションを使用する方法について説明します。
第13章「拡張パブリッシュ/サブスクライブ・アプリケーションの開発」では、高可用性アプリケーションの設計に必要な共通分散トピック(UDT)の機能および詳細概念について説明しています。
第14章「サーバー障害からの回復」では、サーバーで障害が発生した場合にJMSアプリケーションを正常に終了させる方法、およびサーバーで障害が発生した後にJMSデータを移行する方法について説明します。
第15章「WebLogic JMS C API」では、WebLogic JMSと相互運用するCプログラムを開発する方法について説明します。
付録A「非推奨となったWebLogic JMS機能」では、このリリースのWebLogic Serverで非推奨になった機能について説明します。
付録B「FAQ :リモートJMSプロバイダの統合」では、WebLogic ServerをリモートJMSプロバイダと統合する方法に関するよくある質問とその回答を紹介します。
付録C「宛先のルックアップ方法」では、宛先をルックアップするために使用できる方法の概要について説明します。
付録D「JMS宛先の可用性ヘルパーAPIを使用した分散宛先に関する拡張プログラミング」が宛先が使用可能または使用不可になったときに通知を受信する手段を提供します。
このドキュメントには、JMS固有の設計および開発上の情報が含まれています。
WebLogic Serverアプリケーションを開発、デプロイ、およびモニターするための包括的なガイドラインについては、以下のドキュメントを参照してください。
『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server JMSの構成と管理』。JMSリソースの構成と管理に関する情報が記載されています。
『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverストア・アンド・フォワードの構成と管理』。WebLogic JMSとストア・アンド・フォワード・サービスの利点および用法に関する情報が記載されています。
「WebLogic永続ストアの使い方」。システム・レベルの永続ストアの利点と使い方に関する情報が記載されています。
『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverへのアプリケーションのデプロイ』。WebLogic Serverアプリケーションのデプロイメントについての主要な情報源です。
このドキュメントの他にも、様々なサンプル・コードやチュートリアルがJMS開発者向けに用意されています。サンプルとチュートリアルではWebLogic Server JMSの動作が例示され、主要なJMS開発タスクを実行する実際的な手順が示されています。
独自のJMSアプリケーションを開発する前に、まずJMSサンプルの一部またはすべてを実行することをお薦めします。
MedRecはWebLogic Serverに付属したエンドツーエンドのサンプルJava EEアプリケーションであり、一元的で独立した医療記録管理システムをシミュレートします。MedRecアプリケーションには、患者、医師、および管理者に対して、様々なクライアントを使用して患者のデータを管理するフレームワークが用意されています。
MedRecはWebLogic ServerとJava EEの機能を例示し、Oracle推奨のベスト・プラクティスを重要点として示します。MedRecはWebLogic Server配布キットに含まれており、Windowsマシンの「スタート」メニューからアクセスできます。Linuxなどのプラットフォームでは、WL_HOME
\samples\domains\medrec
ディレクトリからMedRecを起動します。WL_HOME
は、WebLogic Platformの最上位インストール・ディレクトリです。
MedRecには、Webアプリケーション、Webサービス、ワークフロー・アプリケーション、および将来のクライアント・アプリケーションからのリクエストを連携して処理する複数のエンタープライズJava Bean (EJB)で主に構成されるサービス層があります。このアプリケーションには、メッセージドリブンEJB、ステートレス・セッションEJB、ステートフル・セッションEJB、およびエンティティEJBが含まれます。
このリリースには、次の新しい機能と変更された機能が含まれています。
重み設定された分散宛先は、WebLogic Server 10.3.4.0では非推奨です。共通分散宛先を使用することをお薦めします。
高可用性アプリケーションの設計に必要な、高度なWebLogic JMSのパブリッシュとサブスクライブ(pub/sub)の概念および共通分散トピック(UDT)の機能。「拡張パブリッシュ/サブスクライブ・アプリケーションの開発」を参照してください。
JMSDestinationAvailabilityHelper APIが宛先が使用可能または使用不可になったときに通知を受信する手段を提供します。これらのAPIは、高度な使用事例のみを対象としています。このヘルパーは、WebLogic分散コンシューマの問題を解決する手段が他にない場合にのみ使用してください。『Oracle WebLogic Server JMSのプログラミング』の分散キューでのJMS宛先可用性ヘルパーAPIの使用に関する項を参照してください。
WebLogic Serverのこのリリースに追加された新機能の一覧については、『Oracle WebLogic Serverの新機能』を参照してください。