1 このチュートリアルの使用方法

この章では、このチュートリアルを使用する前に知っておく必要がある情報を説明します。

1.1 使用目的

このチュートリアルは、次のいずれかの目的で使用するように設計されています。

Oracle Fail Safeを使用して同一の高い可用性を持つようにリソース(単一インスタンス・データベースなど)を構成する場合に必要な手順の概要
Oracle Fail Safe Managerの使用方法の手順の概要

チュートリアルをこの目的で使用する場合は、まずクラスタ管理者にクラスタ上で仮想アドレス用に使用できるIPアドレスを最低5つ依頼してください。また、レッスンに順番どおり従うことをお薦めします。

このチュートリアルでは、高い可用性を持つようにリソースを構成する基本手順が示されます。高可用性の概念についての詳しい説明はありません。このチュートリアルを使用する際は、『Oracle Fail Safe概要および管理ガイド』を参照すると役立つ場合があります。

このチュートリアルは、2ノード・クラスタで実行するように設計されています。

HTMLバージョンのチュートリアルをナビゲートするには、左矢印と右矢印を使用して各レッスンを前後に移動します。「目次」リンクをクリックするといつでも目次に戻ります。「製品」リンクをクリックすると、他のOracle Fail Safeドキュメントにアクセスできます。

このチュートリアルでは、次の用語が頻繁に使用されます。

クラスタ: 単一の仮想システムとして稼働する、独立したコンピューティング・システムのグループ。
フェイルオーバー: クラスタ・リソースをあるノードでオフラインにし、別のノードでオンラインに戻す処理。計画的(アップグレードまたはメンテナンス)または計画外(システム障害)のいずれかで処理できます。
グループ: フェイルオーバーの最小単位を形成するクラスタ・リソースの論理的な集合。フェイルオーバー状況では、グループがフェイルオーバー・ノードへ移行します。グループは、どの時点でも1つのクラスタ・ノードにのみ存在します。より新しいバージョンのフェイルオーバー・クラスタでは、グループはサービスまたはアプリケーションと呼ばれます。
リソース: コンピューティング・システムで使用できる物理コンポーネントまたは論理コンポーネント。ディスク、ネットワークIPアドレス、Forms Server、Reports Server、およびWebサーバーなどがリソースです。
仮想アドレス: ネットワーク・アドレスの1つ。リソースのホストであるハードウェア・サーバーに依存せずに、このアドレスでグループのリソースにアクセスできます。
仮想サーバー: 1つ以上の仮想アドレスを持つグループ。