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Oracle® Real User Experience Insightユーザーズ・ガイド
リリース11.1 for Linux x86-64
B63041-01
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P 監視対象ネットワーク・トラフィックの確認

この付録では、TCP診断機能を使用して、目的のすべてのネットワーク・トラフィックをRUEIが認識していることを確認する方法を説明します。ネットワークが変更された後には、収集したネットワーク・トラフィックを組織のネットワーク・エンジニアが検証することを強くお薦めします。

P.1 概要

TCP診断ユーティリティでは、選択したコレクタが認識するネットワーク・トラフィックの1分間のスナップショットを作成できます。このスナップショットを使用すると、予期していたトラフィック・フローとの差がないかどうかを判別できます。たとえば、構成されていないポート番号や、間違って指定されたVLAN IDが存在する場合があります。

TCPトラフィックは、ポート番号とVLAN IDだけではなく、クライアントとサーバーのIPアドレスおよびMACアドレスについても分析できます。ネットワーク・トラフィック情報に関する各スナップショットの有効範囲を図P-1に示します。

図P-1 ネットワーク・トポロジの例

図P-1の説明が続きます
「図P-1 ネットワーク・トポロジの例」の説明

P.2 トラフィックのスナップショットの作成

TCPトラフィックのスナップショットを作成する手順は、次のとおりです。

  1. 「Configuration」機能で「Show Collector status」アイコンをクリックします。または、「System」「Status」「Collector status」の順に選択します。図P-2に示すNetwork data Collectorsウィンドウが開きます。この詳細は、Oracle Real User Experienceユーザーズ・ガイドに記載されています。

    図P-2 Network Data Collectors

    図P-2の説明が続きます
    「図P-2 Network Data Collectors」の説明

  2. 目的のコレクタをクリックします。「System (localhost)」項目は、レポータ・システムで実行されているコレクタ・インスタンスを表します。ネットワーク内の他のコレクタは、IPアドレスによって示されます。

  3. 「TCP diagnostics」タブをクリックします。例P-0に示すようなパネルが表示されます。

    図P-3 Collector statisticsウィンドウ

    図P-3の説明が続きます
    「図P-3 Collector Statisticsウィンドウ」の説明

  4. ツールバーの「New snapshot」アイコンをクリックします。図P-4に示すダイアログが表示されます。

    図P-4 「New TCP Traffic Snapshot」ダイアログ

    図P-4の説明が続きます
    「図P-4 「New TCP Traffic Snapshot」ダイアログ」の説明

  5. 「Apply filters」チェック・ボックスを使用して、トラフィックのスナップショットを作成するときに、選択したコレクタで認識されるすべてのトラフィックをレポートするか、コレクタで現在定義済のフィルタに合うトラフィックのみをレポートするかを指定します(13.3項「ネットワーク・フィルタの定義」を参照)。これらのフィルタはダイアログの下半分に表示されます。ツールバーの「View snapshot filters」アイコンをクリックして表示することもできます。次に、「Create snapshot」をクリックします。


    注意:

    RUEIインストールのすべてのコレクタ・システムにおけるトラフィック・スナップショットの最大数は15です。この最大数に到達すると、一番古いスナップショットが新たに作成されるスナップショットで自動的に置き換えられます。

  6. スナップショットが作成されるときに1分間の遅延があります。完了すると、新たに作成されたスナップショットの概要が表示されます。例を図P-5に示します。

    図P-5 TCPトラフィック・スナップショットの概要

    図P-5の説明が続きます
    「図P-5 TCPトラフィック・スナップショットの概要」の説明

P.3 トラフィック情報の分析

作成されたトラフィック・スナップショットを分析する手順は、次のとおりです。

  1. 目的のスナップショットをスナップショットのメニューから選択するか、TCP診断のメイン・パネル(図P-3を参照)でクリックします。フィルタを適用して作成したスナップショットは、「Filtered」列にチェック・マークが表示されます。チェック・マークをクリックすると適用されたフィルタを表示できます。

  2. (図P-5に示すような)選択したスナップショットの概要が表示されます。選択できる項目をクリックすると、その項目についてフィルタリングできることに注意してください。たとえば、レポートされる項目のリストを、特定のサーバーIPアドレスを含むものに限定する必要がある場合などです。フィルタを削除するには、パネルのフィルタ・セクションでフィルタの横の「Remove」アイコンをクリックします。

    オプションとして、スナップショット・メニューの右側のソート・メニュー(図P-6を参照)を使用して、表示される項目で使用される第1列を選択します。

    図P-6 ソート・メニュー

    図P-6の説明が続きます
    「図P-6 ソート・メニュー」の説明

  3. 図P-5に表示される「Status」列に、スナップショットの際に監視対象のTCPトラフィックに問題が存在していたかどうかが示されます。失敗ステータスがレポートされている場合は、「status」アイコンにマウスを置くと追加情報が表示されます。識別される可能性がある問題を表P-1に示します。

    表P-1 問題および考えられる原因の識別

    ステータス 説明

    Client/server packet ratio is too high.

    クライアント・パケット数がサーバー・パケット数に対して異常に多いように思われます。これは、コレクタがトラフィックの両方の方向を確認できない(または一方向で重複したトラフィックを認識している)ことを意味します。または、サーバーに関連する問題(たとえば、オフされている)があることを示します。

    Server/client packet ratio is too high.

    サーバー・パケット数がクライアント・パケット数に対して常に多いように思われます。これは、コレクタがトラフィックの両方の方向を確認できない(または一方向で重複したトラフィックを確認している)ことを意味します。または、クライアントに関連する問題(たとえば、認識されないサーバー・パケット)があることを示します。

    Insufficient number of server and client packets for analysis.

    信頼のおけるクライアントとサーバーの比率分析を実行するにはトラフィック(TCPパケット)が十分ではありませんでした。少なくとも100パケットが必要です。サーバーへの通常のトラフィック・レベルが低い可能性があります。または、RUEIでのルーティングの問題のため、ネットワーク・トラフィックの一部分を認識できない可能性もあります。

    Server VLAN ID does not match client VLAN ID.

    これは通常はルーティングの問題を示します。たとえば、クライアントからサーバーへのトラフィックがあるVLANを介してルーティングされるが、サーバーからクライアントへのトラフィックは別のVLANを介してルーティングされます。RUEIで一度に監視できるトラフィックは、1つのVLANセグメントのみであることに注意してください。