リファレンス・ガイド

     前  次    新規ウィンドウで目次を開く    PDFとして表示 - 新規ウィンドウ  Adobe Readerを取得 - 新規ウィンドウ
コンテンツはここから始まります

セキュリティ構成

 


セキュリティ構成

認証構成

CICSには、認証目的の2つのシステム・トランザクションがあります。

ARTTCPは、Tuxedoのセキュリティ・メカニズムを活用する、類似した認証関数を実装します。2つのTuxedoシステム・サービスCESNとCESFがCICS Runtimeによって提供され、CICSにおけるCESNトランザクションとCESFトランザクションをエミュレートします。

ターミナルがARTTCPに接続すると、ARTTCPは3270セッションを作成し、そのセッションがTuxedoをデフォルトのセキュリティ・プロファイルに結合します。デフォルトのセキュリティ・プロファイルで定義されるユーザー名は、CICSのデフォルト・ユーザーCICSUSERと類似したロールを持っています。認証プロセスは次のとおりです。

  1. オペレータが、Tuxedo CICS Runtime Runtimeにサインオンするために、CESNトランザクションを呼び出します。
  2. CESNは、サインオンMAPを送信して、ユーザー名とパスワードを問い合わせます。
  3. ユーザー名とパスワードが、ターミナルから入力されます。
  4. ARTTCPが、ターミナルから入力されたユーザー名とパスワードを使用してTuxedoを再結合します。
  5. 認証結果に応じて、次のケースに分かれます:
    • 成功した場合、成功メッセージがターミナルに戻されます。
    • 失敗した場合、エラー・メッセージがターミナルに戻されます。
  6. 操作を完了すると、オペレータはサービスCESFを呼び出して、Tuxedo CICS Runtime Runtimeからサインオフします。

Tuxedoのセキュリティ・メカニズム

ARTTCPは、アプリケーション・パスワード(APP_PW)、ユーザー・レベル認証(USER_AUTH)、およびアクセス制御リスト(ACLおよびMANDATORY_ACL)の3種類のTuxedoセキュリティ・メカニズムをサポートしています。

アプリケーション・パスワード・セキュリティ・メカニズムは、あらゆるクライアントが、Tuxedo ATMIアプリケーションを接続するプロセス中でアプリケーション・パスワードを提供することを要求します。管理者は、Tuxedo ATMIアプリケーション全体に対して単一のパスワードを定義し、認可されたユーザーにのみパスワードを提供します。Tuxedoアプリケーション・パスワードを構成する方法の詳細情報は、Tuxedoのドキュメントを参照してください。

ユーザー・レベル認証セキュリティ・メカニズムでは、アプリケーション・パスワードに加え、各クライアントが有効なユーザー名とパスワードを指定しないとTuxedo ATMIアプリケーションを結合できないことが要求されます。ユーザーごとのパスワードは、tpusrという名前のファイルに格納されたユーザー名に関連付けられているパスワードと一致する必要があります。クライアント名は、使用されません。tpusrのパスワードおよびユーザー名に対するユーザーごとのパスワードの照合は、Tuxedo認証サーバーAUTHSVRによって提供される、Tuxedo認証サービスAUTHSVCによって行われます。Tuxedoユーザー・レベル認証を構成する方法の詳細情報は、Tuxedoのドキュメントを参照してください。

Tuxedoセキュリティが有効になっている場合、CESNサービスを呼び出す前にユーザーがTuxedoドメインを結合するために、デフォルト・セキュリティ・プロファイル(デフォルトのUSER_AUTHユーザー名およびパスワードや、APP_PWパスワードを含む)が要求されます。デフォルトのセキュリティ・プロファイルを生成するために、セキュリティ・プロファイル・ジェネレータ・ツールが導入されます。詳細は、「セキュリティ・プロファイル・ジェネレータ」を参照してください。

APP_PWの場合、Tuxedoアプリケーション・パスワードは、Tuxedoの構成内に作成する必要があります。

USER_AUTHの場合、Tuxedoアプリケーション・パスワード、Tuxedoユーザー名およびパスワードは、Tuxedoの構成内に作成する必要があります。

どちらの場合も、パスワード(およびUSER_AUTHのユーザー名)は、Tuxedo ARTTCPLサーバーのコマンド・ライン・オプション(-p profile-name)で指定されたデフォルトのセキュリティ・プロファイル・ファイル内で指定する必要があります。パスワード(およびUSER_AUTHのユーザー名)は、ARTTCPサーバーがTuxedoを結合するときに、tpinit()のパラメータとして使用されます。

外部セキュリティ・マネージャとの統合

CICS Runtimeにはセキュリティ・フレームワークが用意されているため、顧客は外部セキュリティ・マネージャとの統合を選択できます。Tuxedoアプリケーション・キー(appkey)は、外部セキュリティ・マネージャに渡される証明書として使用されます。appkeyは長さ32ビットで、Tuxedoユーザー識別子は低位17ビットにあり、Tuxedoグループ識別子は次の14ビットにあります(高位ビットは管理キー用に予約済)。詳細情報は、Tuxedoのドキュメントを参照してください。

認可関数は、統合チームによりカスタマイズできます。この関数は、指定されたリソースに対してリソース認可のチェックが必要になるごとに、CICS Runtimeによって呼び出されます。

常にOKステータスを戻すデフォルト関数が用意されています。ただし、トランザクション認可に加え、CICSリソース認可をアクティブにする必要があるプロジェクトの場合、統合チームがプロジェクト固有のバージョンに置換できます。

リスト8-1 COBOL CICSリソース認可インタフェース
       01 ret-code                   usage int.
       LINKAGE SECTION.
       01 AUTH-USERID             PIC X(30).
       01 AUTH-GROUPID            PIC X(256).
       01 AUTH-RSRCE-TYPE         PIC X(256).
       01 AUTH-RSRCE-NAME         PIC X(512).
       01 AUTH-ACCESS-TYPE        PIC X(6).
       PROCEDURE DIVISION USING LK-AUTH-USERID LK-AUTH-GROUPID
                                LK-AUTH-RSRCE-TYPE LK-AUTH-RSRCE-NAME
                                LK-AUTH-ACCESS-TYPE.
受入れ

AUTH-USERID
8文字制限のあるユーザーの接続名
AUTH-GROUPID
将来の拡張のために予約されています
AUTH-RSRCE-TYPE
確認されるリソースのタイプ(「コード化」を参照)。
AUTH-RSRCE-NAME
認可を確認する対象のリソースの名前
AUTH-ACCESS-TYPE
リソースの上でリクエストされているアクセスのタイプ(READ、ALTER、UPDATE)

戻り値

0
認可が承認された場合。
-1
認可が拒否されたか失敗した場合。

コード化

リソース・タイプは、ネイティブのCICS/RACF環境の場合と同様に、一時記憶域リソースにはXTST、ファイルにはXFCT……などのようにコード化されます。

詳細情報は、ネイティブのCICSドキュメントを参照してください。CICS Runtimeに付属するこの関数のデフォルト・バージョンは、常に0を戻します。

 


TDI_TRIGGERコマンド

概要

  TDI_TRIGGER -t Transaction_Name [-p <profile>];

パラメータ

Transaction_name

このサービスをトリガーするトランザクションはキューを空にする必要があります。

profile

認証用プロファイル・ファイルの名前。このファイルはgenappprofileで作成する必要があります。指定しない場合のデフォルトは~/.TDappProfileです。

 


セキュリティ・プロファイル・ジェネレータ

Tuxedoセキュリティが有効の場合、CESNサービスを呼び出す前にユーザーがTuxedoドメインを結合できるようにするには、APP_PWパスワードや、デフォルトのUSER_AUTHユーザー名およびパスワードが含まれるデフォルト・セキュリティ・プロファイルが必要です。

TCPのデフォルトのセキュリティ・プロファイルを生成するために、セキュリティ・プロファイル・ジェネレータ・ツールが導入されます。

genappprofile (1)

名前

genappprofile — セキュリティ・プロファイル・ジェネレータ

概要

genappprofile [-f <output_file>]

説明

このユーティリティは、Tuxedoアプリケーションのセキュリティ・プロファイルを生成します。このユーティリティが起動されると、Tuxedoアプリケーション・パスワード、ユーザー名およびユーザー・パスワードの入力を求められます。出力は、ユーザー名と暗号化されたパスワードを含むセキュリティ・プロファイル・ファイルです。生成されたセキュリティ・プロファイル・ファイルは、CICS Runtime ARTTCPLサーバーで、Tuxedoドメインにログインするために使用できます。

オプション

コマンド・オプションは次のとおりです。

[-f <output_file>]

生成されたセキュリティ・プロファイル・ファイルの場所。このオプションを指定しない場合のデフォルト値は~/.tuxAppProfileです。

  先頭に戻る       前  次