リファレンス・ガイド

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サーバーの構成

CICS Runtimeサーバー・リファレンス

一般的なTuxedoサーバー構成について

Tuxedo UBBCONFIG構成ファイルで構成されるすべてのTuxedoサーバーは、すべてのサーバーに共通な標準の引数を使用します。この柔軟性はCICS Runtimeサーバーの長所の1つです。

必須の引数は、SVRGRPSVRIDです。

MINMAXSEQUENCECONVなど、他の共通の引数も使用できます。

Tuxedoサーバー構成の用途に関する正確な情報については、Tuxedoのドキュメント(特にUBBCONFIG(5)のSERVERSの項)を参照してください。

これらのオプションの引数のうち、最も有用なものの1つが、CLOPT(Command Line OPTions)引数です。CLOPTオプションは、Tuxedoサーバーの起動時に渡されるコマンド・ライン・オプションの文字列です。

このコマンド・ライン・オプションは、次の2つの部分に分けられます。

標準の出力とエラーの宛先は特定のファイルです。

CLOPTの使用に関する正確な情報は、Tuxedoドキュメント、とりわけservoptsの項を参照してください。

CICS Runtime固有のサーバーの説明は、2つの必須のサーバー引数SVRGRP & SVRIDと、サーバー・タイプによりシステム的に具体的に必要とされる引数のみを含みます。

CLOPTでは、次の構文が使用されます。

CLOPT=”[servopts] – –  generic-CICS Runtime-options server-specific-options”

説明:

Servopts

servoptsで記述されるすべてのTuxedoサーバーに共通なオプションを表します。

generic-CICS Runtime-options

CICS Runtimeに固有だが、すべてのCICS Runtimeサーバーで使用できるオプションを表します。

server-specific-options

固有サーバーに固有のオプションを置きます。

CICSランタイム・サーバーの一般的なCLOPTオプション

この項では、すべてのKIDEDOサーバーに共通のオプションを説明します。これらのオプションについてドキュメント化しているのは、この項だけです。

特定の各サーバーの説明では、一般CICS Runtimeオプションと呼ばれます。

CICS SYSID引数

この引数は、CICSシステムの名前を定義します。

概要

-s TEST

説明

EXEC CICS ASSIGN SYSIDによってプログラムに戻された値を設定します。

文字、1-256, A-Za-z0-9[/:-]。

除外

このオプションは、ARTTCPLサーバーと接続サーバーには適用されません。

グループ引数のリスト

この引数は、リソースのロード時にこのサーバーで検討されるリソース・グループのリストを定義します。

概要
-l group1:group2:…:groupn
説明

リソース構成ファイルのグループは、10文字の文字列によって定義されます。サーバーは、これらのグループの1つに属するメモリー・リソースでのみロードします。

テスト・サーバーまたは一般サーバーのためのファシリティとして、– l ‘*’を使用することによりフィルタリングを削除し、サーバーが読み込んでいる構成ファイルで定義されているすべてのリソースを、サーバーがロードできるようにします。

除外

このオプションは、ARTTCPLサーバーと接続サーバーには適用されません。

 


CICS Runtimeサーバーの構成リファレンス

ARTTCPL/ARTTCPHの構成

サーバー名

ARTTCPL - ターミナル制御プログラム・リスナー。

概要
ARTTCPL SRVGRP="identifier" SRVID="number" CLOPT="[servopts options] -- -n netaddr -S ssladdr -L pnetaddr [-m minh] [-M maxh] [-x session-per-handler] [-p profile-name] [-z minencryptbits] [-Z maxencryptbits] [-D] [+H trace-level]”
説明

ターミナル制御プログラム(ARTTCP)は、3270ターミナル・エミュレータのCICS Runtimeへの接続を管理するTuxedoサーバーのグループです。プログラムを実行すると、ARTTCPはターミナル・エミュレータを、ARTTCPに割り当てられているネットワーク・ポートに接続します。ARTTCPは、Telnetプロトコルを使用してエミュレータと通信します。

ARTTCPサーバーは、単一のARTTCPリスナー(ARTTCPL)プロセスと1つ以上のARTTCPハンドラ(ARTTCPH)プロセスの、2つのタイプのサーバーで構成されます。ARTTCPLプロセスは、ターミナル・エミュレータが接続する可能性があるWell Knownリスニング・ポート・アドレスを確立します。ARTTCPHプロセスは、このポートでリスニングして、着信接続リクエストを受け入れます。ARTTCPHプロセスは、接続のためにユーザー・セッションを確立し、ターミナル・エミュレータのそれ以降のすべての画面I/Oを処理します。パフォーマンス拡張として、各ARTTCPHプロセスは、複数のセッションを同時に管理できます。ポートからエミュレータを切断すると、ARTTCPHはセッションを終了します。

パラメータ

次のCLOPT実行時パラメータが認識されます。

-n netaddr

このアドレスは、TN3270ターミナル・エミュレータがARTTCPLに接続する場所を指定します。アドレスは、標準インターネットURL書式の文字列です。例:
//computer:4000 は、マシン・コンピュータのポート4000を示します。 文字、1-256, A-Za-z0-9[/:-]。オプション-Sが指定されない場合、必須のオプション。

-S ssladdr

このアドレスは、TN3270ターミナル・エミュレータがARTTCPLにSSL経由で接続する場所を指定します。アドレスは、標準インターネットURL書式の文字列です。例:
//computer:5000 は、マシン・コンピュータのポート5000を示します。 文字、1-256, A-Za-z0-9[/:-]。オプション-nが指定されない場合、必須のオプション。 ARTTCPLは同じSSL関連の構成をTuxedoと共有するので、Tuxedo UBBCONFIG構成ファイルのRESOURCESセクションで、SEC_PRINCIPAL_NAMESEC_PRINCIPAL_LOCATIONSEC_PRINCIPAL_PASSVARの各属性を構成してください。詳細は、対応するTuxedoドキュメントを参照してください。

-L pnetaddr

このアドレスは、システムによって、ARTTCPLARTTCPHの間で内部的に使用されます。アドレスは、標準インターネットURL書式の文字列です。例:
//computer1:4001 は、マシン・コンピュータのポート4000を示します。 文字、1-256, A-Za-z0-9[/:-]。必須のオプション。

[-m minh]

ARTTCPLによって起動されるハンドラ・プロセス数の最小値。ハンドラ・プロセスの実際の数は、システム負荷に基づいて、常にminhとmaxhの間にあります。
数値、1 - 4096。デフォルト値は、1です。

[-M maxh]

ARTTCPLによって起動されるハンドラ・プロセス数の最大値。ハンドラ・プロセスの実際の数は、システム負荷に基づいて、常にminhとmaxhの間にあります。
数値、1 - 4096。デフォルト値は、4096です。

[-x session-per-handler]

ARTTCPHが同時に維持できるセッションの数。
数値、1 - 255。デフォルト値は、32です。

[-p profile-name]

デフォルトのセキュリティ・プロファイル・ファイル名。詳細は、「セキュリティ構成」を参照してください。
文字列。デフォルト値は~/tuxAppProfileです。

[-z minencryptbits]

TN3270ターミナル・エミュレータとARTTCPの間にネットワーク・リンクが確立される場合に必要とされる暗号化の最小レベル。0は暗号化なしを意味し、40、56、128および256が、暗号化キーの長さ(単位はビット)を示します。ここで指定する最小レベルの暗号化が満たされない場合、リンクの確立は失敗します。
数値。デフォルト値は、0です。-Sオプションが指定されない場合、このオプションは無視されます。

[-Z maxencryptbits]

TN3270ターミナル・エミュレータとARTTCPの間にネットワーク・リンクが確立される場合に必要とされる暗号化の最大レベル。0は暗号化なしを意味し、40、56、128および256が、暗号化キーの長さ(単位はビット)を示します。
数値。デフォルト値は、256です。-S オプションが指定されない場合、このオプションは無視されます。

[-D ]

デバッグを有効化します。

[+H trace-level]

トレース・レベルを指定します。
-1: トレースはオフ。 0: すべてのARTTCPHをトレース。 n (n>0):最初のn個のARTTCPHをトレース。
サンプル
*SERVERS ARTTCPL SRVGRP="TCPGRP" SRVID=1000 RESTART=Y GRACE=0
CLOPT="-- -n //hostname:4000 -L //hostname:4002 -m1 -M10 "

ARTSTRNの構成

サーバー名

ARTSTRN - 同期ターミナル指向のMAXACTIVE > 1のトランザクションのためのCICS Runtimeメイン・サーバー。

概要
ARTSTRN SRVGRP="identifier" SRVID="number" CONV=Y MIN=minn MAX=maxn RQADDR=queueaddr REPLYQ=Y CLOPT="[servopts] -- -s TEST-l grp1:group2"
説明

ARTSTRNサーバーはアプリケーション・トランザクションをTuxedoサービスとして提供し、トランザクション・リクエストを受信すると、対応するプログラムを実行します。

これらのサーバーは、真の対話型CICSトランザクションを管理するために、対話型になっています。

  1. 起動時に、ARTSTRNサーバーは、提供するトランザクション1つにつき1つのサービスを公開します。
  2. ユーザーがトランザクション・リクエストを送信する場合、そのユーザーを管理するARTTCPHは、対応するトランザクション(サービス)へのtpconnectを実行します。
  3. このサービスを提供する1台のARTSTRNサーバーは、関連付けられたcommareaと画面とともにリクエストを受信し、トランザクションを処理します。
  4. トランザクションを処理した後、ARTSTRNサーバーは次のように動作します。

tranclassに属さないか、maxactive >1であるtranclassに属しているトランザクションだけが、これらのサーバーにより通知されます。

パラメータ

CONV

一般パラメータCONVはこのサーバー・タイプでは必須で、ARTSTRNが対話型なので、CONV=Yとして定義される必要があります。

minn and maxn

それぞれ、この構成を持つサーバーが起動するときの、サーバー数の初期値と最大値を指定します。詳細は、TuxedoドキュメントのUBBCONFIGに関する項を参照してください。

CLOPTオプション

次のCLOPT 実行時パラメータが認識されます。

-s SystemID

必須のオプション、「CICS SYSIDの引数」を参照してください

-l GroupList

必須のオプション、「グループ引数のリスト」を参照してください
使用されている環境変数
サンプル
*SERVERS
ARTSTRN SRVGRP="TCPGRP" SRVID=1000 RESTART=Y GRACE=0
  CONV=Y MIN=2 MAX=3 RQADDR=QKIX1000 REPLYQ=Y
  CLOPT=" -- -s PROW -l group1:group2"

ARTSTR1の構成

サーバー名

ARTSTR1 - 同期ターミナル指向のMAXACTIVE = 1のトランザクションのためのCICS Runtimeメイン・サーバー。

概要
ARTSTR1 SRVGRP="identifier" SRVID="number" CONV=Y MIN=1 MAX=1 CLOPT="[servopts] -- -s TEST -l group1:group2,…"
説明

ARTSTRNサーバーがMAXACTIVE > 1のトランザクションだけを提供するのに対して、これらのサーバーは、MAXACTIVE = 1のトランザクションだけを提供することに特化したARTSTRNサーバーです。

サーバーのMINMAXの数が1に設定されていることは重要であり、起動時にSTR1サーバーにより検証されます。(MAXACTIVE = 1の)グループ内の1つのみのトランザクションの並列処理が、同一のトランザクションを提供する少数のサーバーを起動するか、Tuxedoにより起動させるという、これらのサーバーの目標は、STR1サーバーの場合、自己矛盾です。

MINMAXが1に設定されているので、Tuxedo引数RQADDRは不要であり、単純さを維持するため、使用しないでください。

残りの構成とSTR1サーバーの動作は、STRNサーバーと正確に同じです。

サンプル
*SERVERS
ARTSTR1 SRVGRP="TCPGRP" SRVID=1000 RESTART=Y GRACE=0
  CONV=Y MIN=1 MAX=1
  CLOPT=" -- -s PROW -l group1:group2"

ARTTSQの構成

サーバー名

ARTTSQ - CICS Runtime一時記憶域キュー・サーバー

概要
ARTTSQ SRVGRP="identifier" SRVID="number" MIN=1 MAX=1
        CLOPT"[servopts] -- -l grp1:group2"
説明

ARTTSQrは一時記憶域キューを管理し、EXEC CICS(WRITEQ TS、READQ TSおよびDELETEQ TS)が必要とする機能を提供します。

ARTTSQは、次の2つの主要な種類のサービスを公開します。

パラメータ

ARTTSQ

次のCLOPT実行時パラメータが認識されます。

[-l Group]

必須のオプション、詳細は「グループ引数のリスト」を参照してください

DBMS制約

SRVGRPは、TMSNAMEとOPENINFOが構成されているOracle Resource ManagerのあるTuxedoグループである必要があります。

サーバーが含まれるグループのOPENINFOで示されているDBMSユーザーは、直接(このスキーマで作成されるオブジェクト)、またはDBLINKを介して、TS_QCONTENT表にアクセスできる必要があります。

この既存の表では、選択、挿入、更新および削除権限を持っている必要があります。

Oracle用の表を作成するスクリプトは、以下にリストされています。

リスト6-1 TS_QCONTENTの作成
drop table TS_Q_CONTENT purge;
create table TS_Q_CONTENT
( TS_QUEUE   char(16) NOT NULL,
  TS_ITEM    number(8) NOT NULL,
  TS_LENGTH  number(8),
  TS_RAW     LONG RAW,
  primary key (TS_QUEUE, TS_ITEM)
); 

使用されている環境変数

サンプル

*SERVERS
ARTTSQ SRVGRP="GRP02" SRVID=30 RESTART=Y GRACE=0
        MIN=1 MAX=1 CLOPT=" -- -s PROW -l group1:group2"

ARTTDQの構成

サーバー名

ARTTDQ - CICS Runtime一時データ・キュー・サーバー

概要
ARTTDQ SRVGRP="identifier" SRVID="number" MIN=1 MAX=1
        CLOPT"[servopts] -- -s SYSID -l grp1:group2 -a APPLID"
説明

ARTTDQは一時データ記憶域キューを管理しますが、これはEXEC CICS(WRITEQ TD、READQ TDおよびDELETEQ TD)が必要とする機能を提供します。

ARTTDQは、宣言されたキューにつき1つのサービスを、「_TDQ」という接尾辞が付いたTDQueueの名前で公開します。

同じサービスを2回公開しないように、1つのリソースのグループは、単一のARTTDQサーバーに割り当てられる必要があります。これは起動時に確認され、違反時には、起動フェーズでエラー・メッセージが生成されますが、アクションはとられません。

サーバー数のMINとMAXが1に設定されていることは重要であり、起動時にTDQサーバーにより検証されます。

パラメータ

ARTTDQ

次のCLOPT実行時パラメータが認識されます。

[-l Group]

必須のオプション、詳細は「グループ引数のリスト」を参照してください

使用されている環境変数

サンプル

*SERVERS
ARTTDQ SRVGRP="GRP02" SRVID=30 RESTART=Y GRACE=0
        MIN=1 MAX=1 CLOPT=" -- -s PROW -l group1:group2"

ARTDPLの構成

サーバー名

ARTDPL - 分散プログラム・リンク実行のためのCICS Runtimeサーバー。

概要
ARTDPL SRVGRP="identifier" SRVID="number" MIN=minn MAX=maxn
	CLOPT="[servopts] -- -s TEST -l grp1:group2"
説明

これらのサーバーは、DPLサブセットに制限されたアプリケーション・プログラムをtuxedoサービスとして提供し、DPLサービス・リクエストを受信すると、対応するプログラムを実行します。

これらのサーバーは、プリンシパル・ファシリティ(ユーザー・ターミナル)に対応する必要がない(できない)ため、対話型である必要はありません。純粋なRPCモード・サーバーです。

起動時に、ARTDPLは、提供するプログラム1つにつき1つのサービスを公開します。

プログラムがLINKをリクエストしていて、リクエストされたプログラムがDPLとして構成されている場合、リンクは、通常のように呼出しによってではなく、このサービス(このDPLプログラム)を提供するDPLサーバーの1台が提供するtpcallにより解決されます。

属性REMOTESYSTEM(sysid)(sysid)がDPLに置かれているプログラムだけが、DPLサーバーと、-sオプションを介して示されているシステムとしてこのsysidを持つサーバーだけによって通知されます。

これらの各プログラムのためにARTDPLによって通知されるサービスは、SYSID_ProgramNameです。

反対に、これらのプログラムは、同期および非同期のトランザクション・サーバーからは、直接利用できません。

パラメータ

minn and maxn

それぞれ、起動時のサーバー数の初期値と最大値を指定します。詳細は、TuxedoドキュメントのUBBCONFIGに関する項を参照してください。

CLOPTオプション

次のCLOPT 実行時パラメータが認識されます。

-s SystemID]

必須のオプション、「CICS SYSIDの引数」を参照してください

-l GroupList]

必須のオプション、「グループ引数のリスト」を参照してください

使用されている環境変数

サンプル
*SERVERS
ARTDPL SRVGRP="GRP02" SRVID=60 RESTART=Y GRACE=0
MIN=1 MAX=1
CLOPT=" -- -s PROW -l group1:group2"

ARTATRNの構成

サーバー名

ARTATRN - 非同期指向のMAXACTIVE > 1のトランザクションのためのCICS Runtimeサーバー。

概要

ARTATRN SRVGRP="identifier" SRVID="number" CONV=N MIN=minn MAX=maxn RQADDR=QKIXATR REPLYQ=Y CLOPT="[servopts] -- [-s TEST] [-l group1:group2:…]"

説明

ARTATRNサーバーはアプリケーション・トランザクションをTuxedoサービスとして提供し、トランザクション・リクエストを受信すると、対応するプログラムを実行します。

これらのプログラムは、ターミナルのユーザーと直接対話できない、画面のないプログラムです。

ARTSTRN サーバーと対照的に、これらのサーバーは、真のCICSトランザクションを管理するためにトランザクショナルになっています。他のサーバー(START TRANSID)からのみ呼び出され、ターミナルやクライアントから直接呼び出されることはありません。

起動時に、ARTATRNサーバーは、提供するトランザクション1つにつき1つのサービスを公開します。これらのトランザクションは、「ASYNC_{transaction_name}」という名前です。

このサーバーは、ASYNC_QUEUEと呼ばれる内部トランザクションの公開も行います。

  1. ユーザー・プログラムがトランザクションを呼び出す場合、KIX__START_TRANSID関数は、対応するトランザクション(サービス)へのtpacallを行います。
  2. このサービスを提供する1台のARTATRNは、関連付けられたメッセージとともにリクエストを受信し、トランザクションを処理します。
  3. トランザクションは、発信側にメッセージを戻さずに終了します。

tranclassesに属さないか、maxactive >1であるtranclassに属しているトランザクションだけが、これらのサーバーにより通知されます。

パラメータ

CONV

一般パラメータCONVはこのサーバー・タイプではオプションであり、使用する場合、ARTATRNが対話型でないため、CONV=Nとして定義する必要があります。

minn and maxn

それぞれ、この構成で起動するときに使用されるサーバー数の初期値と最大値を指定します。詳細は、TuxedoドキュメントのUBBCONFIGに関する項を参照してください。

CLOPT

ARTATRNの起動時に渡されるコマンドライン・オプションの文字列。次のパラメータは、ゲートウェイ・プロセスの実行時パラメータとして認識されます。

[-s SystemID]

必須のオプション、詳細は「sid="2">CICS SYSIDの引数」を参照してください

[-l GroupList]

必須のオプション、詳細は「グループ引数のリスト」を参照してください

使用されている環境変数

KIXCONFIG

KIX_CWA_SIZE

KIX_CWA_IPCKEY

KIX_QSPACE_IPCKEY

KIX_TRACE_LEVEL

KIX_TECH_DIR

サンプル

*SERVERS
ARTATRN SRVGRP="TCPGRP" SRVID=2000 RESTART=Y GRACE=0
  CONV=N MIN=2 MAX=3 RQADDR=QKIXATR REPLYQ=Y
  CLOPT=" -- -s PROW -l group1:group2"

ARTATR1の構成

サーバー名

ARTATR1 - 非同期指向のMAXACTIVE = 1のトランザクションのためのCICS Runtimeメイン・サーバー。

概要

ARTATR1 SRVGRP="identifier" SRVID="number" CONV=N MIN=1 MAX=1 CLOPT="[servopts] -- [-s TEST] [-l group1:group2,…]"

説明

ARTATRNサーバーがMAXACTIVE > 1のトランザクションだけを提供するのに対して、ARTATR1サーバーは、MAXACTIVE = 1のトランザクションを提供することに特化したARTATRNサーバーです。

サーバーのMINMAXの数が1に設定されていることは重要であり、起動時にATR1サーバーにより検証されます。これらのサーバーの目標は、(MAXACTIVE =1の)グループ内の1つのみのトランザクションの並列処理を保証することです。Tuxedoが同一のトランザクションを提供する複数のサーバーを起動することを許すことは、ATR1サーバーの場合、自己矛盾です。

MINMAXが1に設定されているので、Tuxedo引数RQADDRは不要であり、単純さを維持するため、使用しないでください。

残りの構成とATR1サーバーの動作は、ATRNサーバーと正確に同じです。

サンプル

*SERVERS
ARTATR1 SRVGRP="TCPGRP" SRVID=2000 RESTART=Y GRACE=0
  CONV=N MIN=1 MAX=1
  CLOPT=" -- -s PROW -l group1:group2"

ARTCTRNの構成

サーバー名

ARTCTRN - 非対話指向のMAXACTIVE > 1のトランザクションのためのCICS Runtimeサーバー。

概要
ARTCTRN SRVGRP="identifier" SRVID="number" CONV=N MIN=minn MAX=maxn RQADDR=QKIXCTR REPLYQ=Y CLOPT="[servopts] -- [-s TEST] [-l group1:group2:…]"
説明

ARTCTRNサーバーはアプリケーション・トランザクションをTuxedoサービスとして提供し、トランザクション・リクエストを受信すると、対応するプログラムを実行します。

これらのプログラムは、ターミナルのユーザーと直接対話できない、画面のないプログラムです。

ARTSTRN サーバーと対照的に、これらのサーバーは、真のCICSトランザクションを管理するためにトランザクショナルになっています。他のサーバー(CNVERSE)からのみ呼び出され、ターミナルやクライアントから直接呼び出されることはありません。

起動時に、ARTCTRNサーバーは、提供するトランザクション1つにつき1つのサービスを公開します。これらのトランザクションは、「{SysId}_{transaction_name}」という名前です。

{SysId}は、-sパラメータで定義されているこのリージョンの名前です。

  1. ユーザー・プログラムがトランザクションを呼び出す場合、KIX__CONVERSE関数は、対応するトランザクション(サービス)へのtpacallを行います。
  2. このサービスを提供する1台のARTCTRNは、関連付けられたメッセージとともにリクエストを受信し、トランザクションを処理します。
  3. トランザクションは終了し、サーバーが発信側にメッセージを戻します。

tranclassesに属さないか、maxactive >1であるtranclassに属しているトランザクションだけが、これらのサーバーにより通知されます。

パラメータ

CONV

一般パラメータCONVはこのサーバー・タイプではオプションであり、使用する場合、ARTATRNがトランザクショナルなので、CONV=Nとして定義する必要があります。

minn and maxn

それぞれ、この構成で起動するときに使用されるサーバー数の初期値と最大値を指定します。詳細は、TuxedoドキュメントのUBBCONFIGに関する項を参照してください。

CLOPT

ARTCTRNの起動時に渡されるコマンドライン・オプションの文字列。次のパラメータは、ゲートウェイ・プロセスの実行時パラメータとして認識されます。

[-s SystemID]

必須のオプション、詳細は「sid="2">CICS SYSIDの引数」を参照してください

[-l GroupList]

必須のオプション、詳細は「グループ引数のリスト」を参照してください

使用されている環境変数

KIXCONFIG

KIX_CWA_SIZE

KIX_CWA_IPCKEY

KIX_QSPACE_IPCKEY

KIX_TRACE_LEVEL

KIX_TECH_DIR

サンプル
*SERVERS
ARTCTRN SRVGRP="TCPGRP" SRVID=2500 RESTART=Y GRACE=0
  CONV=N MIN=2 MAX=3 RQADDR=QKIXATR REPLYQ=Y
  CLOPT=" -- -s PROW -l group1:group2"

ARTCTR1の構成

サーバー名

ARTCTR1 - 非対話指向のMAXACTIVE = 1のトランザクションのためのCICS Runtimeメイン・サーバー。

概要
ARTCTR1 SRVGRP="identifier" SRVID="number" CONV=N MIN=1 MAX=1
	CLOPT="[servopts] -- [-s TEST] [-l group1:group2,…]"
説明

ARTCTRNサーバーがMAXACTIVE > 1のトランザクションだけを提供するのに対して、ARTCTR1サーバーは、MAXACTIVE = 1のトランザクションを提供することに特化したARTCTRNサーバーです。

サーバーのMINMAXの数が1に設定されていることは重要であり、起動時にARTCTR1サーバーにより検証されます。これらのサーバーの目標は、(MAXACTIVE =1の)グループ内の1つのみのトランザクションの並列処理を保証することです。Tuxedoが同一のトランザクションを提供する複数のサーバーを起動することを許すことは、ARTCTR1サーバーの場合、自己矛盾です。

MINMAXが1に設定されているので、Tuxedo引数RQADDRは不要であり、単純さを維持するため、使用しないでください。

残りの構成とARTCTR1サーバーの動作は、ARTCTRNサーバーと正確に同じです。

サンプル
*SERVERS
ARTCTR1 SRVGRP="TCPGRP" SRVID=2000 RESTART=Y GRACE=0
  CONV=N MIN=1 MAX=1
  CLOPT=" -- -s PROW -l group1:group2"

ARTCNXの構成

サーバー名

ARTCNX - ユーザー接続の管理のためのCICS Runtime接続サーバー。

概要

ARTCNX SRVGRP="identifier" SRVID="number" CONV=Y MIN=1 MAX=1 RQADDR=QKIX110 REPLYQ=Y CLOPT="[servopts]"

説明

このサーバーは、ユーザーの接続および切断フェーズでターミナル・ハンドラが必要とする内部サービスを提供します。

たとえば、connectやdisconnectなどの、内部メッセージ指向のサービスを提供します。

次に示す、少数の古典的CICSトランザクションも提供します。

認証エラーの際にハンドラによって使用される内部トランザクションauthfailも公開します。

これらのサーバーは、CICSトランザクションCESN、CESFを管理するために対話型になっています。

このサーバーは、CICS Runtimeシステム内で一意である必要があります。

パラメータ

CONV

一般パラメータCONVはこのサーバー・タイプでは必須で、ARTSTRNが対話型なので、CONV=Yとして定義される必要があります。

minn and maxn

1に設定される必要があります。次のリリースでは、各サーバーが一定範囲のターミナル識別子を割り当てられるため、まだ真です(詳細はCLOPTを参照)。

CLOPT

ARTCNXの起動時に渡されるコマンドライン・オプションの文字列。次の実行時パラメータが認識されます。 [-t x] (xは、「0から9」、「AからZ」または「aからz」の範囲を指します。) オプションのパラメータは端末番号(TRMID)の決定に使用されます。 このパラメータを省略した場合、起動時にチェックされ、一台のARTCNXサーバーのみ起動できます。また、その場合端末番号は0 - 25,411,680 (ベース71で0000 - zzzz)になります。パラメータを設定した場合、62台までのARTCNXサーバーを起動でき、各サーバーは0 - 357,910 (ベース71で000 - zzz)と357,911端末番号を持ち、TRMIDは次のように構成されます。x000 - xzzz (xは-tパラメータでの文字を指します) 起動時に、複数のサーバーの-tパラメータに同一の文字を設定しているかどうかは、サーバー側では確認できません。同一パラメータで複数のサーバーを起動しないようにしてください。端末番号が重複してしまう可能性があるからです。

使用されている環境変数

KIX_TRACE_LEVEL

サンプル

*SERVERS
ARTCNX SRVGRP="TCPGRP" SRVID=1000 CONV=Y MIN=1 MAX=1

ARTADMの構成

サーバー名

ARTADM — 管理サーバー

概要

ARTADM SRVGRP="identifier" SRVID="number"

説明

このサーバーは、CICS Runtimeの管理を担当します。

分散ターゲット環境では、このサーバーを各ノード上に構成して、構成の通知を実行することができます。これらのサーバーを使用すると、マスター・ノード上では、構成ファイルのみ構成する必要があり、管理サーバーは構成ファイルを各スレーブ・ノードに通知します。

  1. 起動時に、マスター・ノード上で動作している管理サーバーは、ディレクトリ${KIXCONFIG}にあるすべての構成ファイルを読み込みます。
  2. スレーブ・ノード上で動作する各管理サーバーの起動起動時には、マスター・ノード上の管理サーバーと通信して、構成ファイルの内容をフェッチします。
  3. 続いてスレーブ・ノード上の管理サーバーは、スレーブ・ノード上のディレクトリ${KIXCONFIG}にある、対応する構成ファイルに書き込みます。存在しない場合は、新しい構成ファイルが作成されます。
注意: 11.1.1.2.2リリースでは、このサーバーは必須であり、他のARTサーバーの前でのUBBCONFIGファイルに構成される必要があります。
注意: 11.1.1.2.2以前のリリースでは、このサーバーはオプションです。

構成通知が必要な場合、管理サーバーをすべてのTuxedoノード上に構成する必要があります。

マスター・ノード上のARTADMサーバーは、スレーブ・ノード上で動作するARTADMサーバーとの内部通信用のサービスを提供します。

サンプル

*SERVERS

ARTADM SRVGRP="ADMGRP" SRVID=1000 RESTART=Y

ARTCKTIの構成

サーバー名

ARTCKTI — ART CICSトランザクション・トリガー・モニター

概要

ARTCKTI SRVGRP="identifier" SRVID="number" CLOPT="[servopts options] -- [-i trigger_interval] [-s retry_interval] [-m queue_manager_name] -q queue_name1,queue_name2,...”

説明

ART CICS Transaction Trigger Monitor(ARTCKTI)は、CICS CKTIトランザクションと同じ動作をします。1つまたは複数のWebSphere MQ開始キュー上でリスニングし、トリガー・イベントが発生するとトリガー・メッセージを取得し、その後の操作のために、トリガー・メッセージをターゲット・トランザクションに転送します。

ARTCKTIサーバーは、ubbconfigファイル用に次のパラメータを受け入れます。

-i trigger_interval

各MQGET呼出し内で、ARTCKTIサーバーがメッセージが開始キューに到着するのを待機する時間の最大値を指定します(単位はミリ秒)。
数値、0 - 2147483647。デフォルト値は、5000です。

-s retry_interval

ARTCKTIがWebSphere MQキュー・マネージャに再接続するか、失敗時にWebSphere MQ開始キューを再オープンする場合の再試行間隔を指定します(単位は秒)。
数値、0 - 2147483647。デフォルト値は、5です。

-m queue_manager_name

監視対象のWebSphere MQキュー・マネージャの名前を指定します。1台のARTCKTIサーバーに対して、WebSphere MQキュー・マネージャは1つのみ指定できます。このパラメータが指定されない場合、デフォルトのキュー・マネージャが使用されます。

-q queue_name1,queue_name2,……

監視対象の開始キューの名前を指定します。1台のARTCKTIサーバーで、1つのWebSphere MQキュー・マネージャの複数のWebSphere MQ開始キューを監視できます。

サーバー接続パラメータ

ARTCKTIサーバーはWebSphere MQクライアントとして動作するので、WebSphere MQキュー・マネージャに接続するARTCKTIには、MQクライアントのチャネル情報が必要です。

通常、これをするための手段は2つあります。1つはクライアント構成ファイル内で指定することで、もう1つは、環境変数MQSERVERを使用して指定することです。

チャネル情報には、使用するWebSphere MQサーバーの位置と、通信方式が含まれる必要があります。ChannelName/TransportType/ConnectionNameという書式の文字列です。

ConnectionNameは、完全修飾ネットワーク名である必要があります。チャネル名、トランスポート・タイプおよび接続名を区切るために使用されるため、ChannelNameには、スラッシュ(/)文字が含まれてはなりません。

ARTCKTIサーバーは、WebSphere MQマルチスレッドのライブラリを必要とします。

詳細は、Websphere MQ Clientのドキュメントを参照してください。

ARTCKTIサーバーのビルド

異なるバージョンのWebSphere MQに基づく独自のARTCKTIサーバーをビルドするユーザーのために、オブジェクト・ファイルも提供されます。

ARTCKTIサーバーをビルドするには、$KIXDIR/binディレクトリへの書込み権限を持つTuxedo管理者として、次のコマンドを実行します。

buildserver -o $KIXDIR/bin/ARTCKTI -t -f "$KIXDIR/objs/ARTCKTI.o $KIXDIR/objs/list.o" -l "-L/$MQM/lib64 -lmqic_r"

$MQMは、WebSphere MQがインストールされているパスです。


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