次の各項では、Oracle Tuxedo 11gリリース1(11.1.1.1.0)と、Oracle Tuxedoソフトウェアの旧リリース、Oracle WebLogic Enterpriseおよびサード・パーティ製品との相互運用性について説明します。
相互運用性により、現在のOracle Tuxedoリリースがネットワーク接続を介してOracle Tuxedo 11gリリース1(11.1.1.1.0)以前のソフトウェアまたはOracle WebLogic Enterpriseリリース5.1ソフトウェアと通信することが可能になります。Oracle Tuxedoでは、ドメイン内の相互運用性とドメイン間の相互運用性がサポートされています。次の点に注意してください。
複数マシン構成のOracle Tuxedoドメイン(アプリケーション)内でOracle Tuxedo 11gリリース1(11.1.1.1.0)ソフトウェアを実行しているマシンと、同じドメイン内でOracle Tuxedo 10gR3を実行している別のマシンが関連します。複数マシンのドメイン構成におけるマシンは、Oracle Tuxedoブリッジ・プロセスを介して通信を行います。
Oracle Tuxedoリリース11gリリース1(11.1.1.1.0)ソフトウェアを実行しているOracle Tuxedoドメインと、Oracle Tuxedoリリース10gR3ソフトウェアを実行しているドメインが関連します。マルチドメイン(Domains)構成に関連するドメインは、Oracle Tuxedoドメイン・ゲートウェイ・プロセスを介して通信を行います。
図1-1に示すように、ドメイン内共存グループにはメッセージ交換とプロトコルの互換性が存在しています。
Oracle Tuxedo 11gリリース1(11.1.1.1.0)は、Oracle Tuxedo 10gR3、10.0、9.1、9.0、8.1および6.5と同じドメイン内に共存できます。この環境では、トランザクション・コンテキスト(トランザクション状態の情報)およびセキュリティ・コンテキスト(ユーザーID)のアプリケーション・クライアントとサーバーの間での伝播が完全にサポートされています。この環境では、管理が完全にサポートされています。
現在のOracle Tuxedoリリースでは、サービス名の長さが15から127に増えています。ドメイン構成でのリソース名およびリモート・サービス名の長さも15から127に増えています(TDomainのみ)。また、TDOMAINでは、ロケール・リソース・ロケータまたはリモート・サービスも127文字以下の名前で構成できます。次の点に注意してください。
*RESOURCE
セクション内のAUTHSVC
キーワードや*SERVICES
セクション内のSVCNM
キーワードの値に長いサービス名を使用することはできません。長いサービス名が使用されていると、旧リリースのOracle Tuxedoサイトが起動されなくなります。
図1-2、図1-3および図1-4に示すように、次の3つのドメイン間シナリオではいずれもメッセージ交換とプロトコルの互換性が存在しています。
いずれのシナリオにおいても、あるドメイン内のマシンで実行されているOracle Tuxedoドメイン(TDomain)ゲートウェイ・プロセスが、他のドメイン内のマシンで実行されているTDomainゲートウェイ・プロセスとネットワーク接続を介して通信しています。表1-1に、サポートされているTDomainゲートウェイ・プロセスを示します。
TDomainプロセスのペアの通信で利用できるドメイン間機能は、Oracleの旧リリースで実行されているTDomainプロセスで利用できる機能に制限されます。
これらすべてのシナリオでは、あるドメイン内のマスター・マシンでTuxedo 6.5が実行されている場合を除いて、ドメイン間での管理、ドメイン間でのトランザクション・コンテキストの伝播、およびセキュリティ・コンテキストの伝播が完全にサポートされています。この場合は、管理とトランザクション・コンテキストの伝播はサポートされますが、セキュリティ・コンテキストの伝播はサポートされません。
Oracle Tuxedo 11g リリース1(11.1.1.1.0)では、Tuxedo10gR3、10.0、9.1、9.0、8.1 CORBAドメインとのドメイン間の相互運用性をサポートしています。この機能には、ドメインの境界を越えてCORBA C++ファクトリを公開する機能が含まれます。
Tuxedo 6.5とそれ以外のTuxedoリリース(6.5、8.1、9.0、9.1、10.0および10gR3)の間でドメイン間トランザクション・リクエストを行う場合は、次のパッチ・レベル・アップグレードを適用する必要があります。
これには、関連する相互運用中のすべてのドメインに対して同時にパッチ・アップグレードを行う必要があることがあります。ただし、アプリケーションのパッチ・アップグレードを時間差で行う場合は、同時アップグレードの必要があると実際面で問題が生じることがあります。こうした問題を軽減するためには、相互運用中のドメインが少なくとも前述のパッチ・レベルになるまで(GWTDOMAIN
の)TM_GWT_OLDSECCHECK
を使用する必要があります。相互運用中のすべてのドメインがアップグレードされると、この環境変数をすべてのドメインから削除できます。
Oracle Tuxedo 11gリリース1(11.1.1.1.0)では、ユーザーの移行をサポートするために、表1-2に示したような次のクライアント/サーバー相互運用性がサポートされています。
クライアント/サーバーの特定のペアのクライアントで利用できる機能は、アプリケーション・クライアントとサーバー・アプリケーションのリリースによって異なります。たとえば、Oracle Tuxedo 11gリリース1(11.1.1.1.0)のATMIクライアントとOracle Tuxedo 6.5サーバー・アプリケーションを相互運用する場合、クライアントで利用できるのはOracle Tuxedo 6.5機能のみです。
Oracle Tuxedoのクライアント/サーバー・アフィニティの相互運用性は、次のようにサポートされています。
UBBCONFIGファイルでクライアント/サーバー・アフィニティが構成されており、Oracle Tuxedo 10gR3以前を使用するスレーブ・ノードが存在する場合、影響を受けるのは、マスター・ノードおよびOracle Tuxedo 11gR1以降がインストールされたスレーブ・ノードのみです。
マルチドメイン・セッションでクライアント/サーバー・アフィニティを使用するには、セッションに関与するすべてのドメインにOracle Tuxedo 11gR1以降をインストールする必要があります。
CORBAアプリケーション・クライアントとOracle Tuxedo CORBAドメインの通信は、そのドメインをブートストラップ処理することで確立されます。ブートストラップ処理のメカニズムには、Bootstrapオブジェクトを使用するOracle社のメカニズムと、OMGが規定したCORBA Interoperable Naming Service (INS)のメカニズムがあります。
INSのサポートは、Oracle Tuxedoリリース8.0から追加されました。INSの追加により、INSを利用するサード・パーティORBをOracle Tuxedo CORBAサーバーORBと相互運用できます。
図1-5は、サード・パーティORBとの相互運用性を示しています。
注意: | Oracle Tuxedo CORBAクライアントの環境オブジェクトは、Oracle Tuxedo 8.1、9.0、9.1、10.0、10gR3およびOracle WebLogic Enterprise 5.1の場合と同じように現在のOracle Tuxedoリリースでも引き続きサポートされます。 |
CORBAアプリケーション・クライアントでは、Oracle Tuxedo BootstrapオブジェクトまたはINSブートストラップ処理メカニズムを使用してOracle Tuxedo CORBAドメインにあるオブジェクトのリファレンスを取得します。OracleクライアントORBはOracle社のメカニズムを使用し、サード・パーティ・クライアントORBはCORBA INSメカニズムを使用します。Oracle Tuxedoドメインのブートストラップの詳細は、『Tuxedo CORBAプログラミング・リファレンス』を参照してください。
図1-6は、Oracle Tuxedo 11g リリース 1 (11.1.1.1.0)にアップグレードできる既存のOracle Tuxedo製品とOracle WebLogic Enterprise製品を示しています。
アップグレードのためにドメイン(アプリケーション)を停止する場合は、ドメインを停止してから簡易アップグレードを実行する必要があります。アップグレードのためにドメインを停止できない場合は、ホット・アップグレードを実行してください(ドメインを停止せずにOracle Tuxedo 10gリリース1(11.1.1.1.0)を既存のOracle TuxedoまたはOracle WebLogic Enterpriseドメインに追加します)。
簡易アップグレードまたはホット・アップグレードの実行手順については、Oracle TuxedoシステムのインストールのOracle Tuxedoシステムのリリース11gリリース1(11.1.1.1.0)へのアップグレードに関する項を参照してください。
Oracle Tuxedo 8.1、9.0、9.1、10.0および10gR3アプリケーションを使用して開発したアプリケーションは、Oracle Tuxedo 11gリリース1(11.1.1.1.0)で実行できるように再コンパイルする必要があります。
注意: | XML関連のアプリケーションの場合は、Xerces C++ 2.5のインタフェース要件に従う必要があります。 |
注意: | Windowsプラットフォームでは、FML関連の機能を使用する場合、バイナリを再リンクする必要があります。 |