Oracle Tuxedo Mainframe Adapter for TCP (IMS)(以後TMA TCP for IMSと呼ぶ)のインストールを、次の基本的な作業に分けて説明します。
注意: | 以前のリリースのeLink for Mainframe TCPをアップグレードする場合は、『Oracle Tuxedo Mainframe Adapter for TCPリリース・ノート』を参照してください。 |
TMA TCP for IMSソフトウェアをインストールする前に、次の手順に従います。
TMA TCP for IMSをインストールするには、次の手順に従います。
TMA TCP for IMSのソフトウェアCDのディレクトリ構造には、次の区分データセットが収容されています。
Tuxedo Mainframe Adapter for TCPファイルの配布を受け取るための次のデータセットが割り当てられます。
DSNAME: hlq1.hlq2.CONTROL
DSORG: PO
DIRBLKS: 10
RECFM: FB
LRECL: 80
BLKSIZE: 23440 (or other valid blocksize)
SPACE: 2 tracks
Usage: IMS sample definitions, sample configuration file
DSNAME: hlq1.hlq2.INCLUDE
DSORG: PO
DIRBLKS: 10
RECFM: FB
LRECL: 80
BLKSIZE: 23440 (or other valid blocksize)
SPACE: 2 tracks
Usage: C header file, COBOL copybooks
DSNAME: hlq1.hlq2.JCL
DSORG: PO
DIRBLKS: 10
RECFM: FB
LRECL: 80
BLKSIZE: 23440 (or other valid blocksize)
SPACE: 2 tracks
Usage: Sample LINK and execute JCL
DSNAME: hlq1.hlq2.MSGCAT
DSORG: PS
DIRBLKS: 10
RECFM: FB
LRECL: 100
BLKSIZE: 32000 (or other valid blocksize)
SPACE: 2 tracks
Usage: Message text
DSNAME: hlq1.hlq2.OBJECT
DSORG: PO
DIRBLKS: 10
RECFM: FB
LRECL: 80
BLKSIZE: 3200
SPACE: 1 cylinder
Usage: Pre-linked object files
DSNAME: hlq1.hlq2.SOURCE
DSORG: PO
DIRBLKS: 10
RECFM: FB
LRECL: 80
BLKSIZE: 23440 (or other valid blocksize)
SPACE: 1 track
Usage: Sample IMS client and server transactions
DSNAME: hlq1.hlq2.LOAD
DSORG: PO
DIRBLKS: 10
RECFM: U
LRECL: 0
BLKSIZE: 6133 (or other valid blocksize)
SPACE: 1 cylinder
Usage: Load library
DSNAME: hlq1.hlq2.CONFIG
DSORG: PS
RECFM: FB
LRECL: 80
BLKSIZE: 23440 (or other valid blocksize)
SPACE: 1 track
Usage: Configuration File
DSNAME: hlq1.hlq2.MSGLOG
DSORG: PS
RECFM: VB
LRECL: 1028
BLKSIZE: 6144 (or other valid blocksize)
SPACE: 1 cylinder
Usage: Message Log
DSNAME: hlq1.hlq2.SVRLOG
DSORG: PS
RECFM: VB
LRECL: 32756
BLKSIZE: 32760 (Note: required blocksize)
SPACE: 1 cylinder
Usage: Server Response Log
TMA TCP for IMS製品は1枚のCD-ROM(Tuxedo Mainframe Adapter for TCP製品の他のメンバーも収録)に収録されて配布されます。TMA TCP for IMSの配布ファイルは、次のディレクトリ構造のいずれかの下にまとめられています。
配布ファイルはCD-ROMに収録されているため、たいていの場合は、UNIXベースのシステムまたはPCベースのシステムを使用して、CD-ROM上のファイルにアクセスし、そのファイルをz/OSにファイル転送することになります。
各サブディレクトリの内容を、z/OSシステム上の該当する配布ライブラリに転送します。z/OSシステムへのファイル転送が可能なファイル転送プログラム(FTPなど)などの任意の処理機構を使用します。ファイル転送プログラムには次の機能が必要です。
IBM製のファイル転送プログラム(TCP/IP for z/OSの一部として配布されるFTP)は、これらの要件を両方とも満たします。
配布CD-ROMの各サブディレクトリ内のファイルはそれぞれ、関連付けられている宛先ライブラリのメンバーに対応します。たとえば、JCLサブディレクトリのファイルBEATCPI
は、JCL配布ライブラリのメンバーBEATCPI
に対応します。
注意: | CONTROL 、INCLUDE 、JCL およびSOURCE サブディレクトリ内のすべてのファイルはテキスト・ファイルです。したがって、これらのファイルをCD-ROMからz/OS配布ライブラリの対応メンバーに転送するときには、テキスト(つまりASCII)・モードを指定するようにしてください。 |
注意: | MSGCAT ファイルとOBJECT サブディレクトリ内のすべてのファイルはバイナリ・ファイルです。これらのファイルをCD-ROMからz/OS配布ライブラリの対応メンバーに転送するときは、バイナリ(つまりイメージ)・モードを指定してください。 |
TMA TCP for IMSプログラムは事前リンク済のオブジェクト・ファイルとして配布されます。IBM社のTCP/IPとリンクには、LNKBEA34
JCLファイルを使用します。
必要に応じて、ユーザーのインストールに関する基準やネーミング・ルールに合うようにJCLを変更します。ジョブを実行する前に、次の項目を確認して必要な変更を行ってください。
SYS1.SCEELKED
)、TCP/IP for z/OSのデータセット(たとえばSYS1.SEZACMTX
)、IMS(たとえばIMSV5R1.RESLIB
)というように、個別のインストールで使用する名前に合わせる必要があれば、製品のデータセットをその名前に変更します。BEATCPI.DIST.OBJECT
)に合わせる必要があれば、TMA TCP for IMSデータセットの名前をその名前に変更します。HEWL
)の名前をその名前に変更します。注意: | リンク・ジョブの参照先は、LE/370、TCP/IP for z/OSおよびIMS側で用意されたコンポーネントになっています。 |
ジョブが正常に終了すると、リンクエディットのステップで0
という戻りコードが戻され、実行可能ロード・モジュールが指定の宛先ロード・ライブラリに格納されます。ロード・モジュールの属性がAMODE=31
、RMODE=24
になっていなければなりません。未解決の外部参照がなくなっていなければなりません。
リスト3-3は、配布オブジェクト・ファイルを実行可能ロード・モジュールにリンクするJCLです。
//JOBNAME JOB ETC.
//LKED EXEC PGM=HEWL,COND=(4,LT),
// REGION=2M,PARM='AMODE=31,MAP,XREF'
//SYSLIB DD DSNAME=SYS1.SCEELKED,DISP=SHR
// DD DSNAME=SYS1.SEZACMTX,DISP=SHR
//SYSPRINT DD SYSOUT=*
//SYSLMOD DD DISP=SHR,DSNAME=BEATCPI.DIST.LOAD
//SYSUT1 DD UNIT=VIO,SPACE=(TRK,(10,10))
//RESLIB DD DISP=SHR,DSN=IMSV5R1.RESLIB
//SYSLIN DD DISP=OLD,DSN=BEA.HLQ.OBJECT(PREBEA34)
// DD *
INCLUDE RESLIB(DFSLI000)
ENTRY CEESTART
NAME BEATCPI(R)
/*
//
IMS環境にTMA TCP for IMSを統合化するには、MVSにその内容を正しく定義する必要があります。
OTMAを使用してz/OS環境にTMA TCP for IMSを統合化するには、プログラム・プロパティ表(PPT)にその内容を正しく定義する必要があります。リスト3-4は、Tuxedo Mainframe Adapter for TCP製品用のサンプルのプログラム・エントリです。また、プログラムをAPF認可ライブラリにもリンクする必要があります。
PPT PGMNAME(BEATCP34) /* PROGRAM NAME = BEATCP34 */
CANCEL /* PROGRAM CAN BE CANCELED */
KEY(7) /* PROTECT KEY ASSIGNED IS 7 */
SWAP /* PROGRAM IS SWAPPABLE */
NOPRIV /* PROGRAM IS NOT PRIVILEGED */
DSI /* REQUIRES DATA SET INTEGRITY */
PASS /* CANNOT BYPASS PASSWORD PROTECTION */
SYST /* PROGRAM IS A SYSTEM TASK */
AFF(NONE) /* NO CPU AFFINITY */
NOPREF /* NO PREFERRED STORAGE FRAMES */
Oracle TMA TCP for IMSでは、構成を確立するためにテキスト形式の構成ファイルが使用され、このファイルは初期中に読み込まれ処理されます。任意のテキスト・エディタ(ISPFのエディタなど)を使用して構成ファイルを作成できます。CONFIGOT
(CONTROL
配布ライブラリのOTMAのサンプル)は、構成ファイルを作成する際のひな形として使用できるサンプルの構成ファイルで、ユーザー固有のインストール環境に合わせて変更できます。
完成した構成ファイルを「手順1: z/OSデータセットの割当て」の項で割り当てた構成データセットに格納します。構成ファイルは次の基本的なセクションで構成されます。
構成ファイルの構文とパラメータ定義の詳細は、『Oracle Tuxedo Mainframe Adapter for TCP IMSユーザー・ガイド』を参照してください。
SYSTEM
パラメータによって、Oracle TMA TCP for IMSの運用環境が制御されます。TMA TCP for IMSはIMSメッセージ・キューを待機できないため、新しい処理対象(たとえばIMSのクライアント・リクエストやサーバー・レスポンス)がないかどうか調べるために、定期的にキューが確認(ポーリング)されます。IMSメッセージ・キューに処理対象があるかどうかのチェックを開始するまで、TMA TCP for IMSがアイドル状態でどのくらいスリープ(待機)するのかの時間を指定するために、SleepTime
パラメータを設定します。
リモート・システムからローカル(IMS)・ゲートウェイへのアクセスを定義するGATEWAY TYPE=LOCAL
文を1つ以上指定する必要があります。この文には次の内容を指定します。
対応するIPアドレス、ポート番号、アカウントID(使用する場合)およびパスワード(使用する場合)がリモート・システムに正しく構成されていることを確認します。そうでないと、リモート・システムがこのゲートウェイに接続しようとしても、接続できません。
GATEWAY TYPE=REMOTE
文にはIMSゲートウェイからリモート・システムへのアクセスを定義します。それぞれのGATEWAY TYPE=REMOTE
文に指定する具体的な内容は次のとおりです。
リモート・システムの構成と一致していなくてはならないIPアドレス、ポート番号、アカウントIDおよびパスワード。そうでないと、リモート・システムとの発信セッションを確立しようとしても確立できません。
SERVICE TYPE=REMOTE
文には、TMA TCP for IMSのアクセス先のリモート・サービスを定義します。それぞれの文に指定する内容は次のとおりです。
GATEWAY TYPE=REMOTE
文に指定されている論理マシン識別子と一致する必要があります。注意: | 同じ(ローカル・)サービス名に対して複数のSERVICE TYPE=REMOTE 文を指定することも可能です。この場合は、それぞれの文に別々のリモートの論理マシン識別子を指定する必要があります。このようにすると、サービスを提供する複数のリモート・システムの間でTMA TCP for IMSが各サービスに対するリクエストを分散できるようになるため、負荷が分散されスループットが全体的に向上します。 |
SERVICE TYPE=LOCAL
文には、ローカルのIMSホストが提供するローカル・サービスを定義します。それぞれの文が別々のローカルのIMSID
を指定するようにすれば、複数のSERVICE TYPE=LOCAL
文を定義したり、複数の文で同じサービスを定義することもできます。それぞれの文に次の情報を指定する必要があります。
ローカル・サービス名は、IMSクライアント・トランザクションがサービスのリクエストに使用する名前です。リモート・サービス名は、リモート・システム上に定義されているとおりのサービス名です。
注意: | ローカル・サービス名とリモート・サービス名は違っていてもかまいませんが、リモート・サービス名はリモート・システムの構成と同じでなければなりません。 |
IMSID
(論理的なIMS ID)。 IMSID
は、IMSのシステム定義を一意に識別するためのシンボル名です。この名前は、HOST, TYPE=IMS
文に指定した論理的なIMS ID(IMSID
)と一致する必要があります。
Oracle TMA TCP for IMS製品を実行するためのJCLを作成する必要があります。次の項では、OTMAクライアントとして実行するためのJCLの作成手順について説明します。
製品をOTMAクライアントとして実行する場合、TMA TCP for IMSは、z/OS配下のアドレス空間で起動タスクまたは長時間の実行ジョブとして実行されます。JCL配布ライブラリのメンバーRUNOTM
はTMA TCP for IMS実行用のサンプル・ジョブです。
ユーザーのOTMAインストール環境に合わせてJCLを変更する場合は、特に次の点に注意してください。
TIME=1440
が指定されている必要があります。STEPLIB
に、SYS1.SCEERUN
とSYS1.SCEELKED
を含むDDカードを追加します。ユーザーのインストール環境に合うものであれば、どのようなデータセット名を使用してもかまいません。SYSUDUMP
とCEEDUMP
のどちらか一方または両方にDD
カードを追加することもできます。異常終了(ABEND
)が発生した場合には、LE/370がフォーマット済のダンプをCEEDUMP
に書き込みます。SYSTCPD
用のDD
カードを追加します。このデータセットは、TMA TCP for IMSのアドレス空間でTCP/IPによって使用されます(IBM TCP/IPを使用する場合)。MSGLOG
DD
文にDISP=MOD
を記述します。この場合、新しいメッセージはデータセットの末尾に追加されるため、それまでのメッセージは残ります。TMA TCP for IMSを実行するたびにメッセージ・ログを上書きする場合は、MSGLOG
DD
文にDISP=OLD
(またはDISP=SHR
)を記述します。この場合、それまでのメッセージは残りません。初めてTMA TCP for IMSを起動する場合は、その前に、IMSの定義が適切であることを確認してください。
セキュリティにRACF
を使用する場合は、IMSXCF.group.clientのRACF
にFACILITY
クラス・プロファイルを設定する必要があります。TMA TCP for IMSに応じたgroupの名前とclientの名前を構成できます。
「手順6: TMA TCP for IMSを実行するJCLの作成」の項で作成したJCLを実行して、TMA TCP for IMSを起動します。
この製品の運用の詳細は、『Oracle Tuxedo Mainframe Adapter for TCP IMSユーザー・ガイド』を参照してください。
TMA TCP for IMSを初めて起動するときには、システムを系統的にテストし、インストールと構成の妥当性を検証できるように、小規模で簡潔な構成を使用した、抑制された環境で起動する必要があります。この製品の使用に関する詳細は、『Oracle Tuxedo Mainframe Adapter for TCP IMSユーザー・ガイド』を参照してください。
Tuxedo Mainframe Adapter for TCPのCD-ROMには次のライブラリと実行可能プログラムが収録されています。TMA TCP for IMSソフトウェアのインストールが終了したら、これらのライブラリとプログラムがシステムにインストールされていることを確認してください。