OracleR Fusion Middleware Oracle Business Intelligenceアップグレード・ガイド 11g リリース1(11.1.1) B63034-01 |
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この章では、既存のOracle Business Intelligence Enterprise Edition(Oracle BI EE)10g リリース3(10.1.3.2以降)の環境をOracle Business Intelligence 11gにアップグレードする方法について説明します。
この章の内容は次のとおりです。
Oracle Business Intelligenceアップグレードの開始ポイントの詳細は、第3章「Oracle Business Intelligenceのサポートされるアップグレードの開始ポイント」 を参照してください。第3章で指定されたバージョンより古いバージョンのOracle Business Intelligenceを実行している場合は、11gへのアップグレードを行う前に、サポートされている開始ポイントのバージョンまでアップグレードする必要があります。
すでにOracle Fusion Middleware 11gを実行している場合、最新のOracle Fusion Middlewareパッチの適用の詳細は、『Oracle Fusion Middlewareパッチ適用ガイド』を参照してください。
このガイドでは、Oracle Business Intelligence 10gから最新のOracle Business Intelligence 11gにアップグレードする手順について説明します。
Oracle Business Intelligence 11gデプロイメントのターゲット・トポロジの決定に役立てるため、第4章「10gユーザーのためのOracle Business Intelligence」を参照してください。ここでは、10gと11gの機能、ディレクトリ構造およびアーキテクチャを比較しています。さらに、Oracle Business Intelligence 11gのOracle WebLogic ServerおよびOracle Fusion Middlewareアプリケーションとの統合について説明しています。
リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)は、Oracle Fusion Middlewareデータベース・スキーマの作成および管理のためのグラフィカル・ツールです。
RCU実行時の重要な画面は次のとおりです。
「データベース接続の詳細」画面: システム上のデータベースのタイプを選択します。これは、Oracle Business Intelligenceスキーマを作成するデータベースです。RCUがデータベースに接続できるように、必要な資格証明を指定します。
「コンポーネントの選択」画面: 画面の最上部付近で「接頭辞の新規作成」を選択します。デフォルトの接頭辞は「DEV」です。必要に応じて別の接頭辞を指定できます。
横にあるプラス記号(+)をクリックして、Business Intelligenceコンポーネント・グループを開きます。さらにBusiness Intelligenceプラットフォームをクリックし、横にチェックを表示させます。このアクションにより、「Metadata Services (MDS)」スキーマ(AS共通スキーマ・グループの下)が自動的に選択されます。これもOracle Business Intelligenceで必要となります。
Oracle BI EE 11gのアップグレード先スキーマを作成するには、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligenceインストレーション・ガイド』のリポジトリ作成ユーティリティを使用したデータベース・スキーマの作成に関する項を参照してください。
Oracle Business Intelligence 11gインストーラを使用して、Oracle Business Intelligence 11gを個別のホスト・コンピュータにインストールします。Oracle Business Intelligence 11gは、Oracle Business Intelligence 10gを実行しているコンピュータにはインストールしないでください。このようなインストール・シナリオはサポートされていません。
詳細は、次のトピックを参照してください。
Oracle Business Intelligence 11gをインストールする際、Oracle Business Intelligence 11gのアップグレード・アシスタント(Business Intelligence 11gのOracleホームより起動)が次の10gソース・ディレクトリにアクセスできることを確認してください。アップグレード・アシスタントは、これらのディレクトリに対して参照およびアクセスできる必要があります。
10g Oracle BIリポジトリ・ファイルを含むディレクトリ
10gのカタログおよびカタログ配信ディレクトリ
アップグレード・アシスタントで10gインストールが使用できない場合、別の方法で使用可能にすることができます。たとえば、これらを共有ネットワーク・ディスクまたはUSBドライブにコピーできます。
アップグレード・アシスタントの「ソース詳細の指定」画面でのこれらのコンポーネントのソース詳細の指定については、表5-1を参照してください。
Oracle Business Intelligenceインストーラを実行する際の重要な画面は次のとおりです。
「インストール・タイプの選択」画面: 新しいインストールに「エンタープライズ・インストール」を選択します。このオプションによって、1つ以上のコンピュータでのホストされたデプロイメントに対し、新しいOracle Business Intelligenceシステムがインストールされます。
BIシステムの作成またはスケールアウト画面: 「新規BIシステムの作成」をクリックします。
「インストール場所の指定」画面: Oracle Middlewareホームの場所を指定します。
「データベース詳細」画面: データベース・タイプ、データベースの接続文字列、およびBusiness Intelligence Platformスキーマのユーザー名とパスワードを指定します。
Oracle BI EEのインストールおよび構成の手順は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligenceインストレーション・ガイド』の新しいインストールのためのEnterpriseインストールに関する項を参照してください。
Oracle Fusion Middlewareのアップグレード・アシスタントを使用して、Oracle BIリポジトリおよびカタログをアップグレードします。
アップグレード・アシスタントを実行する前に、11gシステムでTNSNAMES.oraを構成し、Oracle BIリポジトリで使用されるすべてのデータベースに接続できるようにします。
また、instanceconfig.xmlなどのOracle BI EE 10g構成ファイルへのカスタムの変更は、アップグレード・アシスタントではアップグレードされません。手動で11g構成ファイルを編集し、カスタマイズを再適用する必要があります。
アップグレード・アシスタントを実行する前に、次の構成の変更が必要となる場合があります。
Oracle BIリポジトリで使用されるすべてのデータソースが11gシステムで構成されていることを確認します。
データベース認証のため、10gシステムでnqsconfig.iniファイルを構成した場合、同じ構成を11gバージョンのファイルにコピーする必要があります。
たとえば、このようなタイプの認証の場合、nqsconfig.iniファイルに次のパラメータを追加します。
SECURITY AUTHENTICATION_TYPE = DATABASE; DATABASE DATABASE = "mydb";
Oracle Business Intelligence 11gでのnqsconfig.iniファイルの使用の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionシステム管理者ガイド』のNQSConfig.INIファイルの構成設定に関する項を参照してください。
アップグレード・アシスタントは、自動的にOracle Fusion Middleware Oracleホームのbin
ディレクトリにインストールされます。Oracleホームの詳細は、第4.1項「Oracle Business Intelligence 11gとOracle WebLogic Server」を参照してください。
注意: 次の各項では、グラフィカル・ユーザー・インタフェース・モードでアップグレード・アシスタントを使用する方法について説明します。アップグレード・アシスタントのコマンドラインを使用してこれらのタスクを実行することもできます。詳細は、『Oracle Fusion Middlewareアップグレード・プランニング・ガイド』のアップグレード・アシスタントのコマンドライン・インタフェースの使用に関する項を参照してください。 |
表5-1 Oracle BIリポジトリおよびカタログをアップグレードするためのアップグレード・アシスタントの実行
ステップ | 画面 | 説明および必要なアクション |
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1 |
なし |
グラフィカル・ユーザー・インタフェースを使用してアップグレード・アシスタントを起動するには、ディレクトリをOracle Fusion Middlewareインストールの 注意: 複数のOracle BIリポジトリがある場合、Oracle BIリポジトリごとに1回アップグレード・アシスタントを実行する必要があります。 UNIXの場合: ./ua Windowsオペレーティング・システムの場合: ua.bat |
2 |
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「次へ」をクリックして続行します。 |
3 |
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Oracle BI RPDおよびカタログのアップグレードを選択します。 「次へ」をクリックして続行します。 |
4 |
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ソースの10g Oracle BIリポジトリおよびカタログの詳細を入力します。これは、既存の10gインストール内、または共有ネットワークの場所かUSBドライブに作成されたコピー内にあります。 リポジトリ(RPD)のアップグレード RPDファイル: Oracle BIリポジトリ・ファイルの名前を入力します。 管理者ユーザー名: 10g管理者ユーザー名を入力します。通常、この名前は 管理パスワード: 10g管理パスワードを入力します。 アップグレードされた11g RPDを保護するために使用されるパスワードを入力してください。: リポジトリ・パスワードは管理パスワードまたは他のパスワードと一致しなくてもかまいません。 カタログのアップグレード カタログ・ディレクトリ: カタログ・ディレクトリの名前を入力するか、または参照します。 カタログ配信ディレクトリ: 10gでは、 「次へ」をクリックして続行します。 |
5 |
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次を入力します。
「次へ」をクリックして続行します。 |
6 |
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調査処理の間、アップグレード・アシスタントは次の点をチェックします。
「ステータス」列の下に、「成功」という言葉が表示されます。「失敗」という言葉が表示された場合は、ログ・ファイルで詳細を調べてください。 「次へ」をクリックして続行します。 |
7 |
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「アップグレード」をクリックします。 |
8 |
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アップグレード処理が開始され、ステータス・バーが100%に到達すると完了します。 アップグレード中にエラーが発生した場合、ログ・ファイルで詳細を調べてください。ログ・ファイルは、次のディレクトリにあります。 BI_ORACLE_HOME/upgrade/logs/ua<timestamp>.log Windowsオペレーティング・システムの場合: BI_ORACLE_HOME\upgrade\logs\ua<timestamp>.log <timestamp>は現在の日時です。 ORACLE_INSTANCE\diagnostics\logsの下の、コンポーネント別に編成されるディレクトリのコンポーネント・ログ・ファイルもチェックできます。 「次へ」をクリックして続行します。 |
9 |
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「閉じる」をクリックします。 |
注意: ログでエラーまたは警告を確認します。10gファイル内のすべてのエラーまたは警告を解決し、アップグレードした11gのリポジトリおよびカタログで、これらを手動で解決します。 |
10g iBots(11gではエージェントと呼ばれます)はすべてOracle BI Presentation Catalogに格納されています。このカタログをアップグレードすると、エージェントはすべて格納されますが、これらは自動的に実行されません(エージェントを含む、スケジューラが実行するジョブのリストは、スケジューラ・スキーマが保持しています)。
スケジューラ・スキーマをアップグレードせずに、カタログ内のエージェントを再度有効にすることもできます。アップグレード後にテストのためエージェントのサブセットを有効にすることもできるので、これは有効なユースケースです。
Oracle Fusion Middlewareのアップグレード・アシスタントを使用して、Oracle BI EE Schedulerスキーマを新しいBIPLATFORMスキーマにアップグレードします。
アップグレード・アシスタントは、自動的にOracle Fusion Middleware Oracleホームのbin
ディレクトリにインストールされます。
注意: 次の各項では、グラフィカル・ユーザー・インタフェース・モードでアップグレード・アシスタントを使用する方法について説明します。アップグレード・アシスタントのコマンドラインを使用してこれらのタスクを実行することもできます。アップグレード・アシスタントのコマンドライン・オプションのオンラインの説明を参照するには、次のコマンドを入力します。 ua -help 詳細は、『Oracle Fusion Middlewareアップグレード・プランニング・ガイド』のアップグレード・アシスタントのコマンドライン・インタフェースの使用に関する項を参照してください。 |
アップグレード・アシスタントでは、ソース・スキーマ・コンテンツを宛先のOracle Business Intelligence Schedulerスキーマ・コンテンツにアップグレードすることにより、Schedulerスキーマのアップグレードを行います。
表5-2 Oracle BI EE Schedulerスキーマをアップグレードするためのアップグレード・アシスタントの実行
ステップ | 画面 | 説明および必要なアクション |
---|---|---|
1 |
なし |
グラフィカル・ユーザー・インタフェースを使用してアップグレード・アシスタントを起動するには: ディレクトリをOracle Fusion Middlewareインストールの UNIXの場合: ./ua Windowsオペレーティング・システムの場合: ua.bat |
2 |
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「次へ」をクリックして続行します。 |
3 |
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「Oracle BI Schedulerスキーマのアップグレード」を選択します。 「次へ」をクリックして続行します。 |
4 |
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Oracle BI EE 10g Schedulerスキーマをホストするデータベースの詳細を入力します。 データベース・タイプ: ドロップダウン・リストからデータベース・タイプを選択します。 接続文字列: 接続文字列の2番目の部分を入力します。このフィールドに対する適切な構文の例が、フィールドのすぐ下に表示されます。 ソース・スキーマ: 既存の10gスキーマ/データベース/ユーザーの名前を入力します。 パスワード: 指定したソース・スキーマに関連付けられているパスワードを入力します。 DBAユーザー名: Oracle SYSデータベース・アカウントとしてログインするには、このフィールドでSYS AS SYSDBAと指定します。 DBAパスワード: 指定したDBAユーザー名に関連付けられているパスワードを入力します。 「次へ」をクリックして続行します。 |
5 |
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Oracle BI EE 11g BI Schedulerのターゲット・データベースをホストするデータベースの詳細を入力します。 ターゲット・データベース・タイプ: ターゲット・データベース・タイプは、ソース・データベース・タイプに基づいています。 接続文字列: JdbcConnectionStringの2番目の部分を入力します。このフィールドに対する適切な構文の例が、フィールドのすぐ下に表示されます。 パスワード: 指定したソース・スキーマに関連付けられているパスワードを入力します。 DBAユーザー名: Oracle SYSデータベース・アカウントとしてログインするには、このフィールドでSYS AS SYSDBAと指定します。 DBAパスワード: 指定したDBAユーザー名に関連付けられているパスワードを入力します。 「次へ」をクリックして続行します。 |
6 |
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ターゲット・データベースの11g BIスキーマ名を入力します。 スキーマ名: BIPLATFORMスキーマをドロップダウン・リストから選択します。これには、RCUでこのスキーマを作成するときに定義された接頭辞が付いています。 パスワード: 指定したスキーマに関連付けられているパスワードを入力します。 「次へ」をクリックして続行します。 |
7 |
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アップグレード・アシスタントは、コンポーネントを調べ、ソースおよびターゲットの各スキーマに予想される列が含まれていることを確認します。 「ステータス」列の下に、「成功」という言葉が表示されます。「失敗」という言葉が表示された場合は、ログ・ファイルで詳細を調べてください。 「次へ」をクリックして続行します。 |
8 |
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「アップグレード」をクリックします。 |
9 |
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アップグレード処理が開始され、ステータス・バーが100%に到達すると完了します。 アップグレード中にエラーが発生した場合、ログ・ファイルで詳細を調べてください。ログ・ファイルは、次のディレクトリにあります。 BI_ORACLE_HOME/upgrade/logs/ua<timestamp>.log Windowsオペレーティング・システムの場合: BI_ORACLE_HOME\upgrade\logs\ua<timestamp>.log <timestamp>は現在の日時です。 「次へ」をクリックして続行します。 |
10 |
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「閉じる」をクリックします。 |
注意: ログ・ファイルでエラーまたは警告を確認します。10gファイルのすべてのエラーまたは警告を、アップグレードした11gのリポジトリおよびカタログで、手動で解決します。 |
Oracle BI EEコンポーネントに対して実行が必要となる場合のあるアップグレード後のタスクの説明は、第8.1項「Oracle Business Intelligence Enterprise Editionのアップグレード後のタスクと考慮事項」を参照してください。
注意: アップグレード・アシスタントの最終画面で、推奨される手動のアップグレード手順を確認します。 |
11gシステムにログインしてOracle BI EEコンポーネントが起動して実行中であることを確認することによって、Oracle BI EEが正常にアップグレードされたことを検証できます。
次のいずれかの方法でもアップグレードを検証できます。
アップグレード・アシスタントを再度実行し、「操作の指定」ページで「インスタンスの検証」を選択します。
特定のOracle Fusion Middlewareコンポーネントが起動して実行中であることの検証方法の詳細は、画面の指示に従ってください。
Fusion Middleware Controlを使用して、Oracle Business Intelligenceコンポーネントが起動して実行中であることを検証します。
詳細は、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』のOracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlの使用の概要に関する項を参照してください。