Oracle® Fusion Middleware Oracle Identity Managementエンタープライズ・デプロイメント・ガイド 11gリリース1(11.1.1.5) B61378-02 |
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この章では、構成ウィザード、Oracle WebLogic Server管理コンソールおよびOracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlを使用してドメインを作成する方法について説明します。ドメインを拡張してOracle Fusion Middlewareコンポーネント(Oracle Identity Manager、Oracle Access Managerなど)を追加できます。
注意: 設定プロセスを開始する前にリリース・ノートを熟読してインストールとデプロイメントに関する考慮事項を確認することを強くお薦めします。 |
この章の内容は次のとおりです。
他のOracle Fusion Middlewareコンポーネントを後でインストールするかしないかに関係なく、WebLogic管理サーバーのフェイルオーバーを行うにはこの手順が必要であることに注意してください。
管理サーバーを仮想IPアドレス(ADMINVHN.mycompany.com
)と関連付けます。ADMINVHN.mycompany.com
がIDMHOST1
において有効であることを確認します。
注意: これは、浮動IPアドレスに関連付けられているDNS名です。このアドレスは |
Linux
仮想IPアドレスを有効にするには、root
として次のコマンドを実行します。
/sbin/ifconfig interface:index IPAddress netmask netmask /sbin/arping -q -U -c 3 -I interface IPAddress
ここでinterface
はeth0
、eth1
などで、index
は0
、1
、2
などです。
次に例を示します。
/sbin/ifconfig eth0:1 100.200.140.206 netmask 255.255.255.0
ネットワークを有効化し、仮想IPアドレスの新しい場所を登録します。
/sbin/arping -q -U -c 3 -I eth0 100.200.140.206
別のノードからping
を行って、アドレスが使用可能であることを検証します。次に例を示します。
/bin/ping 100.200.140.206
Windows
仮想IPアドレスを有効にするには、次のコマンドを実行します。
netsh interface ip add address interface IP_Address netmask
ここで、IP_Address
は仮想IPアドレスで、netmask
は関連付けられたネットマスクです。
次の例では、IPアドレスはインタフェースLocal Area Connection
上で有効になります。
netsh interface ip add address "Local Area connection" 100.200.140.206 255.255.255.0
構成ウィザードを共通Oracleホーム・ディレクトリから実行し、管理サーバーを含むドメインを作成します。後で、ドメインを拡張し、その他のコンポーネントを含めます。
構成ウィザードの場所にディレクトリを変更します。これは、共通Oracleホーム・ディレクトリ(第4章「ソフトウェアのインストール」で作成される)内にあります。
IDMHOST1> cd ORACLE_BASE/product/fmw/oracle_common/common/bin
Oracle Fusion Middleware構成ウィザードを起動します。
Linuxでは、次のように入力します。
IDMHOST1> ./config.sh
Windowsでは次のように入力します。
IDMHOST1> ./config.cmd
「ようこそ」画面で、「新しいWebLogicドメインの作成」を選択し、「次へ」をクリックします。
「ドメイン・ソースの選択」画面を図6-1に示します。
「ドメイン・ソースの選択」画面で、次の手順を実行します。
「以下の製品をサポートするために、自動的に構成されたドメインを生成する」を選択します。
次の製品を選択します。
基本WebLogic Serverドメイン[wlserver_10.3](これは自動的に選択されます。)
Oracle Enterprise Manager [oracle_common]
Oracle JRF [oracle_common](これは自動的に選択されます。)
「次へ」をクリックします。
「ドメイン名と場所の指定」画面で、ドメイン名(IDMDomain
)を入力します。
ドメイン・ディレクトリが第2.4項「共有記憶域と推奨ディレクトリ構造」で推奨されているディレクトリおよび共有記憶域のマウント・ポイントと一致していることを確認します。
次を入力します。
ORACLE_BASE/admin/IDMDomain/aserver/
これはドメイン・ディレクトリ用です。
ORACLE_BASE/admin/IDMDomain/aserver/applications
これはアプリケーションのディレクトリ用です。このディレクトリは共有記憶域内にある必要があります。
「次へ」をクリックします。
「管理者ユーザー名およびパスワードの構成」画面で、ドメインの管理者用に使用するユーザー名(デフォルトはweblogic
)とパスワードを入力します。次に例を示します。
名前: weblogic
ユーザー・パスワード: Weblogicユーザーのパスワード
ユーザー・パスワードの確認: Weblogicユーザーのパスワード
説明: このユーザーはデフォルトの管理者です。
「次へ」をクリックします。
「サーバーの起動モードおよびJDKの構成」画面で、次の手順を実行します。
「WebLogicドメインの起動モード」に「本番モード」を選択します。
「JDKの選択」では、「JRockit SDK」を選択します。
「次へ」をクリックします。
「オプションの構成を選択」画面で、次を選択します。
管理サーバー
管理対象サーバー、クラスタ、およびマシン
「次へ」をクリックします。
「管理サーバーの構成」画面で、次の値を入力します。
名前: AdminServer
Listen address: ADMINVHN.mycompany.com
Listen port: 7001
SSLリスニング・ポート: 該当なし
SSL有効: 選択解除
「次へ」をクリックします。
「管理対象サーバーの構成」画面で、「次へ」をクリックします。
「クラスタの構成」画面で、「次へ」をクリックします。
「マシンの構成」画面で、「Unixマシン」タブ(LinuxおよびUNIXマシンの場合)、または「マシン」タブ(Windowsマシンの場合)をクリックしてから、「追加」をクリックして次のマシンを追加します。マシン名が有効なホスト名またはリスニング・アドレスである必要はなく、単にノード・マネージャの場所の一意のIDです。
名前: ADMINHOST
ノード・マネージャ・リスニング・アドレス: localhost
他のフィールドはすべてデフォルト値のままにします。
「次へ」をクリックします。
「サーバーのマシンへの割当」画面で、次のようにサーバーをマシンに割り当てます。
ADMINHOST: AdminServer
「次へ」をクリックします。
「構成のサマリー」画面で、選択が正しいことを確認してから、「作成」をクリックします。
ドメインの作成画面で、「完了」をクリックします。
IDMHOST1
で管理サーバー用boot.properties
ファイルを作成します。ファイルがすでに存在する場合は、ファイルを編集します。boot.properties
ファイルを使用すると、管理者のユーザー名とパスワードを要求せずに管理サーバーを起動できます。
管理サーバーの場合:
次のディレクトリ構造を作成します。
mkdir -p ORACLE_BASE/admin/IDMDomain/aserver/IDMDomain/servers/AdminServer/security
テキスト・エディタで、boot.propertiesというファイルを前の手順で作成された最後のディレクトリに作成し、このファイルにユーザー名とパスワードを入力します。次に例を示します。
username=weblogic
password=password for weblogic user
注意: ファイル内のユーザー名とパスワードのエントリは、第6.5項「ノード・マネージャ資格情報の更新」の説明に従って管理サーバーを起動するまでは暗号化されません。セキュリティ上の理由から、ファイルのエントリが暗号化されていない状態の時間は最小限に抑えてください。ファイルを編集した後、できるだけ速やかにサーバーを起動し、エントリを暗号化してください。 |
次の手順を実行して、IDMHOST1
でノード・マネージャを起動します。
ORACLE_BASE
/product/fmw/wlserver_10.3/server/bin/
ディレクトリの下にある、startNodeManager.sh
スクリプトを実行します。
IDMHOST1
のsetNMProps.sh
スクリプトを実行し、StartScriptEnabled
プロパティをtrue
に設定します。
cd MW_HOME/oracle_common/common/bin
./setNMProps.sh
注意:
|
ノード・マネージャ・プロセスを強制終了してノード・マネージャを停止するか、Windowsでサービスを停止します。
第21.1項「Oracle Identity Managementコンポーネントの起動と停止」の説明に従って、管理サーバーに対してノード・マネージャを起動します。
wlst
を使用し、ノード・マネージャに接続して、管理サーバーを起動します。ただし、ノード・マネージャを使用して管理サーバーを最初に起動するとき、構成ウィザードでノード・マネージャに設定するデフォルトのユーザー名とパスワードを変更する必要があります。したがって、最初に起動では管理サーバーの起動スクリプトを使用する必要があります。次の手順に従って、ノード・マネージャを使用して管理サーバーを起動します。最初の起動操作には手順1-4が必要ですが、2回目以降の起動には手順4のみが必要です。
ドメイン・ディレクトリの起動スクリプトを使用して、管理サーバーを起動します。
IDMHOST1> cd ORACLE_BASE/admin/domain_name/aserver/domain_name/bin IDMHOST1> ./startWebLogic.sh
管理コンソールを使用して、ノード・マネージャ資格証明を更新します。
ブラウザで、http://ADMINVHN.mycompany.com:7001/console
に移動します。
管理者としてログインします。
「ロックして編集」をクリックします。
「Domain_name」→「セキュリティ」→「一般」をクリックし、下部で「詳細」を拡張します。
ノード・マネージャ用に新しいユーザー名を入力するか、または既存のユーザー名をメモしてノード・マネージャのパスワードを更新します。
変更内容を保存し有効にします。
コマンドstopWebLogic.sh
を発行して、WebLogic管理サーバーを停止します。このコマンドは、ORACLE_BASE
/admin/domain_name/aserver/domain_name/bin
ディレクトリの下にあります。
WLSTを起動し、nmconnect
と更新した資格証明を使用してノード・マネージャに接続します。nmstart
を使用して、WebLogic管理サーバーを起動します。
IDMHOST1> cd ORACLE_COMMON_HOME/common/bin
IDMHOST1> ./wlst.sh
Windowsでは、コマンドは次のとおりです。
wlst.cmd
wlst
シェルで一度、次のコマンドを実行します。
wls:/offline> nmConnect('Admin_User','Admin_Pasword', 'IDMHOST1','5556', 'IDMDomain','/u01/app/oracle/admin/IDMDomain/aserver/IDMDomain') wls:/nm/domain_name> nmStart('AdminServer')
ここで、Admin_user
とAdmin_Password
は、手順2で入力したノード・マネージャのユーザー名とパスワードです。
注意:
|
次の手順実行して、管理サーバーが正しく構成されていることを確認します。
ブラウザで、http://ADMINVHN.mycompany.com:7001/console
に移動します。
WebLogic管理者(たとえば、webLogic
)としてログインします。
http://ADMINVHN.mycompany.com:7001/em
でOracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlにアクセスできることを確認します。
WebLogic管理者(たとえば、webLogic
)としてOracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlにログインします。
この手順が必要になるのは、管理サーバーで様々なノードの認証を行うための適切な証明書を設定していない場合です。(第17章「ノード・マネージャの設定」を参照してください。)サーバー証明書を構成していない場合は、様々なWebLogic Serverを管理する際にエラーが発生します。このエラーを回避するには、第17章「ノード・マネージャの設定」の説明に従って、トポロジを設定して検証する間、ホスト名検証を無効にし、EDGトポロジ構成が完了してからこれを再び有効にします。
次の手順を実行してホスト名検証を無効します。
次のURLでOracle WebLogic Server管理コンソールにアクセスします。
http://adminvhn.mycompany.com:7001/console
インストール時に指定したパスワードを使用して、ユーザーweblogic
としてログインします。
「ロックして編集」をクリックします。
「環境」ノードを「ドメイン構造」ウィンドウで開きます。
「サーバー」をクリックします。「サーバーのサマリー」ページが表示されます。
テーブルの「名前」列で、「AdminServer(admin)」を選択します。「AdminServer(admin)」の「設定」ページが表示されます。
「SSL」タブをクリックします。
「詳細」をクリックします。
「ホスト名の検証」を「なし」に設定します。
「保存」をクリックします。
「変更のアクティブ化」をクリックします。
第21.1項「Oracle Identity Managementコンポーネントの起動と停止」の説明に従って、管理サーバーを停止します。
WLSTを起動し、nmconnectおよび前の説明で設定した資格証明を使用してノード・マネージャに接続します。nmstart
を使用して管理サーバーを起動します。
IDMHOST1> cd ORACLE_COMMON_HOME/common/bin
IDMHOST1> ./wlst.sh
wlst
シェルで一度、次のコマンドを実行します。
wls:/offline> nmConnect('Admin_User','Admin_Pasword', 'IDMHOST1','5556', 'IDMDomain','/u01/app/oracle/admin/IDMDomain/aserver/IDMDomain') wls:/nm/domain_name> nmStart('AdminServer')
ここで、Admin_user
とAdmin_Password
は、第6.5項「ノード・マネージャ資格証明の更新」の手順2で入力したノード・マネージャのユーザー名とパスワードです。
注意:
|
Oracle HTTP Serverを管理サーバーにルーティングできるようにするには、ご使用のHTTP Server構成で対応するマウント・ポイントを設定する必要があります。
WEBHOST1
とWEBHOST2
上の各Webサーバーで、次のディレクトリにadmin.confというファイルを作成します。
ORACLE_INSTANCE/config/OHS/component/moduleconf
このファイルには次のエントリが含まれています。
NameVirtualHost *:7777 <VirtualHost *:7777> ServerName admin.mycompany.com:80 ServerAdmin you@your.address RewriteEngine On RewriteOptions inherit RewriteRule ^/console/jsp/common/logout.jsp /oamsso/logout.html [PT] RewriteRule ^/em/targetauth/emaslogout.jsp /oamsso/logout.html [PT] # Admin Server and EM <Location /console> SetHandler weblogic-handler WebLogicHost ADMINVHN.mycompany.com WeblogicPort 7001 </Location> <Location /consolehelp> SetHandler weblogic-handler WebLogicHost ADMINVHN.mycompany.com WeblogicPort 7001 </Location> <Location /em> SetHandler weblogic-handler WebLogicHost ADMINVHN.mycompany.com WeblogicPort 7001 </Location> </VirtualHost>
注意:
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第21.1項「Oracle Identity Managementコンポーネントの起動と停止」の説明に従って、WEBHOST1
とWEBHOST2
の両方でOracle HTTP Serverを再起動します。
WEBHOST1> ORACLE_BASE/admin/instance_name/bin/opmnctl restartproc ias-component=ohs1 WEBHOST2> ORACLE_BASE/admin/instance_name/bin/opmnctl restartproc ias-component=ohs2
Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware ControlでOracle HTTP Serverを管理および監視できるようにするには、ドメインにOracle HTTP Serverを登録する必要があります。これを実行するには、次のコマンドを使用してWebLogic ServerにOracle HTTP Serverを登録する必要があります。
WEBHOST1> cd ORACLE_BASE/admin/instance_name/bin
WEBHOST1> ./opmnctl registerinstance -adminHost ADMINVHN.mycompany.com \
-adminPort 7001 -adminUsername weblogic
また、このコマンドをOHS2
のWEBHOST2
から実行する必要もあります。
Oracle WebLogic Server管理コンソールは、ポート、チャネルおよびセキュリティに対してコンソールを使用して行われる変更を追跡します。コンソールを使用して行われた変更をアクティブ化するとき、コンソールは現在のリスニング・アドレス、ポートおよびプロトコルを検証します。このリスニング・アドレス、ポートおよびプロトコルがまだ有効の場合、コンソールはHTTPリクエストをリダイレクトし、ホストとポートの情報を管理サーバーのリスニング・アドレスとポートに置き換えます。管理コンソールがロード・バランサを使用してアクセスされる場合、管理サーバーのフロントエンドURLを変更し、ユーザーのブラウザが適切なロード・バランサ・アドレスにリダイレクトされるようにする必要があります。この変更を行うには、次の手順を実行します。
Oracle WebLogic Server管理コンソールにログインします。
「ロックして編集」をクリックします。
「ドメイン構造」ウィンドウで「環境」ノードを開きます。
「サーバー」をクリックして「サーバーのサマリー」ページを開きます。
表の「名前」列で「管理サーバー」を選択します。「AdminServer(admin)」の「設定」ページが表示されます。
「プロトコル」タブをクリックします。
「HTTP」タブをクリックします。
「フロントエンド・ホスト」フィールドをadmin.mycompany.com
(ご使用のロード・バランサ・アドレス)に設定します。
「フロントエンドHTTPポート」を80
に設定します。
変更内容を保存し有効にします。
リダイレクトしないようにするには、管理コンソールの変更の追跡
機能を無効にすることをお薦めします。これを実行するには、管理コンソールにログインし、「プリファレンス」→「共有プリファレンス」をクリックします。「構成変更の追跡」を選択解除し、「保存」をクリックします。
エンタープライズ・デプロイメントでは、Oracle HTTP ServerがOracle WebLogic Serverの前面になります。HTTP Serverの前面は、SSL変換を実行するロード・バランサとなります。https
接頭辞を付けて内部ループバックURLを生成するには、Oracle HTTP Server WebLogicプラグイン経由でリクエストを受信するようOracle WebLogic Serverに通知する必要があります。
ドメイン、クラスタ、または管理対象サーバーのいずれかのレベルで、プラグインを設定できます。Oracle WebLogic ServerへのすべてのリクエストがOracle OHSプラグイン経由で送信されるので、ドメイン・レベルでこれを設定します。
これを行うには、次の手順を実行します。
次のアドレスを指定してWebLogic Server管理コンソールにログインします。
http://ADMINVHN.mycompany.com:7001/console
「ロックして編集」をクリックします。
「ドメイン構造」メニューの「IDMDomain」をクリックします。
「構成」タブをクリックします。
「Webアプリケーション」サブタブをクリックします。
「WebLogicプラグインの有効化」を選択します。
「保存」をクリックして、「変更をアクティブ化します。」をクリックします。
第21.1項「Oracle Identity Managementコンポーネントの起動と停止」の説明に従って、WebLogic管理サーバーを再起動します。
管理コンソールでサーバーのステータスが「実行中」
として報告されていることを確認します。サーバーのステータスが「起動しています
」または「再開中です
」である場合は、「起動済み
」になるまで待ちます。「管理
」や「失敗
」などの別のステータスが表示される場合は、サーバーの出力ログ・ファイルを調べ、エラーがないか確認します。考えられる原因は、第21.6項「トラブルシューティング」を参照してください。
次のURLを使用してOracle HTTP Serverで管理コンソールとOracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlを検証します。
http://admin.mycompany.com/console
http://admin.mycompany.com/em
ロード・バランサを使用してシステム・アクセスを構成する方法の詳細については、第2.2.1項「ロード・バランサ」を参照してください。
注意: 第6.10項「WebLogic ServerへのOracle HTTP Serverの登録」の説明に従ってOracle HTTP Serverを登録すると、そのOracle HTTP Serverは管理可能なターゲットとしてOracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlに表示されます。これを確認するには、Fusion Middleware Controlにログインします。ナビゲーション・ツリーのWeb層アイテムは、Oracle HTTP Serverが登録済であることを示します。 |
この項では、管理サーバーをIDMHOST2
にフェイルオーバーする方法と、これをIDMHOST1
にフェイルバックする方法について説明します。
この項の内容は次のとおりです。
あるノードで障害が発生した場合、管理サーバーを別のノードにフェイルオーバーできます。この項では、管理サーバーをIDMHOST1
からIDMHOST2
にフェイルオーバーする方法について説明します。
前提は次のとおりです。
管理サーバーがADMINVHN.mycompany.com
をリスニングし、任意の
アドレスをリスニングしないように構成されている。第6.2項「IDMHOST1で構成ウィザードを実行してドメインを作成する方法」の手順10を参照してください。
管理サーバーはIDMHOST1
からIDMHOST2
にフェイルオーバーされ、この2つのノードに次のIPアドレスがある。
IDMHOST1
: 100.200.140.165
IDMHOST2
: 100.200.140.205
ADMINVIP
: 100.200.140.206
これは、管理サーバーが稼働している仮想IPアドレスで、IDMHOST1
とIDMHOST2
で使用可能なinterface:index(eth1:2など)に割り当てられています。
管理サーバーがIDMHOST1
内で実行されるドメイン・ディレクトリは、共有記憶域にあり、IDMHOST2
からもマウントされている。
注意:
|
Oracle WebLogic ServerおよびOracle Fusion Middlewareコンポーネントは前の章の説明のとおり、IDMHOST2
にインストールされている。つまり、IDMHOST1
に存在するIDM_ORACLE_HOME
とMW_HOME
のパスは、IDMHOST2
でも使用できます。
次の手順は、管理サーバーを異なるノード(IDMHOST2
)にフェイルオーバーする方法を示します。
Linux
第21.1項「Oracle Identity Managementコンポーネントの起動と停止」の説明に従って、管理サーバーを停止します。
IPアドレスを2番目のノードに移行します。
IDMHOST1
で次のコマンドをrootとして実行します(ここでx:yはADMINVHN.mycompany.com
が使用する現在のインタフェースです)。
IDMHOST1 > /sbin/ifconfig x:y down
次に例を示します。
IDMHOST1 > /sbin/ifconfig eth0:1 down
IDMHOST2
で次のコマンドを実行します。
IDMHOST2> /sbin/ifconfig interface:index IP_Address netmask netmask
次に例を示します。
/sbin/ifconfig eth0:1 10.0.0.1 netmask 255.255.255.0
注意: 使用するネットマスクおよびインタフェースが |
arping
を使用してルーティング表を更新します。次に例を示します。
IDMHOST2> /sbin/arping -b -A -c 3 -I eth0 10.0.0.1
Windows
第21.1項「Oracle Identity Managementコンポーネントの起動と停止」の説明に従って、管理サーバーを停止します。
IPアドレスを2番目のノードに移行します。
次のコマンドをIDMHOST1
上でrootとして実行します。
netsh interface ip delete address interface netmask
次の例では、インタフェースLocal Area Connection
上でIPアドレスが無効になります。
netsh interface ip delete address "Local Area connection" 100.200.140.206
IDMHOST2
で次のコマンドを実行します。
netsh interface ip add address interface IP_Address netmask
次の例では、Local Area Connection
のインタフェースでIPアドレスが有効化されます。
netsh interface ip add address "Local Area connection" 100.200.140.206 255.255.255.0
次の手順を実行して、IDMHOST2
上でノード・マネージャを起動します。
IDMHOST1
上で、管理サーバー・ドメイン・ディレクトリをアンマウントします。次に例を示します。
umount /u01/app/oracle/admin/IDMDomain/aserver/
IDMHOST2
で、管理サーバー・ドメイン・ディレクトリをマウントします。次に例を示します。
mount /u01/app/oracle/admin/IDMDomain/aserver/
次のコマンドを使用してノード・マネージャを起動します。
IDMHOST2> cd ORACLE_BASE/product/fmw/wlserver_10.3/server/bin
IDMHOST2> ./startNodeManager.sh
ノード・マネージャを停止します。
注意: この時点でのノード・マネージャの起動および停止は、ノード・マネージャを初めて実行するときにのみ必要です。起動および停止により、前もって定義されたテンプレートからプロパティ・ファイルが作成されます。次の手順では、そのプロパティ・ファイルにプロパティを追加します。 |
setNMProps.shスクリプトを実行して、ノード・マネージャを起動する前にStartScriptEnabled
プロパティをtrue
に設定します。
cd MW_HOME/oracle_common/common/bin
./setNMProps.sh
注意:
|
第21.1.5.3項「管理サーバーのノード・マネージャの起動」を参照して、ノード・マネージャを起動します。
IDMHOST2上で管理サーバーを起動します。
DMHOST2> cd ORACLE_COMMON_HOME/common/bin IDMHOST2> ./wlst.sh
wlst
シェルで一度、次のコマンドを実行します。
wls:/offline> nmConnect(Admin_User,'Admin_Password, IDMHOST2,'5556', 'IDMDomain','/u01/app/oracle/admin/IDMDomain/aserver/IDMDomain') wls:/nm/domain_name> nmStart('AdminServer')
次のように、IDMHOST2上で管理サーバーにアクセスできることをテストします。
http://ADMINVHN.mycompany.com:7001/console
でOracle WebLogic Server管理コンソールにアクセスできることを確認します。
http://ADMINVHN.mycompany.com:7001/em
でOracle Enterprise Managerのコンポーネントにアクセスしてそのステータスを確認できることをチェックします。
第6.13項「Oracle HTTP Serverを使用したアクセスの検証」と同じ手順を実行します。これは、管理サーバーがIDMHOST2
上で実行されているときに管理サーバーにアクセスできることを確認するためです。
この手順では、管理サーバーをフェイルバックできる(つまり、IDMHOST2
上で停止し、IDMHOST1
上で実行できる)ことを確認します。このためには、次のようにしてADMINVHN
を元のIDMHOST1
ノードに移行します。
IDMHOST2
上で、管理サーバー・ドメイン・ディレクトリをアンマウントします。次に例を示します。
umount /u01/app/oracle/admin/IDMDomain/aserver/
IDMHOST1
上で、管理サーバー・ドメイン・ディレクトリをマウントします。次に例を示します。
mount /u01/app/oracle/admin/IDMDomain/aserver/
管理サーバーが実行されていないことを確認してください。管理サーバーが実行中の場合、WebLogicコンソールから停止するか、またはコマンドstopWeblogic.sh
をDOMAIN_HOME
/bin
から実行します。
第21.1項「Oracle Identity Managementコンポーネントの起動と停止」の説明に従って、管理サーバーを停止します。
IDMHOST2
上で仮想IPアドレスADMINVHN.mycompany.com
を無効にして、IDMHOST2
上で次のコマンドをroot
として実行します。
IDMHOST2 > /sbin/ifconfig x:y down
ここで、x
:
y
はADMINVHN.mycompany.com
が使用する現在のインタフェースです。
IDMHOST1
で次のコマンドを実行します。
IDMHOST1> /sbin/ifconfig interface:index 100.200.140.206 netmask 255.255.255.0
注意: 使用するネットマスクおよびインタフェースが |
arpingを使用してルーティング表を更新します。IDMHOST1
から次のコマンドを実行します。
IDMHOST1> /sbin/arping -b -A -c 3 -I interface 100.200.140.206
ノード・マネージャがまだIDMHOST1
上で起動されていない場合は、第21.1項「Oracle Identity Managementコンポーネントの起動と停止」の説明に従って起動します。
IDMHOST1
で管理サーバーを再起動します。
IDMHOST1> cd ORACLE_COMMON_HOME/common/bin
IDMHOST1> ./wlst.sh
wlst
シェルで一度、次を実行します。
wls:/offline>nmConnect(Admin_User,'Admin_Pasword, IDMHOST1,'5556', 'IDMDomain','/u01/app/oracle/admin/IDMDomain/aserver/IDMDomain' wls:/nm/domain_name> nmStart('AdminServer')
http://ADMINVHN.mycompany.com:7001/console
でOracle WebLogic Server管理コンソールにアクセスできることをテストします。
http://ADMINVHN.mycompany.com:7001/em
でOracle Enterprise Managerのコンポーネントにアクセスしてそのステータスを確認できることをチェックします。
ベスト・プラクティスとしては、インストールと各層の構成が正常に完了した後や別の論理ポイントでバックアップを作成することをお薦めします。インストールが正常に行われたことを確認したら、バックアップを作成します。これは、後の手順で問題が発生した場合に即座にリストアするための迅速なバックアップになります。バックアップ先はローカル・ディスクです。エンタープライズ・デプロイメント設定が完了すると、このバックアップは破棄できます。エンタープライズ・デプロイメント設定が完了したら、バックアップとリカバリの通常のデプロイメント固有プロセスを開始できます。詳細は、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』を参照してください。
データベースのバックアップについては、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。
この時点でインストールをバックアップするには、次の手順を実行します。
第5.5項「Web層の構成のバックアップ」の説明に従って、Web層をバックアップします。
データベースをバックアップします。これは全データベースのバックアップで、ホット・バックアップかコールド・バックアップになります。お薦めするツールはOracle Recovery Managerです。
第21.1項「Oracle Identity Managementコンポーネントの起動と停止」の説明に従って、ノード・マネージャとドメイン内で実行されているすべてのプロセスを停止します。
管理サーバー・ドメイン・ディレクトリをバックアップします。これによってドメイン構成が保存されます。すべての構成ファイルは、ORACLE_BASE
/admin/
domainName
/aserver
ディレクトリの下にあります。Linuxでは、次のように入力します。
IDMHOST1> tar -cvf edgdomainback.tar ORACLE_BASE/admin/domainName/aserver
アプリケーション層の構成をバックアップする方法の詳細は、第21.4項「バックアップとリカバリの実行」を参照してください。