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Oracle® Fusion Middleware相互運用および互換性ガイド
11g リリース1(11.1.1)
B65034-01
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1 互換性および相互運用性の理解

この章では、互換性と相互運用性の概要を紹介し、Oracle Fusion Middleware 11gコンポーネントのアップグレード時、パッチ・セット適用時、またはOracle Fusion Middlewareの新規コンポーネントのインストール時に、互換性や相互運用性について考慮が必要となる領域を特定する方法について説明します。

1.1 互換性の概要

このガイドでは、互換性とは、バージョン(またはリリース)が異なる2つのOracle Fusion Middlewareコンポーネントの相互運用性として定義されています。Oracle Fusion Middleware 11gのアップグレード時またはOracle Fusion Middleware 11gパッチ・セット適用時に、互換性について考慮が必要となる場合があります。たとえば、アップグレード時には、更新が必要となるコンポーネントを把握し、既存の統合ポイントが引き続き機能するようにする必要があります。パッチ・セットの適用時には、新しい製品が同一リリースの他の製品と機能するかどうか、あるいは以前のバージョンで引き続き機能するかどうかを把握する必要があります。

第2章「Oracle Application Server 10gコンポーネントと11gコンポーネントとの互換性および相互運用性」では、特定のOracle Application Server 10g製品とOracle Fusion Middleware 11g(11.1.1.4.0)製品との互換性について説明しています。


注意:

互換性は、Oracle Fusion Middlewareの異なるパッチ・セットの一部としてインストールされたコンポーネント間での相互作用に該当し、たとえば、11g(11.1.1.3.0)コンポーネントと11g(11.1.1.4.0)コンポーネントとの互換性などがあります。互換性の問題は、リリース番号の最初の4桁のうち1桁以上が異なる場合(11.1.1.3.0と11.1.1.4.0など)に生じる可能性があります。

1.1.1 Oracle Fusion Middlewareソフトウェア・スイート間の互換性

Oracle Application Server 10g環境をOracle Fusion Middleware 11gにアップグレードする場合には、環境内の領域を一度に1つずつ更新する可能性が高いと考えられます。

たとえば、Oracle SOA Suiteの新機能をサポートするために、1つの部門の中間層をOracle Fusion Middleware 11gにアップグレードする場合があります。同時に、会社全体のOracle Identity Managementコンポーネントについては、Oracle Application Server 10gのままにしておく場合もあります。

Oracle Fusion Middleware 11g(11.1.1.2.0)コンポーネントと他の11g(11.1.1.2.0)コンポーネントとの互換性については、第2章「Oracle Application Server 10gコンポーネントと11gコンポーネントとの互換性および相互運用性」を参照してください。

1.1.2 Oracle Fusion Middlewareソフトウェア・スイート内の互換性

Oracle Application Server環境をOracle Fusion Middleware 11gにアップグレードする場合には、特定のソフトウェア・スイート内で発生する可能性のある互換性の問題についても検討する必要があります。

ほとんどの場合、これらの問題は一時的なものであり、アップグレード・プロセス中にのみ発生します。 通常は、ソフトウェア・スイートをアップグレードする手順を完了すると、問題は解決されます。ただし、アップグレード計画に影響する可能性があるため、依然としてこれらの問題には注意する必要があります。

1.2 相互運用性の概要

このガイドでは、相互運用性とは、サポートされるOracle Fusion Middleware構成で、同一バージョン(またはリリース)の2つのOracle Fusion Middlewareコンポーネントが連携できる(相互運用できる)可能性として定義されています。具体的に言うと、相互運用性は、リリース番号またはバージョン番号の最初の4桁が同じ場合に該当します。たとえば、Oracle Fusion Middleware 11g(11.1.1.2.0)コンポーネントは、通常、他の11g(11.1.1.2.0)コンポーネントと相互運用性があります。

場合によっては、Oracle Fusion Middlewareソフトウェア・スイート間で相互運用性の問題が生じることがあります。たとえば、Oracle Fusion Middleware 11gR1製品間(SOAとWebCenterなど)でドメインが共存する場合に問題が生じます。

Oracle Fusion Middleware 11g(11.1.1.2.0)コンポーネントと他の11g(11.1.1.2.0)コンポーネントとの相互運用性については、第3章「Oracle Fusion Middleware 11gコンポーネント間の相互運用性」を参照してください。

1.3 サポートされるデータベースとの相互運用性および互換性の理解

Oracle Fusion Middleware 11gの各リリースは、特定のデータベース・バージョンに対して動作が保証されています。具体的には、Oracle Fusion Middleware 11gコンポーネント・スキーマをホストする際に、これらの動作が保証されているデータベースを使用できます。

場合によっては、特定のOracle Fusion Middleware 11g リリースにアップグレードするには、まずデータベースをサポートされるバージョンにアップグレードする必要があります。Oracle Fusion Middlewareコンポーネントのアップグレードの詳細は、『Oracle Fusion Middlewareアップグレード・プランニング・ガイド』を参照してください。

Oracle Fusion Middleware 11gの各リリースでサポートされるデータベースの最新情報は、Oracle Technology Networkで「Oracle Fusion Middlewareでサポートされるシステム構成」を参照してください。

サポートされる構成のページで、ご使用のOracle Application ServerまたはOracle Fusion Middlewareの特定のリリース、およびアップグレード対象のOracle Fusion Middlewareのリリースを確認できます。Oracle Application ServerおよびOracle Fusion Middlewareの各リリースには、対応するスプレッドシートが用意されており、動作が保証されている構成(サポートされているデータベースなど)がリストされています。

次の項では、Oracle Fusion Middlewareコンポーネントを使用する際に、追加の考慮事項が必要となる使用例について説明します。

1.3.1 Oracle Adaptive Access ManagerでのOracle Databaseの使用

最近まで、Oracle Adaptive Access Manager(OAAM)をサポートするOracle Databaseのバージョンは、Enterprise Editionのみでした。今後もOAAMで使用するデータベース・バージョンには、Enterprise Editionが推奨されますが、必要に応じてStandard Editionを使用することも可能になりました。

OAAMでOracle Database Standard Editionを使用することを検討している場合、次のすべての質問に対して「はい」で回答できる必要があります。

  1. 定期的なデータベース・メンテナンスを目的とした本番環境の停止時間が、業務やIT所有者によって許容されますか。SEにはオンライン索引再編成機能はありません。

  2. デプロイメントで単一のデータ・センターを使用しますか。フェイルオーバー時に、SEでStreamsまたはDataGuardは使用できません。

  3. デプロイメントにおけるログインおよびトランザクションの合計通信量が、1日当たり200Kを下回りますか。SEはパーティション化をサポートしていません。

前述の3つの質問にすべて「はい」で回答できた場合は、OAAMでのOracle Database Standard Editionの使用がサポートされます。

1.4 互換性および相互運用性について考えられる問題の特定

次の項では、このガイド、Oracle Technology Network(OTN)およびその他のOracleドキュメントに記載されている情報を使用して、互換性および相互運用性に関する一般的な問題を特定し、解決する方法を説明します。

1.4.1 前提作業

新しい製品をインストールする、または既存製品を(新しいメジャー・バージョンまたはパッチ・セットへのいずれかに)アップグレードする際に、相互運用性および互換性に関する問題が生じる場合があります。新しい製品コンポーネントをインストールする段階では、相互運用性に関する考慮事項は、その新しい製品を同一リリースの他のOracle Fusion Middlewareコンポーネントと統合する機能に関連しています。

互換性に関する考慮事項は、インストール済であると想定される以前のバージョンのOracle Fusion Middleware製品と、新しい製品を統合する機能に関連しています。 製品を更新する段階では、たいていは互換性の1つが問題となりますが、他のコンポーネントの考慮が必要になる場合があります。考慮が必要となるのは、既存の統合ポイントが引き続き機能するように更新する必要のあるコンポーネントです。

表1-1に示すタスクのリストは、Oracle Fusion Middlewareのアップグレードおよびインストール方針の計画に必要な情報を収集する際に役立ちます。

表1-1 相互運用性に関する考慮事項を特定および解決できるようにするためのタスク

タスク 説明 ドキュメント

タスク1: インストール済コンポーネントおよびサポート・インフラストラクチャに関するリリース情報とバージョン情報を収集します。

Oracle Fusion Middlewareコンポーネントの相互運用性および互換性について考えられる問題を特定するには、インストール済またはインストールやアップグレードを計画している各コンポーネントあるいは一連のコンポーネントについて、リリース情報とバージョン情報を収集する必要があります。

また、オペレーティング・システム、データベース、JDK、およびその他のサード・パーティ製品のバージョン情報とリリース情報も確認する必要があります。

第1.4.5項「コンポーネントおよびインフラストラクチャに関する情報の収集」を参照してください。

タスク2: アップグレードを計画する際には、アップグレード方針を作成して、Oracle Fusion Middleware 11gへのアップグレード時にサポートされる開始点を理解する必要があります。

アップグレード開始点とは、Oracle Fusion Middleware 11gにアップグレードするために実行している必要があるOracle Application Serverの特定のバージョンです。サポートされるアップグレード開始点のOracle Application Serverのバージョンを実行していない場合は、以前のリリースのドキュメントを使用して、まずサポートされる開始点にアップグレードする必要があります。

『Oracle Fusion Middlewareアップグレード・プランニング・ガイド』には、Oracle Fusion Middlewareアップグレード計画の作成方法と実装方法の詳細情報が記載されています。

また、各Oracle Fusion Middleware製品には、詳細なアップグレード・プロセスが記述されたアップグレード・ガイドが用意されており、アップグレード後に完了する必要のある構成タスクが明確にされています。アップグレードに適切なドキュメントを確認する場合の詳細は、第1.4.7項「Oracle Fusion Middlewareドキュメント・ライブラリの使用方法」を参照してください。

タスク3: パッチ・セットを適用する際には、使用しているコンポーネントおよびサポート・インフラストラクチャのパッチ要件を理解しておく必要があります。

パッチの適用では、小さなファイルの集まりを既存のシステムにコピーする処理を行います。通常、パッチはOracle製品の特定のバージョンに関連付けられており、製品の1つのマイナー・バージョンから同じ製品のより新しいバージョンへの(たとえば、バージョン11.1.1.2.0からバージョン11.1.1.3.0などへの)更新が実行されます。

『Oracle Fusion Middlewareパッチ適用ガイド』は、既存のOracle Fusion Middlewareにパッチを適用する場合や、既存のOracle Application Server環境をアップグレードする場合に使用可能なツールについて説明しています。このガイドは、パッチ適用前に満たす必要のある製品固有の前提条件についても説明しています。

最新のパッチおよびパッチ・セットについては、Oracle Fusion Middlewareのシステム要件と仕様のドキュメントに記載されています。このドキュメントは次のWebサイトにあります。http://www.oracle.com/technology/software/products/ias/files/fusion_requirements.htm

タスク4: Oracle Fusion Middlewareの新規コンポーネントをインストールする際には、インストール要件およびサポートされる開始点について理解しておく必要があります。

各Fusion Middleware製品スイートには、前提条件、サポートされる開始点、およびインストール後の構成手順が記述されたインストール・ガイドが用意されています。相互運用性および互換性に関する問題を回避するには、インストール手順に目を通して、それに従うことが重要です。

無料のインストール・ドキュメント、リリース・ノート、ホワイト・ペーパーまたはその他の資料をダウンロードするには、Oracle Technology Network (OTN)にアクセスしてください。OTNを使用するにはオンラインでの登録が必要です。登録(無償)には次のWebサイトをご使用ください。

http://www.oracle.com/technology/membership

すでにOTNのユーザー名およびパスワードを取得している場合は、次のURLでOTN Webサイトのドキュメントのセクションに直接接続できます。

http://www.oracle.com/technology/documentation


1.4.2 このガイドの使用方法

このガイドの各章は、相互運用性または互換性に関する様々なタイプの問題で構成されています。これらの問題は、Oracle Fusion Middlewareコンポーネントのインストール時、アップグレード時またはパッチ適用時に生じる可能性があります。

表1-2に、よくある質問の概要を示します。この表は、その質問の詳細情報を確認できる章にリンクしています。

表1-2 互換性および相互運用性に関する情報の確認

説明

第2章「Oracle Application Server 10gと11gコンポーネントとの互換性および相互運用性」


Oracle Fusion Middleware 11gコンポーネントとOracle Application Server 10gとの互換性に関する質問がある場合は、この章を確認してください。

第3章「Oracle Fusion Middleware 11gコンポーネント間の相互運用性」


次のOracle Fusion Middleware 11gコンポーネントとその他のOracle Fusion Middleware 11gコンポーネントとの相互運用性の詳細は、この章を確認してください。

第4章「カスタム・アプリケーションおよびクライアント・アプリケーションとの相互運用性」


次のシナリオに当てはまる場合は、この章を確認してください。

  • カスタム・アプリケーションを作成して、Oracle Application Server 10gまたはOracle Fusion Middleware 11gにデプロイしている。

  • Oracle Application Server 10gまたはOracle Fusion Middleware 11gにデプロイされているアプリケーションと相互作用するクライアントアプリケーションを作成(または保守)している。

特に、この章では、次のOracle Fusion Middlewareコンポーネントに対するカスタム・アプリケーションおよびクライアント・アプリケーションの相互運用性について説明しています。


1.4.3 Oracle動作保証マトリクスの使用方法

Oracle Fusion Middleware動作保証マトリクスには、サポートされるシステム構成、データベース・バージョン、およびサードパーティ製品など、互換性および相互運用性に関する重要な情報が記述されています。これらのドキュメントを参照して、現在の環境がアップグレードまたはパッチ・セットをサポートしているかどうかを確認してください。


注意:

このガイドの情報は、Oracle Fusion Middleware動作保証マトリクスに記述されている情報を補完するためのものです。このガイドの情報と動作保証マトリクスの情報に相違がある場合は、動作保証マトリクスの情報を適切なバージョンとしてください。動作保証マトリクスのほうが頻繁に更新されています。

表1-3 Oracle Fusion Middleware動作保証マトリクス

ドキュメント名 説明 場所

『Oracle Fusion Middleware Supported System Configurations』

Oracle Fusion Middlewareの各製品領域は、サポートされるインストール・タイプ、プラットフォーム、オペレーティング・システム、データベース、JDKおよびサード・パーティ製品について記載された動作保証のドキュメントをメンテナンスしています。

Oracle Fusion Middlewareでサポートされる構成のページで、確認する製品領域を見つけて、適切な動作保証ドキュメントを選択してください。

http://www.oracle.com/technology/software/products/ias/files/fusion_certification.html

Oracle Fusion Middlewareのシステム要件と仕様のドキュメント

Oracle Fusion Middlewareのシステム要件と仕様のドキュメントには、ハードウェアとソフトウェアの要件、ディスク領域とメモリーの最小要件、必要なシステム・ライブラリ、パッケージまたはパッチなどの情報が記載されています。

http://www.oracle.com/technology/software/products/ias/files/fusion_requirements.htm

Oracle Identity Management動作保証マトリクス

Oracle Fusion Middleware Identity Managementのドキュメントは、サポートされるIdentityの構成およびAccess Managementの構成が記述された動作保証ドキュメントをメンテナンスしています。

http://www.oracle.com/technetwork/middleware/id-mgmt/identity-accessmgmt-11gr1certmatrix-161244.xls

Oracle JDeveloperおよびOracle Application Development Framework 11gの動作保証およびサポート・マトリクス

このドキュメントでは、JDeveloperおよびApplication Development Framework(ADF)のバージョン11gで動作するようにサポートされている様々なサード・パーティ製品およびOracle製品を確認できます。Oracle ADFは、Oracle Fusion Middlewareに必要な製品よりも上位の製品でサポートまたは動作保証される場合があります。このドキュメントは、そのような場合の参照先として役立ちます。

http://www.oracle.com/technology/products/jdev/collateral/papers/11/certification/index.html


1.4.4 このガイドの互換性マトリクスについて

相互運用性マトリクスおよび互換性マトリクスは、潜在的な問題を特定して追加情報に関連付けるために、このガイド全体を通じて使用します。このガイドの相互運用性マトリクスおよび互換性マトリクスを使用する場合、次のいずれかの方法でサポート・レベルを定義できます。

表1-4 このガイドのマトリクスの使用方法

ステータス 説明

互換性または相互運用性がある

互換性インジケータ

関連するコンポーネント間の統合が、適切な構成で機能することが期待できます。ただし、互換性は動作を保証するものではありませんのでご注意ください。動作保証については、表1-3に記載されている動作保証マトリクスで確認できます。

たとえば、Oracle HTTP Standalone Server 10.1.3は、Forms、Portal、Reports、Discoverer 10.1.2と互換性がありますが、使用する構成によってはいくつかの制限が課される場合があります。

互換性または相互運用性がない

互換性インジケータ

関連するコンポーネント間の統合が機能することは期待できません。

たとえば、Oracle HTTP Server 11gR1は、Forms、Portal、Reports、Discoverer 10.1.2との互換性がありません。そのため、これらの製品の併用は避けることを強くお薦めします。

特定のガイドまたは項への参照


この参照は、Oracle Fusion Middleware 11gのアップグレード時、パッチ適用時またはインストール時に確認する必要のある互換性要件や考慮事項について、個々のガイドが詳細情報を提供する場合に提供されます。

たとえば、Oracle Application Server 10g Identity ManagementコンポーネントとIdentity Management 11gコンポーネントの相互運用性に関する詳細情報は、Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managementアップグレード・ガイドを参照します。

N/A


適用なし

たとえば、 通常、カスタムJava EEアプリケーションとOracle Portal、Forms、ReportsおよびDiscovererのインストール間では、通信も相互作用も行われません。


1.4.5 コンポーネントおよびインフラストラクチャに関する情報の収集

Oracle Fusion Middlewareのリリース情報とバージョン情報は、システムにインストールされている各コンポーネントで使用できます。この情報は、相互運用性および互換性に関する問題を効率的に特定し、解決するために必要となります。第1.4.3項に記載されている動作保証マトリクスには、Oracle Fusion Middlewareコンポーネントの動作保証要件およびシステム要件に関する情報が記述されています。

この項では、次の情報について説明します。

1.4.5.1 Oracle Fusion Middlewareの製品リリース情報の確認

Oracle Fusion Middlewareコンポーネントの個別のリリース情報やバージョン情報を確認するには、Oracle Universal Installer(OUI)を使用して、インストールされている製品の情報を表示します。詳細は、 『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』のリリース番号の表示に関する項を参照してください。


注意:

バージョン情報およびリリース情報は、OracleホームのoraInventory/logsディレクトリにある、インストール・ログ・ファイルで確認することもできます。

1.4.5.2 Oracle Databaseのリリース情報の確認

Oracle Databaseのリリース情報を確認する手順は次のとおりです。

Oracleホーム・ディレクトリから、次のようにSQL*Plusを起動します。

sqlplus /nolog
SQL> CONNECT / AS SYSDBA
SQL> select * from v$version;

このコマンドにより、リリース情報が次のように表示されます。

Oracle9i Enterprise Edition Release 9.2.0.8.0 - Production 
PL/SQL Release 9.2.0.8.0 - Production 
CORE 9.2.0.8.0 Production 
TNA for 32-bit Windows: Version 9.2.0.8.0 - Production 
NLSRTL Version 9.2.0.8.0 - Production 

1.4.5.3 Microsoft SQL Serverのバージョン情報の確認

Microsoft SQLデータベースのリリース情報を確認する手順は次のとおりです。

コマンドラインから、次のように入力します。

exec xp_msver ProductVersion

このコマンドにより、製品バージョン情報が次のように表示されます。

ProductVersion 589824 9.00.1399.06

1.4.5.4 DB2のバージョン情報の確認

DB2のリリース情報を確認する手順は次のとおりです。

  • Windowsオペレーティング・システムのコマンドラインで、次の場所に移動します。

    \Program Files\IBM\SQLLIB\BIN>db2level
    

    このコマンドにより、データベース・バージョンおよび適用可能な修正パック情報が次のように表示されます。

    DB21085I Instance “DB2? uses “32? bits and DB2 code release “SQL09011? with level identifier “01020107?.
    Informational tokens are “DB2 v9.1.100.129?, “s061104?, “WR21374?, and Fix Pack “1?.
    Product is installed at “D:\PROGRA~1\IBM\SQLLIB” with DB2 Copy Name “DB2COPY1?.
    
  • UNIXオペレーティング・システムのコマンドラインで、次のように入力します。

    db2ls
    

    このコマンドにより、インストールされているDB2製品のインストール・パス、バージョン・レベル、修正パック情報およびインストール日付が表示されます。このコマンドの出力は、デフォルトでコンソールに出力されます。

    Install Path        Level   Fix Pack    Install Number     Install Date
    --------------------------------------------------------------------------
    /opt/ibm/db2/V9.1   9.1.0.0        0          1    Fri Sep 3 10:26:33 2010 EDT  
    

1.4.5.5 JDKのバージョン情報の確認

多くのFusion Middlewareコンポーネントは、サポートされるJDKがインストールされ、構成されているかどうかに依存します。現在サポートされているJDKのバージョン情報は、第1.4.3項で説明されているように、Oracle Fusion Middlewareでサポートされる構成のマトリクスに記載されています。

インストールされているJDKのバージョン情報を確認するには、ORACLE_COMMON_HOMEに移動します。この場所には、Fusion Middleware ControlとJava Required Files(JRF)に必要なバイナリ・ファイルおよびライブラリ・ファイルが格納されています。各Middlewareホームに配置できるOracle共通ホームは1つのみです。次の例に示すように、通常のOracle WebLogic Serverインストールには、Oracle JRockit SDKまたはSun SDKのいずれかが含まれます。

ORACLE_COMMON_HOME/jrockit_160_17_R28.0.0-679

または

ORACLE_COMMON_HOME/jdk160_20

Oracle JRockit JDK 6 R28.0.0は、Java SE 6とともに使用されるJRockit JVMの28.0.0リリースであることを示します。同様に、Oracle JRockit JDK 5.0 R28.0.0は、J2SE 5.0とともに使用されるJRockit JVMの28.0.0リリースであることを示します。

完全なリリース番号は次のようになります。

R28.0.0-637-126675-1.6.0_17-20100111-2121-windows-ia32

この例では、R28.0.0はJRockit JVMのリリースを、1.6.0_17はJavaバージョンを、windows-ia32はこのリリースが実行されているプラットフォームを表します。

1.4.6 リリース・ノートの使用方法

相互運用性および互換性に関する特定の問題を解決する際に必要なパッチ・セットの具体的な情報については、Oracle Fusion Middlewareのリリース・ノートを参照してください。これらの特定の問題は、アップグレード・プロセスまたはパッチ適用プロセス中に生じる可能性があります。各リリースのリリース・ノートは、Oracle Technology Network(OTN)で入手できます。

http://www.oracle.com/technology/documentation/

1.4.7 Oracle Fusion Middlewareドキュメント・ライブラリの使用方法

Oracle Fusion Middlewareドキュメント・ライブラリを使用すると、Oracle環境のアップグレード時やパッチ適用時に役立つ情報にアクセスできます。Oracle Fusion Middlewareリリース11g リリース1(11.1.1)ドキュメントのコンポーネント固有の管理ガイド、インストール・ガイドおよびアップグレード・ガイドについては、次のWebサイトから確認できます。http://www.oracle.com/technology/documentation/middleware.html

次の各ガイドには、Oracle Fusion Middleware環境におけるパッチ適用およびアップグレードに関する情報が記載されています。

  • Oracle Fusion Middlewareパッチ・ガイド

    Oracle Fusion Middleware環境にパッチ・セットを適用する方法の詳細は、『Oracle Fusion Middlewareパッチ適用ガイドe』のOracle Fusion Middlewareでのパッチ適用およびアップグレードの概要に関する項を参照してください。

  • Oracle Fusion Middlewareアップグレード・プランニング・ガイド

    Oracle Fusion Middlewareのアップグレード・プロセスの詳細は、 『Oracle Fusion Middlewareアップグレード・プランニング・ガイド』のミドルウェア環境のアップグレードに関するドキュメント・ロードマップの項を参照してください。

  • Oracle Fusion Middlewareインストレーション・プランニング・ガイド

    Oracle Fusion Middlewareのインストールの計画に関する詳細(特に、Oracle Fusion Middlewareの新規ユーザーの場合)は、『Oracle Fusion Middlewareインストレーション・プランニング・ガイド』の開始点の理解に関する項および共通のインストールタスクに関する項を参照してください。