Oracle Fusion Middleware Adapter for Oracle Applicationsユーザーズ・ガイド 11g リリース1(11.1.1.4.0) 部品番号 B61389-02 | 目次 | 前 | 次 |
Adapter for Oracle Applicationsを使用すると、離散データを意味のあるビジネス・プロセスに統合したり、Oracle E-Business Suite内の様々なインタフェース・タイプに対してWebサービスを作成できます。Oracle E-Business Suiteに対するサービス・プロバイダのロールを担っており、異種環境におけるビジネス・パートナ、プロセス、アプリケーションおよびエンド・ユーザー間のシームレスな統合を可能にします。
Adapter for Oracle Applicationsには次の機能が備えられており、各機能についてこの章で詳しく説明します。
Adapter for Oracle Applicationsは、Oracle Applications用の非常に柔軟性の高い統合インタフェースとして動作します。Oracle Applicationsを統合する、次のインタフェース・タイプがサポートされています。
PL/SQL API
これらのAPIを使用すると、PL/SQLを使用してOracle Applicationsにデータを挿入および更新できます。
ビジネス・イベント
ビジネス・イベントとは、システム内の他のオブジェクトや外部エージェントにとって重要な、インターネット・アプリケーション内のオカレンスです。ビジネス・イベントの例には、新規発注の作成や既存受注の変更があります。
Oracle Workflowはビジネス・イベント・システムを使用します。このシステムは、Oracle Advanced Queuing(AQ)インフラストラクチャを利用してシステム間でビジネス・イベントを伝達および管理します。ビジネス・イベント・システムは、イベント・マネージャとワークフロー・プロセス・イベント・アクティビティで構成されます。イベント・マネージャでは、重要なイベントに対するサブスクリプションを登録できます。ビジネス・イベントはワークフロー・プロセス内でイベント・アクティビティとして表されるため、複雑なビジネス・フローやロジックをワークフロー・プロセス内にモデル化できます。
ローカル・イベントが発生すると、イベントを発生させたコードと同じトランザクションでサブスクライブ・コードが実行されます。サブスクリプション処理には、イベント情報のカスタム・コードの実行、ワークフロー・プロセスへのイベント情報の送信、他のキューまたはシステムへのイベント情報の送信が含まれます。
オープン・インタフェース表
インタフェース表を使用すると、Oracle Applicationsにデータを挿入または更新できます。インタフェース表から実表にデータを移動するには、関連するコンカレント・プログラムが動作している必要があります。
コンカレント・プログラム
コンカレント・プログラムを使用すると、インタフェース表から実表へのデータ移動や任意のアプリケーション・ロジックの実行が可能となります。
Oracle XML Gateway
XML Gatewayは、Oracle Applicationsと双方向に統合できます。これは、Oracle Applicationsへのデータの挿入や、Oracle Applicationsからのデータの取得に役立ちます。XML Gatewayは、一般的に使用されるOracle Applicationビジネス・オブジェクトおよびビジネス・インタフェースに対応したOAGIS形式のXMLドキュメントを公開する、よりレベルの高いインタフェースです。XML Gatewayは、インタフェース表、Oracle Workflowビジネス・イベント・システム(BES)およびインタフェース・ビューと統合し、Oracle Applicationsへのデータの挿入や、Oracle Applicationsからのデータの取得を行います。また、基礎となる表データをXMLにマップします(その逆も行います)。
Oracle E-Commerce(EDI) Gateway
Oracle E-Commerce Gatewayは、Oracle Applicationsとサード・パーティ・アプリケーションとの電子データ交換(EDI)統合用に標準ベースの共通アプローチを提供します。
インタフェース・ビュー
インタフェース・ビューを使用すると、アプリケーション表を使用してOracle Applicationsからデータを取得できます。
Adapter for Oracle Applicationsでは、Oracle Integration RepositoryではなくOracle Applicationsモジュール・ブラウザにより公開される次のカスタム統合インタフェース・タイプもサポートしていることに注意してください。
カスタマイズされたPL/SQL API
カスタマイズされたビジネス・イベント
注意: ビジネス・イベント統合インタフェース・タイプも、Oracle Integration RepositoryではなくOracle Applicationsモジュール・ブラウザにより公開されます。
カスタマイズされたXML Gatewayマップ
Oracle Integration RepositoryはOracle E-Business Suiteに不可欠な機能であり、Oracle Applicationsで提供される様々なパブリック統合インタフェースの情報のビルトイン・カタログです。Oracle E-Business Suite全体を一体化した統合インタフェースの包括的なビューが備えられています。
Oracle Integration Repositoryが提供できるのは、開発者が公開のために特に注釈を付けた統合インタフェースに関する情報のみです。Adapter for Oracle Applicationsは、すでに作成済の注釈を利用して、次の統合インタフェース・タイプをOracle Applicationsモジュール・ブラウザで表示します。
XML Gatewayメッセージ・マップ
PL/SQL API
コンカレント・プログラム
オープン・インタフェース表
インタフェース・ビュー
E-Commerce Gateway EDIメッセージ
これらの統合インタフェースはWebサービスとして公開され、Oracle BPEL Process Managerを介したプロセスの統合に利用できます。
Oracle Integration Repositoryの詳細は、Oracle E-Business Suite統合SOAゲートウェイ・ユーザーズ・ガイドのOracle Integration Repositoryのナビゲートに関する項を参照してください。このドキュメントは、Oracle Applicationsドキュメント・ライブラリに付属しています。Oracle Applicationsドキュメントには、次のリンクからアクセスできます。
http://www.oracle.com/technology/documentation/applications.html
注意: Oracle Integration RepositoryはOracle E-Business Suiteリリース12.0以上に不可欠な機能ですが、http://irep.oracle.comで、リリース11.5.10バージョンのホスト環境として使用可能です。
Oracle Adapter for Oracle Applicationsでは、Integration Repository for Oracle E-Business Suiteリリース11.5.10およびリリース12が統合コンテンツの真のソースとして利用されます。ただし、実装はOracle E-Business Suiteのバージョンに基づきます。11.5.10より前のリリースのインスタンスでは、Oracle Adapter for Oracle Applicationsで統合インタフェースの情報を表示する場合、アプリケーション・データベースに直接接続します。Adapter for Oracle Applicationsでは、Oracle E-Business Suiteの次のバージョンに応じて、カスタム統合インタフェースの選択やこれらのカスタム・インタフェースに到達するための設計時のナビゲーション手順もサポートされています。
重要: Oracle E-Business Suiteの各種バージョンのサポートには次の条件があります。
Adapter for Oracle ApplicationsがサポートするOracle E-Business Suiteリリース11i は、OWF.G.Rollup 7が適用された状態で動作するバージョンのみです。
Adapter for Oracle Applicationsリリース10.1.3.3以上がサポートするのは、Oracle E-Business Suiteリリース12.0です。
J2EEデータ・ソースを使用したネイティブOracle E-Business Suite接続機能を使用するには、Oracle E-Business Suiteリリース11i では11i.ATG_PF.H.Delta.6(RUP6)、Oracle E-Business Suiteリリース12ではリリース12.0.4が最小限の要件となります。
詳細は、My Oracle Support Knowledge Document 787637.1『Oracle Fusion Middleware Adapter for Oracle Applications, Release 11g』を参照してください。
ビジネス・サービスの作成時と実行時で、パッケージがAPPSスキーマで使用できるかぎり、Adapter for Oracle ApplicationsではカスタマイズされたPL/SQL APIがサポートされます。Oracle Applicationsモジュール・ブラウザでは、統合を目的として、これらのカスタマイズされたPL/SQL APIを設計時に公開できます。
Oracle E-Business Suiteリリース12のサポート
リリース12からは、Oracle Integration RepositoryがOracle E-Business Suiteに同梱されています。これにより、Adapter for Oracle ApplicationsからOracle Integration Repositoryの本番データベースに直接接続し、publicインタフェースを問い合せて、カスタマイズされたPL/SQL APIのリストをOracle Applicationsモジュール・ブラウザの「その他インタフェース」ノードの下に表示できます。
リリース12におけるカスタム統合インタフェースのサポート
Adapter for Oracle Applicationsでは、Oracle Applicationsに接続する本番データベースからIntegration Repositoryデータファイルを抽出し、Integration Repositoryデータ・ファイルのローカル・コピーをワークプレイスに作成できることに注意してください。次回にpublicインタフェースを検索する際には、システムでワークプレイス内のキャッシュからデータを取得できます。
Oracle E-Business Suiteリリース12への接続の詳細は、各統合インタフェースの「パートナ・リンクの作成」または「パートナ・リンクの追加」設計時タスクを参照してください。
Oracle E-Business Suiteリリース11.5.10のサポート
Oracle E-Business Suiteのリリース11.5.10バージョンをサポートするために、Adapter for Oracle Applicationsでは、製品の一部としてバンドルされたIntegration Repositoryデータ・ファイルがXMLフォーマットで用意されています。設計時に、Adapter for Oracle Applicationsは内部の統合リポジトリのネイティブXMLデータファイルからpublicインタフェースを問い合せて、Oracle Applicationsモジュール・ブラウザの「その他インタフェース」ノードの下にカスタム統合インタフェースのリストを表示します。
リリース11.5.10におけるカスタム統合インタフェースのサポート
Oracle E-Business Suite 11.5.10より前のリリースのサポート
11.5.10バージョンより前のリリースのOracle E-Business Suiteをサポートするために、Oracle Adapter for Oracle Applicationsですべてのインタフェース・タイプに関する統合情報を表示する場合、本番アプリケーション・データベースに接続します。11.5.10バージョンより前のリリースのOracle E-Business Suiteでは、public、privateおよびカスタマイズされたPL/SQL APIの間に違いがないため、Adapter for Oracle ApplicationsではすべてがOracle Applicationsモジュール・ブラウザを介して各モジュールのノードの下に表示されます。
11.5.10より前のリリースについてブラウザから選択する前に、「アダプタ構成ウィザード」で使用するインタフェース・タイプを選択する必要があります。ブラウザには、選択したタイプの全インタフェースが表示されます。
たとえば、「EDIゲートウェイ」インタフェース・タイプを選択した場合、Oracle Applicationsモジュール・ブラウザには、E-Commerce(EDI)Gatewayに関連付けられているコンカレント・プログラムのリストが表示されます。
11.5.10より前のリリースにおけるカスタム統合インタフェースのサポート
設計時にモジュール・ブラウザでAPIを選択すると、選択したAPIはAdapter for Oracle Applicationsによりデータベースと照合して検証されます。そのAPIが特定バージョンのインスタンスのデータベースに存在していれば、関連WSDLファイルが正常に生成されます。
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