この章では、Oracle Fusion Middlewareの管理に関連する問題について説明します。内容は次のとおりです。
注意: この章では、Oracle Fusion Middleware製品の管理において発生する可能性のある問題について説明します。使用中の製品固有の問題については、この文書内で、その製品固有のリリース・ノートの章を参照してください。 |
この項では、一般的な問題および回避方法について説明します。次のトピックが含まれています。
4.1.2項「IPv6とIPv4の混在環境でFusion Middleware Controlからエラーが返される問題」
4.1.5項「Oracle Business Process Managementのテスト環境から本番環境への移行における制限」
OPMNではopmnctl
コマンドを提供しています。実行可能ファイルは次のディレクトリにあります。
ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl: この場所のopmnctlコマンドは、ローカル・システムのOracleインスタンスまたはOracleインスタンスのコンポーネントの作成にのみ使用されます。この場所で生成されるすべてのopmnctlコマンドは、システム・プロセスの管理またはOPMNの起動には使用されません。
Windowsでは、この場所からopmnctl起動コマンドを使用してOPMNを起動すると、WindowsユーザーがログアウトしたときにOPMNとそのプロセスが終了します。
ORACLE_INSTANCE/bin/opmnctl: この場所でopmnctlコマンドを使用すると、Oracleインスタンスごとにopmnctlがインスタンス化されます。この場所からopmnctlコマンドを使用して、このOracleインスタンスのプロセスを管理します。また、このopmnctlを使用してOracleインスタンスのコンポーネントも作成できます。
Windowsでは、この場所からopmnctl起動コマンドを使用してOPMNを起動すると、OPMNがWindowsサービスとして起動されます。そのため、OPMN親プロセスおよびその下位のプロセスは、MS Windowsユーザーがログアウトした後も維持されます。
現在の環境にIPv6とIPv4のネットワーク・プロトコルが両方とも含まれる場合、特定の状況下でFusion Middleware Controlからエラーが返される可能性があります。
Fusion Middleware ControlにアクセスするブラウザがIPv4プロトコルを使用するホスト上に存在し、IPv6プロトコルを使用するホストにアクセスするコントロールを選択すると、Fusion Middleware Controlからエラーが返されます。同様に、Fusion Middleware ControlにアクセスするブラウザがIPv6プロトコルを使用するホスト上に存在し、IPv4プロトコルを使用するホストにアクセスするコントロールを選択すると、Fusion Middleware Controlからエラーが返されます。
たとえば、IPv4プロトコルを使用するホスト上のブラウザを使用しており、同時にFusion Middleware Controlを使用している場合、次のようにIPv6プロトコルを使用するホスト上で稼働するエンティティに移動すると、Fusion Middleware Controlからエラーが返されます。
Oracle Internet Directoryのホームページで、「Oracle Internet Directory」メニューから「Directory Services Manager」を選択する場合。Oracle Directory Services Managerは、IPv6プロトコルを使用するホスト上で稼働しています。
管理対象サーバーのホームページで、IPv6上で稼働するOracle WebLogic Server管理コンソールのリンクをクリックする場合。
IPv6を使用するホスト上のWebサービス・エンドポイントをテストする場合。
IPv6を使用するホスト上のアプリケーションURLまたはJavaアプリケーションをクリックする場合。
この問題を回避するには、/etc/hostsファイルに次のエントリを追加します。
nnn.nn.nn.nn myserver-ipv6 myserver-ipv6.example.com
この例で、nnn.nn.nn.nnは、管理サーバー・ホスト(myserver.example.com)のIPv4アドレスです。
一部のJSFアプリケーションでは、Javaクラス・ライブラリにおけるAbstract Window Toolkit(AWT)アプリケーション・コンテキストのクラス・ローダーの不適切な初期化が原因で、メモリー・リークが発生する可能性があります。oracle.jrf.EnableAppContextInit
システム・プロパティをtrueに設定すると、AWTアプリケーション・コンテキストのクラス・ローダーの即時初期化が試行され、このリークの発生を抑止できます。デフォルトでは、このプロパティはfalseに設定されています。
テストから本番への移行については、次の制限に注意してください。
pasteBinaryコマンドを実行すると、-executesysprereqsオプションがデフォルトでtrueに設定されます。falseに設定すると、操作に失敗します。この問題を回避するには、pasteBinaryコマンドにオプションを渡さないようにするか、コマンドをtrueに設定します。
使用している環境にOracle WebLogic Serverがあり、あるリリースから別のリリースにアップグレードしている場合(例: 10.3.4から10.3.5)、pasteConfigスクリプトは次のエラーで失敗します。
Oracle_common_home/bin/unpack.sh line29: WL_home/common/bin/unpack.sh No such file or directory
この問題を回避するには、次のファイルを編集します。
MW_HOME/utils/uninstall/WebLogic_Platform_10.3.5.0/WebLogic_Server_10.3.5.0_Core_Application_Server.txt file
次のエントリを追加します。
/wlserver_10.3/server/lib/unix/nodemanager.sh /wlserver_10.3/common/quickstart/quickstart.cmd /wlserver_10.3/common/quickstart/quickstart.sh /wlserver_10.3/uninstall/uninstall.cmd /wlserver_10.3/uninstall/uninstall.sh /utils/config/10.3/setHomeDirs.cmd /utils/config/10.3/setHomeDirs.sh
Oracle Virtual Directoryをクローニングする場合、ソース環境のOracleインスタンスの名前は、ターゲット環境のOracleインスタンスの名前と同じにすることはできません。ターゲットのOracleインスタンスの名前は、ソースの名前とは異なっている必要があります。
Oracle Virtual Directoryをあるホストから別のホストにクローニングしたら、ホストBのOracle Virtual DirectoryキーストアおよびEMエージェント・ウォレットに自己署名証明書を追加する必要があります。次の手順を実行してください。
ORACLE_HOMEおよびJAVA_HOME環境変数を設定します。
既存の自己署名証明書を削除します。
$JAVA_HOME/bin/keytool -delete -alias serverselfsigned -keystore ORACLE_INSTANCE/config/OVD/ovd_component_name/keystores/keys.jks -storepass OVD_Admin_password
鍵ペアを生成します。
$JAVA_HOME/bin/keytool -genkeypair -keystore ORACLE_INSTANCE/config/OVD/ovd_component_name/keystores/keys.jks -storepass OVD_Admin_password -keypass OVD_Admin_password -alias serverselfsigned -keyalg rsa -dname "CN=Fully_qualified_hostname,O=test"
証明書をエクスポートします。
$JAVA_HOME/bin/keytool -exportcert -keystore ORACLE_INSTANCE/config/OVD/ovd_component_name/keystores/keys.jks -storepass OVD_Admin_password -rfc -alias serverselfsigned -file ORACLE_INSTANCE/config/OVD/ovd_component_name/keystores/ovdcert.txt
EMエージェントにウォレットを追加します。
ORACLE_HOME/../oracle_common/bin/orapki wallet add -wallet ORACLE_INSTANCE/EMAGENT/EMAGENT/sysman/config/monwallet -pwd EM_Agent_Wallet_password -trusted_cert -cert ORACLE_INSTANCE/config/OVD/ovd_component_name/keystores/ovdcert.txt
Oracle Virtual Directoryサーバーを停止して起動します。
EMエージェントを停止して起動します。
copyConfig操作は、IPv6を使用しており、管理対象サーバーのリスニング・アドレスが設定されていないと失敗します。
この問題を回避するには、Oracle WebLogic Server管理コンソールで管理対象サーバーのリスニング・アドレスを設定します。サーバーにナビゲートします。次に、サーバー・ページの「設定」で、リスニング・アドレスを入力します。管理対象サーバーを再起動します。
Oracle Business Process Managementをテスト環境から本番環境へ移行する場合は、次の制限について注意します。
『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』のOracle Business Process Managementの新規本番環境への移行の項で示すように、Oracle Business Process Managementをテスト環境から本番環境へ移行する場合、Oracle Business Process Management組織単位はインポートされません。
この問題を回避するには、本番環境で組織単位を再度作成する必要があります。また、組織がテスト環境でロールのカレンダ・ルールと関連付けられている場合は、「ロール」画面で再度作成する必要があります。
詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Process Managementモデリングおよび実装ガイド』の組織の使用に関する項を参照してください。
アーティファクトおよびデータは、空の本番環境に新たに移行することをお薦めします。本番環境に同じアーティファクトが存在するか、一部のデータがアップロードされている場合、プロシージャではこれらのアーティファクトが更新されません。
Oracle Service BusがOracle SOA Suiteと同じドメインの一部である場合、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』のOracle SOA Suiteの本番環境への移行の項で説明されている、テストから本番へのプロシージャを使用できません。Oracle Service Busを別のドメインにインストールするか、本番環境を手動で作成します。
Fusion Middleware Controlでは、メタデータ・リポジトリを選択すると、次のエラー・メッセージが記録されます。
Partitions is NULL Partitions size is 0
これらのメッセージは、エラー・レベルで記録されますが、そのレベルは間違っています。正しい記録レベルは、情報を提供するデバッグ・レベルです。
このリリースでは、Oracle Essbaseのホスト損失からのリカバリはサポートされていません。メディア障害など、他の障害からはリカバリできます。
この項では、構成に関する問題およびその回避方法について説明します。内容は次のとおりです。
Fusion Middleware Controlを使用して、SOAインフラを停止する前にOracle SOA Suiteの管理対象サーバーを停止し、その後その管理対象サーバーを起動しても、SOAインフラ・アプリケーションは自動的に再起動しません。SOAインフラを再起動しようとしても、エラーが返されます。この問題が発生すると、ブラウザのダイアログ・ボックスが閉じなくなるため、Fusion Middleware Controlで別の操作を行うことができません。
この状況を回避するには、管理対象サーバーを停止することでSOAインフラ・アプリケーションを含むすべてのアプリケーションを停止する必要があります。管理対象サーバーとSOAインフラを起動するには、管理対象サーバーを起動します。
ブラウザのダイアログ・ボックスを閉じるには、ブラウザに次のURLを入力します。
http://host:port/em
Fusion Middleware ControlとOracle WebLogic Server管理コンソール間のシングル・サインオン・メカニズムとしてWindowsのネイティブ認証(WNA)を使用する場合、次のファイルを変更する必要があります。
web.xml
weblogic.xml
これらのファイルは、em.earファイルに含まれます。em.earファイルを展開して各ファイルを編集してから、em.earファイルに再アーカイブします。次の手順を実行してください(フロントエンドがWindows上にあり、em.earファイルがUNIX上にあると仮定します)。
JAVA_HOME環境変数を設定します。次に例を示します。
setenv JAVA_HOME /scratch/Oracle/Middleware/jrockit_160_05_R27.6.2-20
em.earが含まれるディレクトリに移動し、ファイルを展開します。次に例を示します。
cd /scratch/Oracle/Middleware/user_projects/applications/domain_name JAVA_HOME/bin/jar xvf em.ear em.war JAVA_HOME/bin/jar xvf em.war WEB-INF/web.xml JAVA_HOME/bin/jar xvf em.war WEB-INF/weblogic.xml
web.xmlを編集し、最初のlogin-configブロックをコメントアウトし、WNAのlogin-configを非コメントアウトします。(どのブロックをコメント化または非コメント化するかはファイルに含まれています。)次に、ファイルの一部が次のように表示されます。
<!--<login-config> <auth-method>CLIENT-CERT</auth-method> </login-config> --> <!-- the following block is for Windows Native Authentication, if you are using WNA, do the following: 1. uncomment the following block 2. comment out the previous <login-config> section. 3. you also need to uncomment a block in weblogic.xml --> <login-config> <auth-method>CLIENT-CERT,FORM</auth-method> <form-login-config> <form-login-page>/faces/targetauth/emasLogin</form-login-page> <form-error-page>/login/LoginError.jsp</form-error-page> </form-login-config> </login-config> <security-constraint> . . . <security-role> <role-name>Monitor</role-name> </security-role>
weblogic.xmlを編集し、次のブロックを非コメント化します。(どのブロックを非コメントかするかはファイルに含まれています。)次に、ファイルの一部が次のように表示されます。
<!-- the following block is for Windows Native Authentication, if you are using WNA, uncomment the following block. --> <security-role-assignment> <role-name>Admin</role-name> <externally-defined/> </security-role-assignment> . . . <security-role-assignment> <role-name>Deployer</role-name> <externally-defined/> </security-role-assignment>
em.earファイルに再アーカイブします。次に例を示します。
JAVA_HOME/bin/jar uvf em.war WEB-INF/web.xml JAVA_HOME/bin/jar uvf em.war WEB-INF/weblogic.xml JAVA_HOME/bin/jar uvf em.ear em.war
Fusion Middleware Controlでは、ログ・ファイルとログ・ファイル・メッセージが表示されるページの列の順序を変更できます。ただし、ページから一度移動して戻ると、列の順序は元に戻ります。
Fusion Middleware Controlでは、クラスタにデプロイされているアプリケーションはトポロジ・ビューアに表示されません。
ログ・ファイル形式を変更する場合、次のことを考慮してください。
ログ・ファイル形式をテキストからXMLに変更する場合、パスは指定しますが、ファイル名は省略します。新規ファイルの名前は、log.xmlになります。
ログ・ファイル形式をXMLからテキストに変更する場合、パスとファイル名の両方を指定します。
SSL自動化ツールを使用する際、次の問題が検出されました。
スクリプトによって、クリア・テキストにパスワードを含む中間ファイルが作成されます。スクリプトが失敗すると、これらのファイルは削除できません。スクリプトに失敗した後は、rootCA
ディレクトリ下のファイルをすべて削除します。
Oracle Internet Directoryパスワード・ポリシーが有効な場合は、ウォレットまたはキーストアに入力したパスワードがポリシーに違反していると失敗します。
スクリプトを実行する前に、使用する環境にJDK 1.6をインストールし、JAVA_HOME
を設定する必要があります。
Oracle Virtual Directory構成スクリプトに失敗した場合は、実行ログをチェックするか、シェル・スクリプトのデバッグを有効化して特定のエラーを参照します。次のようなエラー・メッセージが表示される場合は、新規キーストア名でスクリプトを再実行します。
WLSTException: Error occured while performing cd : Attribute oracle.as.ovd:type=component.listenersconfig.sslconfig,name=LDAP SSL Endpoint,instance=%OVD_INSTANCE%,component=ovd1 not found